メディアが騒がない土肥信雄元三鷹高校校長の敗訴
元都立三鷹校長である土肥信雄氏の完全敗訴の判決が1月30日
に東京地裁で下された。
この訴訟に関心を持っている国民が果たして何人いるだろうか。
関心を持っているとしても、この訴訟の本質を正しく知っている
者が果たしてどれほどいるだろうか。
土肥氏の訴訟の発端は国歌、国旗への敬礼を強制する東京都教育
委員会に対する抗議だ。
教育委員会に反旗を翻したことで解雇され、以来、定年後の再雇用
も認められないという仕打ちを受けた。
こう書けば国歌、国旗を認めない左翼イデオロギストのように聞こ
えるが土肥氏の行動は決して左翼のそれではない。
国歌、国旗に敬意を表する事は認めるが、それを教師に強制する事
は間違っている、憲法違反だ、というものである。
教育委員会という権力組織が職員の自由な議論を奪うことは許され
ないと主張し、それで冷や飯を食わせられるのは不正義だ、と言って
いるに過ぎない。
これは政治イデオロギー闘争とは何の関係もない不正義を正す
という話だ。
誰が見ても正しい行動だ。
土肥氏の経歴を見るとさらに興味深い。
東大を出て大手商社に勤務した。私の言ういわば勝ち組だ。その彼
が商社の不正を知って商社を止め教師となる。そして教師になって
公立高校の校長にまでなる。体制側に身を置きながら、体制側の悪を
見過ごすことが出来ないのだ。
その彼が教育委員会という権力に筋を通して反旗を翻す。
権力側にとってはもっとも許し難い反逆者に違いない。
いわゆる左翼が行なう国歌、国旗敬礼違反についての違憲訴訟で
あれば左翼がこぞって騒ぎ、応援する。
それは政治的訴訟であり世論の関心も集まる。
裁判所も下手な判決は下せない。
ところが土肥氏の訴訟はそれとは違う。教育委員会の命令に反し
た事を理由に不当処遇を受けたことに対する訴訟だ。
だから左翼がこぞって土肥氏を応援するわけでもない。
だからこそこの訴訟はニュースにならない。
この判決に対する評価も分かれる。
「管理機関である都教育委員会が校長に命令するのは当然であり、
地方公務員である校長は従うべきだ」などと言う意見も出てくる。
しかし私は土肥氏の行動を高く評価する。
権力の不正義に対するたった一人の反乱だ。
頼みは土肥校長を慕う生徒であり、巨悪に挑む心意気に感動する
市民たちだ。
世の中を変えようとする場合、私はこういう人物と組みたい。
土肥校長には最高裁まで闘って欲しい。
時代は変わる。必ず正義は実現される。
そういう国に日本はならなくてはいけない。
了
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