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2010年03月17日

 鳩山邦夫の自民党離脱で加速する政界再編

 
 
 久しぶりに政局について書く。

 毎日政局について書いてもいいのだが、あまりにもくだらないからしばらくは書かない。

 この通りに政局は動いていくから、これを書いた後は眺めていればいいのだ。

 私のように、全ての政党と無関係であり、貸し借りもなく、それどころか、全ての政党を等距離で否定できる者にとっては、 思惑や利害関係に絡め取られた下手な政治評論家やメディアよりもはるかに政局が良く見える。

 脚色せずに真実を語る事ができる。

 鳩山邦夫の自民党離脱の評判がすこぶる悪い。

 確かに鳩山邦夫のこれまでの言動や自民党離脱のタイミングなどを見ると、叩かれてもしかたがないところがある。

 しかし鳩山邦夫の今回の行動は間違いなくすべての政党、すべての政治家、そしてそれらと結びついているメディアに大きな衝撃を与えたはずだ。

 彼の言動をわざと冷ややかに見ようとするところにその衝撃が読み取れる。

 先を越された、しゃらくさい、というのが皆の本音なのだ。

 何がしたいのか政策がない、などという批判に至ってはお笑いものだ。

 今のどの政党がまともな政策を掲げてそれに忠実であるというのか。

 政策で一致しているというのか。連立でも野合でも、政権をとれば
すべてなのだ。

 見ているがいい。これをきっかけに毎日のように政局のニュースが流される。

 鳩山邦夫の意図や能力や国民的人気がどうであれ、そして鳩山邦夫が主役の座から消えたとしても、日増しに政界再編の動きは加速していく。

その理由を以下に列挙する。

1.何よりもまず自民党はこのままでは選挙に臨めないということだ。

  これだけ民主党の支持率が低下しているのに、谷垣・大島自民党の人気は回復しな い。

  よほどの馬鹿でない限りそれに気づかない自民党議員はいないだろう。

  極端な事を言えば、谷垣・大島現執行体制を変えただけで支持率が民主党と逆転す るかもしれないほどだ。

  今の民主党や自民党はそこまで国民に見放されているのだ。

  与謝野や桝添や河野や後藤田や、誰でもいいが、時が来れば行動を起こさざるを得 ないのだ。如何に自分に有利な形とタイミングを狙って動きだすか、それだけだ。

2.自民党のダメさ加減とは無関係に、鳩山民主党は限りなく限界に達しつつある。そ の理由は枚挙にいとまがない。

(1)鳩山政権の支持率は回復しない。それは政治とカネの問題ではもはやない。政策 が国民の期待を裏切ったからだ。そして鳩山首相の政治的指導力では今の国民の切迫 した不満を満たす政策の実現は無理だ。

   まだ半年だ、自民党よりはましだ、などという民主党支持者は、何らかの民主党 利害関係者か、お人よしか、政治などどうでもいい余裕のある連中だ。決して苦しめ られている一般国民の声ではない。

(2)参院選での勝利をすべてに優先する小沢戦略は一般国民の共感を得られない。
   小沢の選ぶ候補者の顔ぶれを見るがいい。主義主張の異なる労働組合と組み、自  衛官から三流タレントまで、票がとれれば誰でもいいといわんばかりの人選、選挙  のためにはあれほど国会で追及していた公明党とも接近する。

   これは国民の愚弄だ。何のためにそこまでして選挙に勝ちたいのか。まともな国  民なら誰もがそう思うだろう。

(3)今の政局を語る最大のポイントは参院選挙で単独過半数を取れなければ小沢戦略の敗北であるということである。ねじれ国会では小沢民主党は動きが取れなくなる。そこまで反小沢民主党が根強い。

   しかし今の民主党では単独過半数は不可能だ。

   相手が今のままの自民党であればあるいは勝てるかもしれない。しかし自民党が  分裂し、新党が乱立すれば票は流れる。

   それは、民主党が第一党として勝利する事には有利であっても、単独過半数を取  るためには明らかにマイナスだ。

   自民党の分裂・消滅・新党乱立を民主党が素直に喜べない理由がそこにある。

(4)民主党内部は既に分裂している。ましてや反小沢派と小沢派の修復はもはや不可  能だ。

   民主党の多くが民主党らしさを出さなければいけないと口に出すようになった。  それは脱小沢である。

   それを見た小沢は子分を引き連れて何時でも民主党を割る可能性はある。単独過  半数を取れなければその動きは決定的だろう。

   自民党さえ分裂させれば、何時でも与謝野などの旧自民党分子と組もうとする病  気を小沢は再発させる性癖を抱えている。

3.賢明ならここまで読み進んでくれば気づくと思う。それは何か。これからの政治は もはや一つの政党が単独で過半数を取れる時代ではなくなったということだ。

  単独過半数を取ろうとすれば必ず無理がでる。カネや人材不足や政策不一致など、 どれか一つ、あるいはそのすべてにおいて矛盾が出てくる。

  つまりこれからの政治は連立政権が不可避であるということなのだ。

  小選挙区制にしたから二大政党制は不可避だ、という前提が間違いだということ  だ。

  たとえ小選挙区制であっても一つの政党が単独過半数を取れなければ少数政党が政 権に影響力を及ぼす事ができる。

  それを我々は国民新党と社民党で見てきた。

  亀井静香のワンマン党や消滅寸前の社民党でさえ連立を組めるのだ。ましてやもっとまともな政党をつくればキャスティングボートを握れるということだ。

4。それは政治の混乱を意味する。しかし政治の混乱は、取りも直さず我々国民が主役 になれるという事だ。

  すべての政党、政治家が国民の一票を求めて動く事になる。世論調査の人気に振り 回される事になる。

  それは決して衆愚政治ではない。国民がしっかりしていれば、それこそが民主政治 の本来の姿なのだ。

  日本の政治は本格的な民主政治の時代に突入しつつあるということだ。

  それを民主党が教えてくれた。政権交代をして自民党政権を終わらせたことで教え てくれた。そして国民の期待を裏切るような政策を行えば国民から見放される事で教 えてくれた。

  衆愚政治になるか本物の民主政治になるかは、最後は国民の政治意識と自覚の問題 という事になる。

  国民は政治家に任せるのではなく、自ら正しく情報をつかみ、しっかりと政治を監視していかなくてはいけない。

  

  おしらせ

 3月15日から高知新聞に6日間にわたって私の寄稿が連載されています。

 日本のパレスチナ政策に対する渾身の批判です。それはまた日本の対米従属外交批判でもあります。

  詳しくは高知新聞(088-822-2111) 天野弘幹記者に連絡下さい。


 


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2010年03月14日

情けないぞ社民党

    

 3月12日の参院予算委員会で福島瑞穂大臣が自衛隊出身の佐藤正久議員に詰め寄られたらしい。「自衛隊は合憲ですよね」と。

 答えに窮した福島大臣は、最後は「内閣の方針に従う。自衛隊は違憲ではない」と憮然として答えたという。

 それを大手新聞が面白おかしく書き立てている。

 今や私は誰よりも強い護憲論者である。

 この福島社民党党首の対応ぶりに腹立たしさを禁じえなかった。

 憲法9条もさぞかし泣いていることだろう。

 たかが一佐あがりの一年生議員に天下の護憲政党の党首がこの体たらくでどうする。

 ダメ社民党でも護憲政党だ。なんとか応援しなくてはいけない。

 福島大臣は佐藤議員をこう一喝すべきだったのだ。

 

 「そんなおろかな質問をするものではない。あなたは日本の戦後史を知らないのか。

 憲法9条が出来た時は自衛隊など想定されていなかった。もちろんその時は違憲だ。

 なにしろ吉田茂総理さえも、憲法9条は自衛のための戦争まで禁ずると答弁したくらいだ。

 しかし朝鮮動乱が起きて米国が自衛隊を作らせた。冷戦が本格化して米国が自衛隊を強化しろと命じた。

 そんな自衛隊であったが、その後半世紀をへて、災害救助などで活躍する自衛隊を国民は受け入れた。日本を守ってくれる自衛隊であると信じて自衛隊を尊敬している。

 そのような自衛隊の存在を私は否定しない。

 しかし、今の自衛隊は違憲状態にある。一昨年4月の名古屋高裁の判決でも、バクダッド空輸は明白な違憲だと断じた。

 それよりも何よりも、今の自衛隊は米国の戦争に加担させられ、その手駒として使われている。

 情けないとは思わないのか。日本を守るはずの専守防衛の自衛隊が、米国のために命がけで戦地に赴く。あなたはそんな事でいいと本気で思っているのか。

 国民を裏切っていると思わないのか。

 ところで、あなたは、サマワに派遣された時に「駆けつけ警護」をするつもりだったとかつてテレビで発言した。

 あえて巻き込まれなければ正当防衛にならないからそうするのだ、と話した。

 その思いは今も変わらないのか。この国会の場で国民に向かってもう一度答えるがいい。

 憲法99条に基づく国会議員の憲法遵守義務を知らないような者に、合憲かどうかの質問を私にする資格はない。

 いや、あなたは国会議員を続ける資格はない」

                             完

 「天木直人のメールマガジン」の配信テーマ

  1.三井環元大阪高検公安部長が言いたかった本当の事

  2.朝青龍問題は芸能ネタの問題ではない 
  
 


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2010年03月12日

三井環元大阪高検公安部長が暴いた小沢・検察ガチンコ勝負の裏

 

 発売中の月刊誌宝島の4月号に三井環元大阪高検公安部長の検察批判の手記が掲載されている。これは物凄い手記である。

 物事の本質を見抜けない者がこれを読むと、小沢・鳩山民主党つぶしに失敗した検察官僚批判と受け止めるだろう。

 しかしこの手記はそのような単純な検察批判ではない。

 小沢幹事長や鳩山首相のカネの問題を最後まで追及できなかった検察の不甲斐なさを批判しているのだ。

 なぜ検察はダメになったのか。それは裏金に手を染めた検察がその弱みを政治家に握られたからだと三井氏は言う。

 小沢不起訴の背景に、裏金問題を持ち出されて震え上がった検察幹部の姿があったとしたらどうか。

 三井氏は、かつての日本歯科医師会闇献金問題における実話を通じて、問わず語りにそのことを指摘している。

 なるほど合点がいく。

 原口総務大臣が裏金はすべて明らかにすると言ったのは、決して本気で検察の裏金を追及するつもりではなかったのだ。

 検察への脅しをちらつかせる事で検察を支配できるのだ。

 おりしも、北海道教職員組合の政治資金規正法違反が表面化した。

 3月12日の毎日新聞は、輿石参院議員会長が自宅敷地を農地の違法転用により使用している事を報じている。

 いずれも報じられている事が事実ならば明らかな違法行為だ。

 しかし三井氏の指摘が正しいとすればいずれもトカゲの尻尾きりで終わる事になる。

                                完

 「天木直人のメールマガジン」では他に次のテーマで配信しています。

 1.隠されて行われていた在日米軍幹部への叙勲

 2.密約公表が鳩山民主党政権の対米外交に突きつけた重い課題

 


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