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2010年06月14日

 憲法9条改正が現実となる日

 いまや最強の護憲論者である私がこういう事を書かなければならないとは。それほど政治は憲法9条にとって危機的状況になりつつある。

 いままでのどの自民党の首相も出来なかった憲法9条改正。

 安保改定を強行したあの岸首相も憲法9条改正に手をつけることはできなかった。

 憲法9条改正が悲願であると公言してはばからない大勲位中曽根首相も、今や90歳を過ぎてあきらめつつあるかのようだ。

 その憲法9条改正が、市民活動家宰相の菅直人首相の政権の下で行なわれるとすれば、これ以上の皮肉はない。

 護憲を売り物にしてきた共産党や社民党の政治家にとってこれほどの屈辱はない。

 そう思えてくるほどの菅直人民主党政権の支持率の高さであり、その国民的支持を得た菅政権の対米従属振りである。

 菅首相は施政方針演説のなかで、日米同盟は日本の安全保障のみならず、アジアの安全保障のためにも欠かせない国際公共財である、と言いきった。あの小泉首相もここまでは言わなかった。

 外務官僚の書いたこの日米同盟礼賛の演説を菅直人首相が棒読みした、この深刻性を指摘したメディアはどこもなかった。ここに私は危機感をいだくのだ。

 戦後65年続いた安保論争はついに国民の意識から失せてしまうのだろうか。

 もちろん現実主義者の菅直人首相が9条改正に打って出る事はない。そんな事をして世論を刺激する事は一銭の得にもならないからだ。

 しかし菅直人が選んだ菅内閣の言動を見ると、憲法9条改正の動きが出てきても少しもおかしくはない。

 6月14日の毎日新聞が書いていた。玄葉光一郎政調会長が憲法調査会を復活させる方針であると。

 その玄葉氏は6月13日のNHK政治討論番組で口を滑らせた。沖縄問題を反基地闘争にはさせないと。

 この発言は聞き捨てならないと噛み付いたのは共産党の小池晃政策委員長だけだった。そしてその声は一顧だにされずにかき消された。

 6月14日の朝日新聞「グローブ」第41号は、内閣法制局と憲法解釈の特集号を組んでいた。その中で述べられていた枝野幹事長の次の言葉を私は見落とさなかった。

 内閣法制局の憲法解釈にはとらわれない、と次のように答えている。

 「・・・(内閣法法制局長官が)何を言っても、首相や官房長官が『あれは参考意見です』と言えばおしまい・・・最終的には大臣の判断で決まる・・・」

 その枝野幹事長は民主党きっての改憲論者である。

 そして彼らを内閣の枢要ポストに据えたのは菅直人首相である。

 繰り返して言う。

 菅直人首相は現実主義者だ。彼は憲法9条改正など言い出す事はない。

 しかし、消費税増税はもはや与野党の一致した合意のごとくなりつつある。国民の多数がそれを支持するという既成事実がつくられつつある。

 菅直人が憲法9条改正を言い出せばそれが実現する可能性はあるということだ。

 55体制下では考えられなかったことが、いとも簡単に行なわれるような政治状況が生まれつつあるのだ。

 普天間問題がすっかりメディアから消えた。沖縄県民には我慢してもらわなくてはならない。そのためにはなんでもする。こういう事ばかりがこれからのメディアで書かれ続けていくだろう。あたかもそれしか選択はないかのごとく。

 私が沖縄と消費税増税を対立軸とした究極の政界再編が必要だと警鐘を鳴らす理由がここにある。

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