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2010年05月30日

 鳩山首相の罪と福島社民党の大罪


 以下本日の「天木直人メールマガジン」から引用する

 
 引用開始


 これから参院選までの気が遠くなるほど長い一ヶ月あまりの日々において、毎日のように
メディアは鳩山・小沢民主党たたきを繰り返す事だろう。

 耐え難いほどの愚劣な日本の政治だ。

 その政治をネタにして安易な番組づくりに走るメディアの喜ぶ顔が目に浮かぶ。

 鳩山首相の何が一番罪深いか。

 それはもちろん普天間基地問題をめぐる迷走の果ての対米従属である。

 しかし、いまや鳩山首相の本当の罪は、出番がなくなったはずの有象無象の旧勢力を勢いづかせた事だ。

 だからと言って彼らに復権の余地はない。

 だからこそ、ここぞとばかりに旧勢力は鳩山民主党政権批判を繰り返し、溜飲を下げるのだ。

 これは国民不在の壮大な茶番だ。

 5月30日の読売新聞の栃木県版に、県内の商店街の9割が5年前と比べて「衰退している」と感じている、という実態調査結果が報じられていた。おそらく全国の地方も同じ状況だろう。

 景気回復も財政破綻問題も格差問題も年金問題も口蹄疫問題も、何もかも、もはや政治や行政は無策である。

 政局に明け暮れている暇はないのに、その政局を更に混乱させてしまった。その鳩山首相の責任は重い。

 しかし、福島社民党の罪はもっと大きい。

 猫も杓子も鳩山首相の罪をあげつらう一方で、普天間基地問題で筋を通して女を上げたと福島社民党党首を持ち上げる向きがある。

 とんでもない。見当違いも甚だしい。

 鳩山民主党政権の足を最後まで引っ張り続けたのは社民党であった。

 社民党が本当に沖縄県民の事を思い、平和憲法を尊重する政党であったならば、「対等な日米同盟重視」を標榜する民主党との連立政権など最初から組めるはずはなかった。

 権力欲しさに連立政権を組んで閣僚におさまったのだ。

 そうである以上、日米同盟を優先させた鳩山首相の決断を尊重し、鳩山民主党政権と政治生命をともにすべきだった。

 さもなければ、鳩山民主党政権が沖縄県民切り捨てることがあきらかになった5月4日の時点で、潔く連立離脱を宣言し、沖縄県民の先頭に立って鳩山民主党政権の辺野古回帰に断固反対して戦うべきであった。

 沖縄県民とともにあると豪語するのであればなおさらだ。

 罷免と言う選択を迫って鳩山首相を窮地に追い込みながら、筋を通したと選挙対策のために自己宣伝するなどとはあまりにもおこがましい。

 みのもんたなどのテレビ政治番組の常連となり、いままたテレビに出まくって、鳩山攻撃の旧勢力におだて挙げられ、鳩山民主党攻撃に利用される。そんな福島社民党は大罪をおかしている。

 見ているがいい。社民党は辻元あたりを閣内に残していまだに民主党との選挙協力に未練がましくするだろう。

 日米同盟に反対する私のような国民を最も愚弄する政党である。

 今度の選挙で消滅すべき政党である。
                  
                     引用終わり

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2010年05月29日

 見事な裏切りで終わった鳩山連立政権の普天間騒動

  


 一週間ほど日本を離れて5月28日の夜に帰国した私は今朝(29日)の朝刊で普天間基地移転問題の顛末を知った。

 見事な裏切りで終わった鳩山連立政権の普天間騒動であった。

 私は日本を離れる前、週刊金曜日から原稿を頼まれた。5月28日にも想定される日米共同声明の発表を見越してのコメントを書いてくれ、という。

 最も決定的な動きが起きる数日間を不在にしながら、その結末を予測してコメントするなどということは、いくら予定原稿といえども乱暴だ。

 それを承知で編集者に21日の時点での私の思いを電話で話した。

 それが昨日(5月28日)発売の週刊金曜日創刊800号に掲載された。

自慢をするわけではないが、そこで述べたことは、今朝(29日)の報道を知った後で書く、このメルマガと寸分の狂いもない。

 読者には是非それに目を通していただきたいが、一言で言えば次のごとくだ。

 まず指摘したい事は、鳩山首相の壮大な裏切りと開き直りである。

 これまで普天間基地問題をめぐっては様々な憶測報道がなされてきた。その中にはサプライズをかすかに期待させる報道も見られた。

 しかし、見事に外務、防衛官僚と米国の筋書き通りの結論で終わった。要するに鳩山首相には何もなかったということだ。

 しかも彼には悩みはない。

 日中韓首脳会談とやらで日本を飛び立つ鳩山首相と彼を見送る平野官房長官のふやけた笑顔がテレビのニュースに映し出されていた。

 それを見て確信した。彼は自分が正しい事をしたと思っているのだろう。うまく切り抜けたと思っているのだろう。このまま政権を担い続けるつもりだ。

 北朝鮮制裁に向けて断固たる態度で臨むという。中国を説得するという。その後は日ソ領土交渉だという。ふざけた話だ。

 それにしても過去一週間の新聞を通読して見て、小沢幹事長や菅直人副総理の言葉がない。あまりにも無責任だ。鳩山民主党政権では政治主導の外交は出来ない。

 しかし、今度の普天間問題の迷走の真の犯人は福島社民党であると私は思っている。

 とっくの昔に政権離脱をしていると思っていたが、罷免されてもなお連立政権にこだわり、自分たちが正しかったと臆面もなく言っている。

 私が一番驚いたのは、自分を罷免した事は沖縄県民を罷免したことだ、日本国民を罷免した事だ、などと口走ったことだ。

 そのあまりにあつかましさは鳩山首相以上だ。

 鳩山民主党をここまで増長させたのは、憲法9条より連立政権を優先した社民党の大罪である。

 三番目に指摘したいのは、自民党他の野党の体たらくである。

 なぜ彼らは鳩山民主党政権を倒せないのか。それは彼らが鳩山民主党政権以上に対米従属的であるからだ。

 彼らがいくら鳩山首相を批判しても誰も聞く耳を持たない。自分たちもまた沖縄県民や日本国民より米国を優先して来たからだ。たとえ政権を取り戻しても、鳩山民主党政権と同じ事を繰り返すほかはない。

 これから参院選挙までの一ヶ月あまりは、耐えがたき不毛な政治状況が続くだろう。

 もはや私にはそのような政治に関心を持つことは出来ない。日本の政治は落ちるところまで落ちるしかない。

 普天間基地問題をいまさら論じてみたところで無意味だ。対米従属は米国の戦争に巻き込まれるところまで行かないと終わらない。

 その思いは、6月下旬に講談社から発売予定の私の著書「さらば日米同盟」で明らかにする。

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2010年05月20日

 鳩山首相はグアム移転協定を凍結すべきだ


 今日のメルマガからの転載です。


 引用開始


 普天間基地騒動の裏で大手メディアが決して書かないタブーがある。

 それは何か。自民党政権の最後の段階で結ばれたいわゆる在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する協定(グアム移転協定)のことだ。

 この協定は、もとをただせば2006年に5月に、引退直前の小泉首相が、まるで置き土産のようにブッシュ大統領と合意した米軍再編に関する日米合意(再編実施のための日米ロードマップ)にその源がある。

 すなわち在沖縄米海兵隊をグアムに移転してやる代わりに、その費用の大部分を日本側が負担しろ、しかも普天間基地を返してやる条件として代替施設を辺野古に造れ、と言うものだ。

 当時の報道では、グアム移転にともなう日本側の経費負担は全部で約60億ドル。そのうち日本政府が直接財政支援する額が約28億ドルと報じられた。

 この28億ドルは国民の血税から支払われる。だから国際協定を締結して国会審議を経なければならない。

 それが2009年2月にクリントン米国務長官と中曽根弘文外相の間で結ばれた「グアム移転協定」である。

 およそ歴代の外務大臣の中でも最も外務官僚に従順だった中曽根弘文外相が、政権交代を見越して結ばされた協定だ。まともな国会審議もなく、誰もその内容を知らないうちに出来た。

 そしてこれに従って日本は毎年血税を米国に払うことになっている。

 おかしくないか。

 政権が交代し、普天間基地移設も在米沖縄海兵隊のグアム移転も再交渉中なのである。

 それなのになぜ日本の財政負担だけが何事もなかったかのように粛々と続けられているのか。

 そもそも2006年の日米合意は、米国がいわゆるパッケージ論を持ち出して、普天間基地を返還するかわりに辺野古に新しい代替施設を造れ、それが出来なければグアム移転もチャラにする、と圧力をかけた合意である。

 しかもグアム移転は、米国が自らの米軍再編策の一環として決めた米国の政策である。

 ところが米国は在沖縄海兵隊の撤退を求める日本の足元を見て悪乗りした。グアム移転の経費負担をしなければ、そして普天間基地の代替施設を造らなければ、パッケージだからグアム移転もチャラだぞ、と脅かした。

 鳩山首相は、よく勉強したほうがいい。

 外務官僚は決して教えないから自分で勉強して気づかなければいけない。

 米国と自民党がつくりあげたパッケージ論を逆手にとって、いまこそ普天間基地移設問題が決着するまで、グアム協定の実施を凍結する、財政支払いを停止する、というべきなのだ。

 これこそが鳩山首相が最後に切り出す最強の対米交渉カードなのである。

 ところが普天間基地をめぐる議論の中で、鳩山首相ばかりが悪者にされている。

 このグアム移転協定のことなどまったく触れられない。日本は財政負担だけさせられている。

 しかもその財政負担が、とんでもないものであった事が5月19日付の日刊ゲンダイで明らかにされていた。

 すなわちグアム移転協定はその第4条で、米国政府は日本側が提供した資金から生じた利子をグアム移転経費に使用できるとされているというのだ。

 これはあの沖縄密約からはじまった米金融資本主義の手口だ。米国は日本から金をむしりとるだけではなく、その金を運用して金利までむさぼっているのだ。

 日本国民がこの事を知ったらふざけるな、という事になる。そんな遊び金があるくらいなら、利子ともども日本の国民生活に使え、と怒らなければおかしい。もとを質せば日本国民の血税である。

 鳩山首相はこの事を国民の前に明らかにすべきだ。こんなふざけた協定が自民党政権下で結ばれていた、と。

 普天間基地移設問題どころではない。米軍再編への協力合意も、グアム移転協定も、みな自民党政権が国民に隠して米国と合意したものだ。

 政権交代をした鳩山首相は、この機会にはじめから国民の見えるところで再交渉をし直すべきではないのか。

 少なくともグアム移転経費の凍結は直ちに行わなければならない。これこそが政権交代による対米外交の真骨頂である。

                           引用終わり

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2010年05月15日

ヤクザと創価学会の真実

 


 このタイミングを逸したら書く意味がなくなるというテーマがある。

 これから書くこともその一つだ。

 発売中の写真週刊誌フライデー(講談社)の5月28日号に、「元後藤組組長が明かしたヤクザと創価学会の真実」という驚愕の記事を見つけた。

 その記事は、きょう5月15日発売の自叙伝「憚りながら」(宝島社刊)のなかで元組長が告白しているという、創価学会と後藤組の驚くべき癒着関係を紹介している。

 それは一言で言えば、創価学会が巨大権益にまつわるトラブル処理のため後藤組を用心棒として使ったうえ、ダーティワークも任せていた、という告白である。

 後藤氏がかくも衝撃的な告白本を世に出したのは、義憤にあるという。

 「創価学会は人を利用するだけ利用して、用済みになれば簡単に切り捨ててきた」
 「池田教が国家権力の中枢に入り込み、日本を乗っ取ろうとしている」
 「一番の悪はやっぱり裏で(他の者に)汚れ役をさせといて、表で善意に満ち溢れた教祖様面してる池田大作だろうな」

 おどろくべき痛烈な批判だ。

 このような批判は誰もこわくてできない。

 国民にとって逆らう事のできない絶対的暴力が組織暴力団の暴力である。
 その組長が覚悟して告白したから何でも書けるのだ。

 いまでこそ公明党は野党になったが、公明党は過去10年間自民党との連立政権を組んで日本を動かしてきた公党だ。

 その公明党の支持母体である創価学会が暴力団組織とこのような関係を続けていた。その事を当事者が告白したのだ。義憤にかられて。

 政治がまともに機能していたなら国会で大問題になるところだろう。

 果たして政治はまともに機能しているのか。

 後藤氏自身もそれを覚悟して書いたのだろう。次のように語っているという。

 「池田や学会、公明党がガタガタ言ってくるんなら、いつでも相手になってやるよ。なんなら民主党も、学会と反目になって『黒い手帳』とかいう本を出した矢野さんと俺を、国会で証人喚問したらどうだ」

 物凄い挑発だ。物凄い覚悟だ。

 果たしてこの週刊フライデーの記事は、いや、その記事の元になっている後藤組元組長の「憚りながら」(宝島社)という本は、参院選前の日本の政局や、その後の連立政権組み換えにどのような影響を与えるのだろうか。

 私が冒頭にいまこの記事を指摘しておかないと意味がないと書いたのは、間違いなくこの著書がこれからメディアをにぎわすからだ。

 あるいはそれとは逆に、これほどの重大問題にもかかわらず、いや重大問題であるからこそ、メディアはまったく無視して沈黙を守るのかもしれない。

 あれほど公明党を国会の場で追及した民主党の石井一議員も沈黙するのだろうか。

 政権政党になれば公明党と不要な摩擦は起こさないということか。

 どちらに転んでも週刊フライデーが掲載した一本の記事に関する反響が、この国の政治の正体を我々に示してくれる事になる。

 このメルマガは今書いておかないとまったく意味のないものになる、という意味はそこにある。

 ここ一週間、国会やメディアから目が離せない。             
                  
               

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2010年05月11日

今こそ憲法9条新党の結成を期待するー山内徳信、服部良一議員に告ぐ


 このブログの読者のなかで、社民党の山内徳信参院議員と服部良一衆議院議員に近い読者がいたら、是非このブログを彼らの目に届くように転送願いたい。

 私は彼らが10日に官邸前の交差点の歩道で普天間基地沖縄県内移転の反対を訴えて演説を行った事を知って、深い感銘を覚えた。沖縄の平和実現を願う真の覚悟を見た。

 今こそ彼らは、私の悲願である新党憲法9条の結党を宣言すべきだと思った。

 残念ながら私は政治家ではないからそれをすることはできない。

 しかし彼らは政治家だ。しかも平和を願う政治家だ。なによりも米軍基地のない沖縄を願う政治家だ。

 そうであれば、日米同盟から決別して、憲法9条外交に徹する日本の実現、その一点で国民に訴える新党憲法9条を結成すべきである。

 日米同盟を是認する今の社民党にいてはその思いは実現できない。いまの政治の中のどの政党に属していても、その思いを訴えることは出来ない。

 確かに日本共産党は日米同盟に反対し、憲法9条外交を唱えている。その政治的姿勢を私は評価する。

 しかし共産主義というイデオロギーを離れて、安保反対、憲法9条を掲げた平和外交を願う一般国民はこの日本に多数いる。

 その国民の平和の思いを政治の場に反映させる政党が今ほど求められている時はない。

 ならば今度の参院選前に新党憲法9条を立ちあげて、一人でもいいから平和の使徒としての政治家を国会に送り込むのだ。

 幸いにして山内議員も服部議員も、今度の参院選は関係はない。しばらくは政治家を続けられる。

 しかも彼らはこのまま社民党に残ったところでその思いを遂げる事はできない。

 遅れて政治家になった彼らにはもはや平和を訴える事しか存在意義はない。

 それを一番よく知っているのは彼ら自身のはずだ。

 政治家として彼らがなしうる事は、もはや基地なき沖縄の実現や日米同盟からの日本解放に貢献する以外に何もない。

 そうだとすれば今こそ新党憲法9条を立ち上げる時だ。

 自民党はもちろんだが民主党もまた対米従属から抜け出せない。そのことが国民の目の前で明らかになった。

 乱立する新党はいずれも日米同盟重視を唱える保守、反動政党ばかりだ。

 選挙に勝つためになりふり構わず知名度の高い候補者擁立に奔走している。

 自分たちだけの選挙に明け暮れる今の政治や政治家達に国民はほとほと愛想をつかしているのだ

 憲法9条の実現を本気で訴える無私の政治家の登場を国民は待っているのだ。

 新党憲法9条を立ち上げよ。

 そしてインターネットを通じて世の中の同じ思いを持つ国民に問いかけよ。誰が一番ふさわしい新党憲法9条の候補者であるかを。

 そしてその人物を担ぎ出し100万票を集めて一人当選させるのだ。

 それで山内、服部とあわせ3人。できれば沖縄の糸数慶子議員に呼びかけて参加してもらう。あと一人。次の選挙でもいい。選挙のたびごとに一人当選させられれば5人の立派な政党要件を満たした政党になる。

 それ以上は要らない。政権を目指すわけでもなければ、実現しなければならない利権は何もない。

 あるのは、国民とともに政治の場で堂々と日米同盟廃止を呼びかけ、平和な日本を実現してみせるという心意気だけである。

 こんなスッキリした政党が他にあるだろうか。

 こんなすがすがしい政党が他にあるだろうか。

 必ずそんな政党が国民から望まれる日がくる。そしてその時はもうすぐやってくる。

 憲法9条の名を最初に使った者が勝ちだ。

 山内、服部両議院よ。いまこそ憲法9条新党を立ち上げよ。

 私はそれを全面的に支援する。

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2010年05月11日

ロシア戦勝65周年記念行事と日本の存在感のなさ


 本日の天木直人メルマガから引用して掲載します。


 引用開始
 
   
    ロシア戦勝65周年記念行事と日本の存在感のなさ

     


 誰も指摘しないことであるが私にとっては重要な記事であるので書いてみる。

 5月10日の各紙が5月9日にモスクワの「赤の広場」で行なわれたロシア戦勝65周年
記念軍事パレードについて報じていた。

 報道によれば今年のパレードには二つの大きな意味があった。

 一つは北大西洋条約機構(NATO)の米、英、仏、ポーランドの軍兵士がそれぞれの国から
70名パレードに参加したことだ。これは1965年に軍事パレードが公式な行事になって以来
はじめての事だという。

 もう一つは、プーチン首相がその前夜に、記念パレード出席のため訪ロした中国の胡錦涛主席と
会談し、歴史認識の一致を確認していたという事である。日経や東京新聞は、これが北方領土問題
の解決に微妙な影響を与える可能性があると書いていた。

 私が驚いたのはプーチン首相と胡錦涛主席の間に挟まれてドイツのメルケル首相が式典に参加
していたことだ。

 ロシアの戦勝記念日とは、日本と並んでドイツのファシズムに勝利した日を祝う日である。その日に
ドイツの首相が招待され、戦勝国の元首らと並んで祝賀パレードを祝っていた、という事実だ。

 報道によれば25カ国もの元首が参加したという。元首でない代理出席国を入れればおそらく
かなりの国が参加した一大外交行事だったに違いない。

 しかし、その報道には日本の参加に関する言及が一切ない。

 日本が招待されていないはずはない。招待はされていたが現地の官僚大使に出席させていたのだろう。
特使を送ったという報道は一切ない。日本の外交的存在感はゼロである。まるで報道の対象外である。

 もしドイツが招待されて日本が招待されていなければ大問題だ。ドイツと違って日本はいまだ
ファシズムを公式に清算していないので、今でもファシズムの国を引き継いでいる国と見なされて
いるのだろうか。イタリアの出席はどうなっていたのか。

 それにしてもなぜこのような重要な国際行事に鳩山首相は出席しなかったのか。岡田外相を代理出席
させなかったのか。小沢幹事長などの大物政治家を特使として派遣しなかったのか。

 日本では大臣が連休中にあれだけ無用な外遊をしていたというのに。

 連休が明けてもろくな仕事をせず、政治家が暇を弄んでいるというのに。

 私はここに日本の政治家や外務官僚の外交センスの劣化を見る。私が現役の外務官僚であった頃には
有り得ない事だ。

 しかし、私は単なる外交的センスのなさ、だけではない、もっと大きな日本外交の欠点をこの報道から
読み取るのだ。

 日本は大きな国際情勢の流れの中から完全に取り残されている。

 世界の主要国は、それぞれの利害関係を有しながら、つまり緊張感を持ちながら、確実にかつての
対立関係から、あらたな関係を模索しつつある。

 米ロの関係は冷戦下の米ソ関係ではもはやない。NATOとロシアの関係は変化した。中国はもはや
揺るぎのない国際政治の大国だ。欧州はその統一に向かって産みの苦しみの只中だ。

 そんな中で日本だけが米国の従属下から一歩も抜け出せないまま、いや、抜け出そうとしないまま、
普天間問題で一人相撲を取っている。抑止論を振りかざし中国や北朝鮮の脅威を騒ぎ立てている。本来は
もっとも良好な関係を持たなければならないこれらアジアの国々を敵視し続ける。

 それもこれも日米同盟の呪縛からいつまでたっても自立できない、しようとしないからだ。

 だからと言って本気で米国との同盟関係を信じているかといえば決してそうではない。米国を心から
愛しているかといえばそうではない。愛のない仮面夫婦だ。DVにおそれながら毎日を過ごしている。

 政治外交史を専門とする若手保守学者の井上寿一学習院大学教授は、その最近著「吉田茂と昭和史」の
中で次のように書いている。

 「・・・戦後日本の矛盾は、戦勝国アメリカと敗戦国日本とが協調関係を築いた事に起因している。
この矛盾を解決する方法が一つだけある。日本が再びアメリカと戦争を戦い勝利すればいい」、と。

 そして、その後に、井上教授は次のようにこの国の限界を喝破している。

 「第二次日米戦争の決意がなく、あるいは決意があっても勝利の見込みがないのであれば(おそらく
今の日本には決意も勝利の見込みも、どちらもないだろう)、この矛盾に耐えるしかない」、と。

 この屈折した日本から脱却し、二つの矛盾する日本の国体、つまり憲法9条(善)と日米同盟(悪)の相克を
克服しない限り、日本の将来はない。

 ロシア戦争65周年記念に参加した主要国は、米国もNATOもロシアも中国も、いずれも軍事国家であり
軍事覇権国家である。

 なぜ日本は気づかないのか。軍事力を頼みとするこれら諸国の安全保障政策は、所詮は駆け引きだ。
だまし合いだ。

 そんな国々と軍事的に競い合ってどうなるというのだ。そんな国々と軍事同盟を結んで力の均衡論を振り回して
どうするのだ。それらは当の昔に役割を終えた時代遅れの考えなのだ。

 日本はいまこそ平和憲法を全面に掲げ、軍事力を頼みとする外交から決別すると宣言すべきだ。

 世界の脅威にはならない、世界の脅威には屈しない、平和こそ国是だ、と宣言すべきである。

 鳩山首相は沖縄や徳之島などへ行くよりもロシアの戦勝65年記念式典に出席し、世界の首脳の前で
つまり、オバマ大統領やメドベージェフ大統領や胡錦涛主席の前で、軍事力に頼らない憲法9条外交を
示すべきなのだ。

 そうすれば、普天間基地も北方領土問題も中国の脅威も何もかも吹っ飛んでしまう。政治的に解決できる。

 如何なる国も憲法9条が人類の目指す究極の目標であることに反論することはできない。

 世界の国民が拍手喝采する。軍事パレード祝うこれら指導者たちは自らを恥じる事になる。

 憲法9条外交こそ最強の安全保障政策なのである。このことをなぜ日本の指導者は誰一人気づかないのか。

 普天間問題で明け暮れている日本はいまこそ目を覚ます時だ。

 私が6月末に講談社から出版予定の「さらば日米同盟」の主張がここにある。
             
                      _________           
         

   天木直人のメールマガジン 2010年5月11日発行 第167号

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                              引用終わり


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2010年05月07日

 普天間基地移転問題とNYテロ未遂をつなぐもの


 以下は今日配信した「天木直人メールマガジン」からの一部引用です


 いまや普天間移転問題を取り上げる日本のメディアは、もっぱらこれを鳩山民主党政権の危機一色で取り上げているが、米国にとってはそれどころではない事態が進んでいる。

先日ニューヨークのタイムズスクエアで自動車爆弾によるテロ未遂事件が起きた。その後の調査では逮捕されたパキスタン系の容疑者がタリバン地区で爆弾製造訓練を受けていた事を認めた上で、爆破テロが目的だったと述べたという。

昨年末のナイジェリア人によるデトロイト上空の飛行機爆破未遂についで危機一髪のテロ未遂であったのだ。

米国が受けた衝撃の大きさを日本人とうてい想像できない。

なぜ米国がここまで核不拡散にこだわるのか。なぜ米国はイラン制裁にここまでこだわるのか。すべてはテロによる自爆攻撃の恐怖からだ。

しかし、米国が「テロとの戦い」を続ける限り、どのような強硬策を講じても、自爆テロの脅威から逃れる事はできない。

それどころかいつか米国はどんどん追い込まれつつあるかのようだ。本土において未遂が未遂で終わらなくなる時が近づきつつあるような気がする。

私にそう確信させてくれた記事がある。それは毎日新聞が連載している「テロとの戦い オバマの無人機戦争」第5回にあった次のくだりである。

・・・世界各地のグループからなる緩やかな分権型組織となったアルカイダは、米軍の無人機で空爆され死亡した子供たちの姿をビデオに撮り、ネットワークを通じて世界各地に「憎悪」を拡散させている・・・

普天間基地をはじめ日本国内にある米軍基地は、もはや日本を守るものではなく「テロとの戦い」に不可欠な基地である。

その基地を日本からなくし、米国のテロとの戦いから決別しない限り、日本の安寧はない。そこれどころか無実の市民殺しに加担する事になる。

普天間基地移転問題は沖縄県民の悲願をかなえるという事だけではない。ましてや鳩山首相が言うように抑止力のために日本人が犠牲を強いられる問題では決してない。

米国の戦争を止められないのなら、せめて日本はその米国の戦争をボイコットする、そういう問題なのである。

その事を国民に教える事こそメディアの責務である。

               _________           
         

   天木直人のメールマガジン 2010年5月7日発行 第159号

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2010年05月04日

沖縄県民は鳩山打倒に動かなければ嘘だ


 
 連休の休みの時に、このような不愉快な思いをさせられて私は我慢ならない。

 鳩山という男は日本の政治史の中で最悪の首相だ。

 自分が説得すれば沖縄県民は納得すると思っているのだろう。

 大変な思い上がりだ。

 米国が了解しなかったから沖縄県民に我慢してくれと明言した。

 鳩山にはまともな対米外交はできない。

 自民党政権下以上の対米従属となる。

 それでも米国は鳩山を評価しないだろう。

 最悪のシナリオだ。

 ここまで悲願を無視されて、それでも沖縄県民が打倒鳩山で立ち上がらなければ、一体沖縄の反基地運動は何だったのか。

 沖縄県民が怒りに震えて立ち上がれば、私は打倒鳩山に全面的に参加する。

 息縄県民が、このまま米軍基地の県内移転に譲歩するのであれば、もはや私は沖縄の基地闘争を一切支援することはないだろう。勝手にやってろ、ということだ。

 

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2010年05月03日

憲法記念日に書いてみる


 憲法の日に決まって各紙が特集する改憲論議。それらに目を通しながら、改憲論議で忘れてはならない視点を順不同で思いつくままに述べてみる。

 
1.一口で憲法改正といっても改正点は多くある。私の関心はあくまでも憲法9条である。憲法9条改正とその他の改正をまとめて論じてはいけない。それぞれの条文にはそれぞれの問題がある。まとめて論議し、他の改正と抱き合わせで憲法9条改正が変えられるような事であってはならない。

2.私は憲法9条を一字一句変えてはならないと主張する一人だ。それは平和憲法を守るという観点からだけでそう言っているのではない。
  今の憲法9条には米国に翻弄され続けてきた戦後の日米政治史が凝縮されている。米国の圧力に屈し、踏みにじられようとしながら頑張ってきた憲法9条の姿がある。そこが重要なのだ。たとえ一字でも変えてしまえば、それはまったく別の憲法9条となってしまう。憲法9条は単なる字句の問題ではない。米国の日本占領史とともに後世に保存していかなければならない。

3.憲法9条が変えられてはすべておしまいだ。その意味で憲法9条を変えさせない事は決定的に重要である。しかし、それは必要条件ではあっても十分条件ではない。
 憲法9条が変えられなくても日米同盟の実態が憲法9条を否定しまっては何もならない。本当に憲法9条を守りたいと思うのなら、日米同盟を正面から否定しなければならないのだ。

4.きょう(5月3日)の毎日新聞の社説はこう書いている。

 ・・・憲法と日米安保を車の両輪として「国のかたち」を形成してきた。両者は理念として矛盾するようだが、「軍事」の部分を安保条約が補完することで憲法9条が維持されたともいえる・・・と。

 実は同様の考えは日米安保改定50周年にあたる1月19日の朝日の社説にも述べられていた。すなわち、・・・「9条も安保も」という基本的な枠組みは、国際的にも有用であり続けるだろう・・・と。

 このような考えこそ憲法9条をもっともないがしろにする巧妙な考えである。

 矛盾を認めてどうする。

5.5月3日の各紙に各党の談話が載っていた。そのなかで日米同盟を否定しているのは日本共産党だけである。すなわち、日米安保条約をなくし、核も基地もない平和・独立の日本を築くため全力を尽くす、と。
  これこそが憲法9条の精神を体現すものである。しかし日本共産党だけがそう唱えても、一般国民にひろがらない。ここが問題なのだ。

6.村山社会党や福島社民党のように、護憲を叫びながら日米同盟は重要だなどと唱える事が一番悪い。まさしく日米同盟論者の思う壺だ。社会党、社民党の罪は重い。

7.そもそも憲法9条改正が近い将来行われる事はない。9条改正に反対する世論はきょうの朝日新聞でも67%に上る。今の弱体した政治状況ではどの政党が政権をとっても憲法を変えるなどという大事業を行える政党はない。
 米国も日本政府もいまさら9条を変える緊急な必要性はない。9条を変えなくても日米同盟でどんどんと好きなように出来るようになっている。

7.憲法9条を変えると主張する者も、憲法9条を守ればそれでよいとする者も、根は同じだ。自己主張である。

 本当に憲法9条を守りたければ日米軍事同盟からの決別を実現しなければならない。
その事を私は「さらば日米同盟」(講談社 6月刊行予定)で訴える。

 「天木直人メールマガジン」で配信しているテーマ

 1.孤軍奮闘する鈴木宗男とその限界

 2.独立法人仕分けと公務員制度改革は一体という産経社説の正しさ

 3.私は鳩山首相を見限った

 4.小沢起起訴相当を議決した検察審査会

 5.無人機爆撃で人間を虫けらのように殺し続ける米国

 6・米国との関係を再考し始めた英国

 7.ゴールドマン・サックス起訴とオバマ暗殺の噂

 8.普天間基地移設問題の論議で欠けているもの

 

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2010年05月03日

憲法記念日に書いてみる


 憲法の日に決まって各紙が特集する改憲論議。それらに目を通しながら、改憲論議で忘れてはならない視点を順不同で思いつくままに述べてみる。

 
1.一口で憲法改正といっても改正点は多くある。私の関心はあくまでも憲法9条である。憲法9条改正とその他の改正をまとめて論じてはいけない。それぞれの条文にはそれぞれの問題がある。まとめて論議し、他の改正と抱き合わせで憲法9条改正が変えられるような事であってはならない。

2.私は憲法9条を一字一句変えてはならないと主張する一人だ。それは平和憲法を守るという観点からだけでそう言っているのではない。
  今の憲法9条には米国に翻弄され続けてきた戦後の日米政治史が凝縮されている。米国の圧力に屈し、踏みにじられようとしながら頑張ってきた憲法9条の姿がある。そこが重要なのだ。たとえ一字でも変えてしまえば、それはまったく別の憲法9条となってしまう。憲法9条は単なる字句の問題ではない。米国の日本占領史とともに後世に保存していかなければならない。

3.憲法9条が変えられてはすべておしまいだ。その意味で憲法9条を変えさせない事は決定的に重要である。しかし、それは必要条件ではあっても十分条件ではない。
 憲法9条が変えられなくても日米同盟の実態が憲法9条を否定しまっては何もならない。本当に憲法9条を守りたいと思うのなら、日米同盟を正面から否定しなければならないのだ。

4.きょう(5月3日)の毎日新聞の社説はこう書いている。

 ・・・憲法と日米安保を車の両輪として「国のかたち」を形成してきた。両者は理念として矛盾するようだが、「軍事」の部分を安保条約が補完することで憲法9条が維持されたともいえる・・・と。

 実は同様の考えは日米安保改定50周年にあたる1月19日の朝日の社説にも述べられていた。すなわち、・・・「9条も安保も」という基本的な枠組みは、国際的にも有用であり続けるだろう・・・と。

 このような考えこそ憲法9条をもっともないがしろにする巧妙な考えである。

 矛盾を認めてどうする。

5.5月3日の各紙に各党の談話が載っていた。そのなかで日米同盟を否定しているのは日本共産党だけである。すなわち、日米安保条約をなくし、核も基地もない平和・独立の日本を築くため全力を尽くす、と。
  これこそが憲法9条の精神を体現すものである。しかし日本共産党だけがそう唱えても、一般国民にひろがらない。ここが問題なのだ。

6.村山社会党や福島社民党のように、護憲を叫びながら日米同盟は重要だなどと唱える事が一番悪い。まさしく日米同盟論者の思う壺だ。社会党、社民党の罪は重い。

7.そもそも憲法9条改正が近い将来行われる事はない。9条改正に反対する世論はきょうの朝日新聞でも67%に上る。今の弱体した政治状況ではどの政党が政権をとっても憲法を変えるなどという大事業を行える政党はない。
 米国も日本政府もいまさら9条を変える緊急な必要性はない。9条を変えなくても日米同盟でどんどんと好きなように出来るようになっている。

7.憲法9条を変えると主張する者も、憲法9条を守ればそれでよいとする者も、根は同じだ。自己主張である。

 本当に憲法9条を守りたければ日米軍事同盟からの決別を実現しなければならない。
その事を私は「さらば日米同盟」(講談社 6月刊行予定)で訴える。

 「天木直人メールマガジン」で配信しているテーマ

 1.孤軍奮闘する鈴木宗男とその限界

 2.独立法人仕分けと公務員制度改革は一体という産経社説の正しさ

 3.私は鳩山首相を見限った

 4.小沢起起訴相当を議決した検察審査会

 5.無人機爆撃で人間を虫けらのように殺し続ける米国

 6・米国との関係を再考し始めた英国

 7.ゴールドマン・サックス起訴とオバマ暗殺の噂

 8.普天間基地移設問題の論議で欠けているもの

 

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