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2010年03月09日

 核密約報告書が鳩山民主党政権の支持率を更に下げることになる

  

 核密約についての有識者委員会が今日9日に報告書を岡田外相に提出するという。8日の各紙がそう報じている。

 明日10日の各紙は報告書の内容を大きく報じるだろうから、その前に急いで書いて置く。

 報告書の内容はもちろん私は知らない。知らないけれど、その答えはこれまでのリーク報道からすでに明らかだ。

 報告書の書き方は、例によって巧妙な書き方をしてごまかそうとするだろうが、その主眼は単純明快だ。

「日米同盟を危うくしてはならない、これをすべてに優先させろ」ということだ。

 それを見事に表しているのが今日9日の産経新聞「正論」で述べられている西原正・平和・安保研究所理事長の論説だ。

 すなわち、「密約」の全容解明は日米同盟を弱める、米国の核抑止力を維持するためには「密約」の存在を曖昧にしておくか、あるいは核搭載艦船の通過・寄港を容認して非核3原則を2・5原則に改めるか、どちらかしかない、と。

 これが北岡伸一座長の有識者会議が4ヶ月にもわたって謀議をめぐらせた末の結論である。

 日米同盟を重視する岡田外相はこの報告書にそって「核密約」問題を幕引きするほかはない。すべてを国民の前に明らかにするという民主党政権のさらなる公約違反である。

 しかし、実は岡田外務省がもっと頭を悩ましている事がある。それが密約文書を証拠隠しのため廃棄した幹部の責任問題である。

この事を誰よりも厳しく、そして執拗に追及しているのが、佐藤優・元外務省分析官である。

 外務省批判において彼の右に出るものは日本にはいない。その佐藤氏が3月5日の東京新聞連載「佐藤優の霞ヶ関ウォッチング」の中で極秘情報をさらりと暴露している。

 3月3日の衆院外務委員会は、核密約について参考人招致を行う事を全会一致で決定した。それに至るまでには、外務官僚と鈴木宗男外務委員長の壮絶なせめぎ合いがあったというのだ。

 岡田外相の判断なのか、岡田外相が外務官僚に丸めこまれたのか、いずれにしても岡田外相の了承のもとに、外務官僚が民主党の外務委員会理事の間を走り回って、参考人招致の時期を遅らせてくれと画策したという。

 自己保身に走るそのような外務官僚の画策を察知した鈴木宗男外務委員長は、佐藤氏の言葉を借りれば、「裂帛の気合」で撥ね付け、参考人招致を実現したという。

 そして佐藤氏は、3月8日に発売された経済誌「週刊エコノミスト」3月16日号の巻頭ページに掲載されている「闘論席」のなかで、核密約文書廃棄に関する外務省幹部の責任を次のように激しく糾弾している。

 すなわち佐藤氏は、外務省関係者から直接聞いた話として、情報公開法が施行された2001年4月の時点で密約を管理していたのは藤崎一郎駐米大使であり、その責任を追及しなければならないという。

 しかし、駐米大使は外務省の出世の頂点にあるポストであり、外務省は組織をあげて藤崎大使を傷つけないように守るだろうと言う。

 それを許してはならない、と佐藤氏は次のように一刀両断しているのだ。

 「悩む必要はない。誰が密約文書を破棄し、それに関与したかを明らかにし、法的、道義的責任を取らせればよいだけのことだ・・・この問題を外務省に委ねていると国民の前に真実が明らかにされない・・・衆院外務委員会で・・・参考人招致を行う事だ。その席に藤崎大使にもまず参考人として出席してもらう。それで疑惑が出てきたら証人喚問に切り替える。そうすれば藤崎大使も真実を語るであろう」

 これ以上ない外務省攻撃だ。

 しかし、それは正しい。

 もし岡田外相が藤崎大使を庇い、外務省組織を守ることに加担するようでは国民は失望する。

 脱官僚のマニフェストに反する事になる。

 鳩山民主党政権の支持率が更に下がることになる。

               

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