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2009年12月22日

 今年一番感動した文章


 年末が押し迫ってきた。たまにはこういうブログもいいだろう。

 政治的なブログばかり書いている私であるが、本当は政治ブログなど生きていくうえではどうでもいい事だと思っている。

 政治が、政治家が、あまりにもつまらない事をやっているから書かざるを得ないだけだ。

 世の中が正しく動いていれば、政治や政治家など要らない。

 そこで今回は政治とはまったく関係ない話を書く。

 娘から、これ読んでみたら、と手渡された。

 それはメス犬「マリモ」と主人公の女の子の会話を綴った絵本である。

 女の子はよびかける。

 ねえ、マリモ。どうしてなの?あなたはわたしよりあとに生まれたのに、
 わたしよりさきにとしをとるの?と。

 どうしてわたしよりさきにおかあさんになるの?

 どうしてわたしよりさきにおばあさんになるの?と。

 そして女の子は続ける

 どうしてわたしより・・・

 ねえ、どうして?

 犬小屋に首輪だけが残っている挿絵とともに、その女の子の
次のような言葉が並ぶ

 どうして犬なんか飼ったんだろう。

 犬なんか飼わなければよかった。

 そしてその後からの展開が感動的なのだ。

 「マリモ」が女の子に語りかけてくるのだ。

 ねえ、みかちゃん
 
 そんなに悲しまないで

 私はとってもしあわせだったから

 みかちゃんがくれたごはんおいしかったよ

 毎日お散歩してくれてうれしかったよ

 私がこどもをうんだときとってもよろこんでくれたよね

 そしてその後の「マリモ」の言葉を詠んだとき、
私は涙がとまらなかった。

 今年一番感動した瞬間だった。

 わたしはみかちゃんとおしゃべりできないけど、

 もしもひとこと話せたらこう言うの


 「愛してくれてありがとう」


 この文章を書いたのは男性である。

 私の長男と同い年のコピーライターである。

 世の中こういう人ばかりだと政治はいらないだろうなあ、と思う。

 鳩山も小沢も亀井も谷垣も、民主党も自民党も、日米同盟も子育て手当ても
天下りも・・・そんな事はどうでもよくなってくる。

 そんなことで権力の奪い合いをしている事はばかげたことだ。

 そんな政治につき合って政治ブログを書いている自分はもっとばかげている。

 今晩は、この感動に乾杯して、犬三匹と布団をかぶって寝る事にしようと思う。

 

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2009年12月22日

 ねじれまくっている天皇会見特例騒動


 今回の天皇会見騒動には、象徴天皇制の定義や、憲法解釈問題に始まって、小沢、反小沢の政局問題、鳩山首相のリーダーシップ欠如問題、さらには親中国派、反中国派の対立、米国か中国かという外交問題、外務官僚の対応の不手際と秘密主義、羽毛田宮内庁長官更迭問題に見られる官僚たたき、など、など、およそ今の日本を覆うあらゆる問題が含まれている、と考えている。

 だから、それらの一つ一つを論じていけば一冊の本になるほどの議論ができるのであるが、メディアにはそんな余裕はない。

 メディアは断片的な事柄をおもしろおかしく書くだけだ。

 それぞれの論者が、それぞれの思惑から勝手な事を言い合って、問題の本質が何一つ解明されないままあたかも芸能ゴシップや社会事件のようにやがて皆の記憶から忘れ去られていくだろう。

 しかし今回の騒動は日本という国の将来を考えた時、実に重大な問題を多々内包している。何一つ議論は終結していない。

 今日12月22日の新聞に二つの興味ある記事を見つけた。

 その一つは何が国事行為であるかという問題についての記事である。

 これについては、小沢幹事長が、はやばやと、外国要人との会見は国事行為であり、内閣の助言と承認で行うと憲法に決められている、官僚がとやかく言う筋合いのものではない、と一喝した。

 すかさず共産党の志位委員長が、「国事行為ではない。公的行為だ。小沢さんこそ憲法をよく読んでほしい」などと発言し、これが報じられて皆がそう書き出した。

 それにひるんだのか、小沢幹事長は21日の記者会見で、「憲法で規定している国事行為ではないが・・・」と巧みに訂正している(22日各紙)。

 ところがその同じ日の東京新聞に法政大学名誉教授である永井憲一という憲法学者が次のように述べている。

 「・・・外国要人との会見は、国事行為として憲法に明記されていないが、条文にある『外国の大使及び公使の接受』の広い意味として理解できる。あるいは、同じ条文にある『儀式』に含めてもいいと考える・・・」

 要するに憲法学者の間でさえ意見が分かれているのだ。議論がかみ合うはずがない。

 もう一つ。天皇の政治利用うんぬんの件だ。

 12月22日の毎日新聞「記者の目」で真鍋光之という記者が次のように書いていた。

 「・・・そもそもなぜ天皇の政治利用か否かが問題になるのか。それは、多くの犠牲者を出した太平洋戦争の教訓に他ならない・・・軍部は天皇の名の下に戦争に突き進んでいった・・・」

 まさしくその通りである。

 たしかに今回の件は、戦争に関係のない中国との友好関係促進のために政治判断だから、左翼側にとっては問題ないということかもしれない。

 しかしそれはおかしい。次はどのように利用されるかわからないからだ。

 不思議な事に今回の「天皇の政治利用」問題を声高に批判するのは右翼ばかりで、左翼からの批判は一切ない。

 もし権力のうまさを味わった連合や日教組が小沢批判を封印して沈黙しているとすれば、大きなねじれ現象だ。

 まだある。そもそも今回の騒動を起こした第一義的責任は外務省であり、その政治的責任者は真っ先に岡田外相である。岡田大臣は鳩山首相や小沢幹事長が政治的決断をする前に、自らどのような政治的判断を下したのか。

 それを鳩山首相や小沢幹事長にどう伝えたのか、どう議論したのか。

 岡田外相の発言がまったくと言っていいほど聞こえてこない。

 不毛な天皇会見騒動である。

 すっきりしないまま、この問題もまた、間もなく忘れ去られて終わる。

                             完

  今日の「天木直人のメールマガジン」では次のテーマで配信しています。

  「小沢一郎と小泉純一郎の対米外交はどこが違うのか」
         
           

 

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