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2009年12月07日

普天間外交に見る岡田外相と伊波宜野湾市長の力量の差

           
     


 12月5日、岡田克也外相は沖縄を訪れ、普天間基地の移設問題をめぐり、伊波洋一宜野湾市長と会談したという。

 それを報じる記事を読んでつくづく思った。

 ほかの事は知らない。しかし、少なくとも普天間基地移転問題をめぐる対米交渉の進め方に限っていえば二人の力量の差は歴然だ。

 その差は一言で言えば、事実を直視して議論を進めるか、思い込みで空論を繰り返すかの差だ。

 12月4日、東京で行われた日米閣僚級作業部会以来、岡田外相は腰砕けのごとき発言を繰り返すばかりだ。

 このままいくと、普天間基地を移設するという現行計画が白紙に戻りかねない。

 普天間基地飛行場の危険がなくならない。

 状況は厳しく、(米側にとっては)現時点で辺野古沿岸部以外の選択肢はない。

 などなど。

 これらの言説は、実は岡田外相だけのものではない。この国のメディアが一斉に垂れ流している恫喝だ。

 しかし、一体彼らはどこまで米国の安保政策の実態を知っているのか。自ら調べ、学ぼうとしたことがあるのか。

 ひるがえって伊波洋一宜野湾市長は、「危険性除去のために辺野古に(飛行場を)つくるという議論そのものが間違いである」と岡田外相に訴えたという。

 その発言の背景にあるものは、みずから資料を検証して探りあてた米国の安全保障政策の実態である。

 伊波市長の検証結果は、週刊朝日12月11日号「海兵隊は辺野古ではなくグアムへ返せる!」で見事に我々の前に明らかにしてくれている。

 それは一言で言えば、米海軍省グアム統合計画室は普天間の海兵隊をグアムに移転させる計画を作成していた、ということだ。

 それは、これまでの日本政府の説明が米軍の説明と食い違っている事を証明するものだ。

 辺野古にあらたな基地をつくる必要性は根本から崩れることになる。

 伊波市長の次の言葉が象徴的だ。

「情緒がからんだ政治的な思惑とは無関係に、米軍は純粋に戦略的見地からグアム移転を進めている。(米海軍省が普天間の海兵隊をグアムに移転させる計画を作成しているというあらたな証拠を)切り札に、(日本政府は)時間をかけて交渉し直すべきだ」

 岡田外相と伊波市長の話し合いがかみ合うはずはない。

 自らの手で調べることなく、官僚や識者の意見を聞きかじっただけで思いつの発言を繰り返す。米国に恫喝されれば腰砕けになり、沖縄住民に批判されれば意見を撤回する。

 そのような岡田外相が、自らの手で調べた事実に基づいて議論を進める伊波市長との論争に勝てるはずはない。

 今日12月5日の各紙は、岡田外相が嘉手納基地併合案をあきらめて、(辺野古以外の)選択肢はなくなりつつある、などと言いはじめたと報じている。

 鳩山首相の危機云々を言う前に、岡田外相の正念場が来るのではないか。
                 
     

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