今の政局を読み解くにはこの一冊
日本の政治に興味のない読者にとってはこのブログはほとんどどうでもいいものだ。
しかし、政権交代後の日本の政治の混迷ぶりに少しでも関心のある読者には、貴重な情報を提供するブログである。
元日本共産党の政策委員長までつとめあげた筆坂秀世という元参院議員がいる。
筆坂氏が政策委員長として活躍していた時、彼の鋭い国会質問や政治討論は、胸のすくものであった。
その彼がセクハラ疑惑で日本共産党を追われ、日本共産党と決別宣言をして、「日本共産党」(新潮新書)を世に出した。
以来、孤立無援となって言論活動を続けている。
その筆坂氏が10月末に「政党崩壊─2010体制を生き延びる条件」(講談社+α文庫)を出版した。
今本屋で山積みされている。
これが実に的確な今の政局評論となっている。
そこに書かれている事は、ことごとく私が日頃考え、そして主張してきた日本の政治状況の混迷ぶりである。
一言でいえば、政権交代によって一大国民政党になってしまった民主党の前に、もはや自民党と共産党以外に野党はなくなった。
弱小政党はみな民主党にすり寄るか吸収されるしかなくなった。
最大野党である自民党は、しかし復活の見通しはない。
最強の野党である日本共産党も、国民政党である民主党の前に、「是々非々」という曖昧な態度を見せて共産党らしさを失ってしまった。
民主党下で始まったあらたな政治の動きは、今までの自公政権の弊害を断ち切る歓迎すべき動きである。頑張ってもらいたい。
それでもやはり対抗するもう一つの国民政党が出てこなくては政治は健全ではない。面白くない。
ざっというと、こういう事だ。そしてなぜこんな政情になってしまったかを、各政党の内情を正確につかんだ上で論評されている。
さすがわ元日本共産党政策委員長である。おまけに今の彼には失うものは何もない。いかなる政党、政治家との気兼ねもない。
その捨て身が言説を切れ味鋭くしている。
政治評論などは誰でもできる。
しかし核心をついた正しい政治評論をできる者はほとんどいない。
いまや筆坂氏は矢野絢也氏の後をつぐ第一級の政治評論家となった、といえば褒めすぎであろうか。
政治分析jに関心のある読者におかれては、是非「政党崩壊」に目を通してから、ご意見をお聞かせ願いたい。
政治に関心のない者は、これを読めば関心が湧く。
