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2009年08月24日

 皆がルース新駐日大使の母校スタンフォード大学の同窓生であると言い出す珍現象


 8月24日の読売新聞におもしろい記事を見つけた。

 米国の新駐日大使にジョン・ルース氏が就任し近く日本に赴任した。

 そのルース氏の母校であるカリフォルニアのスタンフォード大学人脈に注目が集まっているというのだ。

 その最大の理由が、麻生太郎首相も鳩山由紀夫民主党代表も、藤崎一郎駐米大使もすべてスタンフォード大学の同窓生であるからだという。

 同じ大学を出たからといって、それで人脈ができるなどと騒ぎたてること自体が笑止だ。

 学んだ時期が異なればおよそ交わることはない。せいぜい同窓名簿に名前を見つけて、それを話のネタにするのが関の山だ。

 それよりも何よりも、そもそも同窓名簿に名前があるのか。

 鳩山代表が東大卒業後、76年にスタンフォード大学工学部の博士課程を修了したことは、ジョン・ルース氏が大使になる前から、すでにいろいろなところで書かれてきたことだから、間違いないだろう。

 しかし、麻生首相が学習院大卒後、1963年から2年間スタンフォード大学に留学したという読売新聞の記事は、もう少し正確に書かれるべきだ。留学しただけでは卒業名簿に載ることはない。卒業名簿に名前がなければ同窓とは言えない。

 藤崎一郎大使に至っては読売新聞の記事には一言も説明はない。

 実は私は外務省で藤崎大使と同期である。

 単に同期であるばかりではなく、同じ二年間をともに米国留学した仲だ。

 ハーバード大学の夏季講座をともに終えた我々は、その後私はオハイオ州のオバリン大学、藤崎大使はロードアイランド州のブラウン大学で学んだ。

 私はオバリン大学学士課程を終えて、半年間エール法科大学に聴講生として過ごした。聴講生だから私の名前はエール大学の卒業名簿にはない。

 藤崎大使は確か二年目に、ブラウン大学からスタンフォード大学へ転向した。そこで彼が卒業し、スタンフォード大学の同窓リストに名を連ねることになったかどうかは私は知らない。

 学歴記載の間違いで政治家を棒に振った者がいたぐらいだから、総理や大使の学歴を書きたてる時は読売新聞は記事に正確さを期す必要があるだろう。

 それよりもなによりも、大学の同窓ぐらいで人脈があるなどと吹聴すること自体が、人脈のなさを認めているようなものである事を知るべきだ。


 この他にも、「天木直人のメールマガジン」では次のテーマで書いています。

 「郵政民営化の誤りはもはや明らかだ」

 「わが国の対ミャンマー政策のお粗末さ」

 「王と張本のちょっといい話」

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