総選挙の結果をどう見るかー鳩山民主党政権は国民政党になる
昨日に引き続き私が本日のメルマガで配信した内容を全文紹介したい。
これからの政治は、よくも悪くも大きく変化していく。その方向を決めるのは国民である。
以下引用
私の願望どおり民主党が圧勝した。喜ばしいことだ。私は鳩山民主党政権の誕生を心から祝福する。
それでは、これからの日本の政治はどうなるのか。
この点については一般的に言われている事はこういう事だ。
民主党は勝ち過ぎた。
国民は民主党を支持したのではなく、自民党を見放したに過ぎない。
民主党の政策実現能力が問われるのはこれからだ。
民主党は小沢支配が進んでいずれ内部対立が顕在化する。
参院では社民、国民新党との連立がなければ過半数を確保できない。
外交・安保政策の党内不一致が致命的となる。
などなどである。
それぞれ一理ある。しかし、これらはメディアや政治評論家の古い発想から来るコメントだ。
私はそんな常識が吹っ飛ぶような政治状況の変化が起きると考えている。
それはどういうことか。
これらからの政治は鳩山民主党政権を中心とした全員野球の政治になるということである。
全員野球とはどういうことか。
一つには、従来の意味での野党がなくなるということだ。自公以外の政党は、共産党の言う「建設的野党」にならざるを得ない。いや、それどころか共産党以外は民主との連立を組もうとさえするだろう。
さすがに自民党は意地をかけて対立政党として残る。
しかし今度の大敗は、民主党政権の足を引っ張ることさえ出来ない大敗だ。
もしこの期に及んでも民主党政権を批判しようとすれば、ますます国民から見放されることになる。
鳩山民主党政権は、これまでの自公政権と違って、他党の意見に耳を傾けることになる。自民党の意見さえ謙虚に聞こうとするだろう。民主党は野党の時代と違って自民党との対決する姿勢を示さなくなる。示す必要がなくなる。
以上が私がいう野党がなくなるという意味の根拠である。
二つには、そしてこちらのほうがはるかに重要なことであるが、鳩山民主党政権は自民党と違って国民の声を何よりも重視する政権となる、ならざるを得ない、ということだ。
その意味で鳩山民主党政権のこれからの真の相手は国民だ。鳩山民主党政権は文字通り国民の政党となって政策を進めていくことになる。
その意味で今度の選挙は民主党の圧勝であると同時に、国民が勝利した選挙だったのである。
この二つの理由から、私は全員野球の政治になると敢えて断じるのだ。
それはある意味で退屈な政治となることを意味する。
特に政治記者、政治評論家にとってはそうだろう。政治の面白さは権力闘争である。それがしばらくの間凍結されるのだ。彼らの出番はなくなる。
小人閑居して悪をなす、の例えどおり、政治報道はつまらないことをやりはじめるだろう。そしてすでに
その兆しがある。
むやみに与野党間の対立を起こそうとしたり、民主党内部の分裂をあおってみたり、小泉進次郎や東国原や橋下などをメディアにさかんに登場させて、政界再編の際の次のスター役を捏造しようとするだろう。
山本一太とか世耕とか平沢とか高木といった自公政党の生き残り政治家をこれからもテレビに頻繁に登場させ自公政党の退場を妨げようとするだろう。小泉・竹中改革が否定されたというのに竹中平蔵を選挙直後のテレビに登場させて、改革続行の重要性を言わせたりしている。
これを要するに、民主党ばかりをテレビに登場させることはしないのだ。民主党の圧勝からのショックを一日もはやく消し去ろうとするのだ。鳩山民主党の圧勝さえ利用しようとするメディアの厚顔である。
しかしそれも長続きはしないだろう。国民から見透かされるだろう。
鳩山民主党政権の最大の課題は、いうまでもなくマニフェストをいかに忠実に実現するかである。
その意味で最初にして最大の注目点は人事である。
これは単に閣僚人事にとどまらない。
いわゆる国家戦略局とか国家戦略室などと書かれている政策メンバーの人事も含めてである。
閣僚人事の下馬評はすでに様々な推測報道がなされてきた。しかし閣僚の数はせいぜい10名あまりだ。
主要閣僚を他党や民間に渡すわけにはいかない。それでは民主党としての示しはつかない。
他方、民間人や野党党首からの登用もすでに多く取りざたされた。空手形に終わらせるわけにはいかない。閣僚から漏れた人たちを国家戦略局メンバーとして取り込むことになるだろう。
その人選を見ることにより鳩山民主党政権の正体がはっきりする。
問題は、それら人物の異なる意見を、どう調整し、最終決断を下すか、できるか。その司令塔役は誰になるかである。
無論それは鳩山民主党代表と言う事になるのだが、その指導力を国民の前にどこまではっきりと示せるか、これは重要な見所である。それは裏返して言えば、真っ先にメディアが行う小沢一郎傀儡政権という批判をはねつるということでもある。
マニフェスト実現はもちろん容易ではない。しかし全員野球である以上、そして国民が主役の政権である以上、落ち着くところに落ち着く。
全員野球が行き詰まるとすれば外交・安保問題で深刻な対立が起きる時だ。つまり日米同盟を続けていく上で憲法9条を放棄せざるを得ないような時が来た時である。その意味で外務大臣や防衛大臣の人事が極めて注目されることになる。
しかし私は深刻な状況はすぐには来ないと思っている。一つには米国が性急にそれを日本に求めることはないだろうと思うからだ。二つ目には国内から憲法9条改正を言い出す政党や政治家が当面出てこない、ということである。たとえ出てきても世論から相手にされることはない。当面の国民の関心は生活の不安を取り除くことであるからだ。
以上の理由から鳩山民主党政権は衆人環視の下で全員野球をすることになる。よほどの事がない限り鳩山民主党政権はしばらくは続いていく。
そんな鳩山民主党政権を正しく、建設的に批判していく事は、あのでたらめな自公政権を批判する事にくらべはるかに難しい。
それゆえにまた、私も、明日から、今まで以上に本腰を入れてメルマガを書いていかなければならないと覚悟をあらたにしている。
