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2009年07月02日

田母神氏の8月6日広島講演を許してはいけない

 田母神俊雄元航空幕僚長(60)の言動がついに増長の極みに達した。

 そう思わせる記事を6月30日の毎日新聞がスクープした。7月1日の日刊ゲンダイが続報し、そして7月2日の東京新聞「こちら特報部」が特集した。

 報道内容はこうだ。

 8月6日の今年の広島平和記念日にあわせて、同じ広島市内で、「ヒロシマの平和を疑う!」と題する講演を田母神氏が行なうという。しかも原爆ドーム近くの会場で開くという。

 この事を知った秋葉忠利市長は「遺族の悲しみを増す結果となりかねない」として日程の変更を文書で申し入れたが、田母神氏側は「表現の自由」を理由に拒否しているという。

 こんな増長が許されていいのか。田母神氏は8月6日の講演を本当に強硬するのだろうか。

 田母神氏は08年4月に名古屋高裁が自衛隊のイラク派遣を違憲とする判決を下した時、「そんなの関係ねえ」とその判決を一蹴した元自衛隊幹部だ。

 イラク派遣訴訟の原告団の一人である私とは、その考え方において対極にある人物である。

 しかし考え方が違うからといって、私は田母神氏を全否定するつもりはない。私は彼の言動や著書をつとめて注視してきた。

 彼の主張の中には同意できる部分は勿論ある。しかも少なからず。

 しかし、彼の言動は、左翼政党の外交を否定し、平和を願う国民を侮辱するだけでなく、自民党政府の外交をも否定する異常さがある。日米同盟を否定する危うさがある。

 なによりも、彼の物言いはふざけすぎている。

 たとえば彼は上記の名古屋高裁の違憲判決を聞いた時の「そんなの関係ねえ」発言に関し、近著「自衛隊風雲録」(飛鳥新社)でこう述べている。

 ・・・「そんなの関係ねえ」・・・と述べたのは失敗だった・・・「そんなの関係ねえ、オッパッピー」というべきだった・・・(同著 61-62頁)

 万事この調子だ。

 つまり彼の言動は日本の外交・安全保障政策を真剣に考えたまじめな言動ではない。

 綾小路きみまろとか吉本興業のタレント並みの人気稼業だ。だからこそ連日講演に引っ張りだこなのだ。退職金以上の収入を稼ぎ出し、それを公言して、「クビにしてもらってよかった」、などと平気で言えるのだ。

 それが国を思い、国民を思う「軍人」の言葉だろうか。

 そう思って彼の言動を眺めると、目くじらを立てる事はない。

 おそらく多くの良識ある国民や有識者、そして政府関係者さえも、田母神氏の言動をそう見てきたに違いない。眉をひそめながら、放置してきたのだ。利用してきたのだ。

 ところがその彼が、自らの役割を勘違いし、増長してしまった。

 その行き着く先が、今回の講演である。8月6日の広島原爆記念日における原爆ドーム近くでの「ヒロシマの平和を疑う!」講演である。

 これはあきらかな行き過ぎだ。増長だ。

 秋葉市長は、講演をやめる事を求めてはいない。せめて8月6日の原爆記念日にあわせて講演をすることだけは避けて欲しいと申し入れているだけだ。

 国民の平和の願いを毀損し、遺族の悲しみを増す事になるから、お願いする、と言っているだけだ。

 ところが田母神氏と主催者の「日本会議広島」はそれさえも拒否して講演を強硬するという。

 ここに至って、彼らの増長は極まった。

 8月6日の原爆記念日までまだ一ヶ月余りある。

 平和を願うこころある国民は、その思いを終結してこの講演を延期させなければならない。

 何よりも麻生首相と外務省はこの講演を延期させなければならない。やめさせなくてもいい。8月6日の日を避けろと言えばいいのだ。

 それさえも出来ないとすれば、唯一の被爆国日本が世界中で恥を書く事になる。
                                                  (完)


 参考:最近配信した「天木直人のメルマガ」

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