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2009年04月23日

 これは今世紀最大の言論封殺事件ではないのか 他


  これは今世紀最大の言論封殺事件ではないか


 大手新聞やテレビが一切流さないが、すべての週刊誌やゴシップ誌が
書いている事件がある。

 それは何か。この問いに瞬時に答えられる読者は、世の中の動きを注視
している人だ。

 しかし、そのような人たちでも、この事件の異常性と深刻性に気づいている
人はどれほどいるだろうか。

 その事件とは、「松竹芸能」というプロダクションに所属している関西の
タレント、北野誠が、あるラジオ番組で失言し、それがもとですべての番組
から降板させられたという事件である。

 失言問題で政治生命や芸能生活を棒にふる人たちを我々は何度も見てきた。
しかし、それらはいずれもメディアに大きく報道され、公開されるのが常で
あった。

 世間のまともな批判や、まともでない言葉狩りなどによって、衆人環視の下
でその責任を取らせられるのが常であった。

 ところが今度の北野事件は一切が不明のままなのである。彼がどのような
失言、放言をして、誰の怒りをかったのか、どの週刊誌、雑誌を読んでみても
断定的な事は何一つ書かれていない。

 北野誠の失言、放言が以前から問題になっていたとか、芸能人仲間の過激な
裏話を口にすることで有名だったとか、そんな憶測記事は山ほど書かれているが、
どれひとつとして特定、断定しているものはない。

 それにもまして、北野誠とそのプロダクションに対して、芸能界からの永久
追放ともいうべき徹底した制裁を加える事のできる人物、もしくは組織とは、
誰なのか、何なのか。これがまるでタブーのごとく触れられていないのだ。

 それでも、報じられている事を総合して判断すると、どうやら芸能業界の
ドンと呼ばれるバーニングプロダクションの周防郁雄社長を激怒させたことが
理由らしい(週刊朝日5月1日号ほか)。

 その異常さを4月22日の日刊ゲンダイは次のように書いている。

 ・・・(すべての番組から降板させられた、そんな)舌禍事件に対して、
所属事務所も放送したラジオ局も、それを報じるマスコミも、「不適切な発言」
というだけで具体的な内容は一切明かさなかった。それが一層興味をかきたてた
わけだが、複数の週刊誌が最新号で「大手芸能プロダクション・バーニングに
対する誹謗・中傷」と報じたことで、騒ぎは一瞬にして収まった・・・」

 驚くべきことだ。バーニングプロダクションという名を聞いたとたん、
関係者がみな納得して口をつぐんでしまったというのだ。

 もしそうであれば、さらに重大な疑問が湧いてくる。泣く子も黙る芸能
プロダクションバーニングとは何なのか。

 そこで思い浮かぶのはタブーなきラジカル・スキャンダルマガジン月刊
「紙の爆弾」(鹿砦社)である。

 バーニングを批判したとして名誉毀損で訴えられた鹿砦社は、一審の敗訴にも
屈することなく、言論の自由をかかげてドンキホーテのように控訴して
闘っている。

 その経緯は同誌の4月号に詳しいが、最後の次のくだりをここに紹介する。

 「・・・現在わが国の芸能界は、バーニング、吉本興業、ジャニーズ事務所の
三巨頭を中心として群雄割拠し、秩序が形成されている。一方、マスコミ出版界、
とりわけ芸能マスコミといわれる領域は、三巨頭に翼賛化され、ほとんど批判的
な言論が存在できない事になってしまっている。小なりといえども、それらに
対してタブーなく批判できるのは、僭越ながら本誌『紙の爆弾』ぐらいだ。
 だから、本件訴訟で、私たちが屈することは、数少なく残された批判的
メディアの壊滅を意味する。芸能界が今後、健全たろうとするならば、意に
沿わない批判的言論を力でおしつぶすのではなく、まっとうな主張には耳を
傾ける度量がなければならないだろう。
 私たちが、名うてのヤメ検・矢田次男弁護士を守護神とした『芸能ゴロ』と
非妥協的に闘うことにより、今後さらなる苦境に追い込まれるやもしれない。
その際には、読者の皆様方のご支援を賜り、彼らの理不尽な攻勢に断固立ち
向かっていく決意である・・・」

 読者の皆さんに私が何を言いたかったか、もうお分かりであろう。

 北野誠事件は、単なる芸能ゴシップ問題ではない。権力と言論の自由、
そして検察官僚の天下りが絡んだ、法と正義の危機の問題でもある。

 鹿砦社の闘いを孤立させてはいけない。
                                   (完)

   限界集落にこそ人間らしい生活がある


 誰が名づけた言葉かは知らないが、いつの間にか限界集落という言葉が
メディアに目につくようになった。

 過疎化や少子化によって人口の半分以上が65歳以上の高齢者となり、
社会的共同生活の維持が困難になってしまった集落、というような意味らしい。

 いかにも官僚的な冷たい言葉だ。物事を効率や合理性で片付けてしまう発想
から生まれた言葉だ。

 サンデー毎日5月3日号に、限界集落をヒッチハイクや車で巡りながら、
現地の農家に寝泊りし、その土地の魅力を掘り起こしてブログで発信している
若者の事を書いた記事があった。

 無農薬・循環型の農業に従事する夫婦との出会いや、里山の豊富な水資源を
利用してエネルギーを自給する取り組みを始めた人、自家栽培の米と大豆を、
昔ながらのかまどで炊事する人。

 「住むこと、食べることを自分で出来れば、外部環境に依存しない自立した
生活が送れる、限界集落にはそんな思想が隠れています・・・お金を得るため
に言いたい事が言えなかったり、自分の人生に筋を通せないことがある。
 お金はなくても心から喜ぶ暮らしができる・・・」

 そのような話に頷きながらその若者は旅を続けるという。

 この記事を読んで、私は、少し前に読んだもう一つの記事を思い出した。
その記事とは月刊誌「創」4月号にあった大川豊の記事である。

 大川豊とは、就職試験で153社に落とされたため、自ら大川興業を設立
してその総裁におさまり、154番目のその会社の合格内定をみずからの手で
出した、と称するギャグ男である。

 その大川総裁が、ある限界集落を訪れた時のレポートを次のように
書いていた。

 「・・・長野県の栄村に行き、山田義輝さんという、なんと90歳の元気
バリバリのおじいさんに会った・・・さっそく栄村で有名な田直しの話を
聞いた。国の補助事業だと30アール以上のたんぼでないと補助金は出ないが、
勾配の激しい山肌にあるたんぼはそんなに広くはつくれない。それに、そんな
広いたんぼが欲しいわけではない。田植え機や刈り取り機が通れるだけの広さ
でよかった。それに国の補助を受けると、村もお金を出さなければならない。
そこでパワーショベルの達人と言われる青年と契約した。10アールあたり
200万円弱かかり、農家と村の負担がそれぞれ50万円ずつかかるところを、
自分たちでやることで、10アール40万円にコストがさがり、農家の負担も
20万円で済んだ・・・
 山田さんは道直しもしている。国の補助を受けるには道幅6-7メートルで
ないと規格が通らないし、土地買収や家屋の移転、さらには国土交通省への陳情
にも手間がかかる。そこで、冬のあいだ除雪作業をやってもらった5人の作業員
を通年契約にしてもらい、村職員と建設班をつくって、一緒にブルドーザーを
動かして、道路を広げた・・・補助事業でやると、1平米あたり3・5万円
のところ、1万円。3割以下のコストですんだ。しかも10倍以上のスピード
で直してしまった・・・」

 政府に頼らず自助努力でここまでできるのだ。官僚行政に頼る事が、いかに
割高で不自由であるか、ということだ。

 大川総裁のレポートは医療や観光誘致にまで及ぶが、長くなるのでここ
でやめる。しかし大川総裁の次の言葉だけは紹介しておきたい。

「・・・若者とお年寄りの元気を合体させたい。情報を若者や他の集落に
伝える事によって、『俺たちもやろう』となる。非常に高い可能性を感じる。
限界集落というよりも、明るく楽しい無限界集落をつくりあげていこう
じゃないか・・・この山の多い国で、知恵と勇気で頑張ってきた限界集落に
派遣村を作ってほしい。おばあちゃんの煮物もおいしいし・・・」

 この最後の煮物のところだけ少し説明がいる。大川総裁が山田義輝
おじいちゃんと話している時に、突然おしかけた大川総裁たちのために、
おばあちゃんが煮物をつくってくれたという。その時の状況を大川は次の
ようにほほえましく描写している。

 「・・・『だべでけ』と言うんだけど、『いぞいでづぐっだからうまぐね』
とも言う。一口食べると、非常においしく、『うまい!』と言いながらながら、
おじいちゃんに道路の話を訊いていると、『やっぱり、いぞいでづぐっだがら
うまぐね』と入ってくる。『そんなことないですよ。おいしいです。僕たちは
外食ばかりですからおいしいです!』、『でも、やっぱり、ダメだ。
いぞいでづぐっだから』、と絶妙の間で入ってくる。
 家の周辺を案内してもらっている時も、あばあちゃんは、普通よくお年寄り
が押しているカートではなく、クロネコヤマトとか宅急便の人が使うような、
ものすごくでかい台車で、ものすごく大きな醤油を運んでいた。
『おばーちゃん、僕が運びますからーーーー』と思わず叫んでしまったくらい、
デカい台車とデカい醤油だった。その醤油を使って作ってくれていた
(煮物だった)のだ・・・」

 限界村で生きている人たちには間違いなく厳しい生活を強いられている。
必死で生きている。しかしそこには生活の知恵と喜びがある。生きる充実感が
ある。それこそが本来の人間の生きる姿ではないのか。

 永田町と霞ヶ関で作り出されるこの国の政策にははるかに及ばない
温かさがある。

 我々の税金の分捕り合戦で明け暮れる政治家や官僚は自らを恥じるべきだ。

 政治などなくても人々は立派に生きていけるという事を思い知るべきだ。

                                        (完)

 おしらせ

  24日深夜の朝まで生テレビ、26日の たかじんのそこまで言って委員会 に
  出演します。

  

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2009年04月21日

 ついに東京新聞が「日米同盟の正体」を取り上げた 他

 
 ついに東京新聞が「日米同盟の正体」を取り上げた


 ついに大手新聞が取り上げた。4月20日の東京新聞は一面の社説「筆洗」で孫崎享氏の著書「日米同盟の正体」(講談社新書)について書いた。しかもその著書の核心部分である「日米安保条約は外務官僚の手で国民の知らない間に書き換えられていた」という事を正面から指摘した。

 東京新聞の社説はこういう書き出しで始まっている。

 「日米安保条約にとって代わった文書が存在する。こんな話をされたら『いつの間に』と不思議がる人もいよう。外交上の秘密文書ではない。2005年10月29日、日米の外務・防衛担当閣僚が署名した文書である。正式な題は『日米同盟・未来のための変革と再編』という・・・」

 問題はこの社説の意味をどこまで読者が、国民が、理解できるかということである。

 そのためにも、この社説がきっかけとなって他の大手新聞、メディアがこの問題を次々と取り上げられていかなければならない。
 
 外交・安保問題を専門とする学者や評論家が「日米同盟の正体」の著書の内容の是非について正面から論ずるようにならなければならない。

 その事によって、結果として何も知らなかった国民の頭の中に問題意識が芽生えるようにならなければならない。

 果たしてそうなるだろうか。残念ながらそうはならないだろう。政府・外務省、防衛省は孫崎氏の「日米同盟の正体」が論議されるようになって困るのだ。だから必死に押さえ込むだろう。朝日新聞などは決して孫崎氏の著書を持ち上げはしないだろう。

 孫崎氏の著書「日米同盟の正体」が正しく評価される日本にならなくてはならない。すべては国民の覚醒にかかっている。

 
 朝日新聞の劣化は目を覆うばかりだ

 たとえば4月19日の新聞各紙を読み比べでみて、今更ながら朝日新聞の劣化を痛感した。

 東京新聞は、今年の7月末に、韓国が(北朝鮮ではない。念のため)、人工衛星搭載のロケット打ち上げを計画していること、それが日本の領海上空を通過することで日韓両国が最終調整していることがわかった、とスクープしている。政府は、北朝鮮のミサイル発射で大騒ぎする一方で、韓国のミサイルが領海上空を飛ぶ事については口をふさいで国民に隠していた、ということだ。

 産経新聞は、北朝鮮がミサイル発射前の3月に、米政府がカーター前大統領を極秘裏に訪朝させて北朝鮮に発射実施を思いとどまらせようとしていた事を教えてくれている。 やはり米国は米朝協議を重視していた。これからも米朝協議を模索するだろう。ますます日本は蚊帳の外に置かれることになる。

 日経新聞は、訪米中の安倍元首相が、ワシントンでの講演会で、同行した民主党の前原誠司副代表の名前を出して、「前原さんが民主党政権で首相になれば、自民党とほとんどかわらない」、などという発言をしたことを報じていた。その発言の内容もさることながら、政権を投げ出した安倍元首相はどの面をさげて訪米できるのか。

 毎日新聞は、東京で開かれているパキスタン支援会議に出席中の米国特別代表ホルブルック氏が、東京の外国特派員協会で会見し、「アフガニスタンとパキスタンのテロリストたちが東京など世界主要都市への攻撃を計画しているのは間違いない」と発言したと報じている。 とんでもないウソの脅迫発言だ。他の主要都市はいざ知らず、日本が反米、反イスラエルのテロに狙われるはずはない。狙われるとしたら米国に加担させられたからだ。

 これらの記事の一つ一つは重要な問題を含んでいる意味のある記事だ。

 それにくらべ朝日新聞には興味ある記事がまったくない。それどころか一面トップで報じられている記事といえば、家電販売大手「ベスト電器」の郵政不正事件であり、舟橋洋一主筆とガイトナー米財務長官とのインタビュー記事である。

 前者は西松事件と同じ構図の民主党叩きであり、後者は舟橋主筆の宣伝インタビューでしかない。内容はまるでない。そもそもガイトナー米財務長官で米国の金融危機が乗り切れるのか。

 朝日新聞はもはや購読に値しない新聞になりさがりつつある。毎日熱心に大手新聞を読み比べている私がそう思うのだから間違いない。


 朝日新聞の経営陣は読者の声に謙虚に耳を傾けるべきだ


 朝日新聞の劣化について書いたところ複数の読者から、自分もそう思っていた、ながらく愛読してきたがついに購読を止めることにした、などなどの意見が寄せられた。

 朝日の愛読者だからこその意見であろう。朝日新聞の経営者はそのような貴重な読者の声に謙虚に耳を傾けるべきだと思う。

 われわれが新聞に期待するのは、迅速で正確な事実の提供である。しかしそれだけであれば新聞は一つでいい。

 われわれが新聞に期待するのは、同時にその事実の背後にある解説であり、論評である。そしてその解説、論評記事の中にこそ、各新聞社の存立意義があるのだ。その拠って立つ主義、主張が失われればどうなるか。

 かつての朝日新聞は、権力を監視し、平和、人権を尊重するリベラル紙を標榜していた。その考えに共感するからこそ読者は朝日新聞を購読していたのだ。その基本的な軸が、いつの間にぼやけ、ついに権力側に与するようになってしまった。

 読者が離れるのも無理はない。朝日新聞を購読する意味はなくなったと多く読者が思うゆえんである。
 それにしても、朝日新聞は変わった。変わっただけでなく紙面がおどろくほどに劣化した。朝日に一体何が起こったのであろうか。

 
 政治の軸にならない貧困問題

 東京新聞に時々掲載されるロナルド・ドーア氏の「時代を読む」という論評がある。彼の肩書きは英国ロンドン大学政治経済学院名誉客員である。その論評に私は共感を覚える事が多い。4月19日の「政治の軸にならない貧困」という見出しの論評もそうであった。

 彼は、先日発表された麻生首相の緊急経済対策について、小泉・竹中路線から転向し、供給面の規制撤廃より、総需要刺激策のほうが景気対策にとって必要だ、やっと麻生首相はそれに気づいたか、めでたい、めでたい、と皮肉交じりに一応は歓迎してみせる。

 私が注目したのは、その後に続く次のくだりだ。

 彼は56.8兆円のうち、雇用対策費は4.4兆円、金融対策費はその十倍の44.8兆円である、と指摘した上で、『麻生政権の関心の優先順位はそんなもんか』と失業者は怒らなければならないと言う。

 他の先進国、特にアングロサクソンの国でも、新自由主義に基づく「制度改革」による不平等化は見られるが、日本で不思議な事は、この不平等の問題が政党政治の重要な軸にならないことだ、と言う。

 貧困関係の本が書店にあふれ、メディアの関心も外国に比べ強いにもかかわらず、日本では貧困・再配分の問題が政治論争の主要軸にならないという。

 ドーア氏はその理由については何も書いていない。それどころか、この論評を、「なぜだろう」という問いかけで終えている。

 なぜだろうか。その答えは勿論私にもない。しかしいくつかの問題提起はできる。

 労働組合をバックに持つ社民党や共産党は、湯浅誠を自らの政党の候補者としてなぜ取り込もうとしないのか。彼を政治家にさせ、この国の雇用問題、所得格差問題について政治の場で活躍させれば間違いなく雇用、失業問題は政治の中心課題となるだろう。

 もし湯浅誠がそのような誘いを受けているのならば、みずからのライフワークを完成させるためにも、彼の支持者と一緒に政治の場で活躍すべきだ。もし湯浅が社民党や共産党のような既存政党に飽き足らないのであれば、湯浅新党を立ち上げて政治に風穴をあけるべきである。

 もし社民党や共産党が湯浅誠とその背後にいる派遣労働者を政治の中に取り込もうとしないのなら、社民党や共産党の雇用対策、失業対策は口先だけと言うことだ。政治を、貧困問題の真の解決よりも、自分たちの組織存続、拡大を優先しているということだ。

 そしてもし湯浅誠が、あくまで政治から距離を置き、貧困問題の解決は政治家の仕事だ、と突き放しているのなら、政治の力を過小評価しているということだ。自らが政治家になったときに及ぼしうる影響力に気づいていないということだ。

 貧困問題が政治の軸にならないようでは、その真の解決はおぼつかない。これだけははっきりしている。

  政治の軸にならない平和問題と国民新党の役割


 私は、ロナルド・ドーア氏の論評を引用して、この国では貧困問題が政治の軸にならない、政治家は誰も本気になって貧困問題を政治の場で解決しようとしない、国民もまたそれを政治に要求しない、と書いた。

 同様のテーマはもう一つある。それは平和の問題である。平和もまた政治の対立軸になっていない。

 政治家は憲法9条を踏みにじる政府・官僚を本気になって追及できない。国民は平和の問題を政治の主要テーマにしない。

 これは由々しい事だ。我々の生活の基本である憲法9条(平和)と25条(生存権)が、政治の軸にならないのである。

 ここ数ヶ月間、与野党は解散・総選挙絡みの駆け引きばかりに終始し、国会において、平和の問題もまた放置してきた。

 米海兵隊のグアム移転協定しかり。海賊対策法しかり。いずれも重大な憲法9条違反の法案であるにもかかわらず、まともな審議が行なわれないまま急いで成立させられようとしている。

 しかも政府は国民に嘘をついてまで成立を急いでいる事が明るみになったと言うのに、である。

 たとえば沖縄からの米海兵隊削減計画である。我々は8000人削減されると繰り返し聞かされてきた。そのように報道されてきた。しかし4月3日の衆院外務委員会で、外務省の梅本和義北米局長は、社民党辻元清美氏の質問に対し、それが嘘である事を認めた(4月9日朝日新聞)。07年9月時点での在沖縄海兵隊の実数は1万3200人という。その数が1万人になるだけなのだ。わずか3200人の削減に過ぎない。その見返りに膨大なグアム移転費を負担させられようとしている。国民に十分な説明がないままに国民の税金が使われようとしている。

 海賊対策法の嘘もまた明らかになった。4月19日の東京新聞は、ソマリア沖に派遣されている海上自衛隊がこれまでに警護した日本関係船舶は、政府が説明していた数の3割程度しかなかったことをスクープしている。不景気によって航行する日本関係船舶が急減しているのだ。

 本来ならば派遣そのものを見直さなければならないのに、現実は逆だ。政府は海賊対処法の成立を強行しようとしている。

 政治は何をしているのか。護憲政治家は何をしているのか。共産党や社民党の政治家が怠慢だとは言わない。圧倒的に少数なのだ。非力なのだ。そして雇用問題と同様に、野党第一党の民主党が動かないのだ。

 そのような中で、私は国民新党の動きに注目している。4月21日の新聞各紙は、国民新党の亀井久興幹事長が横浜市で記者会見し、一旦受け入れた民主党の海賊対処法修正案にもとづく与党との修正協議から、国民新党は離脱する方針を決めた、と報じた。海上自衛隊の海外派遣に反対する社民党との連携を重視して方針転換したという。

 国民新党は平和の政党になったのか。そういえば国民新党の亀井静香代表代行の最近の発言を聞いていると、平和外交の重要性を言い出し始めた。国民新党は平和の政党に脱皮しようとしているのだろうか。そうだとすれば私はそれを歓迎する。

 やがて国会で海賊対策法案をめぐる審議が始まる。私は国民新党が民主党より憲法9条に忠実な立場を取ろうとしている事に注目している。

 保守的な国民新党が平和を標榜する政党になれば、より幅広く国民に訴える事が出来るのではないか。護憲・平和問題が左翼イデオロギー政党の独占物でなくなった時こそ、護憲・平和問題が政治の軸になる時かもしれない。国民新党の活躍に期待したい。


 天木直人メルマガ懇親会のお知らせ。

 現在までに確定した懇親会の案内です。最寄りの地に在住の方の参加を歓迎します。参加希望者は開催場所を明記の上メールにてご一報ください。メルマガを購読されていない方も歓迎します。思いを同じくする者たちとのネットによる連帯の輪を広げていきましょう。

 京都開催 

 日時 5月16日(土) 午後1時―5時
 場所 キャンパスプラザ京都(JR京都駅烏丸口から西徒歩5分)2階
(収容80名)
 集会名  天木直人メルマガ懇親会(以下同じ)
 参加要領 メルマガの購読者を優先しその他一般開放(以下同じ)
 参加費  会場代分担 一人当たり500円見当

 東京開催
 
 日時 5月31(日) 午後1時―5時
 場所 高井戸地域区民センター(収容70名)
 京王井の頭線高井戸駅徒歩3分、荻窪駅南口から関東バスで 4番
「芦花公園駅前入口行」「給田行」 高井戸駅下車 徒歩2分
 参加費   無料

 富山(高岡)開催

 日時 6月10日(水) 午後1時―5時
 場所 ビジネスイン高岡 4階研修室・会議室(収容45名)
    富山県高岡市駅南 5-3-3
    JR高岡駅南口徒歩1分
 参加費 500円(会場代分担)

 福岡開催

 日時 6月14日(日) 午後1時―5時
 場所 アクロス福岡 セミナー室2(収容70名)
    福岡市中央区天神1-1-1
 参加費 500円-1000円(会場代分担)

 福島開催

 日時 6月28日(日) 午後1時―5時
 場所 郡山ビッグバレット(収容60名)
 参加費 500円―1000円(会場代分担)

 盛岡開催

 日時 7月25日(土) 午後1時―5時 
 場所 いわて国保会館  せせらぎ(収容40名)
    盛岡駅から徒歩5分
 参加費 500円(会場代分担)

 山梨開催

 日時 8月22日(土) 午後1時―5時
 場所 生涯学習センターこぶちざわ
 JR小淵沢駅徒歩15分
 参加費 無料

 徳島開催

 日時 9月13日(日)
 場所 未定

名古屋開催

日時 9月20日(日)
場所 未定

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2009年04月17日

 麻生親書を携えて訪米する安倍元首相 ほか

 
 麻生親書を携えて訪米する安倍元首相

 4月14日の朝刊各紙は、麻生首相が13日夜、官邸で記者団に答え、「米国と連携して核兵器の廃絶に取り組む意向を伝える親書を、14日から訪米する安倍元首相に託した」と発表し事を報じていた。

 この一見何でもなさそうな記事に、私は二つの大きな疑問と不快感を持つ。

 一つは核廃絶に対する日本の積極性のなさである。

 今から二年ほど前に、キッシンジャーやシュルツ、ペリー、ナンといった米国の安保・外交の重鎮が、「米国が主導的立場に立って世界から核兵器を廃絶しよう」、と新聞広告を出したことがあった。

 このニュースを聞いた時、私は自らのブログで外務官僚に呼びかけたものだ。日本が活躍する大きなチャンスだと。この提案に乗って米国を動かせ。そして唯一の被爆国日本が核廃絶の先頭に立て、と。残念ならが外務官僚は動かなかった。

 それから2年。再びチャンスがやってきた。オバマ大統領が5日、プラハで核兵器全廃包括構想を発表したのだ。ところがまたしても外務省の反応は鈍かった。

 外交の麻生は、「日本は核軍縮を一貫して言ってきた数少ない国。米国が取り組むのは極めていい傾向だ」、などというひとごとのようなコメントを発表しただけだった。

 そして今度の首相親書の発出である。なぜ10日近くも間延びしたのか。なぜすぐに親書を出さなかったのか。

 それは麻生首相が自ら親書を書かなかったからだ。外務省幹部が自ら書こうとしなかったからだ。事務官に命じて書かせ、それを順番に裁決していくうちに日にちが経ってしまったのだ。要する誰も即座に英文の手紙を書けない、書かないのだ。

 それよりも私が腹立たしく思ったのは、親書を託した政治家に安倍晋三元首相を選んだ麻生首相のセンスのなさである。

 安倍晋三は憲法改憲をとなえ、核武装も辞さないと唱える連中と一緒になって「美しい国」をつくろうとしている右翼イデオロギーの政治家だ。 あの従軍慰安婦問題で米国議会を怒らせた政治家だ。何よりも、訳の分からない理由で施政方針演説直後に首相職を放り投げた無責任な政治家である。とっくに引退していなければならない政治家だ。

 そんな政治家に核廃絶の親書を携行させてどうする。米国がまともに相手にするはずがない。またしてもチャンスを見逃している。


   日本は一日もはやく北朝鮮との首脳外交を行うべきだ
    
 4月15日の毎日新聞と4月16日の産経新聞に、奇しくも防衛大学校の倉田秀也教授の意見が立て続けに掲載されていた。日本も北朝鮮との二国間協議を始めるべきだ、という意見である。まさしくその通りだ。

 そもそも6カ国協議と2国間協議とは二者択一の問題ではない。同時並行的に行なわれるべきものだ。

 北朝鮮は6カ国協議に復帰することを取引材料にして米国や中国との直接交渉を狙っている。米国も中国も、6カ国協議の開催に向けて、それぞれの利害と思惑から北朝鮮との直接協議を進めるようとしている。

 6カ国協議と2国間協議を並行して使い分けているのだ。

 それは当然である。なぜならば各国はそれぞれの国益があるからだ。それに基づいて外交を展開しているからである。

 6カ国協議は、いわばそのような各国の利害を認め合う最後の国際合意の場なのである。

 当然ながら日本も日本の国益がある。北朝鮮ミサイルの脅威をもっとも深刻に受けるのは日本であるし、何よりも日本は拉致問題という国民的懸案がある。

 しかも日本は北朝鮮に対しては巨額の経済援助という強い取引材料がある。北朝鮮にとっては喉から手が出るほど欲しい金だ。米国や中国との関係に比べれば、北朝鮮にとっては日本との関係正常化こそはるかに重要なはずだ。

 だからこそ北朝鮮は小泉訪朝を歓迎し、平壌宣言に合意したのだ。その意味で、国交正常化を首脳間のリーダーシップで実現しようとした小泉外交は正しかった。

 問題は、動機が不純だった事にある。ノーベル平和賞欲しさの小泉首相と出世を焦った外務官僚が、国民を欺き、みせかけの国交正常化を行なおうとした事にある。

 その思惑が外れ、予想以上の国民の反発をかったとたんに腰砕けになり、結果的に何度も北朝鮮を欺く事になった。これに北朝鮮が反発して日朝交渉は完全に行き詰まった。

 日本が北朝鮮との二国間交渉に踏み込めないのは、まさしく小泉外交がもたらした拉致問題の行き詰まりのためである。

 麻生首相に助言する。今こそ小泉北朝鮮外交を白紙に戻し、原点に返って金正日総書記との直接交渉を決断するのだ。

 過去を謝罪し、経済協力を行なって国交正常化を図る事と同時に、北朝鮮には拉致の全貌を明らかにさせて謝罪と原状回復を求める、核の脅威を取り除かせる。この同時的、包括的解決を行なうのだ。

 それしかない。その困難な協議をやり遂げてこそ、歴史に名を残す首相になれる。小泉首相がやりたくても、ついに果たせなかった国家的事業を成し遂げることができるのだ。


  天木直人メルマガ懇親会のお知らせ。

  京都開催(5月16日)および京都開催(5月31日)の参加者はほぼ定員に達しました。

  これらの懇親会に参加ご希望の方は私宛にメールでお知らせ下さい。

  なおあらたに山梨が次のように確定しましたのでお知らせします。

 山梨近郊にお住まいの方は参加申込みを受け付けます。

 日時 8月22日(土) 午後1時ー4時

 場所 生涯学習センターこぶちざわ

     山梨県北杜市小淵沢町7711

     電話 0551-42-1495

     JR小淵沢駅徒歩15分

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