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2009年03月07日

天木直人のメールマガジン 要約 3月5日ー7日分


 天木直人のメールマガジン 要約 3月5日―7日分

 2009年3月5日発行 第0086号

  緊急メッセージ 小沢民主党に告ぐ(その2)

  日本の将来が左右される闘いとなる

  小沢一郎がここまで検察批判をして闘う姿勢を見せたのには驚いた。民主党がその小沢代表の下で結束して闘う姿勢を見せたのには驚いた。そうであれば小沢民主党は最後まで鉄の結束を保って国家権力と闘い抜くことだ。検察官僚の横暴を叩き潰すことだ。途中で腰砕けになってはすべてが終わる。なんとしてでも小沢民主党は勝たなければならない。そして政権交代を実現しなければならない。私は最後まで応援したい。
  これは国策捜査なのか。米国の日本支配なのか。その事の真偽を議論しても始まらない。はっきり言えることは、もしここで小沢民主党が潰される事になると、やっぱりそうだったのかという思いが国民を支配する事になる。何も知らされない国民の意識の中に、国家権力には逆らえない、米国を怒らせてはいけない、という漠然とした思い込みが定着してしまう。その悪影響ははかり知れない。国家権力がどんどんと強化されていく。対米従属が固定化していく。国家権力批判、対米従属批判をする者たちへの圧力が強化されていく。小泉・竹中構造改革派が息を吹き返し、この国は再び強者が支配する国に戻ってしまう事になる。そうさせてはならない。
 
 2009年3月6日発行 第0087号

 「年次構造改革要望書」と対米従属

 毎年米国から提出される年次改革要望書なるものが、米国から日本に発せられる指令書なのか。もちろん日米両政府はそれを否定する。しかし現実はその要望書の通り日本の政策は実施されてきた。果たして真実はどうなのか。

 その答えを示す証拠を3月6日の毎日新聞、連載「アメリカよ 新ニッポン論」の中に見つけた。その記事は、一方において官僚たちが「(あんなもの)ほとんどは目を通したらポイ、ですよ」と口をそろえて「指令書」説を否定する言葉を紹介している。また実際にも米国の要望の多くがないがしろにされている例をあげて、「指令書」説を一笑する。
 しかし、その一方で、米通商代表部日本部長として日米構造協議や日米包括経済協議を経験したチャールズ・レイク氏(在日米国商工会議所名誉会頭)の次の言葉を紹介している。

・・・米国側では対日交渉の事を「カブキに出る」って言っていました・・・

  つまりこういう事だ。日米間で交渉を繰り返し、最後は日本側で方向性を固める。その時、日本側は、米国の圧力で止むを得ないだろうと国内を説得する、お互いが大見得を切って芝居をする、それぞれの役割分担が出来ていた。歌舞伎に通じる様式美の世界だった、というのだ。

  このレイク氏の言葉は意味深い。日米関係は、単に米国が日本に指令してそれに日本が従うという単純な従属関係ではない。その従属関係を役割分担し、世間の目をくらまして受け入れる。つまり単なる対米従属よりも売国的だ。対米従属関係は日米が結託して構築されていると言っているのだ。
 思えば戦後の日米関係はすべてが万事である。東京裁判から始まって日米安保条約、そして今日の米軍再編に対する協力に至るまで、日米従属関係は日米両政府の共同作業の結果に他ならない。いくら国民が対米従属をやめろと叫んでも、政府、官僚が一切耳を傾けない理由がここにある。

 2009年3月6日発行 第0088号

  日米安保条約無効訴訟に関する読者からの情報提供

 3月4日のメルマガ第0084号で書いた日米安保条約無効訴訟の件については、どのメディアもこれを報じなかった。予想されていたとはいえ、見事な無視だ。これでは国民は真実を知る事はできない。
 そのかわり、私のメルマガの読者には、私に読者から寄せられた貴重な情報を提供させていただく。以下の文章は私のメルマガの読者の一人から私に寄せられたメールの要約である。あまりにも貴重な情報であり、是非私のメルマガの読者と共有したいと思ったからだ。

 「・・・本日の午後、いつものように天木様のメルマガを拝読し鼓動の高鳴りを感じました。『「天木直人メルマガ」 第0084号 日米安保条約は無効だという訴訟』こそ、本日の午前、私が傍聴した裁判そのものに他ならなかったからです。
 東京地裁631号法廷で10:00より行われた「日米安保無効訴訟」は日米安保条約無効訴訟の会・代表の長岩均氏によって提訴されたものです。建設関係の会社役員をされている長岩氏は、落ち着いた風貌の大変誠実な方であるとお見受けしました。また、今回の訴訟において事務局長をされている山崎康彦氏もメリハリのある語り口の非常にまっすぐな方で、信頼するに足る人物との印象を受けております。
 今回の訴訟を傍聴するに際し、このような真面目で誠実な市民の皆さんがこうして社会の矛盾に立ち向かう様に、私は大変感銘を受けた次第です。 しかしながら、裁判そのものは甚だ私たちの期待を裏切るものでしかありませんでした。なんと法廷はわずか3分ほどで終了してしまったからです!この日のために急遽休暇をとり八王子から霞ヶ関まで馳せ参じた私にとっては、肩透かしを食らったような、舐められたような、なんとも馬鹿にされたような思いに囚われました。閉廷直後、「しっかりやれよ!」という裁判官に対する罵声もとんだほどです。
 展開は次のようなものでした。裁判官は3名。中央の裁判官が原告・長岩氏、被告・国の書面内容をそれぞれ確認しました。その時、国側から当法廷での終結を求める要請がありました。つまり、今回の1回限りで決着(=棄却)をつけたいとのこと。これに対し裁判官は何ら異存がある風でもなく、原告側にその旨伝えます。当然原告側はそれでは納得いかないので異議を申し立てます。(ここで中央の裁判官は左右の裁判官と何やらひそひそと協議)。すると裁判官は「ここに書面があるのにこれ以上何か言いたいことでもあるのか」といった意味の突っ込みを入れ、それでも食い下がる原告に対し、「では、1回続行します」と宣言し、次回の開廷日程を確認し閉廷となったわけです。――この間、約3分。
 今回の裁判は紛れもなく出来レースとの印象を受けました。間違いなく棄却となることでしょう。国の代表は法務省・法務局からやって来た、若い女の子を含めた6名。被告席後列に座った女の子を含めた3人は、裁判が始まる前から楽しそうに世間話に花を咲かせ、裁判中も国が相手取られた訴訟という緊張感がまるで感じられませんでした。これも裁判官を含めた“身内”であればこそでありましょう。結果など最初から分かっているのです・・・
 訴訟の過程で分かったこととして、1970年に10年の延長が国会で強行採決された、俗に言う「70年安保」について、その後の延長はどうなっているのかということについてです。このことについては私も初耳でした。長岩・山崎両氏はてっきり10年ごとの更新と思っていましたが、実は、1年ごとに更新されていことが分かったのです。長岩氏が外務省の条約課に直接電話し、要するに「無期限条約なのか」と担当官に聞いたところ、返事は「それは違う」とのことでした。「省内で意見をまとめ、毎年アメリカ側と協議している」とのことだったのです。つまり、1年1年外務省の窓口のレベルだけで、国会でも審議せず、国民にも知らせず、マスコミにも言わず、そして野党も追及せず、そのようなことが実は1971年以降脈々と30数年間続いてきたわけです。そのようなことがまかり通る国は一体何なのか?実に衝撃的な事実であります!・・・」

 私は名古屋地裁、高裁における自衛隊イラク派兵差止め訴訟にかかわってきて、裁判の現実をはじめて目撃した。だからここに書かれている裁判所の状況は手に取るようにわかる。そしてあらためて名古屋高裁の違憲判決が歴史的判決であった事を思い知る。
 それにしても日米安保条約が外務省の下っ端官僚だけで毎年更新されているという現実を知って、さすがの私も驚いた。この国をわれわれ国民の手に取り戻すには一体どうすればいいのか。

2009年3月7日発行 第0089号

 小沢秘書騒動の山は越えた

  突然の小沢秘書逮捕から始まった壮絶な権力闘争は、まさしく政権交代闘争の最終章だ。もちろんその結末はまだわからない。しかし希望的観測を交えて今の時点での私の考えを書いてみたい。それは一言でいえば、覚悟を決めた小沢一郎が勝った、ということだ。
もちろん検察官僚の意地がある。自民党の生き残りをかけた国家権力濫用がある。権力に迎合したメディアがある。事態は秘書の逮捕や小沢の意見聴取、代表辞任という流れになるかもしれない。
  しかし例えそうであっても、民主党への政権交代への流れが変わらなければ小沢民主党の勝ちだ。小沢は自分の政治生命と引き換えに政権交代を実現した事になる。私はそういう流れになると思う。
  もしそういう流れにならず、小沢民主党代表辞任とともに民主党がガタガタになり、世論の支持を急激に失い、政権交代実現が雲散霧消すれば、この国は暗黒の世になる。国家権力の国民弾圧が加速し、対米従属が固定化される。憲法9条は捨てられる。絶対にそうさせてはいけない。希望的観測を交えて、私は以下の通り小沢民主党の勝利を予言する。
  小沢秘書の突然の逮捕の直後に、私はブログとメルマガで緊急メッセージを配信し、小沢代表は直ちに代表を辞任して国策捜査との闘いに全力を傾注せよと訴えた。すかさず多くの反応が寄せられた。反応は賛否両論であった。小沢民主党を何故擁護するのかという意見の一方で、小沢代表は絶対辞職してはいけない、代表にとどまって闘ってこそ民主党を救えるのだ、として小沢辞任を求める私の腰砕け振りを激しく攻撃するものがあった。
  私は小沢民主党による政権交代論者だから、反小沢サイドの意見はここでは問題外だ。私が傾聴に値すると思ったのは「小沢代表は辞任してはいけない」といって私の弱腰を批判する意見であった。
  その意見と私の意見は、「政権交代を妨げる卑劣な国策捜査と断固闘うべきだ」という意味で同じであるが、異なるのは状況判断であり、戦略の差だ。私は民主党を巻き込んで闘うのは負けた時にあまりにも打撃が大きい、たとえ小沢代表が潰されても民主党に及ばない形で闘うべきだ、と考えたのだが、その批判者は、小沢を代表から外すのが敵の大目的であり、小沢が代表を辞めると民主党は崩壊する、ここは民主党代表として断固闘うしかない、というものであった。
その後の進展を見ると私の戦略は甘かったかもしれない。というよりも小沢一郎の気迫と覚悟が私の慎重戦略を上回ったようだ。小沢代表の最初の記者会見は言い過ぎだったと思った。しかしあれは小沢氏が政治生命をかけた検察との闘いを宣言した記者会見だったのだ。あの迫力がこの闘いの帰趨を決めたと思う。
  その思いを私は二回目の緊急メッセージを書いた。そこまで小沢氏が決意し、民主党もそれで結束できるのなら、もはや引き返せない。これは自民党から仕掛けられた政権交代潰しの最終闘争であるととらえ、政権交代を賭けた死闘を闘い抜くほかはない、がんばれ、と書いた。
  そしてこのメルマガを書いている3月7日朝の時点において、どうやらこの壮絶なバトルの山は越した、小沢民主党が勝つ事になる、私はそう思い始めた。新聞やテレビが流す報道と、ネット上に流れる玉石混合の情報を総合して下した私の見立てはこうだ。
 小沢氏は、法的に最後まで闘ってでもこの問題に白黒をつけると二回目の記者会見(3月6日正午)で繰り返した。そこには覚悟と共に余裕も見られた。一回目の表現が言いすぎなら訂正すると軟化した。それは譲歩ではなく、これから始まる長い戦いを勝ち抜くという決意を改めて示したのだ。たとえ国策捜査で負けても、ただでは負けない、という覚悟すら感じた。清廉潔白でなくても皆が同じような事をやって見逃されてきたのに、ここで自分だけを標的にされてたまるか、という「正しさ」を検察、自民党に突きつけたのだ。
言い換えれば、メディアが今後小沢不利のどのような情報を流しても、それが法的に立件できるほどしっかりしたものでなければ、その手法に対する批判もまた強まっていく。そんな記事ばかりを流し続けられるか、という事である。
  私は検察官僚は追い込まれつつあるような気がする。ある情報によれば西松建設との政治献金の仕組みが出来たのは大久保秘書の前任者の時代からであり、その秘書は今度の選挙で自民党から出馬予定だという。とんだ茶番だ。「自民党には捜査は及ばない」と失言した政府高官の問題も、大失敗だ。政府と結託している大手新聞、テレビは、知っていながら名前を明かさないが、3月7日の日刊ゲンダイは漆間官房副長官だとあっさりばらした。元警察官僚(元警察庁長官)である。検察官僚と警察官僚が自民党と結託して小沢民主党つぶしをやっていると認めたようなものだ。
  それに、自民党の大物代議士たちがつぎつぎと資金返済を表明し出した。小沢氏と同様の立場に追い込まれつつある。政治資金規正法はザル法である。皆が工夫をして合法化を装ってきたのだ。調べればほこりは出る。知らなかった、記載訂正すればいい、というのであれば、小沢と同じ事になる。
  西松検察の犯罪をいくら暴いても、それは西松側の犯罪だ。暴けば暴くほど関係者が増えていく。小沢と西松だけの関係を特殊な犯罪であると主張する事は無理がある。検察関係者もそれを認めだした。
  最後の決め手は世論がどう判断するかだ。すでに一部世論調査が出ている。これから一斉に出てくる。当然その数字は小沢民主党に不利な数字となる。しかし小沢民主党が大きく支持率を下げない限り、麻生自民党の支持率が大きく増えない限り、国策捜査はうまくいかなかったということだ。
  検察はもはや落しどころを考え始めたのではないか。名誉ある撤退を模索しているのではないか。メディアの騒ぎも心なしに静まりつつあると私は感じる。要するに山は越したのだ。終わったのだ。
  果たして小沢民主党政権が出来るのか。それが出来たら単なる政権交代にとどまらず、国家権力の移譲が行なわれる。主客逆転が起きる。それが今度の事件で決定的になった。検察官僚は震え上がる事になる。
  今度の騒動で明らかになった事がいくつかあった。一つは日本共産党が小沢批判をしたことだ。戦前の言論弾圧や拷問などで国策捜査の卑劣さを知っているはずの日本共産党が、自分たちが選挙で票を伸ばせるチャンスだとばかり、小沢民主党代表を批判した。正義者ぶって組織防衛を最優先した。私の日本共産党不信は決定的になった。
  もう一つは前原誠司や渡辺周などが小沢国策捜査発言を批判したことだ。政治生命をかけて闘っている身内の党首を批判したのである。私が小沢なら決して許さないだろう。もし小沢民主党が政権をとったなら、小沢の下で国策捜査に闘った連中と、距離を置いた連中の間の亀裂が決定的になる。距離を置いた連中は民主党を出るしかなくなった。
  残る問題は、政権交代に闘って傲慢になるだろう小沢一郎とその民主党が、果たして国民にとって正しい政治を行なうかどうかだ。日米関係をどうするかだ。外交、安全保障政策をどうするかだ。保守大連立に走らないかだ。
  しかし私はそれにはあまり関心がない。権力者はすべて悪をなすというのが私の立場であり、小沢政権が実現すれば小沢政権の誤りを厳しく監視していく事になるからだ。
  いずれにしても自公政権を国民の手で倒すことがまず先決だ。その後の政治がどのように展開していこうとも、国民の声がより強くなって政治を監視できるようになっていけばそれでよい。政治が正しく監視されていれば、政治などに関心を持つ必要はない。政治は所詮人生の重大事ではない、それが私の考えである。

 

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2009年03月05日

  日本の将来が左右される闘いがはじまった

 
 日本の将来が左右される闘いがはじまった

 
 ここまできたら小沢民主党は一丸となって最後まで闘ってもらいたい。闘いに勝って政権交代を実現してもらいたい。どんなことがあっても腰砕けになってはいけない。その闘いは一人小沢民主党のための闘いではない。日本の将来が左右される闘いであるからだ。
 これは国策捜査なのか。背後に米国の影響力がある小沢潰しなのか。その真偽を詮索しても始まらない。重要なことは、もしここで小沢民主党が潰される事になると、やっぱりそうだったのか、という事になるということだ。国家権力に歯向かっては勝てない、米国を怒らせてはいけない、という漠然とした恐怖心が国民の意識に定着する。その悪影響ははかり知れない。
 国家権力がどんどんと強化されていく。対米従属が固定化していく。国家権力批判、対米従属批判をする者たちへの圧力がますます強化されていく。小泉・竹中構造改革派が息を吹き返し、この国は再び強者が支配する国に戻ってしまう事になる。
 私は小沢一郎を支持するから応援しているのではない。民主党に媚びているわけではない。しかし、もしここで小沢民主党が空中分解し、政権交代が遠のくと、日本は長く暗い混迷に入ってしまうという危機意識を持つからだ。
 逆に、もし小沢民主党が勝って政権をとるようになると、これまで権力を握って好き放題をしてきた者たち(自民党政治家、官僚、メディア)の悪事が暴露され、裁かれる事になる。主客逆転が起きる。これこそ日本で起こりえなかったクーデターであり民主革命なのである。
 だからこそ権力側の小沢たたきはすさまじい。国家権力と米国の協力者になってしまったメディアは、検察の味方になって偏った報道を繰り返している。政治資金規正法違反では埒が明かないとばかり、収賄の疑いさえあるがごとき情報を流し始めた。このままでは時間とともに小沢民主党は追い込まれてしまう。世論は小沢民主党を応援すべきだ。今の日本を救うには民主革命しかない。

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2009年03月04日

天木直人のメールマガジン 要約 3月2日ー4日分


 天木直人のメールマガジン 要約 3月2日―4日分


 3月4日に政界動乱の第一幕が始まる

 3月4日に小泉元首相の定額給付金不賛成問題に報道が集中する事になる。欠席すると発言した以上欠席するだろう。その行動がブレたら小泉元首相は終わりだからだ。問題はその結果自民党内にどういう動きが広がるかだ。メディアは小泉劇場の再来を応援している。しかし日刊ゲンダイ3月2日号は、造反者はあらわれず小泉元首相の政治生命は文字通り終わると書いている。
 興味深いのは麻生と小泉の争いである。今日発売の週刊ポスト3月13日によれば「かんぽの宿」疑惑追及を巡っての暗闘があるという。それが事実ならば両者の確執は深く、激しい。権力争いは権力(政権)を握っているものが圧倒的に有利だ。小泉元首相は、かつて自分が権力に任せて橋本龍太郎など旧田中派を切り捨てたしっぺ返しを痛感しているに違いない。自民党の分裂は避けられない。
 しかし圧倒的に有利なはずの民主党も大きな矛盾を抱えている。小沢一郎個人の問題もあるが、やはり対米外交における小沢発言だ。それが党内の一致した意見であればいい。一丸となって対米従属から決別する覚悟があればいい。しかしそうではない。旧社会党議員を抱え込んだ党内事情もさることながら、社民党、国民新党と協力して政権を狙わざるを得ないところに民主党の最大の弱点がある。
 これは世間が考えている以上に大きな問題である。なぜならば背後にアメリカの存在があるからだ。小沢の最大の誤りは米国がこれまでの日本の政治に及ぼしてきた影響力を侮っているように見えるところである。政権交代が起きれば、戦後63年続いた対米従属政策の裏で行なわれてきた売国的な政策が国民の前に暴かれるかもしれない。その発覚を恐れる者たちが黙って下野するとはとても思えない。
 
 2009年3月3日発行 第0082号

 小沢たたきと拉致問題

 メディアの小沢民主党攻撃が続いている。とくに産経新聞の小沢たたきは執拗だ。今度は拉致問題についての小沢発言の批判を報じた。3月2日の産経新聞の「民主党解剖」第一回は次のような書き出しで始まっている。
 「2月上旬、都内で開かれた民主党議員と支持者による会合。党代表、小沢一郎が発した言葉に会場は一瞬凍りついた。『拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき何人かください、って言うしかないだろう』 日本人の人権と日本の主権を蹂躙した北朝鮮の犯罪をカネで解決させるー。あまりにもドライな小沢発言には、当然のごとく、緘口令が敷かれた・・・」
 この報道に反応するかのように細田自民党幹事長は2日の記者会見で、「発言が事実としたら関係者や被害者家族の期待を裏切る大変背信的な発言ではないか」と批判した。それをご丁寧に3日の産経新聞だけが報じている。
 2月はじめの話を今頃になって暴露して、外交・安保問題に続いて拉致問題についても暴言を吐いていると言わんばかりに小沢一郎を攻撃しているのである。 しかし産経新聞が書くべきは、カネで拉致問題を解決しようとした大先輩は小泉元首相だったという事だ。その事実こそ産経は真っ先に国民に知らせなければならない。
 この点について発売中の週刊現代3月14日号に重要な記事があった。田原総一朗の連載「霞ヶ関大研究」第5回は、「外務省が封印していた北朝鮮拉致被害者『生存』情報」というテーマであるが、その中で小泉元首相の電撃訪朝をお膳立てした田中均元外務審議官の次のような言葉が暴露されていた。
・・・なにより北朝鮮は日朝交渉を心底で進展させたい。国交を正常化し日本からまとまった金(1兆円)が欲しい。この金がないと、北朝鮮は本格的経済復興ができないからです・・・
 田中氏も今頃になってこんな話を田原氏相手によく平然と喋るものだと思う。あの平壌宣言は、拉致を求めさせる事と国交正常化交渉を行なう事と引き換えに1兆円を北朝鮮に渡す取引でできたものであった。その背後には日本のゼネコンが群がっていた。この事は当時随分憶測がながされた。報道関係者はみなそれを知っていながら一切報じなかった。
 産経新聞が拉致問題で今書くべき事は小沢民主党の「暴言」ではない。小泉元首相と外務省の国民に対する裏切り行為だ。小泉批判を出来ないような産経新聞に、麻生批判や小沢批判をする資格はない。

2009年3月3日発行 第0083号

 緊急メッセージ 民主党に告ぐ。肉を切らせて骨を穿て
(別途掲載済み)

 2009年3月4日発行 第0084号

 日米安保条約は無効だという訴訟

 3月3日の日刊ゲンダイに斉藤貴男が重要な指摘をしていた。なぜ新聞は日米安保条約の無効訴訟が行なわれている事を書かないのか、国民に知らせないのか、という問題提起である。
 戦後の日本の国の在り方を規定する「国是」は日米安保体制という名の日米同盟である。それを規定したのが日米安保条約である。ところが、その日米安保条約が、国政府からA級戦犯を免責、助命され、買収までされた岸信介首相の手によってつくられた事を知る国民はいまだ少ない。その事実を根拠に日米安保条約に正統性がなく、従って無効である、と長岩均(56)という国民が訴えているのだ。
 岸首相と米国の結びつきの闇についてはこれまでに多くの資料で明らかにされているが、その最近のものがニューヨーク・タイムズのティム・ワイナー記者が発表した一冊の著書である。日本でもその翻訳が「CIA秘録」上下巻(文芸春秋)として昨年11月に刊行されている。
 もちろんこれらの主張の信憑性を判断する権限は戦後一貫して権力を握ってきた自民党政権だ。司法もまた権力に従うのが現実だ。しかし少なくとも安保条約に正統性がなかったのではないかという疑義が国民に知らされることになる。司法は政治的判断を避けるであろうが、少なくとも何らかの調査をし、判断を下さなければならない。一切の判断を避けて訴訟を門前払いするとしたら、それはそれで大きな問題提起をみずから国民の前で行なう事になる。
 このように考えた時、日米安保条約無効訴訟はまさしく新聞が大きく取り上げて国民に周知すべき訴訟である。ところが不思議な事にマスコミは一切報道しない。その記事によれば第一回口頭弁論は3月4日午前10時に東京地裁631号法廷で行なわれるという。果たしてそれについての報道がなされるか。どこの新聞が、どのメディアがそれをどのように報道するか。私は注意深く見守る事にする。

2009年3月4日発行 第0085号

 ナイ次期米駐日大使就任報道の迷走

 早々と内定が報じられたジョセフ・ナイ次期米駐日大使の人事が、一向に決まらない。ヒラリークリントン国務長官の訪日の際も、麻生首相の訪米の際も、その姿はなかった。

 オバマ新政権の米駐日大使としてジョセフ・ナイ元国防次官補が内定したといち早く書いたのは1月8日の朝日新聞夕刊であった。「オバマ新政権がナイ氏を起用する方針を
固めたことが7日明らかになった」と報じ、日本に手厚い配慮をしたと歓迎していた。
 翌日の各紙も、書き方は微妙に異なっていたが、同様の記事を次々と掲載し、あたかも駐日大使はナイ氏で決まりであるかのような印象を日本の読者に与えていた。
 ところがその後一向に正式決定がなされていない。そう思っていたら最近発売された月刊誌リベラルタイム4月号において、「夫人の猛反対」で難航するナイ氏の駐日大使就任、という次のような記事が目にとまった。
・・・ナイ氏の夫人はボストンで画廊を経営しているため、夫の赴任先がワシントンぐらいだったら認めるが、それ以上だったらダメといって、OKを出していない・・・ナイ氏の駐日大使就任構想は幻になってしまう可能性がある・・・
 なるほど、そういうことか。しかし、それさえも本当かどうかはわからない。別の情報では、ナイ氏自身が駐日大使のポストに魅力を感じていない、ワシントンの要職であれば話は別だ、というものもある。
 そういえばシーファー大使夫人も日本は嫌いだった。朋友ブッシュに頼まれたシーファー大使は日本に赴任したが、一切日本に溶け込もうとせず、ひたすらブッシュ政権の要望を日本につきつけた。ブッシュ政権の終わりと共にその直前の1月15日にそそくさと帰任した。
 これが日米同盟関係の実態だ。駐日大使の人選の情報がつかめず右往左往する日本と、駐日大使のポストなど魅力を感じない米国、それが「最重要な日米同盟関係」の現実である。

 読者の皆さんへ

 突然の小沢民主党代表秘書の逮捕は大きな意味を持っている。その事についての私に意見はメールマガジンで書いていく。その要約をブログでもお伝えするつもりだが事態がどんどんと進展していくと思われるのでズレてしまうが、その点あらかじめご容赦願いたい。この問題は、大袈裟にいえば米国従属の日本が今後永久的に固定されるかどうかの大きな問題であると私は考えている。
 

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2009年03月03日

緊急メッセージ 民主党に告ぐ。 肉を切らせて骨を穿て

緊急メッセージ

民主党に告ぐ。肉を切らせて骨を穿て。

 民主党は直ちに新しい代表を決定して反転攻勢に出るべきだ。小沢民主党代表は自ら直ちに代表を降りて、身に降りかかった疑惑が不当であるのなら全力をかけてそれを晴らす努力をするべきだ。

 今回の突然の東京地検の動きは明らかに政治的な思惑によるものだ。総選挙に敗北必至である自民党は検察を動かし国策捜査を行なった、そう受けとめられても仕方がない。

 しかしそれを民主党がそれをみずから陰謀だと騒ぎたて、小沢党首をかばってはいけない。そうすれば自滅だ。敵の思う壺だ。

 民主党はこの事件を逆手にとって、党首を一新して自公政権の政策の行き詰まりを引き続き責めるべきだ。麻生自公政権ではもはや国民生活を救う事は出来ない。麻生自公政権がどのような策を講じても、もはや国民の信頼を回復することは出来ない。その事を民主党は、新たな態勢を整えて国民に訴えていくべきだ。一丸となって総選挙に臨むべきだ。

 まともな国民なら、今度の疑惑が起きたとしても、だから自公政権がよい、などという事には決してならない。それどころか自公政権の卑劣さに反発を覚えるだろう。

 ザル法である政治資金規正法迂回はこれまで聞き飽きるほど我々は見てきた。記録を訂正しただけで責任を免れてきた政治家がどれほどいたか。

 たとえ小沢一郎の秘書が不正をしていたところで小沢一郎が責任を取って代表を辞め、西松建設疑惑の徹底解明に全面協力をすればいいだけの話だ。自民党政治家を巻き込んで一蓮托生の腹をくくればいいだけの話だ。

 繰り返して言う。小沢代表はみずから即刻代表を辞して民主党を救え。民主党の政権交代を成就せよ。民主党は新しい代表を直ちに選んで反転攻勢に出るべきだ。そうすれば国民はついて来る。自公政権はますます追い込まれる。

 民主党は今こそ肉を切らせて骨を穿つべきである。それしか正しい戦略はない。

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2009年03月01日

 天木直人のメールマガジン 要約 2月27日ー3月1日


 天木直人のメールマガジン 要約 2月27日―3月1日

 2009年27日発行 第0077号

 北米新通貨「アメロ」がメディアで取り上げられる日

 読者の皆さんはアメロという言葉を耳にしたことがあるだろうか。私がこの言葉をはじめて知ったのは昨年6月はじめ、米国滞在中に米国知人から聞いた時だ。その時彼はこう言っていた。メキシコからカナダまで米国大陸を縦断する巨大な高速道路がつくられつつある。あわせて北米新通貨が導入されようとしている。この事は米国民にもほとんど知らされていない、と。帰国後私はこの話をブログに書いた。すかさず何人もの読者から北米新通貨構想はアメロであり、すでに米国のテレビでも一部報じられているという情報が寄せられた。

 その後私はアメロについて忘れていたのだが、昨年暮れに発刊された浜田和幸著「大恐慌以後の世界」(光文社)が再び私にアメロを思いださせてくれた。浜田氏は、フォーリン・アフェアーズ(2007年5・6月号)に発表された外交問題評議会の論文を引用し、次のようにアメロに言及している。
 ・・・(あらたな共通通貨による経済統合の)前段階として、NAFTA(北米自由経済圏:カナダ、アメリカ、メキシコ)で流通する共通通貨「アメロ(AMERO)」が急浮上することになった・・・

 不思議な事に、このアメロ構想については日本のメディアでは一切言及されていない。あたかも根拠のない与太話として無視されているかのようだ。 ところがここに来て二つのメディアがとりあげた。一つは現在発売中のサンデー毎日(3月8日号)であり、もう一つは2月26日付日刊ゲンダイである。
 おりしも麻生首相が訪米し、米国債の買い増しを突きつけられたという報道が流されている(26日毎日新聞など)。米国は金融危機を乗り切るために莫大な資金必要としている。その資金はとても普通の手段では対応できる金額ではない。アメリカという国はどんなことでもやりかねない国だ。気がついたら突然「アメロ」が発表され、日本の国債が紙くず同然になっているかもしれない。そのツケは国民にまわせれることになる。
 
 2009年2月27日発行 第0078号

 命取りになりかねない小沢失言

 私が危惧していた事が現実になりつつある。小沢民主党代表がついに取り返しのつかない失言をしてしまった。その失言とは、もちろん「(在日米軍の駐留は)第7艦隊の存在で十分だ」と言ったことである。
 この発言をはじめて知ったとき、私はその広がりを注視した。もし与党やメディアが、この失言を聞き逃して騒がなければ小沢民主党は助かると思ったのだ。現実は甘くはなかった。たちどころに自民党が反応し、メディアが取り上げた。問題は、これからだ。私が自民党であればこの失言を千載一遇のチャンスととらえ、最後まで執拗に追及するだろう。一気に攻撃するもよし、蛇の生殺しのように、安保問題の議論が行なわれるたびに持ち出すのもよし、米国と一緒になって小沢民主党代表の安保政策を追及する。そんな党首をいただく民主党に政権を任せられるかと繰り返す。国民はそうかと思い出す。やがて民主党内が動揺し、社民党との協力関係が亀裂する。こらえ性のない小沢一郎は嫌になって党首を投げ出す。そうなれば最悪だ。政権獲得を目前にして民主党は一気に混乱していく。敗北必死の自民党が息を吹き返し、政界再編含みの親米保守大連立の動きが加速する。
 そうならない事を願うばかりだ。

 2009年2月28日発行 第0079号

 これを好機として日米安保体制を再点検すべきだ

 小沢発言をめぐる反応はいまのところ抑制されているように見える。しかし必ず大きな争点になって浮上してくる。
 しかし、野党側にも大きな攻撃材料がでてきた。それは27日の読売新聞がスクープした米国の日米安保体制についての本音である。 尖閣列島の領有権を巡って日中間に紛争が続いている。読売新聞によれば1996年カート・キャンベル国防次官補代理(当時)は尖閣諸島を日米安保条約の適用対象と認め、有事の際には米国の防衛義務が生じるとの見解を米政府高官としてはじめて示したという。更に、2004年3月に中国の活動家が尖閣諸島に上陸した際にも、国務省副報道官は記者会見で「日米安保条約は日本の施政下にある領域に適用され、尖閣諸島にも適用される」との見解を改めて繰り返したという。
 ところが最近に至って米国がその方針を明言しなくなったと読売新聞はスクープしているのだ。おりしも北京では米中間の国防政策対話が開かれている。中国を重視する米国が、日本の知らないところで中国側と手を打っていないとも限らない。もはや米国は日米安保条約を日本有事の際に日本を守る条約と見なしていないとしたらどうか。それどころか日米安保条約は日本占領の手段としてはじめから利用されていたとしたらどうか。日本には守ると言い、その一方で中国とは手を握る。お得意の二重外交をしているとしたらどうか。
 野党はこの点を国会で徹底的に追及すべきである。野党は国民の目の前で堂々と日米同盟の欺瞞をあばくべきだ。右翼も反米に転じるだろう。反米に転じなければ右翼は米国のの手先だということだ。野党は肉を切らせて骨を砕く積もりで自公政権に挑むべきだ。いよいよ面白くなってきた。政治らしくなってきた。

2009年3月1日発行 第0080号

 これは北朝鮮に対するミサイル戦争の宣戦布告ではないのか

 これは北朝鮮に対するミサイル宣戦布告ではないのか。いや、そんな事は起こりえない。ありえない。すべてはゲームだ。瀬戸際外交はいつも瀬戸際で終わる。皆がそう高をくくっているのだろうか。誰も騒がない。
 2月28日の産経新聞はワシントン発有元隆志氏の署名入りで、次のような記事を載せていた。キーティング米太平洋軍司令官が26日の米ABCテレビのインタビューで、北朝鮮が弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した場合、「オバマ大統領の命令がでれば対応する準備が出来ている」と発言したというのだ。「オバマ大統領にとっては厳しい試練となるだろう」とさえ述べている。
 この発言をそのまま受け取れば、米国は北朝鮮がミサイル実験をすればすぐ撃ちおとすという事だ。先制攻撃をするという事だ。北朝鮮が報復しなければ北朝鮮は張子の虎であることが露呈する。報復すればミサイル戦争が始まる。
 米国高官の発言よりももっと驚いたのは浜田防衛大臣が27日の閣議後に記者会見で答えた内容だ。北朝鮮の長距離弾道ミサイルを迎撃する事について、「以前からずっと(日米で)検討している」と述べ、ミサイル防衛システムで対応する(28日日経新聞)というのだ。テポドン2号は米国向けの長距離ミサイルである。それを日本が迎撃する。完全な集団的自衛権の発動だ。
 この重大な事態について産経新聞だけが連日のように大きく取り上げている。すなわち27日の紙面でミサイル防衛システムをはじめて「実運用」することになると報じ、3月1日の社説ではミサイル迎撃は当然だと言っている。
  このような重大な事態が目前に迫っているのに、政治は政局に明け暮れている。護憲政党は雇用問題ばかりを論じている。民主党は安全保障政策では身動きが取れない。メディアは産経新聞のほかは取り上げない。
 私が勘違いして大騒ぎをしているだけなのか。北朝鮮の実験予告は米国と示し合わせた芝居なのか。集団的自衛権を国民に認めさせる産経新聞と米国と日本政府が仕組んだ芝居なのか。


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