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2009年03月05日

  日本の将来が左右される闘いがはじまった

 
 日本の将来が左右される闘いがはじまった

 
 ここまできたら小沢民主党は一丸となって最後まで闘ってもらいたい。闘いに勝って政権交代を実現してもらいたい。どんなことがあっても腰砕けになってはいけない。その闘いは一人小沢民主党のための闘いではない。日本の将来が左右される闘いであるからだ。
 これは国策捜査なのか。背後に米国の影響力がある小沢潰しなのか。その真偽を詮索しても始まらない。重要なことは、もしここで小沢民主党が潰される事になると、やっぱりそうだったのか、という事になるということだ。国家権力に歯向かっては勝てない、米国を怒らせてはいけない、という漠然とした恐怖心が国民の意識に定着する。その悪影響ははかり知れない。
 国家権力がどんどんと強化されていく。対米従属が固定化していく。国家権力批判、対米従属批判をする者たちへの圧力がますます強化されていく。小泉・竹中構造改革派が息を吹き返し、この国は再び強者が支配する国に戻ってしまう事になる。
 私は小沢一郎を支持するから応援しているのではない。民主党に媚びているわけではない。しかし、もしここで小沢民主党が空中分解し、政権交代が遠のくと、日本は長く暗い混迷に入ってしまうという危機意識を持つからだ。
 逆に、もし小沢民主党が勝って政権をとるようになると、これまで権力を握って好き放題をしてきた者たち(自民党政治家、官僚、メディア)の悪事が暴露され、裁かれる事になる。主客逆転が起きる。これこそ日本で起こりえなかったクーデターであり民主革命なのである。
 だからこそ権力側の小沢たたきはすさまじい。国家権力と米国の協力者になってしまったメディアは、検察の味方になって偏った報道を繰り返している。政治資金規正法違反では埒が明かないとばかり、収賄の疑いさえあるがごとき情報を流し始めた。このままでは時間とともに小沢民主党は追い込まれてしまう。世論は小沢民主党を応援すべきだ。今の日本を救うには民主革命しかない。

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2009年03月04日

天木直人のメールマガジン 要約 3月2日ー4日分


 天木直人のメールマガジン 要約 3月2日―4日分


 3月4日に政界動乱の第一幕が始まる

 3月4日に小泉元首相の定額給付金不賛成問題に報道が集中する事になる。欠席すると発言した以上欠席するだろう。その行動がブレたら小泉元首相は終わりだからだ。問題はその結果自民党内にどういう動きが広がるかだ。メディアは小泉劇場の再来を応援している。しかし日刊ゲンダイ3月2日号は、造反者はあらわれず小泉元首相の政治生命は文字通り終わると書いている。
 興味深いのは麻生と小泉の争いである。今日発売の週刊ポスト3月13日によれば「かんぽの宿」疑惑追及を巡っての暗闘があるという。それが事実ならば両者の確執は深く、激しい。権力争いは権力(政権)を握っているものが圧倒的に有利だ。小泉元首相は、かつて自分が権力に任せて橋本龍太郎など旧田中派を切り捨てたしっぺ返しを痛感しているに違いない。自民党の分裂は避けられない。
 しかし圧倒的に有利なはずの民主党も大きな矛盾を抱えている。小沢一郎個人の問題もあるが、やはり対米外交における小沢発言だ。それが党内の一致した意見であればいい。一丸となって対米従属から決別する覚悟があればいい。しかしそうではない。旧社会党議員を抱え込んだ党内事情もさることながら、社民党、国民新党と協力して政権を狙わざるを得ないところに民主党の最大の弱点がある。
 これは世間が考えている以上に大きな問題である。なぜならば背後にアメリカの存在があるからだ。小沢の最大の誤りは米国がこれまでの日本の政治に及ぼしてきた影響力を侮っているように見えるところである。政権交代が起きれば、戦後63年続いた対米従属政策の裏で行なわれてきた売国的な政策が国民の前に暴かれるかもしれない。その発覚を恐れる者たちが黙って下野するとはとても思えない。
 
 2009年3月3日発行 第0082号

 小沢たたきと拉致問題

 メディアの小沢民主党攻撃が続いている。とくに産経新聞の小沢たたきは執拗だ。今度は拉致問題についての小沢発言の批判を報じた。3月2日の産経新聞の「民主党解剖」第一回は次のような書き出しで始まっている。
 「2月上旬、都内で開かれた民主党議員と支持者による会合。党代表、小沢一郎が発した言葉に会場は一瞬凍りついた。『拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき何人かください、って言うしかないだろう』 日本人の人権と日本の主権を蹂躙した北朝鮮の犯罪をカネで解決させるー。あまりにもドライな小沢発言には、当然のごとく、緘口令が敷かれた・・・」
 この報道に反応するかのように細田自民党幹事長は2日の記者会見で、「発言が事実としたら関係者や被害者家族の期待を裏切る大変背信的な発言ではないか」と批判した。それをご丁寧に3日の産経新聞だけが報じている。
 2月はじめの話を今頃になって暴露して、外交・安保問題に続いて拉致問題についても暴言を吐いていると言わんばかりに小沢一郎を攻撃しているのである。 しかし産経新聞が書くべきは、カネで拉致問題を解決しようとした大先輩は小泉元首相だったという事だ。その事実こそ産経は真っ先に国民に知らせなければならない。
 この点について発売中の週刊現代3月14日号に重要な記事があった。田原総一朗の連載「霞ヶ関大研究」第5回は、「外務省が封印していた北朝鮮拉致被害者『生存』情報」というテーマであるが、その中で小泉元首相の電撃訪朝をお膳立てした田中均元外務審議官の次のような言葉が暴露されていた。
・・・なにより北朝鮮は日朝交渉を心底で進展させたい。国交を正常化し日本からまとまった金(1兆円)が欲しい。この金がないと、北朝鮮は本格的経済復興ができないからです・・・
 田中氏も今頃になってこんな話を田原氏相手によく平然と喋るものだと思う。あの平壌宣言は、拉致を求めさせる事と国交正常化交渉を行なう事と引き換えに1兆円を北朝鮮に渡す取引でできたものであった。その背後には日本のゼネコンが群がっていた。この事は当時随分憶測がながされた。報道関係者はみなそれを知っていながら一切報じなかった。
 産経新聞が拉致問題で今書くべき事は小沢民主党の「暴言」ではない。小泉元首相と外務省の国民に対する裏切り行為だ。小泉批判を出来ないような産経新聞に、麻生批判や小沢批判をする資格はない。

2009年3月3日発行 第0083号

 緊急メッセージ 民主党に告ぐ。肉を切らせて骨を穿て
(別途掲載済み)

 2009年3月4日発行 第0084号

 日米安保条約は無効だという訴訟

 3月3日の日刊ゲンダイに斉藤貴男が重要な指摘をしていた。なぜ新聞は日米安保条約の無効訴訟が行なわれている事を書かないのか、国民に知らせないのか、という問題提起である。
 戦後の日本の国の在り方を規定する「国是」は日米安保体制という名の日米同盟である。それを規定したのが日米安保条約である。ところが、その日米安保条約が、国政府からA級戦犯を免責、助命され、買収までされた岸信介首相の手によってつくられた事を知る国民はいまだ少ない。その事実を根拠に日米安保条約に正統性がなく、従って無効である、と長岩均(56)という国民が訴えているのだ。
 岸首相と米国の結びつきの闇についてはこれまでに多くの資料で明らかにされているが、その最近のものがニューヨーク・タイムズのティム・ワイナー記者が発表した一冊の著書である。日本でもその翻訳が「CIA秘録」上下巻(文芸春秋)として昨年11月に刊行されている。
 もちろんこれらの主張の信憑性を判断する権限は戦後一貫して権力を握ってきた自民党政権だ。司法もまた権力に従うのが現実だ。しかし少なくとも安保条約に正統性がなかったのではないかという疑義が国民に知らされることになる。司法は政治的判断を避けるであろうが、少なくとも何らかの調査をし、判断を下さなければならない。一切の判断を避けて訴訟を門前払いするとしたら、それはそれで大きな問題提起をみずから国民の前で行なう事になる。
 このように考えた時、日米安保条約無効訴訟はまさしく新聞が大きく取り上げて国民に周知すべき訴訟である。ところが不思議な事にマスコミは一切報道しない。その記事によれば第一回口頭弁論は3月4日午前10時に東京地裁631号法廷で行なわれるという。果たしてそれについての報道がなされるか。どこの新聞が、どのメディアがそれをどのように報道するか。私は注意深く見守る事にする。

2009年3月4日発行 第0085号

 ナイ次期米駐日大使就任報道の迷走

 早々と内定が報じられたジョセフ・ナイ次期米駐日大使の人事が、一向に決まらない。ヒラリークリントン国務長官の訪日の際も、麻生首相の訪米の際も、その姿はなかった。

 オバマ新政権の米駐日大使としてジョセフ・ナイ元国防次官補が内定したといち早く書いたのは1月8日の朝日新聞夕刊であった。「オバマ新政権がナイ氏を起用する方針を
固めたことが7日明らかになった」と報じ、日本に手厚い配慮をしたと歓迎していた。
 翌日の各紙も、書き方は微妙に異なっていたが、同様の記事を次々と掲載し、あたかも駐日大使はナイ氏で決まりであるかのような印象を日本の読者に与えていた。
 ところがその後一向に正式決定がなされていない。そう思っていたら最近発売された月刊誌リベラルタイム4月号において、「夫人の猛反対」で難航するナイ氏の駐日大使就任、という次のような記事が目にとまった。
・・・ナイ氏の夫人はボストンで画廊を経営しているため、夫の赴任先がワシントンぐらいだったら認めるが、それ以上だったらダメといって、OKを出していない・・・ナイ氏の駐日大使就任構想は幻になってしまう可能性がある・・・
 なるほど、そういうことか。しかし、それさえも本当かどうかはわからない。別の情報では、ナイ氏自身が駐日大使のポストに魅力を感じていない、ワシントンの要職であれば話は別だ、というものもある。
 そういえばシーファー大使夫人も日本は嫌いだった。朋友ブッシュに頼まれたシーファー大使は日本に赴任したが、一切日本に溶け込もうとせず、ひたすらブッシュ政権の要望を日本につきつけた。ブッシュ政権の終わりと共にその直前の1月15日にそそくさと帰任した。
 これが日米同盟関係の実態だ。駐日大使の人選の情報がつかめず右往左往する日本と、駐日大使のポストなど魅力を感じない米国、それが「最重要な日米同盟関係」の現実である。

 読者の皆さんへ

 突然の小沢民主党代表秘書の逮捕は大きな意味を持っている。その事についての私に意見はメールマガジンで書いていく。その要約をブログでもお伝えするつもりだが事態がどんどんと進展していくと思われるのでズレてしまうが、その点あらかじめご容赦願いたい。この問題は、大袈裟にいえば米国従属の日本が今後永久的に固定されるかどうかの大きな問題であると私は考えている。
 

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2009年03月03日

緊急メッセージ 民主党に告ぐ。 肉を切らせて骨を穿て

緊急メッセージ

民主党に告ぐ。肉を切らせて骨を穿て。

 民主党は直ちに新しい代表を決定して反転攻勢に出るべきだ。小沢民主党代表は自ら直ちに代表を降りて、身に降りかかった疑惑が不当であるのなら全力をかけてそれを晴らす努力をするべきだ。

 今回の突然の東京地検の動きは明らかに政治的な思惑によるものだ。総選挙に敗北必至である自民党は検察を動かし国策捜査を行なった、そう受けとめられても仕方がない。

 しかしそれを民主党がそれをみずから陰謀だと騒ぎたて、小沢党首をかばってはいけない。そうすれば自滅だ。敵の思う壺だ。

 民主党はこの事件を逆手にとって、党首を一新して自公政権の政策の行き詰まりを引き続き責めるべきだ。麻生自公政権ではもはや国民生活を救う事は出来ない。麻生自公政権がどのような策を講じても、もはや国民の信頼を回復することは出来ない。その事を民主党は、新たな態勢を整えて国民に訴えていくべきだ。一丸となって総選挙に臨むべきだ。

 まともな国民なら、今度の疑惑が起きたとしても、だから自公政権がよい、などという事には決してならない。それどころか自公政権の卑劣さに反発を覚えるだろう。

 ザル法である政治資金規正法迂回はこれまで聞き飽きるほど我々は見てきた。記録を訂正しただけで責任を免れてきた政治家がどれほどいたか。

 たとえ小沢一郎の秘書が不正をしていたところで小沢一郎が責任を取って代表を辞め、西松建設疑惑の徹底解明に全面協力をすればいいだけの話だ。自民党政治家を巻き込んで一蓮托生の腹をくくればいいだけの話だ。

 繰り返して言う。小沢代表はみずから即刻代表を辞して民主党を救え。民主党の政権交代を成就せよ。民主党は新しい代表を直ちに選んで反転攻勢に出るべきだ。そうすれば国民はついて来る。自公政権はますます追い込まれる。

 民主党は今こそ肉を切らせて骨を穿つべきである。それしか正しい戦略はない。

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2009年03月01日

 天木直人のメールマガジン 要約 2月27日ー3月1日


 天木直人のメールマガジン 要約 2月27日―3月1日

 2009年27日発行 第0077号

 北米新通貨「アメロ」がメディアで取り上げられる日

 読者の皆さんはアメロという言葉を耳にしたことがあるだろうか。私がこの言葉をはじめて知ったのは昨年6月はじめ、米国滞在中に米国知人から聞いた時だ。その時彼はこう言っていた。メキシコからカナダまで米国大陸を縦断する巨大な高速道路がつくられつつある。あわせて北米新通貨が導入されようとしている。この事は米国民にもほとんど知らされていない、と。帰国後私はこの話をブログに書いた。すかさず何人もの読者から北米新通貨構想はアメロであり、すでに米国のテレビでも一部報じられているという情報が寄せられた。

 その後私はアメロについて忘れていたのだが、昨年暮れに発刊された浜田和幸著「大恐慌以後の世界」(光文社)が再び私にアメロを思いださせてくれた。浜田氏は、フォーリン・アフェアーズ(2007年5・6月号)に発表された外交問題評議会の論文を引用し、次のようにアメロに言及している。
 ・・・(あらたな共通通貨による経済統合の)前段階として、NAFTA(北米自由経済圏:カナダ、アメリカ、メキシコ)で流通する共通通貨「アメロ(AMERO)」が急浮上することになった・・・

 不思議な事に、このアメロ構想については日本のメディアでは一切言及されていない。あたかも根拠のない与太話として無視されているかのようだ。 ところがここに来て二つのメディアがとりあげた。一つは現在発売中のサンデー毎日(3月8日号)であり、もう一つは2月26日付日刊ゲンダイである。
 おりしも麻生首相が訪米し、米国債の買い増しを突きつけられたという報道が流されている(26日毎日新聞など)。米国は金融危機を乗り切るために莫大な資金必要としている。その資金はとても普通の手段では対応できる金額ではない。アメリカという国はどんなことでもやりかねない国だ。気がついたら突然「アメロ」が発表され、日本の国債が紙くず同然になっているかもしれない。そのツケは国民にまわせれることになる。
 
 2009年2月27日発行 第0078号

 命取りになりかねない小沢失言

 私が危惧していた事が現実になりつつある。小沢民主党代表がついに取り返しのつかない失言をしてしまった。その失言とは、もちろん「(在日米軍の駐留は)第7艦隊の存在で十分だ」と言ったことである。
 この発言をはじめて知ったとき、私はその広がりを注視した。もし与党やメディアが、この失言を聞き逃して騒がなければ小沢民主党は助かると思ったのだ。現実は甘くはなかった。たちどころに自民党が反応し、メディアが取り上げた。問題は、これからだ。私が自民党であればこの失言を千載一遇のチャンスととらえ、最後まで執拗に追及するだろう。一気に攻撃するもよし、蛇の生殺しのように、安保問題の議論が行なわれるたびに持ち出すのもよし、米国と一緒になって小沢民主党代表の安保政策を追及する。そんな党首をいただく民主党に政権を任せられるかと繰り返す。国民はそうかと思い出す。やがて民主党内が動揺し、社民党との協力関係が亀裂する。こらえ性のない小沢一郎は嫌になって党首を投げ出す。そうなれば最悪だ。政権獲得を目前にして民主党は一気に混乱していく。敗北必死の自民党が息を吹き返し、政界再編含みの親米保守大連立の動きが加速する。
 そうならない事を願うばかりだ。

 2009年2月28日発行 第0079号

 これを好機として日米安保体制を再点検すべきだ

 小沢発言をめぐる反応はいまのところ抑制されているように見える。しかし必ず大きな争点になって浮上してくる。
 しかし、野党側にも大きな攻撃材料がでてきた。それは27日の読売新聞がスクープした米国の日米安保体制についての本音である。 尖閣列島の領有権を巡って日中間に紛争が続いている。読売新聞によれば1996年カート・キャンベル国防次官補代理(当時)は尖閣諸島を日米安保条約の適用対象と認め、有事の際には米国の防衛義務が生じるとの見解を米政府高官としてはじめて示したという。更に、2004年3月に中国の活動家が尖閣諸島に上陸した際にも、国務省副報道官は記者会見で「日米安保条約は日本の施政下にある領域に適用され、尖閣諸島にも適用される」との見解を改めて繰り返したという。
 ところが最近に至って米国がその方針を明言しなくなったと読売新聞はスクープしているのだ。おりしも北京では米中間の国防政策対話が開かれている。中国を重視する米国が、日本の知らないところで中国側と手を打っていないとも限らない。もはや米国は日米安保条約を日本有事の際に日本を守る条約と見なしていないとしたらどうか。それどころか日米安保条約は日本占領の手段としてはじめから利用されていたとしたらどうか。日本には守ると言い、その一方で中国とは手を握る。お得意の二重外交をしているとしたらどうか。
 野党はこの点を国会で徹底的に追及すべきである。野党は国民の目の前で堂々と日米同盟の欺瞞をあばくべきだ。右翼も反米に転じるだろう。反米に転じなければ右翼は米国のの手先だということだ。野党は肉を切らせて骨を砕く積もりで自公政権に挑むべきだ。いよいよ面白くなってきた。政治らしくなってきた。

2009年3月1日発行 第0080号

 これは北朝鮮に対するミサイル戦争の宣戦布告ではないのか

 これは北朝鮮に対するミサイル宣戦布告ではないのか。いや、そんな事は起こりえない。ありえない。すべてはゲームだ。瀬戸際外交はいつも瀬戸際で終わる。皆がそう高をくくっているのだろうか。誰も騒がない。
 2月28日の産経新聞はワシントン発有元隆志氏の署名入りで、次のような記事を載せていた。キーティング米太平洋軍司令官が26日の米ABCテレビのインタビューで、北朝鮮が弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した場合、「オバマ大統領の命令がでれば対応する準備が出来ている」と発言したというのだ。「オバマ大統領にとっては厳しい試練となるだろう」とさえ述べている。
 この発言をそのまま受け取れば、米国は北朝鮮がミサイル実験をすればすぐ撃ちおとすという事だ。先制攻撃をするという事だ。北朝鮮が報復しなければ北朝鮮は張子の虎であることが露呈する。報復すればミサイル戦争が始まる。
 米国高官の発言よりももっと驚いたのは浜田防衛大臣が27日の閣議後に記者会見で答えた内容だ。北朝鮮の長距離弾道ミサイルを迎撃する事について、「以前からずっと(日米で)検討している」と述べ、ミサイル防衛システムで対応する(28日日経新聞)というのだ。テポドン2号は米国向けの長距離ミサイルである。それを日本が迎撃する。完全な集団的自衛権の発動だ。
 この重大な事態について産経新聞だけが連日のように大きく取り上げている。すなわち27日の紙面でミサイル防衛システムをはじめて「実運用」することになると報じ、3月1日の社説ではミサイル迎撃は当然だと言っている。
  このような重大な事態が目前に迫っているのに、政治は政局に明け暮れている。護憲政党は雇用問題ばかりを論じている。民主党は安全保障政策では身動きが取れない。メディアは産経新聞のほかは取り上げない。
 私が勘違いして大騒ぎをしているだけなのか。北朝鮮の実験予告は米国と示し合わせた芝居なのか。集団的自衛権を国民に認めさせる産経新聞と米国と日本政府が仕組んだ芝居なのか。


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2009年02月26日

 天木直人のメールマガジン 要約 2月24日ー26日分

 
 天木直人のメールマガジン 要約 2月24日―26日分

 2009年2月24日発行 第0070号

 日本のイラク戦争加担を証明する報告書がついに出た!


 わが国を代表する防衛記者の一人に東京新聞の半田滋という編集委員がいる。その半田滋氏が、究極のイラク戦争検証報告書を国民の前に提示してくれた。岩波新書の最新刊である「『戦地』派遣 変わる自衛隊」という本がそれである。
 この著書は、嘘で塗り固められたわが国のイラク戦争支持の姿を見事にあぶりだしている。今の日本の政治の欺瞞を追及し、その政治に騙され続ける国民に、黙っていていいのか、と激を飛ばしている。
 唯一の救いは現場に派遣された自衛官たちのまともな判断である。彼らは、政治家や外務、防衛官僚、そして上司である制服幹部たちの、間違った判断に振回され、大義名分なき犠牲を求められてきた。
 「犠牲の覚悟は出来ている。しかしその犠牲に値する大義名分を知りたい」と訴える自衛官こそ、本当の犠牲者に違いない。そう結論づける半田氏の、自衛官に注ぐまなざしが優しい。


 2009年2月24日発行 第0071号

 中川飲酒騒動で計算が狂った外務省と小泉元首相 前編


 中川飲酒騒動の裏で、思惑が外れて悔しがっているのが外務省と小泉元首相である。 発売中の週刊現代3月7日の中に次の文章を見つけた。

  ・・・外務省幹部が、タメ息交じりに語る。「・・・麻生外相時代ほど、われわれが勝手に外交をやれた時代はない。だから省内には『麻生ファン』が多くて、『麻生首相を男にしてやろう』という気運が最近までありました。そこでヒラリー国務長官との会談で『オバマ大統領との電撃首脳会談を行なう』というビッグ・サプライズを用意したのです。麻生首相も『これで支持率が上がる』とニヤケていました。しかし偶然重なった中川財務相の辞任ニュースの陰にすっかり隠れてしまい、無理を通してもらったアメリカ側にも恥をかかせる結果となりました・・・もう24日のオバマ大統領との会談など、どうにでもなれ
という心境です・・・

 この文章ほど、今の外務官僚のやっている仕事を見事に表現したものはない。これが今の外務官僚がやっている仕事なのである。外交が行き詰まるのも無理はない。


 2009年2月24日発行 第0072号

 中川飲酒騒動で計算が狂った外務省と小泉元首相 後編


 小泉元首相の失敗は自らの人気を過信して動き出したところにある。しかしそれだけではない。麻生首相の郵政民営化発言批判にとどめておくべきところを定額給付金にまで言及しそれに反対だと明言した。 もちろんそれは考え抜いた上での発言だった。世論の圧倒的多数が定額給付金に反対していたからである。世論に乗じて麻生たたきを行なえば我に分があると考えたのだ。しかしそれは読み違いだったようだ。自民党から反発され、小泉チルドレンからの同調者もあらわれず、そして世論も思ったほどの支持を小泉発言に与えなかった。
 小泉元首相はもちろんそんな事であきらめるはずはない。麻生批判発言の直後に日本を離れてロシアに飛んだ。そこで何をしていたかと言えば、オペラを見ながら日本国内の動きを、目を凝らして見ていたのだ。そして、帰国間際のタイミングを狙って、ロシアの地でわざわざ記者会見まで開いて「採決には欠席する」と、ぶれないところを見せつけようとした。ところがこの周到な戦略もあてが外れた。 本来ならばこれが大きな政治ニュースになるはずだった。事態の流れ次第では麻生内閣総辞職や自民党分裂につながりかねない小泉劇場に発展するはずだった。 そこに降って湧いた中川辞任騒動だ。なにしろあの映像だ。世界を駆け巡った醜態ニュースだ。
 小泉発言は埋没してしまった。小泉元首相はツキにも見放されたようだ。。

2009年2月25日発行 第0073号

 村上春樹「エルサレム賞」受賞に思う


 私は村上春樹のファンの一人である。だから彼を批判する文章を書きたくなかった。しかし、週刊ポスト3月6日号が、「次はノーベル賞という声」と書いたので書くことにした。私が思っていた事にはじめて言及した記事を見つけたので書きたくなった。
 「エルサレム賞」を受賞したからといって「ノーベル文学賞」がもらえる保証はない。しかし「エルサレム賞」を拒否したら、「ノーベル文学賞」は確実に遠ざかる。その事を村上春樹は一番知っていたのではないか。「ノーベル文学賞」を手にするという野望の前に、受賞拒否を求める世界の声に耳をフタしたのだ。
 受賞する為にはエルサレムを訪れてスピーチしなければならない。しかしそのスピーチは難しい。イスラエルを正面から批判すると「エルサレム賞」を返せとなる。命を狙われることすらある。しかしあのガザ攻撃を認める訳にはいかない。そこで考えたのが壁と卵のスピーチだった。しかしあのスピーチは、評価する人はいても私は認めない。パレスチナ人にとっての壁とは、イスラエルが国際司法裁判所の違法判断を無視してつくり続けている壁の事でしかない。それにぶつけられる卵はパレスチナ人だ。壁が正しくて卵がは間違っている、などということはありえない。
 村上春樹はアラブ紙に載っていた次の言葉をよくかみしめる事だ。その言葉に報いるためにも今後はパレスチナの解放の為に誠意を持って行動することだ。
 ・・・我々アラブ文化人は、日本の小説家、村上春樹に今年のエルサレム賞を拒否してくれと切に願っていた。ガザでイスラエルによって流された子供たち女性たちの血に敬意を払う意味で、その賞を辞退せよと要請する声は日本にもあり、私達は、彼がそれに耳を傾けてくれると思っていた・・・しかしムラカミは、躊躇することなくエルサレムへ赴き、シモン・ペレスの手からその賞を受取った。罪無きパレスチナ人の血が未だ乾かぬその手から・・・既にノーベル文学賞候補でもあるその作家は、世界的文学賞への途上にイスラエルが存在する事をよく知っているのだ。言い換えればイスラエルは・・・その国際的な賞の一つを与えることにより、有名な日本人作家を釣ることに成功した・・・村上春樹がイスラエルの賞を無視してくれたらどんなに良かっただろう。この60年代を描く作家はアラブの書店に場を得ている。アラブ人読者も多く、優れた日本人作家の一人としてその名はアラビア語の文芸誌によく登場する・・・それでも、私達は村上春樹を愛し読み続けるだろう。そうでなかったとしても、私達は彼の犯した過失を許すだろう・・・
                         アブドゥ・ワージン、2月23日アル・ハヤート紙

       
  2009年2月25日発行 第0074号

 ニュース番組出演を拒否された城内実の告発


 発売中の週刊アサヒ芸能3月5日号に興味深い記事が出ていたので紹介したい。 前自民党衆議院議員の城内実は、郵政民営化に反対し、小泉郵政解散・総選挙の時に刺客片山さつきを立てられて落選した。その城内が週刊誌である事件を告発していた。その事件とはこうである。麻生批判発言や「かんぽの宿」疑惑問題で郵政民営化の見直し議論が起きている。そんな中で東京のさるキー局の報道番組に城内は出演依頼を受け、それを城内は受諾した。ところが放送日の前日に突然、一方的に出演をキャンセルされたというのだ。その不可解なキャンセル事件について城内は次のように述べている。

 「・・・公正中立のはずのメディアが郵政民営化推進派の主張だけを伝えるのはおかしい。郵政民営化に絡む疑惑を封印しようとしているとしか思えませんよ。私の調査によれば、この問題は戦後最大の疑獄事件とされたリクルート事件を凌ぐ疑獄に発展するはずです。良識あるマスコミ人はこの問題を是非
解明すべきですよ・・・私は(小泉元首相の麻生批判発言は)国民の目を疑惑からそらせる目的を持っていると思う。野中元幹事長も同じような見方をしています・・・マスコミは麻生首相の発言がぶれているなどと言わず、なぜ反対だったのか、という真相を追及すべきですよ」

 この城内の問いにマスコミはどう答えるというのか。


 2009年2月26日発行 第0075号

 田原総一朗の言葉の軽さ


 言論人としての田原総一朗の最大に問題点は、辛口評論家佐高信によれば、その言説の無節操さである。彼には定まった主義主張はない。時流に乗った人物や話題に飛びついて自分を売り込む、そういうメディア業界人に過ぎない。それがメディアを取り仕切っているところが問題だという。

 私もそう思う。実際のところ彼の発言の不誠実さを示す言動は枚挙にいとまがない。その中でも取っておきの記事を私はファイルに残している。それは自らの連載である週刊朝日の「田原総一朗のギロン堂」(昨年12月5日号)の中で述べられていた「残されたゆえに背負う『反戦』の使命」という記事である。
 ちょうど筑紫哲也がガンでなくなった直後だった。同じく共産党の上田耕一郎やテレビマンユニオンの村木良彦もあい前後して亡くなった頃だ。彼はこの三人をしのびながらこう言っていた。

 「取り残されたのだから、逆に使命感を覚えないわけにはいかない。戦争と敗戦を知っている人間として、戦争の残忍さ、バカバカしさは何といっても若い世代に伝えなければならない・・・」。そう言って、憲法9条は素晴らしい、あのような戦争は二度とやってはいけない、というこれら三人の遺志を、田原総一朗は引き継いでいくと宣言しているのである。

 その言やよし。今後の言動で彼がそれを実践していくのなら私は歓迎する。 しかし彼のこれまでの言動は反戦だったか。安保体制を基軸とした戦後の日本の政治を考えた時、反戦活動をすることはすなわち反体制を意味する。反体制を貫くことの厳しさと重さを、これまでの田原総一朗は理解し、共有していただろうか。反体制の立場に立って言動していたというのか。いとも簡単に「反戦の使命を背負っていく」と言ってしまうところが田原の軽さと厚かましさである。

 そして私は再び田原総一朗の言動のあまりに軽さを目撃した。週刊現代で連載されている「霞ヶ関大研究」の第4回目(3月7日号)は「日本の北朝鮮外交はなぜアメリカに裏切られたのか」であった。その中で彼はいとも簡単にこう言ってのけている。

 ・・・5年前、ブッシュ政権がはじめたイラク戦争に対して、私自身『北朝鮮から日本を守ってくれるのは、アメリカしかいない』という理由で、小泉首相の『イラク戦争支持表明』に賛成の論陣をはり、日米同盟の重要性を訴えてきた。イラク戦争のその後の経過に、率直にいうと、この間の言論人としての責任を痛感せざるを得ないとの思いを常に背負ってきたし、それについての論評を、自己検証を目的にいくつも書いてきた・・・
 
 驚くべき発言だ。こんな簡単に誤りを認めていいのか。日本の国論を真っ二つにしたあのイラク戦争について、週刊誌の中でさらりと述べて自らを免責しようとする無責任さ。そのあまりの軽さと節操のなさにはただあきれ返るほかはない。

 2009年2月26日発行 第0076号

 民主党はグアム移転協定にどう対応するか

 私は2月5日のメルマガ第39号で、この在沖縄米海兵隊のグアム移転協定の重大性と、急いでそれを進める外務省の思惑について書いた。しかしその後もこの協定の深刻性をメディアは取り上げる事なく、ヒラリー米国務長官の訪日の際にあっさり署名された。そして政府・外務省は時を置かずにそれを国会に提出したのだ。
 週刊アエラ3月2日号で、朝日ニューススターのコメンテイターである軍事評論家の田岡俊次氏が次のような指摘をしている。すなわち、この協定の内容はすべて2006年5月の日米外務、防衛大臣会議(2プラス2)で合意文書となっていたはず(いわゆる工程表―ロードマップ)なのに、今更同じ内容の協定を結ぶ必要があったのか、という。防衛省内では、「外務省は米国新政権を相手に初仕事をしたふりをしたかったのでは」との皮肉も聞こえるという。
 もちろんそれだけではない。外務省が協定締結を急いだ理由はある。政局が混迷している間に政府間合意を条約に引き上げ、米軍再編への協力を固定化、永久化する狙いがあったのだ。日米軍事同盟関係を、いかなる政権が日本に出来ても影響を受けないようにするためだ。米国が最近やたらに言い出しはじめた日米同盟の「制度化」である。米国の日本占領の永久化である。外務官僚はそれに加担したということだ。

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