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2009年02月19日

天木直人のメールマガジン 要約 2月17日ー19日分

天木直人のメールマガジン 要約 2月17日―19日分

 2009年2月17日発行 第0060号

 奥谷禮子が強気発言を続けられる理由

 奥谷禮子はかつて派遣社員を切り捨てるような発言をして世間の反発を買った。その後しばらく静かだった。しかし、派遣社員問題が大きな社会問題となり、政治問題になってからメディアに露出する機会が増えた。しかも強者の論理を臆面もなくかざすようになった。あたかも開き直ったごとくだ。ヒール役を買って出ているようだ。
 この現象について週刊現代2月28日号で保守評論家の福田和也が見事に次のように語っている。

  「・・・ザ・アールの従業員は、90人足らずであり、売上高は、35億円であって、いわゆる中小企業の域に納まるものだ。その社会的な輝きの大きさと、本業のつつましさのコントラストについては、こもごも考えざるを得ない・・・小企業の社長ながら、財界人なみの存在感を奥谷が有しているのは、大企業の経営者たちの本音を、自らの言葉であけすけに語ってみせるからだろう」

 なるほど、納得できた。奥谷の強気の発言の裏には財界重鎮の庇護があるのだ。いや、財界だけではない。おそらく今の日本の勝ち組はみな、内心では奥谷のような考えを心の底に秘めているに違いない。奥谷の発言を内心歓迎しているのだ。
 日本社会はその意識においても格差社会になってしまった。世論が分断されているのだ。政治が大きく変わらない、変われない理由がそこにある。

 2009年2月17日発行 第0061号

 小沢民主党代表の外交に苦言を呈する

 今回のヒラリー米国務長官の訪日は戦後の日米外交史に残るあわれな訪日となるだろう。その理由はカウンターパートである中曽根外相の存在感のなさである。これほど顔の見えない外相はかつていなかった。外務官僚の振り付けどおり口を動かして終わるだろう。 それに何といっても麻生首相だ。もはや会談どころではない。
 しかし今日のメールマガジンはそのような自民党政権の無能さを書く事が目的ではない。これほどの外交チャンスが到来しているというのに、そのチャンスを活かせない政治家小沢一郎に対する苦言と、その小沢党首に正しい外交を助言できない民主党幹部の非力について書く。
 私が驚き、失望したのは、17日の朝日新聞の記事を読んだ時だ。小沢代表は16日放送のラジオ番組で、オバマ新政権がアフガンへ米軍を増派する方針について、「いくら増派したって絶対勝てない」と話したという。 日米同盟関係の根幹に関わるこのような重大発言を、オバマ大統領やヒラリー国務長官という責任者のいないところで、しかもメディア通じて国民に知らせる形で、口にする事は、外交的には最もやってはいけない事なのである。
 こうなった以上小沢民主党代表は今晩のヒラリー国務長官との会談で、この事をはっきりと伝えなければならない。おそらくヒラリー国務長官のほうから確認してくるに違いない。あの発言の趣旨はどういう事かと。そう聞かれる前に、小沢党首のほうから先に言い出さなければならない。そしてその時にあれは本心ではなかったと釈明するのか、アフガン増派はやめたほうがいい、と直言するのか、どちらの方向であるにせよ、もう一度慎重に考え、覚悟を決めて、それをはっきり伝えるべきだ。
 17日の朝日新聞の記事は最後にこう書いている。
「・・・(小沢氏は)顔合わせと位置づけており、日米同盟重視の姿勢を示しつつ各論には踏み込まない見通しだ」、と。 もしこれが事実であれば政治家小沢一郎は外交力が欠如した政治家ということになる。かげで強がりを言い、本人を目の前にして何も言わない、最悪の外交をおかすことになる。

  2009年2月18日発行 第0062号

  事実がすべてを語る(中川財務相辞任騒動に思う)

 中川財務相ヘロへロ発言大騒動についてどうしても一言書いておかねばならない。そう思わせる新聞記事を今朝18日の毎日新聞に見つけた。中川昭一財務大臣の「検証 ローマの2日」という記事である。そこには次のように書かれていた。

 ・・・中川氏は午後1時50分まで予定されていた昼食会を1時ごろに途中退席し、宿泊先のホテルにもどった。予想外の行動に財務省同行筋は対応に追われた。中川氏はホテルの1階のイタリアレストラン「ドニー」に移動、財務省の玉木林太郎国際局長や日本から同行した女性記者など数人で会食した。
レストランの支配人によると赤のグラスワインを注文・・・中川氏が昨年9月の財務相就任以降、G7などの海外出張では同行の女性記者を集めて飲食を行なう事が恒例化していた。今回も、中川氏と麻布高校の同期で東大法学部の同窓でもある玉木局長が一部の女性記者を招いたという・・・(飲食後の)
午後2時50分から同ホテル内でロシアのクドリン財務省と会談、(その際)言動に不安定さも見られた・・・午後3時45分からの内外記者会見の前にはすでにロレツがまわらない状態だった・・・

 私はかねてより、「凡庸な百の解説よりも一つの事実のほうが物事を雄弁に語ってくれる」と強調してきた。もしこの新聞記事が、中川財務省の記者会見の映像が流された直後に、一斉に大手新聞の報じるところとなり、国民の前に示されていたら、中川財務相の無用な弁解など吹っ飛んで、即刻辞任に追い込まれていただろう。そうすればこんな馬鹿騒ぎも続かなかったに違いない。かんぼの宿疑惑問題とか、日米首脳会談で飲まされた日本の膨大な負担とか、国民がもっと知るべき重要な事が報じられていたはずである。

 2009年2月19日発行 第0063号
 
 小沢氏の対米政策は間違いだ

 小沢・ヒラリー会談で小沢氏は何を語ったのか。報道されている事が正しければ、それはこういう事だ。
 「私は日米同盟が何よりも大事だとずっと以前から唱えていた。ただ、
同盟は従属の関係であってはならない。対等なパートナーシップでもって
初めて同盟だ」(18日朝日新聞)
 「まず、両国で、本当に同盟国として、世界政策を、世界戦略をきちんと話し合って、その合意を得た上で、個別の問題について対応していくことが大事じゃないかと。今までのわが国政府は、自らの主張をきちんと主張し得ないところに問題があったのではないかと」(18日産経ネットニュース)

 小沢氏のこの発言は、一見すると自民党政権の対米従属政策と一線を画す立派な対米外交のような印象を与える。しかし、米国という国の実体を知っている者なら、この発言がいかに間違っているかがわかる。

 まず第一に米国の重視する日米同盟とは日米軍事同盟であるという事だ。そして日米軍事同盟関係において対等はありえない。米国はそれを認めない。日米軍事同盟関係とは、本質的に不平等、従属的なものである。

 二つ目に、小沢氏は米軍の再編問題については日米間で世界政策、世界戦略を話し合い、合意した上で対応していく、と言っているが、米国が自らの世界戦略、安全保障政策を他国と話し合って決めるなどということはあり得ない。ましてや日本の考えなど聞くはずはない。

 重要な事は、対等ではなく自主、自立なのである。日米関係は対等ではない。日本は米国より弱小である。しかし弱小と従属とはまったく異なる。重要な事は弱小でも従属にならないことである。自主、自立した外交を行うという事なのである。

 そして対米関係において自主、自立ができる唯一の道は、憲法9条を掲げた平和外交を貫く事である。
 戦争国家米国から自主、自立し、日本は平和国家を目指すと宣言したとたん米国は日本を見捨てると日本人の皆がそう思いこまされている。しかしそれは大きな誤りだ。根拠なき思い込みだ。確かに米国は失望するだろう。不快感を示すだろう。だからと言って米国が日本を見捨てて中国と手を結べるか。 外交戦略として米国はそう脅かすかもしれないが、その時こそ日本は世界に向かって宣言すればよい。平和国家を目指すと言ったとたん、米国は日本をもはや同盟国と見なさなくなった。それは残念だ。しかし米国が日本を見捨てるなら仕方がない。その代わり日本は世界を同盟国として平和国家日本を目指す、と。

 日本はもっと自らに自信を持つべきだ。自主、自立の胆力を持つべきだ。その重要性に気づいた時、日本は初めて正しい日米関係を築くことができる。小沢民主党代表は、いたずらに米国を刺激して反発を買うような真似をやめて、世界が納得する対米外交を唱えるべきである。


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2009年02月16日

天木直人のメールマガジン 要約 2月13日ー16日分

天木直人のメールマガジン 要約 2月13日―16日分

 2009年2月12日発行 第50号 役にたたない人間などいない

 こころがなごむ記事を見つけた。2月11日の読売新聞一面に「はたらく」という連載が始まった。その第一回「いきがい」という見出しの記事は、次のような言葉ではじまっていた。「東京タワーが開業50周年を迎えた2008年12月23日、多摩川に近い川崎市高津区の工場で、もう一つの50年を祝う拍手が響いた。社員らの笑顔の輪の中心で涙ぐんでいるのは林緋紗子さん(64)。チョーク製大手の日本理化学工業が半世紀前、初めて採用した知的障害者2人のうちの1人だ・・・」
 その読売新聞の記事は、15歳の時に養護学校から職業体験に来た林さんと、その林さんを取り囲む工場の人たちの情景を次のように活写する。・・・休憩のチャイムに気づかないほど夢中に働いた。そのいちずさが同世代の子を持つ社員の胸を打った。2週間たった最終日、採用を考えていなかった人事担当者を社員たちが囲んだ。「私たちが面倒をみますから、一緒に働かせてあげて」
 私が感動したのは、その後に続く次の文章である。「知的障害者は、人の幸せとは働くことなのだと私に気づかせてくれた。企業はもうけることも大事だが、人に働く喜びを与えられることが大きい」、と日本理化学工業の大山泰弘会長(76)は話す。 障害者の雇用拡大に迷いがあった頃、禅寺の僧侶に教えられた。「人の幸せは四つ。愛され、褒められ、役に立ち、必要とされること。働くことで少なくとも三つ手に入るんだよ」と・・・極めつけは大山会長の次の言葉だ。「役に立たない人間なんているものか」。 見事な言葉ではないか。そしてその言葉に、同じように見事に答えたのが冒頭の林緋紗子さんだったのだ。大山会長と林さん、そして林さんを支えた社員の皆さんへ、心からの拍手を送りたい。
 
2009年2月12日発行 第0051号

 新聞は本当の事を書かない

 新聞に流される記事が嘘だとは言わない。報道記事は最小限のニュース源として意味はある。しかしそれを無批判に読み流して信じると危険である。時として新聞は間違った事を平気で書く。その例を今日12日の新聞で説明してみる。
 各紙はイスラエルの総選挙の事を報じている。どの記事も右派勢力が躍進してパレスチナ問題の和平が遠のいたという記事ばかりだ。和平を進めようとするオバマ政権に痛手と書き、パレスチナ人の間で悲観論が広がったと書く。しかしそれは不正確だ。イスラエルという国は例外を除いてすべての政党が対パレスチナ強硬派である。9割もの国民がイスラエルのガザ攻撃を支持している。そのような国にあっては、どの政党が政権を取ったところで基本的な対パレスチナ政策は変わらない。むしろ和平派といわれる政党が政権を取った時ほど強硬策をとる傾向がある。なぜならば宥和政策を取ると国民の支持を失うので、いきおい強硬策をとらざるを得ないからである。そもそも今度の選挙では、強硬派が伸張することは想定されていた。選挙結果には何のサプライズもない。むしろオバマ政権がアフガン攻撃を本格化すればパレスチナ情勢も悪化する。イスラエルの選挙結果いかんにかかわらず、中東和平が好転する兆しはない。メディアはその事を書くべきなのだ。
 「あの時多くの国民は知らなかった」という麻生発言のどこが間違っているというのか。
間違っているとすれば小泉元首相すら中味を知らなかった、関心がなかった」と付け加えなかった事ぐらいだ。2月11日の産経新聞「単刀直言」の中で亀井静香国民新党代表代行が次のように述べていた。その言葉こそもっと報道されるべきだ。国民は皆そう思っている。
「・・・太郎ちゃんが首相として生き延びるには、小泉政治の罪状をざんげすればよかった。米国のサブプライム・ショックが象徴しているけれど、ネオコンや強欲資本主義は破綻した。小泉政治はネオコン政治のコピーでしょ。小泉に降伏し、チェンジできなかったのが麻生宰相の悲劇だ。郵政民営化も間違いだったのだから、グズグズ言っていないで見直すしかないんだよ」

 2009年2月13日発行 第0052号

  独立外交官に未来の夢を託したい

  13日のブログで既報

2009年2月13日 第0053号

 小泉元首相は最後に大失敗をおかした
 
  13日のブログで既報

2009年2月14日 第0054号

 小沢・ヒラリー会談に注目せよ

 ヒラリー・クリントンの訪日をあさってに控えているというのにそれに関する事前の報道がまったくない。そう思っていたら、2月13日の日経新聞社説が小沢・ヒラリー会談について書いていた。この日経の着眼点は鋭い。実は今回のヒラリー国務長官訪日の隠された目玉は小沢・ヒラリー会談なのである。米国はすでに政権交代を視野に入れている。だから麻生首相との間でどのような約束をしようとも、それが小沢民主党政権に引き継がれなければならない。ヒラリー国務長官が小沢代表との会談を申し入れた理由はそこにある。ヒラリーは小沢一郎に念を押すのだ。凄んで見せるのだ。日米同盟の重要性についてはわかっているだろうな、と。麻生自民党の約束を間違いなく引き継ぐだろうな、と。駐留米軍経費の負担や普天間基地の受け入れに変更はないだろうなと。アフガンでの対テロ戦争に協力するだろうな、と。
 果たして小沢民主党はどう答えるつもりか。そもそも小沢一郎はヒラリー国務長官との会談に応じるのか。いまだに小沢一郎がヒラリーからの会談要請を受け入れたという話は聞かない。小沢一郎は会談に応じるべきである。そして前シーファー駐日大使との会談の時のように国民に見える形で堂々と会談すべきである。対米外交はとても重要であるから、国民の声を背にして、国民外交で行なう、といえばいいのだ。小沢代表にはそこまでの覚悟を持ってもらいたい。そんな小沢代表に、2月13日の毎日新聞にでていた米カリフォルニア大学サンディエゴ校名誉教授であるチャルマーズ・ジョンソン氏の次の言葉を贈りたい。小沢代表はよく読んでおくことだ。
 「・・・日本に容易ならない仕事をさせる圧力がきっとかかってくるだろう。日本は強く抵抗すべきだ。憲法9条を捨ててはいけない。それが理想主義を呼び起こし、日本に役立つ最善の方策だ・・・ 」

 2009年2月15日発行 第0055号

 小泉・竹中売国奴構造改革を追及したTBS時事放談

2月15日のブログで既報

2009年2月15日発行 第0056号

  谷公士人事院総裁が超強気な理由

 何故谷公士人事院総裁はあれほど強気でいられるのか。あたかも公務員改革など出来はしないと高をくくっているかのようだ。そしてそれをメディアも叩かない。その答の一つを矢野絢也元公明党委員長が週刊新潮の自らの連載「永田町を斬る!」(2月19日号)の中で次のように明らかにしていた。
・・・谷総裁が超強気な理由は・・・総裁を含む人事官3人のうち一人は報道機関の幹部経験者の指定ポストで、毎日、朝日、読売、NHK,日経の退職幹部が歴任してきたという経緯がある。だから、閣僚経験者は「報道機関が人事院を批判できるわけがない」と言い、自民党元幹部は「谷氏はそこも
充分読みきっている」と言う・・・
 これは鋭い指摘だ。一言で言うとこの国の支配者たちの人事が、仲間内でたらいまわしにされているという現実である。国民には分からないところで、支配層の敵も味方も、人事の貸し、借りで、完全につながっているという事である。みながお友達なのだ。誰も恨みを買いたくない。この国で本当の正義を実現する事は容易ではない。国民運動が盛り上がる時しかない。

2009年2月16日発行 第0057号

 嘉手納基地に米国がテポドン2号監視装備を配備した事の意味

 2月15日の産経新聞は一面トップで米国が嘉手納基地に北朝鮮の「テポドン2号」監視機コブラボールを緊急配置したとスクープした。この事がなぜ大きな問題なのか。それは日米安保体制がもはや完全に米国の防衛政策の為にある事を端的に示しているからだ。安保体制はもはや共産主義の脅威から日本を守るものではない。そもそも今の安保体制はとうの昔に日本を守るものではなくなっているのだ。もちろん憲法9条は否定されている。
 北朝鮮が発射準備を進めているとされるテポドン2号改良型は、米国西海岸まで届く射程1万キロ以上とされている。それは決して日本を攻撃するためのミサイルではない。明らかに米国を牽制するものだ。だからこそ米国はそれを監視するのだ。米国が保有している3機のうち2機までもが、日本に向けて相次いで飛来してきたのだ(2月15日読売)。
 このような重大な作戦が行なわれているという事を、なぜ大手新聞は国民に教えないのか。テレビは報道しないのか。なぜ護憲政治家は憲法9条違反のこのような米軍の行動を国会で取り上げようとしないのか。

 2009年2月16日発行 第0058号

 小泉元首相はロシアで何をしているのか

 麻生批判発言をした直後にロシアに飛び立った小泉元首相。言いだしっぺ不在の間にその発言をめぐって盛り上がっているメディアの滑稽さは耐え難い。しかしそれよりも何よりも、どの報道も小泉元首相がロシアに何をしにいくのかを一切流さない。
 そう思っていたら2月15日の産経新聞が、今回のロシア訪問は自ら顧問を務めるシンクタンク「国際公共政策研究センター」(田中直毅理事長)の派遣によるものだと伝えた。それでガテンが言った。ろくな訪問ではない。恥ずかしくて報道できないのだ。
 そもそもこの国際公共政策研究センターなるものは小泉元首相が総理を辞めた直後の06年10月につくられている。当時の報道の中には、当時の奥田日本経団連会長が音頭をとり、キャノンであるとか東京電力であるとか新日鉄であるとか、主要大企業80社くらいから合計20億円を集めてつくられるものだと教えてくれているものもある。 その後、国際公共政策センターがどのような形でスタートし、今日までどのような実績を重ねてきたかはまったく報道されていない。そのHPをのぞいて見て驚いた。理事長である田中直毅という御用学者一人が断片的なブログを配信している程度でまったく実績がない。実体がない。文字通り小泉元首相のためにつくっただけの組織だ。世界に誇れるシンクタンクを目指すという謳い文句が虚しく聞こえる。 大企業の派遣切りが社会問題となり、企業の膨大な内部留保が雇用確保に使われるべきではないかといった論争がなされている。その一方で企業はこんな愚にもつかない組織に一社数百万円から一千万円もの捨て金を寄付させられている。しかもその寄付金はカネに困らない連中の報酬や外遊に浪費されているのだ。壮大な天下りだ。

2009年2月16日発行 第0059号

 米国の戦争にどこまで国民の血税を差しだせば気が済むのか

 2月16日の二つの新聞記事は国民必読の記事である。「この国の指導者たちは米国の戦争にどこまで国民の血税を差しだせば気が済むのだろうか」という思いで私はこれを読んだ。おりしもクリントン米国務長官の訪日のタイミングに書かれた記事である。日米同盟重視の大合唱の裏で、日米関係の本当の姿がこの二つの新聞記事に表れている。
 2月16日の朝日新聞は一面トップに大スクープを掲載した。政府が09年度予算案に計上している在沖縄米海兵隊グアム移転経費346億円のうち、海兵隊の移転とは全く関係のない米軍基地関連事業経費174億円が含まれている、というスクープである。
 もう一つは同じく2月16日の毎日新聞である。そこに米ライシャワー東アジア研究所長ケント・カルダー氏のインタビュー記事が出ていた。彼は、「安保面で日本に期待されるものは」という問いに答えて次のように述べていた。
 「・・・例えばキルギスが閉鎖を発表した米軍基地の問題だ。アフガニスタン
の補給拠点で、非常に重要な基地だ。この問題は(キルギスに支払う賃貸料を巡り)
まだ交渉の余地がある。金融危機に喘ぐキルギスにとって日本は重要な援助国。
問題解決のため水面下で働きかけることができる。軍事的ではないが感謝される
貢献だ・・・」
 奇しくも2月16日の東京新聞に次のような記事を見つけた。
 「・・・米国はキルギスとの交渉を継続するとしており、(基地閉鎖の決議
にもかかわらずその手続きが遅れているのは)、水面下で米国との交渉が始まった
との見方がある。ただ、その場合もキルギス側が基地使用料の大幅値上げなど
を要求するのは必死で米国は難しい対応が迫られることになる。」
 毎日新聞と東京新聞の見事な一致である。米国は日本にこの経費負担の肩代わりを迫っているのである。
 朝日のスクープといい、カルダー氏の発言といい、一体どこまで日本国民の血税を米国の戦争に貢げばいいというのか。

筆者からのお知らせ。
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2009年02月15日

小泉・竹中売国奴構造改革を追及したTBS時事放談


 
  詳しくは今日のメルマガで書いたが、このブログの読者にも是非伝えておきたい。

  今朝早朝に流されたTBS系時事放談は野中広務と鳩山邦夫がゲストだった。その中で両者は驚くべき率直さで次の三点を国民の前で明言した。

  1.小泉発言は「かんぽの宿」疑惑の追及が自分に向かってくる事を恐れた目くらまし発言だ。

  2.「かんぽの宿」疑惑を追及している内に、小泉・竹中構造改革は米国金融資本に日本を売り渡し
    た事がわかった。

  3.日本のメディアは小泉・竹中売国奴構造改革に加担し、疑惑を必死に隠そうとしている。政局報    道に矮小化しようとしている。

  この三点セットこそ、これまで様々な人々がネット上で指摘してきたことだ。素人が何を言っても
  国民はそれを信じない。しかし裏を知り尽くした元自民党政治家と、現職の政権政党閣僚の口から  このいかさまが発せられ、全国の国民に流されたのだ。

   この番組はユーチューブで繰り返し、繰り返し流され、何も気づかない多くの国民が知るようになればいい。

   国民の覚醒によって、日本は崩壊のがけっぷちから、まだ救われる可能性が残っている。

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2009年02月13日

 小泉元首相は最後に大失敗をおかした

小泉元首相は最後に大失敗をおかした

 私は2月13日のメールマガジンで、小泉元首相は最後に大失敗をおかしたと書いた。その内容はいつものように要約してこのブログでお伝えするつもりであったが、メディアがあまりにもピントはずれの騒ぎ方をしているので、急いで以下の通り私の見立てをブログで書く事にした。要するに小泉撃沈ということだ。
         小泉元首相は最後に大失敗をおかした

 小泉さんは息子に世襲して晩節を汚したのだから、「親ばかですみませんでした」と頭を下げてこのまま静かに政界から引退すればよかった。そしてそのような動きを彼はたしかに見せていた。

 ところが、麻生首相の小泉改革否定、そしてその一丁目一番地である郵政民営化否定に、切れてしまった。ここに小泉元首相の愚かさがある。彼は政治人生最後のところで大きな失敗を犯したのだ。

 このニュースは今朝のメディアで一斉に取り上げられた。政治記者たちにとっては格好のネタであり、この話題は週末のテレビ番組や週明けの週刊誌でも花盛りであろう。馬鹿馬鹿しくて聞くにたえない。そんなおためごかしの解説に先駆けて本当の事を書く。その結末は、政治記者や評論家の話を聞くまでもなく明らかだ。これは政局にはならない。不成功に終わる。そして小泉神通力が急速に色あせていく。小泉元首相はその政治人生の最後のところで大きな失敗をしたと私が断言するゆえんである。

 なぜ小泉発言が政局につながらないのか。その最大の理由は大義がないからだ。「郵政民営化を後戻りさせてはいけない」という動きは、国民生活のためを思っての動きではない。郵政民営化を掲げて国会議員になった小泉チルドレンの生き残りでしかない。自民党内の勢力争いでしかない。そして小泉元首相にとっては面子を汚されたという怒りだけである。

 郵政民営化の問題点を理解していない国民をだます事はできても、物事を少しでも分かっている国民にとっては「いい加減にしろよ」という話なのである。

 二つ目に、この動きは、ただでさえ選挙に負けそうな自民党にとって決してプラスにならない動きであるからだ。公明党はもとより、不利な状況でも最後まで民主党と政策で戦おう、と歯を食いしばって頑張ろうとしているまともな自民党議員の支持を得られない。だから自民党の中で広がらない。もし、これが広がるようでは、自民党は選挙前に分裂、消滅する、ということだ。そんな事にはならない。もしそうなったら、それこそ自民党はお終いだ。

 三つ目に、小泉元首相のまわりに集まっている議員の顔ぶれが悪すぎる。中川秀直、武部勤、小池百合子、石原伸晃、塩崎恭久、山本一太、片山さつき、佐藤ゆかり・・・とても国民の為に働く政治家とは思えない。それに、なによりも親分の小泉元首相が老醜となっていることだ。もはや総理であった時の勢いはない。なによりも政策について何一つ語ることの出来ない無能者だ。掛け声だけで国民を騙せる時代はとっくに終わっている。それが分からないのだ。自分の今の力量を判別できないのだ。

 おまけに今の国民生活の苦しさはただ事ではない。一日もはやい政治の安定、日本を立て直す強力な政治の実現を国民は望んでいる。小泉一派に日本が救えるか。誰がこんな日本にしたんだ、という批判が常につきまとうだろう。

 見ているがいい。小泉元首相は、この発言でかき回した後は再び沈黙するに違いない。現に発言した後でロシアに逃げている。その間に自分の発言の反応を必死になって見極めようとするだろう。そして世論が盛り上がらないと見るや、後は皆に任せたと言って表舞台から去っていくだろう。後に残された小泉チルドレンははしごを外される事になる。いかにも小泉元首相のやりそうなことだ。要するに卑怯で小ざかしいのだ。

 私の予想が外れて、もし小泉元首相が頑張るとすれば、それは息子の将来を思ってのことだ。政治家になった息子が野党議員では話にならない。息子のために連立政権の一角を担う政界再編を起さなければならない。しかし、もしその為に小泉元首相が動くとすれば、こんどこそ小泉元首相はお終いだ。

 どう考えてもこの動きは広がらない。こんな馬鹿騒ぎはとっととしまいにして、自民党と民主党の政権をかけたガチンコ勝負に国民は集中したほうがいい。

 

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2009年02月13日

 独立外交官


 以下は私のメールマガジン2月13日号に掲載した文章である。その反応のあまりの大きさに、ブログの読者にも読んでもらおうと思って配信する。

 何かが動き出す予感がする。

 天木直人のメールマガジン
 ―反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

  2009年2月13日発行 第0052号

  独立外交官に未来の夢を託したい


 英治出版というところから「独立外交官」という著書が贈られてきた。
米国のイラク攻撃に反対して外務省を追われた私に是非それを読んでもらい
たいという。その本の著者もまた、米国の戦争に加担した英国の外交に幻滅
して、04年9月に外務省を辞したカーン・ロスという英国の元外交官である。

 私は早速それを読んだ。そして、大袈裟に言えば、わが人生で最も感動
しながらこの本を読み終えた。これほど勇気づけられた本はなかった。
こんな外交官が世の中にいたのだ。私など足元にも及ばない立派な
独立外交官である。

 カーン・ロスは、米国がイラク攻撃の根拠と強弁したあの有名な安保理決議
1441号成立時(02年11月8日)に、英国国連代表部の安保理担当の
外交官だった。つまりイラク攻撃の裏で繰り広げられた開戦前夜の主要国外交を
知り尽くした当事者の一人だ。

 そのカーン・ロスが、「国益」に縛られた外交に正義は実現できない、と
見限って外務省を辞職する。そして2007年にINDEPENDENT 
DIPLOMATという本を出版して自らの理想の外交を語る。その邦訳が
今年の2月20日付で英治出版から日本国民の前に提供されることになった。

 すばらしい事だ。日本の若い外交官にとって必読の書である。いや、
これから外交官を志そうとする日本の若者の一人でも多くに、この本を
読んでもらいたい。そう願いながらこのメールマガジンを書いている。

 この本「独立外交官」は、あの米国のイラク攻撃がいかに間違っていたか
を証明する歴史的記録である。あの米国のイラク攻撃が嘘の情報に基づいて
行なわれた戦争であった事は、すでに様々な関係者の証言で明らかになっている。
しかしこの本は、それに加え、「はじめに攻撃ありき」の戦争であった事を
あらためて我々に教えてくれる本である。あの時サダムフセインがあらゆる
査察に応じたとしても、米国に攻撃を止める意思はなかった、と証言する
カーン・ロスの言葉は重い。

 しかしこの「独立外交官」という言葉は、米国のイラク攻撃の不当さを教えて
くれる彼の本を意味するだけではない。「独立外交官」という言葉は、
カーン・ロス自身を示す言葉でもあるのだ。

 彼は、15年間の英国の輝かしいキャリア外交官の経験を通して、国家が
行なう外交の限界を悟った。彼は言う。国家が繰り広げる外交では、人類に
普遍的な道徳外交、倫理外交は出来ない、と。平和とか地球環境とか人権と
いった普遍的価値は守れない、だからそのような「国益」に縛られた外交から
独立した外交官にならなければならない、と。それを信じて、カーン・ロスは
エリート外交官の地位を捨てた。

 彼はイラク攻撃を批判したあのロビン・クック元外相のスピーチライターを
つとめたほどの男である。文字通りエリート外交官であった。その彼が、
「イギリス外務省で実践した従来の外交で、僕は道徳観を失い、信条も意義も
見失った。僕が手を貸したシステムは、世界の現実からも、僕が大切にしている
ものからも、外れていた。つくりごとに過ぎなかった仕事に、意味も価値も
見出せなかった」と言って外務省を辞したのである。

 「国家を代弁する外交官は自分自身の道徳観の放棄を迫られる。ながく外交官
をしているうちに、国家の論理が個人としての倫理感を覆い隠してしまいがち
になる」と言って外務省を辞したのである。

 「ガンジーからマンデラまで、根本的な変化を実現した政治指導者はみんな、
(万人の心を揺さぶる)道徳的な力に注意を払っていた」と言って外務省を
辞したのである。

 正義と道徳を唯一の指針とし、自立した外交を目指した見事な「独立外交官」
ではないか。

 しかし、私がカール・ロスに最も圧倒されたのは、自らの独立外交を実現する
ために、英国外務省を辞した04年に直ちに「独立外交官」という
外交コンサルティングの非営利組織を立ち上げたことだ。

 「一握りの有力国と、そのほかの国には圧倒的な格差がある。
(大国の横暴によって)苦しんでいる人たちがいるのに、なぜ僕は、
一国の国益のために人生を捧げようとしているのか・・・」。この疑問に
自ら答えを出して、コソボ、ソマリランド、西サハラのポリサリオ運動など、
国際政治の場で虐げられている政治集団に外交上の支援を提供しようと
決意したのだ。その熱意は多くの賛同と支持を得た。あのジョージ・ソロス
財団からも支援を得ることができた。2009年1月現在、ロンドン、
ニューヨーク、ワシントン、ブリュッセル、アジスアベバの5拠点で
活動をするに至っているという。

 支援の対象基準が、「民主的で、国際法と人権を尊重していること」という
ところがまた素晴らしい。世界の多くの外交官がその活動に賛同し、
「必要性はこんなに明白なのに、なぜこうした組織がもっと前にできなかった
のだろう」と言っているという事実にも驚かされる。

 こう書いてきた私は、ある衝動に駆られた。カール・ロスと直ちに連絡をとり、
「独立外交官」のアジアの拠点を日本につくるべきではないか。アジアの
民主化のため、独立外交官の一員としてその活動に参加させてもらうべきでは
ないのか。

 ミャンマーの民主化やチベット問題など、アジアで独立外交官に期待される
外交は多い。
 何よりも私は沖縄を日本から独立させて見たい。沖縄を世界に誇る永世中立の
平和国家にしてみたい。それが私の夢である。
 独立外交官に賛同する日本の若者と一緒になってこの見果てぬ夢を実現する。
なんと素晴らしいことではないか。

 最後にカーン・ロスの次の言葉を紹介してこのメール・マガジンを終える
事にする。その言葉に私が100%共鳴する事はいうまでもない。

「・・・私が見出した問題点や欠陥はイギリス外交に特有のものというより、
世界中の外交につきものだ・・・どうしたらいいのか。職業外交官というものは
もはや不要なものであって、近い将来、絶滅するだろう。これからわれわれが
直面するもっとも重要な課題や問題、つまり戦争、テロ、気候変動といった
問題を、政府と外交官にだけ任せるのは無責任である。我々の手に外交を
取り戻し、われわれ市民が外交を担うべきである。誰もが外交官なのだ・・・」。
 独立外交官万歳!


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2009年02月12日

 天木直人のメールマガジン 要約 2月11日ー12日分

 天木直人のメールマガジン 要約 2月11日―12日分

 2009年2月11日発行 第0049号

 麻生叩きの裏で隠される「かんぽの宿」疑惑


 賢明な読者なら気づいているだろう。メディアの麻生叩きの裏で「かんぽの宿」疑惑が隠されようとしているのではないか、と。

 私の、見立てはこうだ。もし麻生発言がなければ、今ごろメディアは「かんぽの宿」疑惑一色の報道になっていただろう。そしてそれに伴い「かんぽの宿」疑惑は平成の大疑獄につながっていったかも知れない。サンデー毎日最新号(2月22日号)はついに、郵政民営化に反対し更迭された当時の郵政官僚の証言を掲載し、「かんぽの宿」一括オリックス譲渡は、平成の「官有物払い下げ事件」だ、とまで言わしめている。「こんなに早く民営化のほころびが出るとは思わなかった」とまで言わしめている。

 「かんぽの宿」疑惑の真相が国民の前に明らかになれば、それは単に郵政民営化問題の是非などという瑣末なことではなく、その根本にある小泉・竹中構造改革の不正が明らかになる。それを支え続けた大手メディアの罪が糾弾される事になる。

 そこに降って湧いた麻生首相の郵政民営化否定発言だ。構造改革派は一斉にこれに飛びついて麻生批判を始めた。メディアも一斉に麻生発言を批判する。テレビのコメンテイターもすべて麻生批判をする。それにつられて、何も分からない国民までもが麻生たたきに加担する。小泉・竹中の構造改革こそ格差をつくった元凶であると批判してきた野党まで、麻生政権打倒を優先して麻生叩きに加担する。かくして麻生たたきの影に隠れる形で「かんぽの宿」疑惑が矮小化されていく。

 果たして「かんぽの宿」疑惑はこのまま終わってしまうのか。それとも小泉・竹中構造改革の罪が国民の前に暴かれていくのか。それをメディアはどう報道していくのか。みどころは満載である。


  2009年2月12日発行 第50号
 
  役にたたない人間などいない

 こころがなごむ記事を見つけた。腹立たしい記事が多い中で、一筋の希望が差し込むような記事だった。2月11日の読売新聞一面に「はたらく」という連載が始まった。その第一回「いきがい」という見出しの記事は、身体障害者を雇う町工場の次のような心温まる話だ。

 「東京タワーが開業50周年を迎えた2008年12月23日、多摩川に近い川崎市高津区の工場で、もう一つの50年を祝う拍手が響いた。社員らの笑顔の輪の中心で涙ぐんでいるのは林緋紗子さん(64)・・・50年前、15歳の時に養護学校から職業体験に来た林さん・・・休憩のチャイムに気づかないほど夢中に働いた。そのいちずさが同世代の子を持つ社員の胸を打った。2週間たった最終日、採用を考えていなかった人事担当者を社員たちが囲んだ。「私たちが面倒をみますから、一緒に働かせてあげて・・・健常者に比べれば、作業を覚えるまで時間はかかる。記憶したり数えたりすることも苦手だ。でも、明るい笑顔が職場を照らす。ハンディのある人を支えようと社内に一体感も生まれた・・・それから50年たって林さんはもうすぐ定年を迎える。

 林さんを雇った日本理化学工業は、川崎と北海道美唄市に工場を持ち、チョーク製造では全国シェア(市場占有率)30%を誇るトップ企業だ。全社員71人のうち知的障害者は7割超の54人に上る。「知的障害者は、人の幸せとは働くことなのだと私に気づかせてくれた。企業はもうけることも大事だが、人に働く喜びを与えられることが大きい」、と大山泰弘会長(76)は話す。「人の幸せは四つ。愛され、褒められ、役に立ち、必要とされること。働くことで少なくとも三つ手に入るんだよ」と話す。

 極めつけは大山さんの次の言葉だ。「役に立たない人間なんているものか」 見事な言葉ではないか。その言葉に林緋紗子さんは見事に答えた。大山会長と林さん、そして林さんを支えた社員の皆さんへ、心からの拍手を送りたい。

 
 2009年2月12日発行 第0051号

 新聞は本当の事を書かない

 新聞の記事が無意味だとは言わない。しかし、そこに流される報道記事は最小限のニュースでしかない。それどころか、新聞記事を無批判に読み流して信じると危険ですらある。間違っていることもあるからだ。その例を今日12日の新聞で説明してみる。

 各紙はイスラエルの総選挙の事を報じている。どの記事も右派勢力が躍進してパレスチナ問題の和平が遠のいたという記事ばかりだ。和平を進めようとするオバマ政権に痛手と書き、パレスチナ人の間で悲観論が広がったと書く。

 しかしそれは不正確だ。イスラエルという国は例外を除いてすべての政党が対パレスチナ強硬派である。9割もの国民がイスラエルのガザ攻撃を支持している。そのような国にあっては、どの政党が政権を取ったところで基本的な対パレスチナ政策は変わらない。むしろ和平派といわれる政党が政権を取った時ほど強硬策をとる傾向がある。なぜならば宥和政策を取ると国民の支持を失うので、いきおい強硬策をとらざるを得ないからである。そもそも今度の選挙では、強硬派が伸張することは想定されていた。むしろオバマ政権がアフガン攻撃を本格化すればパレスチナ情勢も悪化する。イスラエルの選挙結果いかんにかかわらず、中東和平が好転する兆しはない。メディアはその事を書くべきなのだ。

 相変わらず、郵政民営化否定発言をした麻生首相への批判が続いている。しかし「あの時多くの国民は知らなかった」という麻生首相の発言は正しい。読者のあなたは正しく理解していたか。今正しく理解しているか。そんな中で森喜朗元首相が「民営化が正しいと思った議員は、小泉純一郎元首相だけだった」と発言した。これも正しい。間違っているとすれば「小泉元首相すら中味を知らなかった、関心がなかった」と付け加えなかった事ぐらいだ。
 
 2月11日の産経新聞「単刀直言」の中で亀井静香国民新党代表代行が次のように述べていた。その言葉こそ大きく報道されるべきだ。皆が内心そう思っている事だからだ。

 「・・・太郎ちゃんが首相として生き延びるには、小泉政治の罪状をざんげすればよかった。米国のサブプライム・ショックが象徴しているけれど、ネオコンや強欲資本主義は破綻した。小泉政治はネオコン政治のコピーでしょ。小泉に降伏し、チェンジできなかったのが麻生宰相の悲劇だ。郵政民営化も間違いだったのだから、グズグズ言っていないで見直すしかないんだよ」

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