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2009年01月24日

 金日成に世襲反対を直言した男 宇都宮徳馬

  公務員改革の必要性が叫ばれ続けているのに、一向にそれが進まない。1月24日の東京新聞は、甘利明行革大臣が、谷公士人事院総裁との初のトップ会談に臨んで、内閣人事局への人事権の一本化を要請したが、谷公士人事院総裁は、「基本的には難しい」と一蹴した、と報じている。大臣がり官僚に一蹴されているのである。

 谷公士人事院総裁は、64年に東大法学部から郵政省に入省し、郵政次官に上り詰めた後、天下りポストを転々として、06年から人事院総裁を務めている。私より5年ほど官僚の先輩にあたる。仕事でわずかばかり接触した限りの印象では人格温厚で極めて優秀な官僚であった。

 しかし優秀な官僚はまた、官僚組織を守る事においても優秀である。その優秀な官僚OBが、キャリア官僚を代表して、組織防衛のため、政治家に抵抗しているのである。政治家によほどの覚悟と能力がなければ勝てるはずはない。真の公務員改革などできるはずはない。

 本来ならば政治家は官僚よりはるかに強い権限をもって官僚を指導・監督する立場にある。国民から選挙で選ばれたという事は、国民はその政治家に、「国民の利益を実現する政策をせよ」と、立法権、行政権を与えたという事である。国民から選ばれたという重みはここにある。

 だから官僚がどのような抵抗を試みようと、それが国民の利益に反するのであれば、政治家は即座にその官僚を更迭できるし、そうしなければならない。それほどの権限を政治家は国民から与えられているのである。

 それなのに何故政治家は公務員改革一つできないのか。それは政治家の多くが無能であるからだ。弱みを持っているからだ。そしてその無能と弱みを象徴するのが世襲議員である。

 私のところに読者から是非ブログで取り上げてほしいというメールが寄せられた。そのメールは発売中の週刊文春1月29日号の次のような記事を引用し、これではこの国の変革は望めない、その事を国民に知らせてくれ、というものだった。

 つまり世襲議員は親から子へ資産を移譲させるとき、それを親の政治資金管理団体から子供の政治資金管理団体へ、寄付という名目で移す形をとれば、非課税扱いになるというのである。これは合法的な脱税である。その脱税額をあわせたら、どれだけの派遣員の暮らしが守れるか。その事を書こうとしたフリーランスのジャーナリスト上杉隆氏に、「これだけは書かないでくれ」と世襲議員が頭を下げたという。

 世襲議員は圧倒的に自民党議員に多い。しかし野党議員にもいる。共産党の政治家も息子を選挙に立候補させようとしていたくらいだ。つまり政治家は皆国民に知られたくない弱みを持っているのだ。こんなことで官僚と流血覚悟の闘いができるはずはない。

 それで思い出すのがやはり同じ週刊文春の記事だ。その1月新春号(1月1日―8日号)で元衆議院議員の宇都宮徳馬という政治家のエピソードが書かれていた。

 宇都宮徳馬はかつて北朝鮮の金日成・国家主席と会談した時、「政治家は一代限りにすべきです」と面と向かっていったという。すでに息子の金正日に後を継がせようと決まっていた時に敢えてそう言ったというのだ。これに対して金日成は「本当の友人の直言はうれしいものだ」と応じたという。

 もちろん宇都宮徳馬は息子に議席を継がせる事はなかった。

 その週刊文春は次のような言葉で締めくくっている。

 「・・・異常なまでの世襲大国日本。だが結局はそれを正すのも許すのも、有権者、つまり国民の意思次第なのである・・・」

 今度の選挙でもまた大勢の世襲議員が当然のように名乗りをあげている。そしてそれらが当然のように当選して行く。

  

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2009年01月23日

 いまこそ日本の経営者はビル・トッテン氏の声に耳を傾けるべきだ

 経済悪化を示す数字が連日新聞を賑わせている。今日23日付の新聞に目を通すだけでもざっとこうだ。

 新日鉄過去最大の減産、君津高炉も休止へ
 ソニー営業赤字2600億円
 6大銀行 最終利益8割減
 08年貿易黒字8割減
 09年度マイナス2%成長

 冷静に考えればとてつもない危機だ。消費税増税などを議論している場合ではない。早急に何らかの手を打たないと日本経済はこれからもっと深刻になる。国民生活は大変なことになる。
 
 この日本の危機を1年前に警告し、自らの会社の社員と対応策を共有しようとした経営者がいた。ソフトウェア販売専門会社「アシスト」のビル・トッテン社長である。

 彼は69年に米国企業から日本に派遣され、日本が好きになって日本で起業した米国ビジネスマンである。米国流のやりかたでは日本はダメになる、対米従属から脱却しなくてはいけない、と日本人に向けて発言し続けてきた米国人である。

 そのトッテン氏が、その著書である「愛国者の流儀」(PHP)(08年3月発行)の中で次のように書いている。おりしも昨年末から日本では派遣切りが一大社会問題として急浮上してきた。雇用を守るための一つの方法としてワーキングシェアリングがにわかに論じられるようになった。この問題は、今後はますます深刻な問題として論じられていく事になろう。

 今こそ日本の経営者はビル・トッテン氏の次の言葉に耳を傾けるべきだと思う。


・・・幸いにも我々の会社(アシスト)は経費を大幅に削減する必要に迫られていない。しかし日本経済を含む世界経済が、近い将来に大きく衰退する強い可能性があると信じる。そうなればアシストといえども影響を免れない。この認識を社員に伝え、その場合アシストとしてどう対応すべきか、社員に問いかけ、社員間で活発な意見交換を期待し、最善の方法を皆で考えていこうと、要旨次のようなメールを社員全員に送った。
「 ・・・これまでアシストは決してリストラをしてきませんでした。つまり経費削減のために社員を解雇することはなかったということです。これは常に私のポリシーでしたし、これからも私のポリシーであり続けるでしょう。
   しかしこのポリシーが検証されることはありませんでした。なぜなら、アシストは生き残るため、または競争力を維持するために、劇的に経費を削減する必要に迫られることがこれまでなかったからです。私たちは幸運でした。
   私は、日本経済を含め世界の経済はごく近いうちに劇的に衰退する非常に大きな可能性があると確信しています。もしそうなったら、アシストの主な顧客である日本の大企業を含め世界の大企業の(需要)は劇的に縮小し、アシストの収益も劇的に縮小します。
その時、いまと同じ給料で今と同じ数の社員を雇用し続ける事は不可能になります。言い換えると全社員の給料を大幅に削減するか、または雇用する社員の数を大きく減らすことを余儀なくされるのです・・・
そうなった時、特定社員の雇用を犠牲にして、残りの社員の給料を守る事は不正直なことなので、アシストの唯一の倫理的で正直な選択肢は、全社員の給料を同じ割合ずつ削減することでしょう(ここでいる社員とは、役員も含みますし、株主も含みます)・・・しかし、少ない収入は、健康や幸福も少なくなることを必ず意味しない。もし私たちが賢明に計画し、準備すれば、私たちは今よりずっと少ない収入で、同じか、もしかするとより健康に幸福でいられるかもしれないのです・・・」

 このような考えを述べ、それを社員と共有し、ともに解決方法を求めようとした日本の経営者がその当時いたであろうか。今現れているだろうか。

 トッテン氏はさらにその書の最後でこう問いかけている。

 経済は、成長しなければいけないものだろうか。成長を唯一の目標とすることは、最終的に社会を機能不全にし、地球において人々が共存していく可能性を小さくする事にならないか。労働時間が短縮されたとしても、その事により家族と過ごす時間が増え、より健康になり、つまりは幸福な生き方、人間らしい生き方ができると、前向きに考えられないだろうか、と。

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2009年01月22日

オバマ大統領誕生で露呈する日米同盟関係の希薄さ


 くどいようだけれど、何度でも書く。それほど重要な事であると思うかからだ。日本国民は正しく知っておかなければならないと思うからだ。

 メディアはこれ以上日米関係の事を騒ぎ立てて書くべきではない。書くほどに日米同盟関係の希薄さが露呈されるだけだからだ。

 1月22日の読売新聞は、政府が谷内正太郎前外務次官を政府代表として米国に派遣し、新政府との意思疎通に万全をつくす方針である、という記事を流していた。

 こんな事を記事にすることは、もうやめたらいい。

 谷内正太郎氏は私と同期だ。ともに米国で研修を送った仲だ。彼は優秀な官僚であったかもしれないがおよそ米国との外交に向いていない男だ。米国大使のポストをオファーされ、それを辞退したと報道された男だ。彼に米国との人脈づくりも、まともな対米外交も期待することはできない。彼を今米国に派遣しても何の意味もない。

 こういう記事をあたかも意味があるかのように流す読売新聞は、彼が誰に会って、どういう話をしてきたか、フォローしてそれをもう一度記事にして国民に知らせる義務がある。

 今日発売の週刊新潮1月29日号で天川由記子という短大准教授が、駐米日本大使館がいかに米国との人脈がないかを、「戦犯もの」という言葉を使って厳しく批判している。

 たとえば昨年5月に赴任した藤崎駐米大使が、大統領選挙の最中に共和党大会ばかりに出席して、8月末の民主党大会には出席していない。すでにこの時点ではオバマ候補が優勢であった事をどの世論調査も明らかにしていたにもかかわらず、と書いている。

 藤崎大使も私と同期だ。谷内氏とともに我々は一緒に米国で研修生活を送った。谷内氏と藤崎氏は仲良しだ。その谷内次官が藤崎氏を大使にさせたのだ。外務省の人事はそういう事で決まる。藤崎大使は何度もワシントンに勤務してきたが、米国要人との人脈を築いたという話は聞かない。

 私が外務官僚を批判すると私怨だと受け止められるが、それは違う。彼らへの個人的恨みなど何もない。ただもう少しまともな対米外交をしてもらいたいと願うだけだ。

 天川氏はさらにこう書いている。

 「・・・在米大使館には数年間、シカゴ総領事を務めた経験者もいる。しかし、この人物はシカゴを地元とする上院議員時代のオバマ氏に一度も面会したことがなかった・・・」
 谷内氏の後を継いだ今の藪中次官は私がデトロイト総領事をしていた1997-2000年のほぼ同時期にシカゴ総領事だった。本当かどうかは知らないが、彼は「オバマ氏との人脈がある」と言って麻生首相を喜ばせたというが、いまだに麻生・オバマ首脳会談の日取りさえ実現できていない。

 しかし、藤崎大使の日本大使館を批判する天川氏さえもまるでわかっていない。ここが本当の問題だ。
 彼女はこう書いている。
「・・・この時代(小泉、安倍、福田時代)外務省も人材がそろっていた。事務次官を目前にした谷内正太郎氏はじめ、加藤良三大使、斎木昭隆公使らはアメリカ政府から高い信頼を得ていた。大きな日米摩擦が起きなかったのは、こうしたホットラインが使われ、本音で語り合う事ができたからだ・・・」

 とんでもない的外れの評価だ。天川氏はおそらく福田派の支持者ではないか。麻生外交を叩いているのではないか。この週刊新潮の記事は政治がらみの記事に過ぎないのだ。

  これほど日米関係を重視する国が、これほど米国を知らない、ここに日米関係の特殊さがある。

 良好な日米関係とは対米服従関係でしかない、という異様さがこの国にはある。

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2009年01月21日

 マハティール前マレーシア首相のオバマ大統領あて公開書簡

 
 マレーシアの前首相がオバマ次期大統領に宛てた1月15日付けの
公開書簡と思われるものが私のところにインターネットで寄せられてきた。

 日本国民に読んで欲しいから紹介してほしいというメッセージに違いないと
思ってこのブログで書く。

 本物かどうかわからない。しかしいかにもマハティール前首相の書きそうな手紙である。

 たとえ偽物であってもよく出来ている。

 私は1990年から3年間、マレーシアの日本大使館で公使を
務めた。その時の首相がマハテールであった。身近に接した
マハテール首相は、その当時から欧米を相手に正論を吐き続けた
世界の指導者の一人であった。

 国連を無視してイラク攻撃をした米国に非難の一つも言わずに
国連事務総長のポストにしがみ続けたアナン事務総長に対し、
なぜ辞表を叩きつけなかったのだ、と直言した政治家だ。

 1997年のアジア通貨危機の時、ソロスのヘッジファンドを
「ならずもの」と批判した指導者だ。

 そのマハテールが、世界中が注目し、期待しているオバマ次期大統領
に 万感の思いを込めて宛てた書簡であると思いたい。

 私の仮訳で紹介したい。マハテールの心意気が伝わるように
訳してみた。このような書簡を書ける政治家は日本には出てこない
ものだろうかと思いながら訳してみた。

 オバマ大統領の就任式のニュースで世界は一色だ。私もそれを歓迎する。オバマに期待する。

 その就任スピーチに水をさすつもりはない。彼は未曾有の困難を前にして団結して立ち向かうという。

 しかし誰が米国を困難に陥れたのか。世界を危機に巻き込ませたのか。

 その事に一切触れる事のない演説は私の心に響かない。

 このマハテール前首相の公開書簡なるもののほうがはるかによく出来ている。


 マハテール前マレーシア首相発オバマ次期米国大統領あて公開書簡
                         1月15日
  親愛なる大統領閣下

 私はマレーシア人ですから、先の大統領選挙ではあなたに投票
できませんでした。

 しかし私は自分自身をあなたの有権者であると思っています。
なぜならばあなたの言動は私や私の国に多大の影響を与えるからです。

 私はあなたの変革の約束を歓迎します。あなたの国である米国は
間違いなく変革を必要としています。

 それは米国と米国人がいまや世界でもっとも嫌われるようになった
からです。

 欧州人たちでさえあなたたちの傲慢さを嫌っています。

 しかしあなたたちは、かつてはまぎれもなく世界から称賛され、
好かれていました。
 多くの国々を植民地支配と隷従から解放した
からです。

 人びとは新年を迎えて決意を新たにする事を慣例としています。
 あなたも既に多くの立派な決意をされたことでしょう。

 もしお許しをいただけるならば、変革を求めてなされたあなたの
多くの決意の中に、次の項目を付け加えるように提案させて
いただきたいと思います。

1. 人々を殺す事を止めなさい。米国は目的を達成するために
人々を殺す事があまりにも好きです。
   あなたはそれを戦争と呼ぶ。
   しかし今日の戦争は職業軍人同士が互いに戦い、殺し合うものでは
ありません。それは、おびただしい数の無辜の市民を殺すことです。

   そんな事をしていては世界が荒廃してしまいます。

2. 米国の資金と武力でイスラエルによる殺戮を無条件で支持
する事を止めなさい。ガザの人々を殺している戦闘機や爆弾は
米国から供給されたものです。

3. 手向かう事ができないような国々に対して制裁を課す事は
止めなさい。イラクでは米国の制裁で50万人もの子供たちが薬
や食糧の不足で死んでいきました。多くの子供たちが不倶者
として生まれてきました。

  そのような残虐さとひきかえに、あなたたちが手にしたものは
一体何だったのでしょう。

 犠牲者や良識ある人たちの憎しみでしかなかったのです。

4. より大量の人々を、より効率的に殺せるような新しい兵器を
発明しないように科学者や研究者に命じなさい。

5. 軍需産業にこれ以上の武器をつくらないよう命じなさい。
   世界に武器を販売する事を止めなさい。
   あなたたちが手にする資金は血にまみれています。それは
キリスト教の教えに反します。

6. 世界の国々を民主化しようとする事を止めなさい。
   民主主義は米国ではうまく機能するかも知れません。しかし
他の国々でも同じように機能するとは限りません。

  民主主義でないからと言って彼らを殺してはいけません。民主化の
名の下に、米国は自らが転覆しようとする独裁政府よりも多くの人々を
殺してきました。しかもあなたの国が他国を民主化することなどは
所詮できないのです。

7. 金融機関という名の賭博を廃止しなさい。ヘッジファンドや
デリバティブや為替取引を止めなさい。銀行が、膨大な実体のない
融資を行う事を、禁止しなさい。
   銀行を制御し、監視しなさい。制度を悪用して利益を手にした
悪者を刑務所に入れなさい。

8. 京都議定書やその他の環境問題についての国際合意に署名しなさい。

9. 国際連合に敬意を払いなさい。

  私は、あなたが検討し、実施に移すべき「変革の決意」について、
他にもたくさん提案を持っています。

  しかしあなたは2009年中に達成すべき多くの決意を、既に固められて
いることでしょうから、これ以上申しあげません。

  もし、あなたが、私が提案した事のほんの一つか二つを実現する
ことができるなら、あなたは偉大な指導者として世界に末永く記憶されるでしょう。

  そしてその時は、米国は再び世界に尊敬される国になっている
ことでしょう。

  世界中の米国大使館から、高い防御塀や鉄条網がとり除かれる事でしょう。

  新年が素晴らしい年でありますよう、そしてあなたが偉大な大統領
になられんことを、祈念します。

                            敬具
                      マハティール モハマッド


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2009年01月21日

 政治がおもしろくなってきた。消費税解散があるかもしれない。

  政局が面白くなってきた。ひょっとして消費税問題で突然のハプニング解散があるのかもしれない、そう思えてきた。

 発売中の週刊朝日1月30日号で田原総一郎氏が、自らの連載である「田原総一郎のギロン堂、そこが聞きたい!」で消費税問題にふれ、「麻生首相はわざわざ国会を混乱させて、自爆を図ろうとしているのだろうか」とその記事を締めくくっている。

 彼が言ったり書いたりしているもので共鳴するものはほとんどないが、この点に関しては、実は私もそう思うのだ。

  ここまでメディアに叩かれ、ここまで支持率を落し、それでも麻生首相は平然としているように見える。実際のところ彼は開き直っていると思う。引き摺り下ろされるような形で辞めることは絶対にない。

 しかしその一方で、9月まで政権を維持できるか、という問題はある。どのような政策を講じようとも、当面の日本の状況はこれからもっと深刻になるだろう。支持率を上げられる政策が打てるはずはない。

 そうであるとすれば、残された麻生首相の取りうる「名誉ある」選択は、自分の手で解散・総選挙をする事である。総裁を変えて総選挙するなどということを、麻生首相は100%認めない。

 消費税増税を掲げて選挙をすればもちろん選挙に負ける。しかし何をやっても、いつやっても、負けるのだ。そうである以上、負ける理由を消費税にすればいいのだ。

 消費税増税を公約して選挙に勝った総理はいない。それを敢えて公約に掲げて選挙した、という事は、たとえ負けても歴史に名が残る。

 それだけではない。消費税引き上げは、実は自民党、民主党を超える大多数の議員のコンセンサスである。それどころか、朝日、読売、日経など、すべてのメディアまで消費税やむなしと言っている。だとすれば、それを掲げて選挙をすることは王道なのだ。

 小泉とか中川とか武部などが反対しているのは政策論ではない。選挙に負けるからやめとけと言っているだけだ。今引き揚げると景気にマイナスだという理由は一見もっともに聞こえるが、それも口実だ。選挙の前に増税を言うなということだけである。そんな連中の消費税反対などは、一蹴してしまえばいいのだ。

 断っておくが、私はあらゆる増税に反対という立場である。無駄遣いを減らしたあとでなら税金を上げるのは止むを得ない、という考えさえも、私は認めない。

 決められた予算をどう配分するかが政治である。予算が足らなければ5兆円の防衛予算を他に振り返る、1兆円の援助予算を凍結する、公務員採用を凍結する、いくらでもやり方はある。

 そのような政治決断をすることなく、足らなければ増税するというのでは政治家などいらない。そんな政策は誰がやっても出来るのである。それをやってきたからここまで財政赤字になったのだ。

 脱線したが、私は麻生首相に是非とも消費税解散に打って出てもらいたい。

 もし今度の消費税問題において麻生首相が指導力を発揮できなければ、それこそ間違いなく麻生政権は死に体政権になる。麻生首相はここらでそろそろ決断すべきだ。

 もし麻生首相の目にこのブログがとまったなら、彼はそうするに違いない。そうして歴史に残る首相をめざしたらどうか。

 郵政解散に命をかけるなどと言って解散・総選挙をした愚かな首相よりははるかにましだ。


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2009年01月20日

 「世に倦む日日」のブロガーにエールを送る

 皆さんは「世に倦む日々」というブログを知っているか。読んでいるか。

 これから書くメッセージは、「世に倦む日日」のブロガーに対する私からの応援メッセージである。

 このブログの作者を私は勿論知らない。知らないけれど、このブログで発信される作者のメッセージは私のそれと最も近いと思っている。私が愛読する数少ない良質のブログである。

 その作者が、私と時を同じくして有料配信を始めた。私が有料メルマガを始めた事を知って決心したという。

 最近のメディアはつまらなくなったと言われている。保守化、体制化して、ジャーナリズムの批判精神を忘れたと言われている。

 そんなメディアには負けない発信をしてみせる、そう大見得を切って有料に踏み切り、自らの発信の質をさらに高める覚悟をしたのに違いない。

 そしてそれはまさしく私が有料メールマガジンを始めた動機でもある。

 私にとってよきライバルであり、同志である。競い合ってお互いに購読者を増やそうではないか。

 購読者が広がって行った時、新しい時代が来る。

 その時は、ともに協力し、そしてさらにあらたな同志を見つけ、今までにない新しいメディアを打ちたてよう。誰からも縛られることなく、正義と真実を伝え続ける事によって、本物の世論の形成をめざそう。

 その日が来る事を願って、「世に倦む日日」のブロガーの健闘を願っている。大きな声でエールを送らせてもらう。


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2009年01月20日

 ブッシュと小泉の仲(最終回)

 読者から多くの情報が寄せられた。その結果ブッシュと小泉の仲が偽者だった事がわかった。

 1月13日、ブッシュ大統領はハワード前豪州首相のほか、ブレア前英首相、ウリベコロンビア大統領に大統領自由勲章という、文民に与えられる最高の勲章を与えている。

 その理由は、「テロとの戦い」、民主化、人権擁護などでブッシュ政権に最大の貢献をしたからであるという。

 日本国民よ。この事実を、目を開いてよく見よ。そこにわれらが小泉元首相はいなかったのだ。小泉元首相はブッシュ大統領に相手にあれていなかったのだ。

 その嘘がばれて小泉元首相が恥をかいたことなどどうでもいい。これは日本国民に対する侮辱ではないのか。

 世界中の新聞が報じているこの事実を日本のメディアが一切無視している。

 あたかも触れてはいけないないかのように。

 情報提供をくれたブログの読者に感謝する。我々だけでも十分に既存のメディア以上のメディアをつくることができるのだ。

 この事について私の思いをメールマガジンで書いて見る。

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2009年01月20日

中谷巌と竹中平蔵

 1月19日の新聞に、奇しくも、新自由主義を賞賛し、構造改革の旗振り役をつとめた二人の経済学者の記事が載っていた。

一つは東京新聞「こちら特報部」に見られる中谷巌一橋大学名誉教授のざんげであり、もう一つは産経新聞「ポリシー・ウオッチ」に見られる竹中平蔵慶応義塾大学教授の「かんぽの宿」オリックス売却に関する弁護である。

 私は昨年12月19日のブログで、中谷巌教授が週刊現代(12月27日号)誌上で、米国型新自由主義を導入した自らの誤りを認めた事を、驚きをもって書いた。ついに体制内部から反省の声が聞こえてきた、と。

 その後中谷氏はその後も様々なところで同様の自己総括をしている。1月19日の東京新聞の記事もその繰り返しである。

 「若い私は、米社会の豊かさに圧倒され、ハーバード大学で学んだ米国流経済学こそが正しいと、『米国かぶれ』になって帰国した。規制をなくし、市場が機能すれば、豊かで幸福な社会が実現するという『新自由主義』を信じ込んだ・・・しかし、構造改革路線、ひいてはグローバル資本主義(米国型金融資本主義)はやがて、巨大な金融危機、貧困の増大、医療の疲弊、地球環境破壊などをもたらしはじめた・・・最近の日本社会の疲弊振りを見るにつけ、米国流の『小さな政府』を掲げる構造改革路線では、日本人は幸せになれないと思うようになった・・・誰のための改革かという視点を欠いてはならない・・・小さな政府でさえあればいいというのは何か違う・・・」

 何度も、何度も、このようなざんげを聞かされては、はじめて知ったときの驚きは消え失せて、「またか」という思いがする。

 しかし、政策の導入に一役かった体制側の学者が、ここまで率直に自らの誤りを国民の前で認める勇気を私は高く評価する。学者としての誠意を感じる。

 これと対照的なのが竹中平蔵教授だ。担当大臣として鉦を叩き、旗を振って導入した「構造改革」がここまで日本の社会を破壊し、国民を苦しめている。

 それにもかかわらず、厚顔にもメディアに露出し、「日本経済がダメになったのは構造改革が不十分だったからだ」などと繰り返す。

 1月19日の産経新聞の寄稿文に至っては、新自由主義導入の朋友であるオリックスの宮内義彦氏を擁護し、「かんぽの宿」をオリックスに売却することに鳩山総務大臣が反対した事を「言いがかりだ」とまで言う。

 竹中氏がその寄稿文で述べている理由はいつもの手口だ。論点のすり替えであり、一面的な独断だ。

 いわく、「かんぽの宿」は郵政にとって「不良債権」であり、この処理が遅れればそれだけ国民負担が増大する。廃止・売却は当然である。

 いわく、そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出し、介入することは、根本的に誤っている。

 いわく、民間人が政策過程にかかわったからその資産売却などにかかわれない、という論理そのものが重大な問題である。

 いわく、鳩山総務相発言は、政策にかかわる民間人の自由な発言を抑制し、族議員と官僚を奮い立たせるものである。などなど。

 しかし問題の本質はそのようなことではない。「かんぽの宿」一括払い下げの決定過程の詳細を情報開示し、そこに不透明なものがなかったかを国民の前で明らかすることである。

 現在発売中の週刊朝日1月30日号の特集記事は、その疑惑を、「怪しまれても仕方がない要素がてんこ盛りである」とまで書いている。

 竹中氏の発言はいつもこうだ。もっともらしい事を言っているが、何も頭に残らない。それは都合にいい物事の一側面だけを説明し、全体としての是非を論じないのだ。

 竹中氏が今でもメディアに登場していられるのは、みなが彼の言っている言語明瞭、意味不明に騙されているのだ。あの郵政改革とまったく同じだ。

  メディアも日本国民も、わからない事を、わかった不利をしてはいけない。竹中平蔵氏の言っている事はわからない、と素直に切り捨てることだ。

 いつまでたっても小泉・竹中コンビの改革をメディアに流しているようでは、真の変革(チェンジ)は望めない。


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2009年01月19日

ブッシュと小泉の仲(続)


 私は1月12日のブログでブッシュ・小泉の朋友関係は作り上げられた虚像ではないか、と書いた。

 それを占う重要な根拠として、ブッシュ大統領が、イラク戦争を支持した豪州のハワード前首相をワシントンに招待して叙勲をしたこと、その時オバマ次期大統領もワシントンに滞在していたのに、ハワード前首相をブレアハウス(迎賓館)に泊める厚遇をした事、を私は人づてに聞き、それが本当なら、小泉元首相は招待されなかったのか、と書いた。

 そのブログをもしメディア関係者が読んでいれば、事実関係を調べて是非国民に教えてくれないか、と書いた。

 なにしろイラク戦争の支持においては、小泉元首相の忠誠ぶりはハワード前豪州首相の比ではない。憲法違反までして自衛隊を派遣したのだ。苦しむ国民を尻目に多額の税金を使ったのだ。

 ブッシュ大統領が真っ先に叙勲する相手は小泉元首相ではないのか。ましてや日米史上まれに見る朋友関係を結んだ仲だ。

 残念ながらどのメディアも関心がないとみえて書かない。

 しかし少なくともブッシュ大統領がハワード前豪州首相を招待した事は確かなようだ。しかもオバマ次期大統領より厚遇して。

 ニューズウィーク(日本語版)1月21日号は、「退場ブッシュの迷惑な最後っ屁」と題して次のような記事を掲載していた。

 ・・・ブッシュ大統領のせいでワシントンで大渋滞が起きている。オバマ次期米大統領は12月、大統領の賓客が泊まるブレアハウスに就任式の2週間前から滞在したいと要請した・・・だが、ブッシュが先に予約客(ハワード前豪首相)がいるとして断ったため、オバマ一家はヘイアダムス・ホテルに宿泊することになった。どちらもホワイトハウスに近いが、ブレアハウスは遊歩道に面しているため警備が交通を妨げることはない。一方でヘイアダムスは主要な交差点にあるため、警備・・・で大混乱が起きている・・・

 ハワード前豪首相がブッシュ大統領に国賓待遇で招待されていた事はこれで確認された。後は叙勲を与えたかどうかだ。そして何よりも小泉元首相は招待されなかったのか、ということだ。

 交通渋滞なんかよりこっちのほうがはるかにニュースバリューがある。

 格好の週刊誌ネタだと思うのになぜ誰も書かないのだろうか。

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2009年01月19日

それでも私はオバマに期待したい

それでも私はオバマに期待したい

 報道はオバマ大統領の就任式で一色だ。そして、それは理解できる。

 何しろ史上最低のブッシュ大統領の後に登場した大統領だ。ブッシュ大統領が仕掛けたイラク戦争の失敗でうんざりした米国と世界の国民が、同時にまた米国発の金融危機で経済的苦境に追い込まれている。

 チェンジという合言葉を叫んで、皆が気分一新したい気持ちなのだ。

 しかし、ここにきてオバマで大丈夫か、という批判的な意見がメディアで目立つようになった。

 その大きな理由は、もちろん、目の前に広がっている100年に一度の経済危機の深刻さが日を追って深刻化しつつあるからだ。いくらオバマでも無理だというわけだ。

 しかし、オバマのより困難な課題は、軍産複合体とユダヤロビーに支配された今の米国の大統領である限り、ブッシュ路線を大きく変える事は出来ないというものだ。

 私の手元に出版社から送られてきた一冊の本がある。「オバマの危機 新政権の隠された本性」(成澤宗男著 金曜日刊)という本だ。1月20日発行というから出版されたばかりの本だ。

 その本は、インターネットなどで流されたオバマの過去の発言や新政権の顔ぶれなどを丹念に検証した上で、オバマの「テロとの戦い」や中東政策は、ブッシュと同様、いやそれ以上に、危険で戦闘的になると予想している。

 おりしも1月19日の読売新聞は一面トップでアフガン情勢の悪化を報じている。アフガンを「テロとの戦い」の主戦場と位置づけているオバマ政権の登場で、日本の貢献は一層求められると危惧している。

 この本に記されているいくつかの情報については既に私も知ってはいた。しかしこれほどまでオバマの側近がユダヤ人脈に取り囲まれているとは知らなかった。「やはり、そうか」という失望を感じざるを得ない。

 しかし、である。オバマはブッシュとは違う。それでも私はオバマに期待する。その思いを私は今日のメールマガジンで書いた。

 オバマを突き放して眺めてはいけない。
 すべてをオバマのせいにしてはいけない。
 われわれがオバマを変えていくのだ。造っていくのだ。
 オバマの米国を監視していくのだ。

 

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2009年01月18日

 正義のない状況下で何を誇りに生きるか


 1月18日の朝日新聞「耕論」に、パレスチナ問題の解決に関する三者の意見が並列されていた。

 駐日イスラエル大使の意見と、パレスチナの二大派閥である穏健派ファタハと過激派ハマスの両代表の意見、この三つである。

 断わっておくが、パレスチナの武装抵抗組織はハマスとファタハだけではない。もっと過激な抵抗組織もいくつかある。

 しかも過激派と穏健派という言葉で単純化する事は誤りだ。そもそもイスラエルの占領に抵抗しないパレスチナ人などいない。

 穏健派といわれている今のファタハの議長であるアッバスの前任は、あのアラファトだ。米国とイスラエルはそのアラファトをテロリストと決めつけてラマラに幽閉し、病死させてしまった。わずか4年ほど前の2004年11月のことである。

 そういう国際政治の偽善を知った上でパレスチナ問題を論じるべきであるのに、メディアは単純化して報じる。それが多くの無知な国民の目を曇らせる事になる。

 「耕論」の三論並立もその危険をおかしている。対等でない立場の者たちの意見を対等に扱うこと自体が間違いなのである。

 しかし、そうは言っても、何も知らない読者に最低限の知識を与える為には、それぞれの立場を伝える必要がある。それもメディアの重要な役割である。

 そう前置きした上で、朝日新聞「耕論」で「紹介」されている三者の意見を私なりに紹介しよう。一言で要約すれば、こういうことだ。

 駐日イスラエル大使の言い分はこうだ。ユダヤ国家を地図から抹殺しようとしているイランの支援を受け、過激なイスラム国家をつくろうとしているのがハマスだ。そのハマスの攻撃からイスラエルを守るのは当然だ。その為にはあらゆる行動が正当化される。

 「穏健派」ファタハ代表の言い分はこうだ。ハマスは我々の勧めを無視して停戦を延長せず、イスラエルに攻撃の口実を与えてしまった。独立国家の樹立を許さないイスラエルの占領政策を、米国やそれに従う国際社会が支えてきた結果、民衆の絶望に巣くう狂信的組織を強めてしまった。しかし中東最強のイスラエル軍に勝てるわけがない。

 「過激派」ハマスの代表の言い分はこうだ。ハマスは占領から解放するための抵抗運動をしている。占領を続け、無実の市民を殺しているのはイスラエルだ。なぜハマスがテロ組織でイスラエルがテロ組織ではないと言えるのか。イスラエルが圧倒的な兵力で不当にガザを攻撃し続ける限り、パレスチナ人には抵抗する理由がある。

 偶然にも同じ日の朝日新聞の書評欄で星野博美という写真家・作家の言葉をみつけた。星野氏は若桑みどりの「クアトロ・ラガッツィ」(集英社文庫)という本と飯嶋和一の「出星前夜」(小学館)の二冊の本を紹介してこう書いていた。

 「クアトロ・ラガッツィ」はイエズス会によりローマへ送られた天正少年使節団が帰国した時、待っていたのは、他の文明や宗教を排除する鎖国に向かっていた日本による弾圧だった、という本であり、「出星前夜」は天草・島原の乱をテーマにした歴史小説だという。
 そこに描かれているのは抵抗運動の末になぶり殺されていった一人一人の無名の人間の生きざまであるという。

 そして評者星野博美氏はこう締めくくっている。

 「正義が行われない絶望的な状況下、人は何を誇りに生きていくのか。もしそんな状況に(自分が)置かれたら、どんな行動をとるだろう。自分の生き方を問われているような気がする・・・なぜ(私が)これらの本を欲していたのか、最近やっとわかってきた。弱肉強食の時代に戻りつつあることを実感し始めた今だからこそ、何に希望を見出したらよいのか、ヒントを探したくなった・・・」

 パレスチナ問題は遠い世界のことではない。私たちの身の回りに無数に存在する絶望的な不正義、不条理を前にして、自分はどう生きていくべきか、その悲しいまでの根源的な問いを、幼い子供達が流す無辜の血と涙とともに、私たちに問いかけているのである。

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