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2008年12月19日

 タスキージーの梅毒研究ーオバマが背負う人種差別国米国の原罪

  私のブログの目的は、つまらない私の意見の開陳や押し付けではない。ましてやそれをめぐって論議を戦わせることではない。

  真実に迫ることだ。そして、そこにたどり着く一里塚として、一つでも多くの事実を知ることだ。

  今日のブログもそれである。私が知らなかった事を読者と共有し、読者がそれについて考え、自分の意見を確立すればいい。そう思って書いている。

  12月18日の朝日新聞に竹沢泰子(京大人文科学研究所教授 文化人類学)という学者が、オバマ次期米国大統領について書いていた。

  その趣旨は、無名のオバマ氏を全米が一躍注目する候補に引き上げたスピーチ、つまり2年前に民主党大会で述べた「一つのアメリカ」のスピーチが、なぜ米国人の心を深くとらえたか、という問いに対する、一つの答えである。

 まず、ここでその言葉を思い起こしてみる。

  「・・・リベラルのアメリカも、保守のアメリカもない。黒人のアメリカも、白人のアメリカも、ラティーノ(中南米出身者)のアメリカも、アジア系のアメリカもない。あるのは一つのアメリカだけだ・・・」

  選挙中、オバマ氏が師と仰ぐJ・ライト牧師が、エイズウイルス(HIV)は米政府が企てた黒人浄化計画である、などと発言し、オバマ氏は「人種対立をあおる」として批判した事件があった。

  この風説は、黒人社会内部なら誰もが耳にする風説であるが、あくまでも風説にとどまっており、その一方では、何も知らない多くの白人には「ざれごと」と映る発言である。

  しかし、竹沢教授は、これは歴史的な事実であり、それを知っている者の間に極めて深刻なトラウマとして残っている問題、つまり人種差別国アメリカが今日でも抱く原罪であるという。

  竹沢教授は次のように教えてくれている。

  「・・・1972年に新聞報道されるまで、米政府は40年間も『梅毒の治療』と偽って、399人の貧困層黒人に人体実験を行っていた。これは『タスキージーの梅毒研究』と呼ばれ、有効な治療法が存在していたにもかかわらず、梅毒を患う彼らに説明も治療も施さず、ただ経過を観察したのだ・・・」と。

  そして竹沢教授は次のようにオバマ氏にエールを送る。

  「・・・米国は経済危機やイラク戦争など山積する喫緊の課題を抱えている。そうした中、人種の超克を訴えるオバマ氏は、分断を紡ぎあわせ、(米国を)『一つのアメリカ』に導けるか。黒人社会にも白人社会にも、父のケニアにも自らの居場所を見出せず、ひとりアイデンティティーの葛藤と闘ってきた末に、たぐいまれな融和の術を見につけた人物は、それを『不可能な夢』に終わらせない、オバマ氏は、そう人々に思わせるのである・・・」

  この一文を読んだとき、私はオバマで米国は立ち直れるのか、世界を平和にできるのか、と人事のように批評する事が、いかに間違っているかという思いに気づかされる。

  この途方もない困難な責務を、米国人も世界の人々も、オバマ氏ひとりに押し付けて傍観することは許されない。

  オバマは私であり、あなただ。あなたや私はオバマなのである。

  そう思ってオバマ氏を応援していくしかない。

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2008年12月19日

 ついに小泉構造改革の誤りを認める者が政府側から出るようになった


 米国発の金融危機が世界同時不況をもたらし、その影響で日本の経済、雇用状況の悪化が急速に表面化した今、巷には新自由主義攻撃の声があふれかえっている。

 それにともなって、小泉・竹中構造改革の誤りを指摘する発言や記事が目立つようになった。

 たしかに、そのような批判は従来からもあった。

 しかし、その批判はすべて政府を批判をする立場の人たちから発せられていたもので、決して政府側に立つ者から出される事はなかった。

 それどころか、ここまで格差社会が進み、国民生活が苦境に立たされているというのに、いまだに構造改革を誉めそやす者が存在し、それを進めた張本人の小泉、竹中氏も、なんら悪びれることなくメディアに露出している。それをまた国民が許している。

 そんな中で、いま発売中の週刊現代12月27日号に掲載された中谷巌元経済戦略会議議長代理の「小泉改革の大罪と日本の不幸」という手記は、おそらく政府側に立つ経済学者の中で初めての、ざんげ発言に違いない。

 中谷巌という人物の評価を私は知らない。しかし少なくとも歴代の政権の下で各種の政府諮問機関のメンバーをつとめ、小渕内閣の「経済戦略会議」の議長代理として規制緩和や市場開放の旗を振り続けたというのだから、紛れもなく政府側に立つ人物であろう。

 そして、中谷氏みずからが認めているように、彼の提言は竹中平蔵氏に受け継がれ、小泉構造改革の一環として実現していったのである。

 その中谷氏が、何十万部の売り上げを誇る大衆週刊誌上で、すべての元凶は「市場主義」であると断じ、小泉構造改革は大罪であった、その旗を振り続けた自分は間違っていた、と認めたのである。

 「私はいま、これまでの自分の主張が誤りだったと率直に反省しています・・・」という言葉で始まるこの手記は、驚きである。

 中谷氏は、小泉流の「自己責任論」は、道ばたで食べるものに困っている人に対して、「そうなったのはあなたの責任だ。頑張って働けば食べ物も買えるようになるんだから、自分の力でなんとかしなさい」と言う考えを、「多くの人々を不幸に陥れてしまう改革は、改革とは呼べない」と批判する。

 そして、「これからは稼げる力のある人はどんどんと稼いでもらい、日本全体の成長率を上げてもらうのだ」と言う竹中氏の言葉を、「安定した生活があってこそ、人々は生産的な活動に打ち込めるのです」、と切り捨てる。

 中谷氏の発言をきっかけに、この自己批判が政府側の人たちからもっと出てこなくてはならない。

 そして今度こそ、小泉政治のもう一つの大罪に対するざんげ、すなわち「ブッシュのイラク戦争を支持した小泉対米従属外交は誤りだった」、が、政府内部の要人から出てこなくてはならない。

 その時初めて、日本はチェンジ出来るかもしれないという希望が見えてくる。

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