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2008年12月08日

今日発売された週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!-その④(完結)


  田母神氏もまた米国の手のひらの上で踊らされる一人でしかない

 田母神氏は核武装論者である。彼は言う。

 「・・・日本が自立した国になるのにもっとも有効な手段は、日本が核武装することです。現実の国際政治では、核兵器の非保有国は、保有国の意思に対して、最終的には従属せざるを得ません。このため、日本が従属させられる立場から脱却するには、自ら核武装する道を選ぶのが一番早道なわけです・・・」

 私は対米自立論者ではあるが、軍事力を強化して自主防衛を図るという田母神氏らの考えをとらない。

 憲法9条こそ日本がとりうる最強の自立した安全保障政策であると考える。

 しかし、私がもし武力による自主防衛論者であれば、核武装まで行かなければ自主防衛はおぼつかない、とする田母神氏の考えに賛同する。

 軍事力で自国を守ろうとするのなら、誰にも負けない軍事力を持たなければ国を守れないからだ。

 そして今の軍事技術においては核兵器が最強の軍事力である。

 軍事力強化の行きつく先は核武装である。

 ところが日本が核武装することを米国は決して認めない。

 米国は、その言葉とは裏腹に、今でも日本を信用していない。

 その日本が核兵器を持つ事を米国は決して容認しない。

 その事を知っている田母神氏は、だから米国と対立してまで日本が独自の核兵器を持つべきだ、とは決して言わない。

 そのかわり、アメリカの核兵器をいざという時に使わせてもらう形で核武装すればいいと、次のように語っている。

 「・・・現実問題として日本はNPT(核不拡散条約)に加盟しているので、すぐに核武装というのは難しい。となれば同盟国であるアメリカの核兵器を有事に確実に使えるものにしておくことが、次善の策になります・・・つまりNATOの一角であるドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコの5カ国が行なっている核分担システムの導入です・・・これにより日本が直接核武装しなくても、核兵器を保有したのと同等の効果が生まれるのです・・・」

 何の事はない。これでは米国従属から脱却する事などできない。米国がその核を日本の自由に使わせてくれるはずはない。

 結局のところ田母神氏も米国には逆らえないのだ。米国の手のひらの上で踊らされているのだ。威勢のいい事を言ってみても田母神氏の限界はまさしくここにある。

 米国から軍事的に自立できる唯一の方策は、憲法9条を日本の安全保障政策とすることだ。

 米国が日本に押し付けた憲法9条を逆手にとって、日本は憲法9条で自らを守る、だから米軍基地も要らない。米国の高額な武器なども要らない。日米安保条約ももはや不要である。そう、世界が見ている前で、宣言することである。

 日本が核武装することには米国は反対する。

 しかし、米国は、日本国民の前で、世界の前で、憲法9条に反対する事は決してできない。

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2008年12月08日

今日発売の週刊現代に掲載されている田母神発言は国民必読の発言だ!-その③

対米交渉をアメリカの好き勝手にさせない方法

 私が週刊現代に掲載されている田母神発言の中でもっとも注目したのは次の言葉である。

 これは私がいつも声高に主張してきた事と完全に一致している。

 「・・・米軍基地の縮小の問題に関しても、既得権益を持つアメリカに対して、日本は何も言えないでいます。日本政府が毎年、米軍に出している2000億円以上の、いわゆる『思いやり予算』も、自衛隊に回せたらどれだけいいかと思いますが、それも言い出せない。沖縄の米海兵隊がグアムに移転すると決まれば、その移転に日本は多額のカネを払う・・・オバマ政権はアフガニスタン問題に熱心なので、今度は自衛隊がイラクより格段に危険なアフガニスタンに派遣させられる可能性もあります・・・
 対米交渉を、アメリカの好き勝手にさせない方法が、一つだけあります。それは、交渉の中身を日本側がどんどんオープンにすることです。そうすれば日本の世論は『おかしいではないか』と反発する。国民が反発すれば、日本政府も一から十までアメリカの言いなりにはできません・・・」

 ここまで核心をついた言葉が政府関係者から出た事ははじめてではないか。

 国民が声をあげれば日本政府はそれを無視できない。

 そして、実を言うと、国民の声を無視できないのは日本政府だけではない。

 米国が一番気にするのは、その国の国民の世論なのだ。

 世論が反米になった時、米国はそれに勝つ事はできない。

 それは歴史が証明している。

 今日でもその実例を我々は世界中で見てきている。

 米国の言いなりになって国民を裏切ってきた政権や指導者は、一時的にその権力を振りかざす事は出来ても、最後は必ず悲劇的な末路に終わってしまうのだ。

 国民の声を背景に外交交渉をしてはじめて、政府はいかなる国に対しても力強い外交を展開できる。

 それは当たり前の事だ。

 その当たり前の事に背を向けて、国民に隠れて、国民に嘘をついてまで、対米追従外交を行なってきたからこそ、日本外交がここまで行き詰まってしまったのだ。

 対米交渉をアメリカの好き勝手にさせない唯一の方法、それは交渉の中身をどんどんと国民にオープンにして交渉することだ、とする田母神氏の主張に、私は全面的に賛同するのである。

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2008年12月08日

今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!-その②


 2回目は田母神発言が日米同盟に及ぼす影響について書く。

 日本政府、外務省にとって、田母神発言の一番都合が悪い点は、決して対中関係を悪化させることではない。

 田母神発言を放置すれば、最後は必ず日米同盟関係にその影響が及ぶという危険性である。

 そして日米同盟関係は、政府、官僚はもとより、体制側につく有識者、日米経済関係を重視する財界、さらには愛国主義者、右翼さえも、決して反対できない絶対価値である。

 私が、田母神発言がこれ以上広がらないと思う理由がここにある。最後は政府サイドから押し込まれてしまうのだ。

 なぜ都合が悪いのか。それはもちろん、田母神発言が東京裁判を否定するものであるからだ。米国の日本占領政策を批判するものであるからだ。

 より深刻な事は、田母神氏が日米軍事同盟の欺瞞性を喝破しているからだ。

 私は「日米軍事同盟は、平和国家日本の将来にとって発展的に解消されなくてはならない」と誰よりも強く主張してきた。

 だから、私にとっては、田母神発言の騒動が大きくなることを実は歓迎している。

 「何を言っても、何をしても、日本政府は我々のいう事を聞く」と高をくくっている米国政府に、「ついに日本人もこんな事を言い出すようになったか。気づいてきたか」と緊張感を与えるだけでも意味があると思っている。

 とりわけ、週刊現代の述べられた田母神氏の次の言葉は、注目すべきである。私が常日頃強調してきた言葉だ。それを元制服のトップが語る事の衝撃は大きい。

 「・・・敗戦国の日本は、戦後63年を経た今でも、戦勝国のアメリカの意向に添って動かされています。その典型例が国防です。日本の防衛は、冷戦終結から十数年を経ても、アメリカが担っています。日本各地に米軍基地が点在し、在日米軍が駐留している・・・(しかし)アメリカはあくまでも自国の国益に基づいて行動する事を忘れてはなりません。たとえば日本を守るよりも中国と組むことのほうが国益になると判断すれば、日本は一夜にして見捨てられるでしょう。
    実際、私はこの夏に訪米した際、米軍の高官に『尖閣諸島問題で日中が激突したらアメリカは同盟国として中国を攻撃してくれるのか』と質しました。すると案の定、曖昧にごまかされました・・・」

 この発言こそ米国がもっとも嫌がる発言である。政府も、外務省も、有識者も、みなわかっていながらこの言葉を決して口に出す事はない。

 おまけに田母神氏は、自衛隊の装備が米国から法外な値段で買わされていると次のような暴露発言までしている。元制服の幹部の言葉である。国会で追及ものである。

 「・・・私は身をもって体験しましたが、正直言ってかなり大掛かりにボラれています。同機種でも他国より高く買わされている可能性もあります。換言すれば、日本国民の血税が不当にアメリカに吸い上げられているのです・・・」

 田母神氏はさらに続ける。「米軍の撤退がなければ日本は真の独立国ではない」と。

 これも私とまったく同じ考えだ。

 しかし、米国後の安全保障策について私と田母神氏との考えは正反対となる。

 すなわち田母神氏は自衛隊を強化し、核兵器保有も辞さないという考えだ。

 私は、いかなる国に対しても脅威にならない、いかなる国からも日本を攻撃させない、と公言し、憲法9条を世界に掲げる事こそ最強の安全保障政策であるという立場である。

 このいずれでもないのが政府の立場だ。

 つまり日米軍事同盟を堅持することこそ最善の安保政策だ。なんだかんだ言っても米国が最強の国だ。日本にとって一番信頼できる国だ。自由と民主主義の価値を最も共有できる国だ。その国と同盟関係を維持できるのから、ありがたく思わなければならない。あらゆる犠牲を払っても、国民に犠牲を強いても、これだけは守らなければいけない、これである。

 米国追従が国益だと考えるか、対米自立が国益と考えるか、そして対米自立後の安全保障政策を、改憲して自主防衛力を強化する方向か、憲法9条を堅持して平和国家を宣言するか、結局はこの三つの選択に帰着する。

 田母神発言に歓迎するところがあるとすれば、国民の前でこの三つの選択について考えさせるきっかけを作ってくれたという事であろう。

 この三つの選択論については、日本の安全保障政策の根幹に触れるところであるので機会をあらためて書いていきたい。

 

 

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2008年12月08日

今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!ーその①


 今日発売の週刊現代12月20日号に「田母神激白核武装宣言」という衝撃的なタイトルで、あのお騒がせ元自衛隊航空幕僚長の言いたい放題が掲載されている。

 日本は侵略国家ではなかった、とか、自衛隊を強化しなければならないとか、世の護憲論者、平和論者が聞いたら腰を抜かすような発言のオンパレードである。

 しかし、はからずも週刊現代に語った田母神氏の発言は、アパグループ論文における発言とはまったく異なった意味合いを持っている。

 そこにはこの国の欺瞞が見事に喝破されている。

 田母神氏の言動は、本人が気づいているかどうかわからないが、明らかに新しい段階に入りつつある。田母神氏のこのような発言が今後もエスカレートしていけば、日本政府・外務省を苦境に追い立てる事になるに違いない。

  繰返して強調する。

 週刊現代12月20日号に書かれた田母神発言は国民必読の発言だ。

 そのあまりの衝撃性のゆえに、私は今日から連載でその一つ一つの問題点をこのブログえぐりだしていく事にした。

 第一回目のこのブログでは、

 「田母神論文騒動を招いた責任は誰にあるのか」 について書く。

  田母神氏によれば、氏は04年6月に、統幕学校研修団長として北京を訪問し、その時に、中国人民解放軍総参謀長のナンバー2、範長龍中将と30分会談をしたという。

  そしてその会談で範中将は冒頭から10分間も、とうとうと日本軍の残虐行為への批判を続けたという。

  我慢ならなくなった田母神氏はその発言をさえぎって、「日本軍が中国に対して悪い事をしたとは、私は思わない。平和な時代にも暴行や殺人はあるではないか」と反論したという。

  そればかりか、壁にかかっていた江沢民主席の写真を示して、「98年の来日時に日本の歴史責任を触れ回って、日本では大変嫌われている」と伝えたという。

  当然のことながら中国側は反発した。帰国前に研修団が主催した北京飯店での答礼夕食会では「欠席ラッシュ」であったという。そして翌年からは訪問自体が中止になったという。

  こんな事件があったのだ。情報隠しが徹底されていたと見え、一切報道されなかったようだ。私も知らなかった。

  問題は、その後に続く田母神氏の次の発言である。

 「・・・ところでこのときの私と範中将との論争は、北京の日本大使館から公電を通じて、東京に詳細な報告がなされています。外務省も防衛庁も首相官邸も、誰もが知っていたのに、どこからもお咎めがなかった。それどころか防衛省内ではむしろ『よくぞ言った』と私を評価する声が多かったのです・・・私は一貫して同じ発言をしているのに、今回に限ってなぜ袋叩きに遭わねばならないのでしょう?・・・」

 この田母神氏の発言は正しい。

 政府はその時点で田母神氏を更迭していなければならなかったのだ。

 その時外務省が官邸に田母神氏の更迭を強く迫っていれば、少なくとも今回の騒動は起こらなかった。

 おりしも当時は小泉元首相の靖国参拝拘泥で日中関係が急激に悪化していた時だ。

 あの時外務省は小泉元首相の靖国参拝にこぞって反対していたはずだ。

 ところが保身の為に誰もそれを直言しなかった。

 かわりにOBを使って反対の意向を遠まわしに伝えようとした。

 駐中国大使などは現職を退いた後で反対の声をあげる始末だ。

 04年の田母神、範会談とそれに対する中国の反発を知った外務省が、防衛庁と同じく、「よくぞ言ってくれた」と考えていたのなら何をかいわんやである。

 しかし、もし外務省が田母神氏の言動は外交的に大きな問題を引き起こす危険性があると考えていたとすれば、そしてそれはその通りになったのであるが、それにもかかわらず、なぜ策を講じなかったのか。

 面倒なことにはひたすら目をつむり、それを隠し、田母神更迭に動かなかったとしたら、官邸や外務省に田母神氏を批判する資格はない。

 田母神論文騒動を招いた責任は政府の不作為にある。

 そしてその最大の責任は外務省の事なかれ主義であるのだ。

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