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2008年12月07日

ネルソン・マンデラを思い出させてくれたオバマ次期米大統領


 12月7日の朝日新聞にオバマ次期米国大統領についてのコラムがあった。

 ニューヨーク発 真鍋弘樹という記者の書いた「風」というコラムだ。

 それはいまはやりの、オバマ次期大統領に対するオマージュである。

 しかし、その中の次の言葉が私の目を釘付けにした。

 「・・・オバマ氏は、過去の(米国の)黒人政治家と明らかに異なる。それは決して怒りを表に出さないということだ。
 80年代に大統領選に挑戦したジェシー・ジャクソン師のように、公民権運動に連なる黒人政治家は激しい怒りを持ち、表明してきた。
 一方、オバマ氏はどんな場面でも決して声を荒げることはない。討論会でも、興奮して声がうわずるのは決まって、ライバルの白人政治家の方だった・・・
 「一つの米国」という理想を語り続ける「怒らない黒人」。そんなオバマ氏の姿勢は、(「奴隷の子孫」ではないことへの違和感を持ち、あるいは黒人大統領が実現するはずはないとあきらめ、当初オバマ氏から距離を置いていた)黒人有権者の共感を、最後は広く集めることになった。白人有権者の警戒心も解いていった・・・
 オバマ氏の勝利は、黒人を「怒り続ける宿命」から解放するきっかけとなるかもしれない。それは同時に白人を「人種差別の原罪」から解放することも意味する・・・」

 なんとも感動的な文章だ。

 この文章を見つけたとき、私は即座に民主南アフリカを誕生させたネルソン・マンデラの事を思い出した。

 彼は決して怒らない人であった。黒人政権を実現したあと、彼が最初にとった政策は、白人への懲罰ではなく、和解であった。

 白人政権に家族、親族を殺されていった黒人大衆は、当初そのマンデラを批判したが、最後は皆が彼の後について行った。

 何かと言えば人を批判し、声を荒げる欠陥人間の私にとっては、とても真似のできない事だ。

 おまけに私は、「弱者に許される唯一の抵抗は怒ることである」と勝手に思ってすぐ怒る。

 そんな私でも、やはりこの文章には感動する。納得する。

 オバマ氏にはマンデラの後を歩んでもらいたいと願う。

 

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2008年12月07日

 国会討論を正しく伝えるメディアが必要だと思う


 国民の中で果たしてどれほどの人が12月5日の衆院集中審議における民主党山井和則議員の質問を聞いていただろうか。

 その質問の趣旨はこうだ。

 信じられない話であるが、年金受給の資格がありながら、社会保険庁のミスで記載漏れになり無年金者とされている国民がいる、どんなに文句を言っても、まともに対応されずに年金をもらえない者がこの国には少なからずいる、それを山井議員は質問した。

 そして、その一人である93歳の女性が約1200万円の年金を受け取れないまま亡くなった事を取り上げ、政府の対応と責任を質したのだ。

 その老女は何度も何度も社会保険事務所に通ったけれど、忙しいのであと三ヶ月待ってくれと言われ、三ヶ月後に訪れても、また忙しいから三ヶ月待ってくれと言われた、そして、そのうち老女は入院し、亡くなってしまったというのだ。

 年金というのは、老後の生活を安心して送れるように、生きているうちに支給されなければ意味のないものだ。舛添大臣、麻生総理はこの話をなんと聞くのか、政府の責任をどう考えるのか、というものだ。

 文字にして書いてしまえばこれだけの話である。

 しかしテレビで聞いた山井議員の質問は迫力があった。胸に迫るものがあった。
 
 そしてテレビに映しだされる舛添大臣の表情は明らかに動揺していた。

 さすがの麻生総理もこれはひどい話だと、さすがに弁解の余地はなかった。

 もっとも、舛添えにしても麻生にしても、年金未払い者に直ちに支払うとは言わなかった。不備のある年金制度を改善する、とは一言も約束しなかった。

 私がこのブログで言いたい事は、このような国会審議を広く国民に伝えるメディアが必要である、という事である。

 それは決して難しい事ではない。

 国会審議の中で、このように国民に聞いてもらいたい質疑は極めて少ない。

 与党の質問は八百長質問だから聞くに値しない。すべて省略すればいい。

 野党の質問でも、不勉強な議員の質問は国民に知らせる必要はない。聞く価値はない。

 この山井議員の質問のように、政府の責任を厳しく追及するもの、政府の対応が厳しく問われるものに限って国民に知らせればいいのだ。

 国民はそれだけを聞けばいいのだ。それは決して多くない。

 ところが、日中まともに働いている国民は、当然のことながら国会中継を見ている暇などない。

 あとでニュースで流される国会審議を見ればいいといってもそうは行かない。

 ニュースは瞬間的だ。しかも、国民にとって知らせなければならない国会質疑を正しく選択する判断能力をメディア関係者は十分に持っていない。政府の圧力による自主規制も働く。

 実際のところ、翌日の各紙は、この山井議員の国会質問をまったく報じていなかった。

 報じられないということは国民が気づかないという事だ。

 この山井議員の質問の模様を国民が広くテレビで見ていたら、国民はあらためて年金問題の深刻さを知り、この2年間政府が何もしてこなかった事を知って怒るだろう。

 政府に対する圧力を強めるだろう。

 国会討論を正しく国民に伝えるメディアが必要だと思う。

 この山井議員の質問と舛添大臣、麻生総理の応答ぶりを、24時間繰り返し放映するようなメディアが出てこないものか。

 米国では国会中継専用のチャネルがある。

 そこまではしなくてもいいけれど、野党が政府を追い詰める質疑を、たとえばコマーシャルの間に断続的に24時間繰り返す、そういうテレビ局が出てこないものか。

 それが無理ならせめてネット上で、野党が政府を追い詰める国会審議のダイジェストを常時見られるようにならないか。

 国民の政治意識は間違いなく高まる。

 政府、官僚は間違いなく追い込まれる。

 それは新しい政治につながるかもしれない。

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2008年12月07日

 自衛隊のイラク派遣をこんな形で終わらせてはいけない

  12月6日の東京新聞に、一段の小さな記事で、航空自衛隊のイラク空輸部隊の活動状況に関する報道がなされていた。

  12月5日に、あの田母神前幕僚長の後任者である外薗健一朗航空幕僚長が記者会見で明らかにしたという。

  この記者会見の模様は他の新聞には報じられなかった。

  東京新聞の記事も虫眼鏡で見なければ見落とすような小さな記事だった。

  そしてその内容は次のような乏しいものだ。

 「・・・2004年3月から始まったクウェートとイラク間の空輸は815回行なわれ、人員4万6千人、物資671トンを運んだ。人員の内訳は(幕僚長は)明らかにしなかったが、06年に撤収した陸上自衛隊5千5百人往復利用したと仮定すると、残りは3万5千人。安倍晋三元首相の昨年の国会答弁をもとに国連職員の割合を差し引くと、残り約3万人は米軍中心の多国籍軍だったことになる・・・」

  なぜ幕僚長は空輸した内容のすべてを明らかにしないのか。

  なぜ東京新聞が仮定の計算をして記事にしなければならないのか。

  こんないい加減な形の記者会見ひとつで、自衛隊のイラク派遣を終わらせてはいけない。

  胸に手を当ててよく考えてみるがいい。

 自衛隊のイラク派遣は、戦後初めて自衛隊が重武装して戦地に赴いた一大政治問題であった。

 イラク戦争が始まり、小泉元首相のブッシュ追従による陸自のサマワ派遣が強行されたとき、一大論争となって日本中を揺るがした。

 給水活動が終わり、やる事がなくなったうえに危険になったので、陸自のサマワは撤退した。

 それと交替する形で始まったのが自衛隊の空輸活動であった。

 対米協力の証を示すために。

  その空輸活動は、今年4月の名古屋高裁判決で違憲と断じられた。

 日本政府の憲法解釈に立ったとしても、そしてイラク派遣法が合憲であるという日本政府の立場をとったとしても、どう考えても「戦闘地域」における「戦闘行為」への加担である、違憲、違法である、と断じられた。

  在日米軍基地の違憲性や自衛隊の違憲性についての地裁判決は過去にもあった。

  しかし自衛隊の海外派遣という政府の政策が違憲であると断じられた事は初めてだ。しかも高裁という上級裁判所による判決で。これは極めて重大な判決だ。

  その空輸活動が11月28日の政府の航空自衛隊撤収命令によってすべて終わる事になる。

  空輸部隊の撤収により、5年越しの歴史的な自衛隊イラク派遣はすべて終わる。

  次はアフガンとかソマリア沖などと言われているが、そうなるかはわからない。なるとしても先の話だ。

  とにかく、イラク派遣はこれで完全に終わるのだ。

  イラクが安定したから終わるのではない。

  米兵撤退の決断はオバマにも引き継がれる。オバマさへも撤収の決断は容易にはできない。

  イラク情勢は不透明であるからだ。中東情勢は不透明であるからだ。

  なによりも「テロとの戦い」が終わりそうもないからだ。

  それにもかかわらず自衛隊のイラク派遣が終わる。

  それはイラクが安定したからではない。

  顔をたてた米国のブッシュ大統領がまもなく退陣するからだ。

  ブッシュ大統領には十分尽くした。そしてオバマ政権からのイラク派遣圧力はない。

  結局日本政府の自衛隊イラク派遣は、イラク情勢とは関係なく始まり、イラク情勢とは関係なく終わるのだ。

  このような自衛隊のイラク派遣を、自衛隊幕僚長の記者会見一つで、しかも内容を隠すような記者会見で終わらせていいはずはない。

  日本政府は政府としての評価・報告を国民の前に提示すべきだ。

  財政危機の中で国民生活に必要な予算が軒並みに削られる中で、野党は、イラク派遣に使われた血税の総額と、その使途の適切さにつき、詳細な説明を政府に求めるべきだ。

  国民はそれを政治に求めるべきだ。

  メディアは、国民に代わってイラク自衛隊の評価の報道を行なうべきだ。

  12月23日に、自衛隊イラク派兵訴訟を行なった関係者たちが名古屋に結集して、航空自衛隊の帰国にあわせてその評価を行なう。

  めったに行動をしないものぐさで身勝手な私でも、この集会だけは参加しようと思っている。

  帰国する航空自衛隊部隊に伝えたいからだ。

  任務を終えて無事に帰ることが出来てお目でとう。ご苦労様。

  しかし、本当に充実した仕事をしてきたのか。

  日本の為だったのか。イラク治安に役立ったのか。血税を使うに値する仕事だったのか。

  それを一人一人に聞いてみたいと思っている。

  

 

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