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2008年11月15日

非難しながらも対米従属を続ける日本外交の限界


 北朝鮮の核開発計画検証の合意が、まったくいいかげんなものであった事は、もはや誰の目にも明らかになった。

 11月15日の毎日新聞もその社説で、今からでも遅くないから検証方法を厳格に詰めるべきだと主張している。

 外務省の幹部までもが、12日夜、「(米国は)北朝鮮にだまされた」と不快感、不信感をあらわにしたという(11月14日毎日新聞)。

 その米国を信じ、追従し、そして裏切り続けられてきた外務官僚が、決して口にすべき言葉ではないだろう。

 逆に言えばそれほど外務官僚は米国からないがしろにされてきたという事だ、その欲求不満が外務官僚を蝕んでいるということだ。

 発売中の月刊文芸春秋12月号「霞ヶ関コンフィデンシャル」の中で、谷内正太郎前外務次官が、10月23日にワシントンで開かれたシンポジウムで、日米関係者を前にして次のような不満をぶちまけたと、書いていた。

 すなわち、安倍政権下で事務次官をつとめた自分が推進した日米豪印の4民主主義国家間の戦略対話構想に米国が反対し、東アジアサミット構想(アセアンプラス日中韓に豪、NZを加えたもの)へ米国の参加を要請したが、これも断られた、という事実を暴露した上で、

 「日本がイニシアティブをとってそれをしようとしたとき、米国がサポートしてくれるかと言えば、そうでもない。私にはその理由がわかりません。新政権のもとではこうしたことが繰返されない事を願っています・・・」

 と遠慮ながら文句を言ったというのだ。

 ついこの前まで外務次官をしていた者が、このような発言をすることは、自らの外交手腕の不甲斐なさを認める事に等しい。

 それほど情けない発言であるが、もっと情けない事は、このような泣き言を米国に言ったところで米国は、不快感を持ちこそすれ、決して態度を改める事はないということだ。

 米国の利益を最優先し、その利益を日本に押しつけてくる米国の基本姿勢は、オバマ政権になっても変わりはしない。

 重要な事は、あくまでも日本の国益を守るという外交を追及しながら、米国との対立を避ける、そういう自主、自立した気迫ある外交の実現である。

 ところが現実はそれと逆の事を日本外交は続けてきた。

 不満、不信、時として憤りを覚えながらも、最後は国民の利益を犠牲にしてまでも米国に追従する、これが日本外交であった。

 そして、その対米追従外交は近年ますます強まりつつある。

 これでは健全な外交などできるはずはない。

 金融危機が世界を震撼させた直後、世界の論調は、米国金融資本主義の破綻であり、ドル一極支配の終焉である、と指摘した。日本の論調もそうだった。そしてその考えは今も続いている。

 世界経済の苦境を抜本的に解決するには、長期的には、世界金融システム、ドル基軸通貨システムの変更なくしては困難だという認識は世界中に広まっている。

 その切っ掛けを話し合うのが今度の金融サミットのはずだ。

 仏のサルコジ大統領は、13日、「米ドルは第二次世界大戦終結直後には世界で唯一の基軸通貨であったが、もはや基軸通貨だと言い張ることはできない。20世紀の仕組みは21世紀には通じないというのがフランスの立場だ」とエリーゼ宮殿で演説して、ワシントンでの金融サミットに乗り込んで行った(11月15日毎日、読売)。

 中国もロシアも新興国も同様に、米ドル一極支配から新しい金融システムへ移行すべき時だとして、その新金融システムにおける影響力の確保を目指している。

 かつてアジア円通貨圏を構想したほどの日本だ。日本も本心では当然そう考えているはずだ。

 ところが、現実には、米国金融支配の権化であるIMFの強化を、今でもただ一人擁護する国となって金融サミットに参加している。

 不満を抱きながらも最後はすべてを米国擁護、米国追従、米国の代弁者に終わってしまう。

 ここに日本外交の深刻な限界がある。

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