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2008年11月14日

新聞のコラムで終わりにしてしまうのはもったいない


 日本の政治がおどろくほど弛緩している。

 政治がしまらないのは、政治家が政局に明け暮れて、政府の政策の誤りを、国会の場で、本気になって追及できないからだ。政治指導者と官僚たちに、その責任を具体的な形で取らせないからだ。

 政権交代で終わらせてはならない。

 すべての政策においてそれがいえる。

 誤った政策をしておいて、そしてその結果国民に多大の犠牲を強いておきながら、政権交代ごときで逃げられてはたまったものではない、そういう気迫を野党は持たなければならない。

 11月14日の東京新聞「本音のコラム」でノンフィクション作家の吉田司氏が、「失政」と題して次のようなコラムを書いていた。

 米国初の黒人大統領オバマ氏の誕生!というより・・・ブッシュ政権の政策は失敗したと宣言する「グッドバイブッシュ政権」の誕生だ!!って気がするね。
 すでに連邦準備制度理事会の前議長グリーンスパン氏は今回の金融危機について、「規制緩和や自由競争を推し進めた事に一部誤りがあった」と認めた。コロンビア大教授のジョセフ・スティグリッツ氏(2001年ノーベル経済学賞受賞者)も「新自由主義は終わりを迎えなければならない。規制緩和と自由化が経済効率をもたらすという見解は行き詰まった」(と断じている)。
 すると、どういうことになるのか・・・(そうだ)小泉構造改革もまた「誤り」だったことになる。
 私たちは「小泉元首相、出て来い!」の声をあげねばならない。
 さらに小泉政権で首相補佐官を務めていた岡本行夫氏が、ブッシュ政権は「やらなくていい戦争で約4千人の米兵を死なせた」(朝日新聞11月7日)と発言。
  おいおい、今ごろ何を言う。すると日本の自衛隊はやらなくていいイラク戦争に派遣・協力させられたのか?・・・

 この吉田司氏の思いは、少しは政治を考えている者であれば誰もが考えていることだ。

 なぜ国会でこの事を野党政治家は政府に厳しく詰め寄らないのか。

 いや、詰め寄っているかもしれない。

 政府の片棒を担いできたメディアの幹部らが、自らの不明を隠そうとして、あえて報じようとしていないのかもしれない。

 いまからでも遅くない。

 オバマ新大統領誕生にあやかろうとする暇があれば、野党は政府にその非を認めさせるべきだ。

 それでもなお政府が、対米追従政策は正しかったと言い張るなら、それを世界中に報じてやればいい。世界の国民から笑いものになるだろう。

 国民の思いを見事に代弁している吉田司氏のこの指摘は、コラムで終わりにしてしまうのでは、あまりにももったいない。

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2008年11月14日

金融サミットの日本の報道に注視せよ


 昨日のブログで私はレバノンの英字紙デイリースターの論評を引用して、今度の金融サミットで新機軸が打ち出されることはないだろう、それどころか各国の利害のぶつかり合いに終わるだろう、という見方を紹介した。

 サミットを前日に控えて、さすがに14日の日本各紙も金融サミットの記事を発信している。

 その中で私が注目したのは14日の毎日新聞の二つの記事だ。

 その一つは金融サミットの見通しについて概略こう書いている。

 すなわち、今度のサミットは、金融機関に対する監督体制や規制の見直しが焦点になる。しかし、欧米間で国際金融の主導権争いがくすぶり、新興国は先進国主導の規制・ルールづくり自体を改めるように要求する。日本は「欧米間や先進国と新興国間の橋渡しを目指したい」としているが、先進国だけでもまとまらない論議を、新興国も交える金融サミットで、すんなり麻生提案でまとめられるか疑問だ、と。

 レバノン紙がいち早く指摘している事と同じ見方である。死に体ブッシュに影響力はなく、すべてはオバマ新政権の発足後になる、という点を除いては。

 もう一つは新しい基軸通貨を模索する中での円の地位の低下についてである。毎日新聞の「金融崩壊」という連載記事の第四回目に「揺らぐ基軸通貨」として、次のような記事があった。

 「長期的視点に立てば、世界がより多くの基軸通貨の選択肢を持つべきだ」。これは中国人民銀行の元副総裁が11月2日、上海で開かれたシンポジウムで話した言葉だという。金融危機による米国の地位低下を見越し、中国が重要な役割を握る、と宣言したものと受け取られている。
 アジア共通通貨の構想が浮上したのは97年のアジア通貨危機の時だった。この時、サマーズ米財務副長官(当時)は、国際通貨基金(IMF)のアジア版(AMF)をつくってアジアを円の共通通貨圏にしようと動いた榊原英資財務官(当時)に、「本当の友達だと思っていたが見損なった」と抗議された上に、アジア各国に書簡を送って反対するよう圧力をかけられた。榊原構想はあっけなく幻に終わった。
 それから10年余り、世界が未曾有の金融危機に襲われている中で、円を軸に据えたアジア共通通貨を模索する動きはない。それどころか日本の政府関係者が口にするのはIMF強化論ばかりだ・・・それは米国発金融危機のさなかにアジア共通通貨を打ち出せば、ドル暴落を誘うという配慮が働いているだけではない。日本が基軸通貨を裏打ちする圧倒的な軍事力を持たない事に加え、戦後処理が完全に終わらず、アジア諸国の尊敬を得る地位を確立していない事が背景にある・・・
 財務省幹部は「中国と東南アジアの経済的つながりは今後ますます深くなる。将来誕生するアジア共通通貨は中国人民元が中心になるのは避けられない」と見る・・・

 軍事力を持たないから米国に追従するほかはない、という考えは誤りだ。日本に戦略がない、ただそれだけである。

 安全保障政策も、国際金融政策も、政治家、官僚の無策の積み重ねの結果、今日の日本の地位低下を招いた、そこに尽きるのである。

 さて金融サミットはどのような結果に終わるのであろうか。

 我われが注目しなければならないのは日本の報道振りである。

 あらたな金融秩序づくりの前哨戦となる各国の壮絶な戦いの結果を日本の報道は正確に伝える事ができるのか。

 日本代表団のブリーフをに頼って日本の活躍ぶりだけを国民に知らせる大本営発表記事に終わりはしないか。

 そこのところを我々は注視しなければならない。

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