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2008年10月24日

米軍駐留に対する日本とイラクの違い

 
  国会論戦ではほとんど取り上げられる事はないが、米軍のイラク駐留の法的根拠をめぐって米国は今窮地に立たされている。

  現在の米軍のイラク駐留の根拠になっているのは今年末までとしている国連安保理決議である。

  そして米国は来年(2009年)以降の根拠を、国連安保理決議の再議決や延長ではなく、イラクとの米軍駐留地位協定へ切り替えようと、はやくからイラクと交渉を重ねてきた。

  なぜか。それは米軍を、一時的な戦時占領軍から常註のイラク駐留米軍に切り替えたい為だ。

  それはあたかも日本における米軍が、連合国占領軍から米国駐留軍へ、なし崩し的に切り替えていった事と同じである。

  その地位協定交渉で米国がイラクの反対にあって難渋している。

  その理由は、一つには治安権をイラクに渡した後もイラク政府との話し合い次第で米国軍が長期にわたってイラクに駐留できるよう米国が求めていることにあり、もう一つは傭兵を含めた米国駐留軍に治外法権を与えるよう、イラクに求めているからである。

  イラク国民はこれを認めようとはしない。

  バクダッドでは連日大掛かりな反米デモが起きるほどに至っている。

  マリキ傀儡政権もさすがに米国に譲歩できないでいる。

  米国も手を焼いている。

  イラクで繰り広げられるこの光景を見ながら、私は米軍駐留に対する日本とイラクの彼我の違いを感じざるを得ない。

  おりしも10月24日の各紙は、日本に駐留する米兵の犯罪について、日米間の地位協定では裁判権を日本に認めたにもかかわらず、裁判権を放棄していた密約あった事実が、米国立公文書館で公開された文書で明らかにされた。

  それにもかかわらず日本政府はいつもの如く密約の存在を否定し続ける。

  国民はそのような日本政府の欺瞞にも憤るところはない。

  結局このような矛盾を許しているのはメディアである。

  真実を国民の前に提供する事がその使命であるはずの新聞が、読売、産経、日経に至っては、この密約発見の記事を見事に黙殺している。

  米国にとって日本は世界でも稀有なほど従順な国であるに違いない。

  失敗ばかりしてきた米国の外国占領政策の中で、成功した例として米国が日本占領を事あるごとに引用する理由がそこにある。
 

 

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2008年10月24日

 きんもくせいの香りと一抹の哀しさ


 いい文章に出会った。

 このブログで時々とりあげている、野坂昭如の毎日新聞連載「七転び八起き」の10月24日の書き始めの文章だ。

 「玄関先に金木犀が散り敷いている。
  昔飼っていた犬ジジがこの花が好きだった。
  彼女はハスキー犬。
  庭をかけめぐり、この季節になると柿を眺め、色づいたそれを好んで食べていた。
  金木犀の木のそばで番をしているように動かない。
  いつしか小さな花が頭に積もり、まるで花かんむりだった。
  ジジはある日、ふらりと家を出たまま帰らなかった。
  金木犀を見ると彼女を思い出す」

 何度もこの文章を読みながらその光景を頭に描いてみた。

 夜遅く一本の電話を受け取った。

 警察の裏金告発をして世の中を騒がせた愛媛県警の仙波敏郎巡査部長からの電話であった。

 彼の名誉挽回のため仙波さんを支え続けた元産経新聞記者の東玲治さんが急死したという。

 「来年の三月に仙波さんが無事定年退職できればお祝い会を盛大にやるから愛媛まで来てほしい」、「喜んでかけつけたい」、そう電話で話し合ったばかりであった。

 仙波さんの名誉が回復された事を見届けるかのように逝ってしまった。

 電話の向こうで、号泣した後に冷静を装って電話をかけてきたに違いない仙波さんの姿が浮かぶ。

 世の中はままならない。

 しかし、それでも我々は生ある限り生き続けていかなければならない。

 そんな時、いい文章に出会うと心がなごむ。

 金木犀の花かんむりをいただいたジジの姿を空想してひとり微笑んでみる。

 喜びも哀しみも生きているあかしだ。

 生きている限りそれを乗越えて行かなければならない。

 
 

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