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2008年10月21日

ここまで劣化していた北朝鮮外交

  米国が北朝鮮をテロ指定国家から解除した事について、私はその後の報道のすべてに目を通したつもりである。

  そしてそれらの報道は一様に日本外交の敗北を書き立てている。

  いわく日本は最後まで解除しないよう米国に懇願していた、いわく日本は最後まで日米同盟の信頼関係を信じていた、いわく「指定解除」という米メディアの記事を誤報だと決め付けていた、などなど。
  それにもかかわらず米国は指定解除した。しかもその一報を指定解除のわずか30分前に電話通報しただけである、と。

  これが事実であれば確かに日本外交は敗れたことになる。

  5年前まで外務省につとめていた私にしてみれば忍びがたい事である。

  それに、少なくとも自分が勤務していた頃の外務省は、多くの問題を抱えていたとしても、ここまで情けない外務省ではなかった。ここ数年で外務省に何が起きたのか。

  この外務省の劣化振りについて報道する驚くべき記事を見つけた。

  発売中の週刊朝日10月31日号でフリージャーナリストの上杉隆氏が書いている、麻生「外交」敗れたり、という記事がそれである。

  その中で私が注目したのはブッシュ大統領との緊急電話会談に外務省の秘書官が同行していなかったという記述である。

  普通の首脳電話会談であればこんな事は考えられない事だ。

  首脳電話会談は周到に日時が設定され、通訳はもとより秘書官、担当幹部が待機して行なわれる。
  もし上杉氏の指摘が事実であれば、まぎれもなく米国からの通報は寝耳に水であったことになる。

  それを裏付けるように電話通報のあった前日の10月10日には河村建夫官房長官が、

  「10月中に(米国が)北朝鮮のテロ支援国家指定を解除するという公式な連絡というのは一切、そういう事実はございません」

  と断言し、

  同じく10日にライス国務長官との電話協議を終えた中曽根弘文外務大臣も

  「週末の指定解除はない」と言い切っていたという。

  上杉氏の記事は、更にまた、「日本への連絡は30分前であったが、韓国への連絡は1日前でした」という政府関係者の言葉を明かしている。

  そして上杉氏は、米国も、世界の主要国も、もはや日本には何も期待していないし、それどころか余計な事はしてくれるな、というのが本音であるにもかかわらず、そのような動きを察知しようともせず、米国への一報的な片思いと、根拠の無い日本外交への過信が、日本外交をさらに誤らせていると、喝破しているのである。

  上杉氏は週刊朝日の記事を次の言葉で締めくくっている。

  ・・・給油法を通し、米国債を買い支え、日米同盟の重要性をいくら国会で叫んでも、肝心の米国からはその存在を忘れ去られていたのである。
    日本外交は敗北したのではない。もはや存在しないのである・・・

  外務省OBとして聞くに忍びない言葉だ。しかし真実を物語る言葉である。
 

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2008年10月21日

健在なり、木枯らし紋次郎

  10月21日の毎日新聞「新聞時評」欄で、中村敦夫氏が「事故米事件」に関する農水省の責任を鋭く追及していた。

  自らが参院議員の時に、農水委員としてBSE(牛海綿状脳症)事件にかかわった経験から、「これは闇が深い!」と直感したという。

  案の定、その後の新聞報道は、この問題の真の責任は農水省と犯罪業者のもたれあいの構図にあること、農水行政の腐敗にあることを白日の下にさらした。

  工業用「のり」の原料として輸入したという農水省の説明にもかかわらず、米を使った事はないという「のり」業界の証言まで明らかにされている。

  それにもかかわらず、農水省の責任が問われないままにうやむやに終わらせては国民は納得できないではないか、そう中村敦夫氏はメディアの責任を問うている。

  おりから10月21日の東京新聞は、「こちら特報部」の特集記事において、再発防止策の方向に国民の注意をそらそうとする農水省は、業者への規制強化や報告の義務化など、自らの非を不問にしたまま農水権限の焼け太りと天下り拡大にすりかえつつある、と指摘している。

  中村敦夫氏は、私がまともだと思った唯一の政治家であった。

  その中村敦夫氏は2004年の参院選で落選し、混迷する政界に見切りをつけて引退する事になる。

  それから4年、政界は混迷の極みである。

  その結果日本という国は、4年前に比較しても桁違いに壊れてしまった。

  「あっしにはかかわりのないことでござんす」

  それは中村敦夫氏扮する木枯らし紋次郎の決め台詞だ。

  それは知っている。

  しかし、ここは俳優中村敦夫をすてて、政治家中村敦夫としてもう一度再登場してみないか。

  その時は、一の子分として馳せ参じたい。

  この世の悪をたたっ斬る、世論を声援を受けて悪徳政治家、官僚を相手に暴れまわる。

  二人だけでも十分にそれはできる。

  いまの政治の体たらくを見るにつけ、政治家中村敦夫の復活を期待する。

  

  

 

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