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2010年06月09日

 沖縄を切り捨てる事は日本を失う事

 
   
      沖縄を切り捨てる事は日本を失う事

     

 菅直人新政権を祝福したいところだが、どうもその気になれない。

 なぜか。それは市民派宰相の顔をしながら沖縄を裏切ろうとしている
からだ。

 ルーピー鳩山と違ってより狡猾に見えるからたちが悪い。


 聞き語りの昭和史作家保阪正康氏の著書にはいつも学ばせてもらっているのだが、彼の最近著「昭和史の深層」(平凡社、780円)は日本国民必読の書である。

 その中でも第13章「沖縄戦の本質を見つめる」で氏が書いている事は時宜を得ている。菅直人首相に是非読ませたい。

 普天間問題の真の解決はこの中にある。これしかない。

 自ら北海道出身であるという保阪氏は、「沖縄戦で戦死した10万余の将兵の一割以上が北海道の兵士だった、それだけに北海道における沖縄戦の思いは強い」、として次のように書いている。

 沖縄戦とは何のための戦いだったのか。それは一言で言えば本土決戦を行うための時間稼ぎであった、と。

 しかもそれは国策として国が覚悟をもって決定したものではなく、軍首脳部や大本営参謀たちの面子や責任逃れとして持ち出された戦略であった、と。

 その事を、札幌市に住む元教師今倉松男らが手書きで編んだ「歴史に学ぶー沖縄戦跡巡りと慰霊の旅から沖縄戦の実相を追う」から次のように引用している。

「・・・昭和20年5月下旬、沖縄守備隊は事実上崩壊していた。しかし司令部は首里を放棄し南部の洞窟にたてこもって『退却攻勢』、『持久玉砕』を叫んだ。軍首脳の意図は、全島玉砕の出血作戦によって米軍の戦力を出来るだけ消耗させ、その戦意を喪失させることにあった。そのことによって『国体護持』、すなわち『天皇制』を存続させることのできるような終戦の道を切り開こうとしたのである。このことが沖縄戦を必要以上に長引かせ、必要以上に戦場を拡大し、県民の犠牲をいよいよ悲惨なものにした・・・」

 保阪氏は「沖縄戦は本土決戦そのものだった」と、次のように続ける。

「・・・すでに知られているようにアメリカ軍はもし日本がポツダム宣言を受諾しなかった場合、広島、長崎に続いてさらに原子爆弾の投下を考えていた・・・・(のだが)それとは別に南九州(オリンピック作戦)、相模湾(コロネット作戦)に本格的な精鋭部隊を送り込もうとしていた。これに対する大本営は、一億特攻作戦で戦うことを目論んでいた・・・アメリカ軍の艦艇やら戦車に人間爆弾が突っ込んでいくのであった・・・少年や中高年世代などが爆弾を背負って突っ込んでいく事になっていた・・・」

 そして保阪氏は次のように締めくくる。

 もし本土決戦が現実に行われたら、沖縄よりももっと過酷な状態で戦われる事になったであろう、と。その地獄絵図を考えていかなければならないであろう、と。

 その本土の地獄絵図を、非戦闘員の戦死が将兵の戦死を上回る沖縄の地獄絵図が防いだのだ、と。

 今を生きる日本国民はの史実を直視しなければならない。直視して思いを馳せなければならない。

 そのような日本国民であれば、米軍基地を沖縄県民の声に優先させるなどという事を許せる者は一人もいないはずだ。

 沖縄を切り捨てて首相の座にとどまっていられる政治家は一人もいないはずだ。

 沖縄県民の声を日本国民の声と受け止めて米軍基地撤退を求めるのか、官僚の唱える「抑止論」を鵜呑みにして日米同盟を最優先する事が国益と考えるのか、この一点で選挙が行われなければならない。

 この一点で我が国の究極の政界再編が行われなければならないのだ。


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2010年06月08日

 沖縄の声が米国を動かす平和外交は可能だ

 

以下は本日の「天木直人メールマガジン」からの転載です。

 月刊ベルダという情報誌に沖縄海兵隊の「抑止力」は本当なのかという興味深い記事があった。

その記事は様々な識者の意見を紹介し、海兵隊の抑止力は実態のないものであると、断じている。その上で次のように締めくくっている。

すなわち、海兵隊は抑止力だという杜撰な論理が日本でまかり通るのは、戦後ずっと続いてきた対米従属の考え方が、いまだに官僚からマスメディアに至るまで広く浸透し、そうした思考停止が「普天間問題での日米合意をそのまま実行しなければ、日米同盟は亀裂する」という短絡的な主張を生んでいる。
(鳩山)民主党は米国への過剰依存を反省し、再構築しようとした。その問題意識は健全なのに、それを実現するすべも手順も持っていなかった。鳩山首相の「抑止力」発言は、鳩山首相もまた外務省や防衛相の官僚たちに洗脳されたことを示しているようだ、と。

この言葉はそっくり菅直人新首相に聞かせたい言葉だ。

しかし、私がベルダの記事で注目したのはこの事ではない。屋良朝博・沖縄タイムス社論説委員がその著書「砂上の同盟―米軍再編が明かすウソ」で書いているという次のようなエピソードに象徴される沖縄の声の強さだ。

ラムズフェルド米国防長官が03年11月に沖縄に立ち寄り稲嶺知事(当時)と会談したことがあった。基地問題の抜本的な改革を抗議にも似た口調で迫られた時、これをじっと聞いていたラムズフェルド長官の表情は次第に険しくなったという。
そして会談を終えて車に乗った長官を待っていたのは「基地はいらない」というプラカードと活動家らの罵声だったという。
いらいらが頂点に達した長官が側近につぶやいた言葉が、「沖縄から退くぞ」だった。
この「政治決定」に基づいて米太平洋司令部が検討を進め、沖縄海兵隊のうち司令部と8000人の移転が決まったという。

米国は住民の反対、抗議に弱い。鳩山首相が沖縄の声を米国に強くぶつけていたならば米国は撤退したに違いない。

いまからでも遅くない。菅直人新首相が、それに気づき沖縄住民の声を米国にぶつければ、米国はそれを無視できない。

米国は今でも沖縄の反対の声を恐れている。だからこそ日米共同声明の合意は政権が変わっても引き継がれるべきだと繰り返し念を押してきているのだ。

普天間基地問題の真の解決は沖縄が声をあげ続けることだ。そしてそれを全国の国民が支持することだ。

たとえ菅政権がそれを抑え込もうとしても、米国が撤退するに違いない。

これこそが、これのみが、日本の平和外交が実現できる道である。

                               完
            
                     

      
           

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2010年06月07日

 菅直人新政権は史上最悪の対米従属政権だ

 

 鳩山ルーピー首相の失策を踏み台にして総理の座を射止めた菅直人は見事なフォロースルーをした。

 
 それは日米同盟関係の全面的な修復だ。いままでのどの内閣よりもあからさまな対米従属だ。

 それは首相に就任した直後から語られた一連の日米同盟重視発言で明らかだ。

 新政権の顔ぶれを見ればあきらかだ。

 そのような公開情報よりも、私が個人的に接してきた菅直人の言動ぶりから、私は菅直人の対米外交をそう決めつける。

 鳩山辞任で民主党の支持率が上がったらしい。小沢切りで支持率が上がったらしい。

 もはや政局のゴタゴタにうんざりした国民が菅直人新政権に期待するのはわかる。

 市民派リーダーの出身の政治家菅直人に国民目線の政治を期待する声もわかる。

 麻生や鳩山のように国民の侮蔑と怒りを買うような決定的な誤りをおかさなけれ、菅新政権は定着するかもしれない。

 しかし、それは日米同盟と言う名の対米従属が固定することでもある。

 市民派という顔をした保守大連立政権となる危険性がある。

 果たして国民はそれに気づくのだろうか。

 沖縄住民や、それを支える社民党は、米国と外務官僚の合作である日米共同声明を重視する菅直人民主党政権を追及できるのか。

 あるいは菅保守大連立政権に押しつぶされて終わるのであろうか。

 そしてそれを国民の多数が黙って見ているのか。

 私の関心はそこにある。

 6月下旬に発売予定の「さらば日米同盟」(講談社)は鳩山首相に対してメッセージを送るつもりで書き始めた本だった。

 はからずもそれは、私の菅直人政権に対する異議申し立ての本になった。

 
            
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2010年06月03日

鳩山首相辞任について一言だけ書いておく


 鳩山首相の辞任についてなぜ書かないのか、という読者の声がある。

 それはメディアや評論家のメシの種だ。それを読むだけでも十分すぎる。

 私のブログでは政局の馬鹿騒ぎの裏で見落とされてはならない事をつとめて書いていきたい。

 しかし、これだけの大事件だ。一言だけ書き残しておく。いつものように後で振り返ってやはり自分の言っていることが正しかったと自惚れるために。

 まず数ある論評の中で私の心境に一番近いものを引用する。それは6月3日の東京新聞「こちら特報部」の中に見つけたジャーナリスト斉藤貴男氏の「悲しい」という次の言葉だ。

「民主党を含め、どこも政権担当能力がない。それでもどこかが与党となり、新首相も誕生する。それが悲しい。」

 もっとも私は「悲しい」よりも「腹立たしい」思いでこの辞任劇を見ている。

 最後の最後まで鳩山さんはダメだった。唐突の辞任と言い、自分の声が国民に届かなかったと国民のせいにした辞任発言といい、その後の民主党の混乱に関知しない無責任さといい、残念ながら最悪の首相だったということだ。


 次に指摘したい鳩山民主党の大罪は旧勢力や官僚を勢いづかせたことだ。

 民主党憎しで歯軋りしていた自民党議員やメディアがここぞとばかり叩いている。

 極めつけは小泉元首相の再登場だ。「自分で自分の首を絞めた・・・与党の責任の重大さをわかってもらうためにも、民主党にもう少し政権を続けてもらいたい」(千葉市内のホテルでの講演)。ここまでくれば腹立たしいよりなつかしい。

 しかし外務官僚の発言には心底腹が立った。外務省の児玉和夫報道官が記者会見で普天間日米合意について「政府と政府の約束だ。現内閣によって同意された政府の合意は新内閣に継承されていく性格のものだ」述べたという。米国の代弁だ。

 日米共同声明は政治合意に過ぎない。国民の承認を経た条約ではない。百歩譲ってたとえ条約で合意したとしても、政権が変わって条約の再交渉をする事は国際政治で認められる事だ。政治選択の問題である。

 それを下っ端官僚が「するな」と命じている。

 ここまで官僚に舐められて、何も出来ない鳩山首相や岡田外相の罪は深い。


 最後に福島社民党を糾弾しておく。日米共同声明を白紙にして普天間基地県外移転を米国と再交渉するという。

 そのこころざしやよし。

 しかし日米同盟を是としながら普天間基地県外移設を米国に迫るなどというイカサマが通用すると思うのか。

 それは沖縄問題を利用した社民党の選挙対策でしかない。最低の政党である。

 多くの国民は毎日汗水たらしてわずかの報酬のために働いている。

 その一方で与野党の政治家たちは、政治家としての本来の仕事を何一つすることもなく血税で特権をむさぼっている。

 その特権を手放したくないため選挙をすべてに優先する。

 私が今の政治を全否定する理由がそこにある。

               
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