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2008年06月18日

ゲーテの言葉に感動する原田宗典の随想を読んで書きたくなった


 ゲーテの言葉に感動する原田宗典の随想を読んで書きたくなった


 どうでもいいことを書いてみたい気になった。

 断っておくがこれは原田宗典を批判するものではない。彼の書いた随筆にケチをつけるのでもない。

 彼と同様に、ゲーテの言葉に大いにうなずくものである。

 すべてはゲーテの偉大さの故に書いてみる気になったまでだ。

 そして、いつもの通り最後に一言余計な事を書く。それだけである。

 16日の毎日新聞に小説家、エッセイストの原田宗典が、梅雨の季節に暇に任せて手に取った「ゲーテの格言集」(高橋健二訳)を読んで、感動した事を書いていた。

 ゲーテいわく

 生活はすべて次の二つから成り立っている。したいけれど、できない。できるけど、したくない。

 豊かさは節度の中にだけある。

 生活をもてあそぶものは、決して正しいものになれない。自分に命令しないものは、いつになってもしもべにとどまる。

 目標に近づくほど困難は増大する。

 理解していないものは、所有しているとは言えない。

 人はみな、わかることだけ聞いている。

                          などなど

 うわっ!すれ違いざまに一本!みねうちじゃ・・・という感じ。さすがにゲーテである。なるほどお~と恐れ入ってしまうような言葉が並んでいる・・・と原田さんは感動している。

 私はそのように大げさに感動はしないけれど、やはりゲーテはいい事を言っている、と感動する。

 しかし私は、なぜかこのような名言集や格言集の類が嫌いだ。

 嫌いだと言うよりも、格言集にでてくる言葉の洪水に、辟易してしまうのである。

 一つ一つのありがたみが薄れるような気がするのである。

 そして、これに似た思いをどこかでする事があったと考え、しばらくして思い出した。

 たとえば読者の皆さんはこのような経験をしたことはないか。

 ある曲や歌が好きだとしよう。

 その曲は、他のどうでもいい曲の中に一つだけある。だからその曲を聴こうと思ったら他の曲が沢山入っているアルバムを買わなければならない。

 しかもそのアルバムで好きな曲を繰り返し聴こうと思ったら、他の曲を早送りしたりスキップしなければならない。

 そういう事が面倒なので、自分の聴きたい曲だけを編集してお気に入りアルバムを作って見たりする。

 ところがいざ作って見いてみると、その曲のありがたさが半減し、好きな曲ばかり入っているそのコレクションが、急に色あせて見える。

 格言集や箴言集の類もそうに違いない。

 たとえば一つの名言にたどり着くには、それまでの長い道のり、無駄な時間が必要ではないのか。

 長い小説の中で最後に主人公が漏らす言葉の中に、その小説のすべてが凝縮される、そのためにその作家がストーリーを凝らし、文筆を重ねるのではないか。

 何事も要領よく答えだけを引き出そうとすると上手くいかない。面白くもない。感動もない。

 それでもゲーテは偉大だから、その言葉の価値はなくならないとは思うけれど。

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2008年06月18日

 我々はインフレの怖さを甘く見ていないか


 我々はインフレの怖さを甘く見ていないか

 発売中のニューズウィーク日本版(6・25日号)の「世界経済を脅かす次の時限爆弾」という特集記事は、インフレがもたらす危機的状況に、大声で警鐘を鳴らしている記事だ。

 もしこの記事に書かれている一部でもいいから、日本の大手メディアが本気で報じるならば、国民も驚き、日本の政治が今なすべき最も重要な事こそ、インフレ対策に手を打つ事だと気づくに違いない。

 もし額賀福志郎財務大臣や太田弘子経済財政政策担当大臣が、経済の事を分かっているのなら、そしてその事を正しく福田首相に伝えているのなら、福田首相も消費税増税はやむを得ない、などという発言を行わなかったに違いない。

 そして来るべきサミットでは、二酸化ガス排出量削減目標などよりも、世界的インフレの早急な抑制策を最優先すべきであることに気づくに違いない。

 残念ながら、この国の政治家も経済学者もメディアも、そしてもちろん福田総理も、インフレの怖さを甘く見ているようだ。

 というよりも、経済がまるで分かっていないのではないか。

 ニューズウィークのその特集記事を要約して書くと以下のごときだ。

 「世界的インフレは始まったばかりだ。

 そしてそのインフレがすさまじい勢いで進むのはこれからだ。

 ある推計では今年の夏には世界人口の7割が2桁台のインフレの影響を受けることになる。

 しかも成長率低下(不況)におけるインフレという最悪の状況だ。

 インフレで真っ先に打撃を受けるのは、貧しい国々であり、低所得者層だ。

 食料品が買えなくなり、交通費や薬代、医療費が払えなくなる。

 企業はコスト高を転嫁するだけでは対応しきれず、企業収益を悪化させることになる。

 各国政府のインフレ策が、貿易抑制、物価統制、緊縮予算、に走るならば、社会不安が起きる国が続出することになる。

 金利引き上げによって株式市場が暴落すれば、金融資産を持っている個人さえもが深刻な被害を受けることになる。

 もしインフレに適切な策が講じられなければ、行き着く先は貨幣価値がなくなるハイパーインフレだ。

 最悪のシナリオだ」

  この予測はあまりにも悲観的だ、と反論する者がいるかもしれない。

  しかし、その反論者も、どうやったらインフレ進行を防げるかの答えはない。

  「そこまでひどいことにはならないだろう」という、論拠なき楽観論に過ぎない。

  その一方で、世界の支配者が、ひそかに自分達だけの生き残りを画策しているとすればどうだろう。

  政治家や官僚、財界人といった日本の指導者達が、その事に気づかずに、ただ無策に甘んじているとすればあまりにも情けない。

  知っていながら、支配者達の仲間入りをして国民を切り捨てているのであれば、許せない裏切りだ。

  真実はそのいずれかである。

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2008年06月18日

 もう一つの拉致被害者ー自由に帰国できない日本人妻の不幸


  もう一つの拉致被害者ー自由に帰国できない日本人妻の不幸

  日朝問題が突如動き出してから一週間近くたった。

  その間に報じられた関係者の発言や断片的な報道によって、どうやらその背景が見えてきた。

  すべては周到に練られたシナリオであった。

  実務者協議はそのアリバイ作りでしかなかった。

  そのシナリオとはおおむね次のようなものに違いない。

  ブッシュ政権と金正日政権はこれまでの紆余曲折を経た秘密交渉で、核問題とテロ指定解除の取引をして手打ちした。

  それを6カ国協議で具体化するために、ブッシュ政権は北朝鮮と日本に拉致問題の進展を強く迫った。

  二国間で話し合って早く解決しろ。米国は中身には口をはさまない。日朝が合意できるのそれでいいからとにかく合意点を早く見つけろ、と。

  米国の命令には北朝鮮も日本も逆らえない。

  しかも金正日政権も福田政権も、いつまで立っても拉致問題でにらみ合っているわけには行かないそれぞれの事情がある。

  今度こそ進展させなければならないという意味で、北朝鮮側と日本側は、もはや同じ目標を追及する協力者、利害一致者となった。

  その目的とは、どうして日本国民を説得させられる解決策を見つけるか、である。

  まず再調査をすることにして、経済制裁の一部を解除する。

  そして、いずれ北朝鮮側が新たな拉致被害者の日本帰国を発表する。

  その帰国者は横田めぐみさんたちではなくても仕方がない。死んでしまっているものは返せない。要するにどうやってそれを説得するかだ。

  あらたな被害者の帰国と引き換えに国交正常化と経済協力を実現し最終決着を図る。

  この決断を福田首相がするということだ。私が14日のブログで「拉致被害者とその家族がかわいそうでならない」と書いた理由がここにある。

  福田首相にはその非情な決断ができる強みがある。

  まず、これ以上落ちる事はないという支持率の低さだ。怖いものはない。

  それに「パフォーマンスをしない常識的な福田」というイメージが定着している事も大きい。あの福田ならしかたがない、というあきらめだ。

  それに福田首相には、ぎらついた野心がない。いつでも辞めてやる、しかし、代わりの首相の誰がこの問題を解決できるのか、と開き直れる強みがある。

  いいだろう。そうであるならば、せめて北朝鮮との交渉をもう少し公正に進めてもらいたい。そしてもう一つの拉致問題についても解決を北朝鮮に迫ってもらいたい、こう主張している人がいる。元東京入管局長の坂中英徳氏である。

  坂中氏は18日の読売新聞「論点」のなかで、次のように述べている。

 「 『地上の楽園』という宣伝文句に乗せられた北朝鮮帰国運動で、日本から北朝鮮に向けて出国した約1800人の日本人妻の多くは・・・当時は20歳代から30歳代だったが現在は70歳代から80歳代になっている。中には、自殺した人もいる。若くして処刑された人もいる。心労で早死にした人もいる。餓死した人もいる・・・最後まで日本へ帰ることを切望していたが、それがかなわないとわかると、せめて遺体は祖国の方角へ向けて埋めてほしいと願ったのである。
 北朝鮮には、今も100人以上の日本人妻が生活していると推定される。生存者は全員、「生きていさえすれば日本政府が必ず助けてくれる」と信じている・・・
  今日の世界では、自国民、外国人を問わず、すべての人の出国の自由は普遍的な権利であるとされている。しかし、北朝鮮は出国の自由を認めていない、世界で数少ない国の一つだ。
  国交の正常化と人の交流の正常化は不可分のものである。わが国が北朝鮮との国交正常化交渉を進めるに当たっては、まず在北朝鮮のすべての日本人の出国自由の保障が前提条件である・・・
  北朝鮮が万景峰号による在日朝鮮人の自由往来を求めるのであれば、日本政府は万景峰号による日本人妻の自由往来(永久帰国)を認めるべきだ。
  日本人妻全員の帰国が実現しない限り、万景峰号の全面的な入港再開を認めるべきではない・・・」

  坂中氏のこの要求は、これまでの北朝鮮との話し合いをめぐる報道の中では一切触れられる事はなかった。

  しかし、こうして改めて考えてみると、この問題は拉致問題と並んで大きな原則的問題だ。いわば第二の拉致問題である。

  日本人妻の話を日本政府が持ち出さないようでは北朝鮮との交渉は偽物に違いない。

  この事をメディアはもっと書いてよい。

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2008年06月18日

特定ニュースの過剰報道


 特定ニュースの過剰報道

 18日の読売新聞に、学習院女子大学教授の石澤靖治という人が、実に的確なメディア考を書いていた。

 このブログでも私が何度となく書いてきた事である。

 他人の意見と私の考えが、これほど見事に一致することはなかったので、ここで石澤教授のその意見を再現してみたい。

 「・・・(中国震災、秋葉原事件、岩手・宮城内陸地震などという)大きな事件が飛び込んできた。
    しかし、毎日ニュースを見ることを日課とし、仕事にもなっている私にとって、この種のニュースが起きると憂鬱になる。
    ・・・これらの事件が起きると、メディアは大半の時間をそれに費やすばかりか、その報道が数日間、場合によっては2,3週間続いてしまう。その結果、それまでの重大ニュースも、国内外の重要な情報も突然消える。
    このように、一つの大きな出来事が「ニュースジャック」するという傾向は、テレビメディアに多くみられる。中でも、災害報道に力を入れているNHKにその傾向が強い。
   衝撃的なニュースは大きく取り上げるべきだし、それがある程度継続されることも了解できる。しかし、問題はその度合いである。
    一つの問題に大半を費やすことは、他のニュースを報じる余地がなくなるリスクを負うことでもある。
    世の中に起こっていることでも、メディアに取り上げられなければ、それは「事実」として人々に認知されないというのは、ニュースの社会的意義を理解する際の基本である。
    私がもし政府や企業の要職にあって、何か都合の悪い事があったら、こんな時期を狙って発表するところだ。
    更に指摘したいのは、そのように大量に報道される内容が、一面的であることである。例えば四川大震災についての報道は地元の人たちがいかに大変な思いをしているかという悲惨な話ばがりに視点が固定されていた。
  (しかし、私がインターネットで見つけた情報では)現地で救援活動を続けている人が、日本の報道で伝えられていることが現場の状況と大いに違っていてびっくりした、とコメントしていた。
 ・・・インターネットで、多様な情報に接している現在、受け手は「複眼」を持ちつつある(という事を認識しないと、メディアに将来はない)・・・」

 最後の括弧書きは、私が勝手に付け足したものである。しかし石澤教授の言わんとしているところはそれに違いない。

  このメディア考は、なにもニュース報道だけに限らない。

 もはやテレビ局にとっては、安上がりのバラエティ番組と化した感のある朝から晩まで繰り返されるニュース解説番組もそうである。

  いや、むしろその解説番組は、事実を報道するだけにとどまらず、本音を隠し、無責任で同一的なコメントを繰り返して、視聴者に考える時間を奪うという意味で、もっと害がある。

 我々は自分の感性を研ぎ澄まし、自分の考えを持たなければならない時代に突入している。

 日々のメディアを批判的に見る基本姿勢を持たなければならない。

 インターネットの発達は、それを可能にする時代をもたらしつつある。

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