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2008年06月06日

朝鮮有事「日米密約」報道に思う


 朝鮮有事「日米密約」報道に思う

  5日の報道で、町村官房長が、「密約は存在しない。あらためて調査する考えもない」と記者会見で答えた事を知った。

  なぜそのような発言をしたのかと思ったら、4日の朝日新聞が、日米間の密約である「朝鮮有事議事録」をミシガン大学フォード大統領図書館で見つけたというスクープ記事を掲載していた事を、後で知った。

  安保改定条約が締結された60年6月に、藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使との間で、「朝鮮有事の際には在日米軍基地を米国は日本に事前協議することなく使用できる」という密約が交わされていた、というのだ。

  かつて私はこのブログで、日米同盟史は日米密約史であるに違いない、と冗談めかしに書いた事がある。

  どうやらそれが現実らしい。これからもどんどんと日米密約が出てくるに違いない。

  問題は、揺るがすことのできない資料や公文書が出てきても、平然として密約の存在を否定し続ける日本政府である。

  そして、そのような日本政府を、あきれ顔をしながらも、もはや本気で追及しようとしない、この国の政治であり、メディアである。それを許す日本国民である。

  私がメディアに失望するのは、このような事実が朝日新聞にスクープされても、それを後追う新聞記事が他紙に現れない事である。そして何事もなかったかのように忘れ去られてしまう。

  他紙にスクープされた物を今更書けるか、という事なのかも知れない。しかしそれではいけない。

  重要な事実が発見されたなら、メディアは書かなければならないのだ。それがジャーナリズムというものだ。

  さらに失望させられたのは、スクープをした朝日新聞さえもが、日米同盟関係はもはや「密約」以上に進んでいるのだから、日本政府は密約の存在を認めてもいいではないか、と書いていた事である。

 今更密約を批判してもはじまらない、むしろこれを日米歴史の一コマとして認め、さらなる日米軍事協力を堂々と進めたらどうか、といわんばかりのコメントを、天下の朝日新聞がしていた事である。

 そのうち、朝日新聞は次のように言い出すに違いない。

 「在日米軍基地の最大の目的は、日本を守ることでなくても驚かない。たとえ在日米軍は米国の安保政策を遂行上する為の存在であっても、日米同盟を維持するために、日本は在日米軍を日本に駐留させるべきだ。 そのための財政負担さえも日本が面倒を見るべきである・・・」と。

  最近の朝日新聞は、すでにいたるところでこのような考えを示している。

  因みに、密約を交わした藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使とのエピソードについては、月刊マスコミ市民08年6月号にこういうくだりが紹介されていた。

 「(安保交渉の直接の任にあたっていた藤山とマッカーサーの)交渉の様を見ていた。そうしたら、日本の外務大臣がアメリカ大使館に呼びつけられる訳だ。応接室のソファの真ん中にマッカーサー・ジュニア(ダグラス・マッカーサーⅡ、マッカーサー元帥の甥で駐日米大使)が座っていて、藤山外相は直立不動でね。それで『イエス、サー。イエス、サー』と聞いているんだ。ジュニアがいちいち細かい説教をするんだ。そういう態度でした・・・」

 政界最後のフィクサーと言われた福本邦雄の回顧録「表舞台 裏舞台」(講談社・07年4月)の中の一節である。


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2008年06月06日

日米関係にとって都合の悪い事は徹底的に書かない日本のメディア


 日米関係にとって都合の悪い事は徹底的に書かない日本のメディア

  少しばかり米国に滞在し、米国のメディアを見てきた私は、この国の戻ってきてつくづく実感した。日本のメディアは、日米関係に都合の悪いことは意図的に報道しないのだ、と。

  かねてから感じてきたのであるが、この思いはもはや確信になった。

  たとえば米国で発売されたスコット・マッケラン元ブッシュ大統領報道官の暴露本である「何が起こったか(WHAT HAPPENED)についてである。

  これは米国で今大きな話題になっている。ブッシュ政権のイラク攻撃開始のウソを糾弾した最大級の暴露本であり、元報道官によるブッシュやチェイニーへの最大の裏切りであるからだ。

  マッカランはブッシュ政権の連中に「人間のする仕業ではない」などと最大限の罵声を浴びせかけられながらも、テレビに出てインタビューに応じ、「このまま国民をだまし続ける事は許されない」と答えていた。

  それは、そのまま日本でも問われる問題だ。

  あの時ブッシュ大統領を正しいと言い放った小泉元首相の、国民を欺いた責任を今こそ問わなくていいのか。

  その小泉元首相を誉めそやし、5年半の政権を支え続けた日本のメディアの責任を、今こそ問わなくていいのか。

  そう国民に気づかれてはまずい。だから米国でのこのような動きを、敢て日本で流さないのだ。握りつぶすのだ。

  マッカランのブッシュ批判の一つに、イラク戦争に反対したガボン大使への報復として、その妻がCIAの秘密諜報員であったことを報道関係者にリークした事件がある。

  その機密漏洩者が、ブッシュ大統領の懐刀であった元選挙参謀のカール・ローブ補佐官だったと、マッカランは指摘している。

  それが判明した時点でブッシュ大統領はローブを解雇すべきだったとマッカランは主張している。

  これに対し、ローブは、漏らしたのは自分ではない、アーミテージだ、と反論している。

  この事をなぜ日本のメディアは報じないのか。

  それは、アーミテージが、日本のすべての対米追従者が誉めそやし、従ってきた、数少ない人物であるからだ。米国との人的パイプの象徴のような人物であるからだ。

  そのアーミテージが卑劣な機密漏洩者であるとなれば、日本の対米追従者たちは立場を失うことになるのだ。なにしろ米国では政府高官による機密漏洩は重大な犯罪であるからだ。

  もう一つ。昨日のブログでも書いたが、ブッシュ大統領はパール・ハーバーをナショナルモニュメントにして残そうと国防総省に指令したというニュースが、米国の複数紙で取り上げられていた。

  パール・ハーバーを、「自由の女神」や「カスター将軍の戦場」のような栄誉ある国碑にしようというのだ。カスター将軍とはインディアンと果敢に闘った英雄とされている人物だ。インディアンにとっては民族浄化の大虐殺者だ。

  奇襲攻撃をした卑劣な日本を忘れないために、その場所を「カスター戦場」と並んで、国家遺産にして残そうというのだ。

  この事を日本のメディアは報じたか。

  メディアはこの事を詳しく報じて、ブッシュ大統領の稚拙な反日言動を日本国民に知らせなくてはならない。

  なにしろ、そんな男を誉めそやし、日本を米国に差し出したのが小泉元首相であるからだ。

  ブッシュ大統領を今でも尊敬しているのか。彼の退任式には出席するのか、などと、日本のメディアは今こそ小泉元首相に問いただすべきなのである。

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2008年06月06日

  国家公務員制度改革法案のまやかし


 国家公務員制度改革法案のまやかし

  国家公務員制度改革法案が自民、公明、民主3党の合意で6日の参院本会議で可決するらしい。

  5日の参院内閣委員会で全会一致で可決された後に、渡辺善美行革担当大臣と自民党の有村治子委員が笑顔でハイタッチしている写真を6日の毎日新聞が掲載していた。

 もっともこの合意は、5月27日の自公民3党協議で、自公が民主党の修正案を丸呑みしたことによって決着していた。あとはセレモニーに過ぎない。

 先送りされることがほぼ確実だと思われていた公務員改革が急展開してまとまった。その一点ばかりが強調され、歓迎されている。

 渡辺大臣がTVの前で、「国民の後押しがあったからこそ成立させることができた」などと涙を見せ、みのもんたが、「渡辺大臣はよくやった」などとほめていた。

  しかし、国民は本当にこの改革案なるものを知っているのか。

  官僚たちはほくそえんでいるに違いない。こんな中途半端な法案がいったん出来てしまえば、それでもう公務員改革は終わりだからだ。見せかけの瑣末な改革をいくら盛り込んでも、痛くも痒くもない。

  いまここで成立した公務員改革法なるものの詳細を論じる余裕は無い。しかし新聞に紹介されている要旨を一瞥するだけでも、国民が望んでいる本当の公務員改革などとは程遠いものであることがわかる。

  なぜこのような結末に終わってしまったのか。その裏交渉の一端を、6日の産経新聞が一面トップで報じていた。これは大スクープである。一言で言えば、自民と民主の談合だったのだ。

  今度の国会で公務員改革法を成立させなければならない理由が、自民、民主双方にあった。

  そもそも公務員制度改革に関する自民と民主の対立は大きなものではなかった。官僚組織を敵に回さない、という点では、自民と民主は共通しているのだ。

  だから自民は、官僚の声を代弁するような一部自民議員の反対はあったものの、民主案を呑めない訳ではなかった。

  それどころか、公務員改革法案を福田首相の政治決断で成立させた、という宣伝ができる。どんづまりの福田政権にとって今度の国会で成立させたほうが得策なのだ。

  一方の民主党も、自らの反対で公務員改革法案をつぶしたと世論の反発を買く危険をおかしたくない。
  それに、労働組合の支えられた民主党がもっともこだわる労使交渉権の拡大を、自民に飲ませることができた。

  官僚支配を変えるという本来の目的から大きく外れた、与野党政治家たちの「政治ゲーム」の産物であったのだ。

  産経新聞のスクープで一番面白かったのは、担当大臣である渡辺善美氏がまったく蚊帳の外に置かれていたという事だ。修正の多さに愕然としたという。それでも反対できなかった。涙の理由は悔し涙だったのではないのか、と思えるほどの存在の軽さだ。

  民主党のある議員が、本当の公務員改革は自分たちが政権をとってからやればいい、とうそぶいたという報道もあった。

  ここに正体が垣間見える。

  しかし、これは大きな誤りである。いったん法案が出来てしまえば、これでおしまいなのである。中途半端な法案は、法案をつくらなかったことより害が大きいのである。

  不思議なのは、この公務員改革法の成立をメディアが評価していることだ。

  田原総一郎は、6月13日号の週刊朝日「ギロン堂」で、この法案の成立は画期的だ、これまでマイナス面ばかりが目立った「ねじれ国会」のプラス面が作用した、などと手放しで絶賛している。

  田原が意図的にうぶな国民を情報操作する言説を流すのはわかる。

  しかし、私が比較的好意を持ってその言説を読んできた毎日新聞の与良正男論説委員までも、5日の「発信箱」の中で、「基本的に同じ方向を向いているのなら与野党審議を通じて、よりましな法案にしていくのがねじれ国会の役割だ」と歓迎している。

  国民はだまされてはいけない。

  審議を深めるとか、話し合いで合意点を探る、などという言葉は、反国民的な政策を、政治家たちが談合する事を意味するのである。

  見ているがいい。今の政治家たちにはこの国の官僚支配構造は変える事は出来ない。天下りはなくならず、税金の横領はなくならない。おまけにタクシー券をビールや現金に換えていたという醜聞がまた発覚した。

  とどまるところを知らないモラルハザードである。

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