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2008年05月02日

中国遺棄化学兵器事業の不正を許した真の責任者


 中国遺棄化学兵器事業の不正を許した真の責任者


  ここ何ヶ月もの間、大手民間コンサルタント会社PCIによる、中国遺棄化学兵器ODA事業の不正流用疑惑が、大きく報道されてきた。

  そして、元社長である荒木民生容疑者の強引な言動に批判が集中されてきた。

  しかし、荒木容疑者のそのような言動を放置してきたのは誰か。それを指摘する記事がこれまで見られなかった。

  それをはじめて明らかにしたのが、5月2日の東京新聞である。

  すなわち、東京新聞は、特集記事「核心」の中で、荒木容疑者らの特別背任容疑の逮捕と、資金の流れの解明が進む中で、この事業をPCIに丸投げしてきた国の杜撰な仕事ぶりこそ、不正流用の温床であった、と指摘している。

  「他(の会社)はどこも手をあげなかった。非常にうまみのあるビジネスだ」
  「どれだけ弾(兵器)が出てくるか分からないから、中国に言われるまま日本は費用を払う事になる」

 これらは東京新聞に語られた関係者の証言である。この言葉からは中国政府や人民解放軍幹部への「上納金」の存在すら臭う。

  それでは、日本政府のどこがこの事業の責任部局であったか。それは1999年に内閣府に設置された担当室である。

  防衛庁(当時)や外務省などからの出向者で作られたこの内閣担当室こそ、遺棄化学兵器のスキャンダルを生んだ責任部局なのである。

  この担当部局は遺棄化学兵器の知識を持たない素人集団である。おまけにそこに送られてくる出向職員は、関係省庁の二流、三流職員の寄せ集めである。士気は上がらない。

  私もかつて内閣安全保障室に出向を命じられた事がある。その経験からこの中国遺棄化学兵器担当室の実態が容易に想像がつく。

  中国に遺棄されたままの化学兵器の処理という、重要だが後ろ向きの仕事を、出向職員からなる内閣担当室に押し付けた外務省、防衛庁の責任者こそ責められるべきなのである。

  特に、ODAを一元的に所管し、取り仕切る立場にある外務省の責任は大きい。

  パシフィックコンサルタント社は、長年にわたって外務省のODA事業を数多く受注してきたコンサルタント会社であり、外務省国際協力局と、その指揮・監督下にある国際協力機構(前身である国際協力事業団ーJICA)との関係は深い。

  結局、PCIは政府から仕事を丸投げされたのだ。それをいいことに、社長ら役員を送り込んだ「遺棄化学兵器処理機構」を設立し、事業を政府(内閣担当室)、外務省、国際協力機構から再委託、再々委託され、随意契約の利権をむさぼったのだ。

  総額一兆円ともささやかれるこの中国遺棄化学兵器事業の経費は、もとをただせばODAという名の血税である。

  繰り返して指摘する。このスキャンダルの真の責任者は、内閣に設置された担当室の無責任な丸投げ体質であり、パシフィックコンサルタントとの長年のODA事業委託関係を続けてきた、外務省とその実施機関である国際協力機構(その前身である国際協力事業団ーJICA)なのである。

  5月2日付けの東京新聞の特集記事は、この事ははじめて教えてくれた

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