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2008年03月28日

  前原誠司氏よ、こんな事を産経新聞に書かせる隙を見せてはいけない


  前原誠司氏よ、こんな事を産経新聞に書かせる隙を見せてはいけない


  産経新聞はよほど民主党が政権を取る事に反対らしい。よほど小沢一郎が嫌いらしい。だから、民主党を分断させるような、次の如き記事をあえて書いて見せるのだ。

  26日の産経新聞「政論探求」というコラムで、客員編集委員の花岡信昭氏が、次のように前原誠司副代表の事を書いていた。

 ・・・先週の数日間、「日露専門家対話」というシンポジウムに招かれ、日本政治の現状を報告した・・・民主党が強硬な態度に出ているのは、党内に「小沢(一郎代表)離れ」をはじめとした問題を抱えているためではないのか。
    モスクワ訪問は学者、政治家ら十数人のメンバーだったが、その中に、民主党の前原誠司副代表(元代表)もいた。この重大な時期に国会を離れていたのは、不毛の攻防戦から距離を起きたかったためではないか・・・

  前原氏よ。こんな事を産経新聞に書かせてはいけない。今は何があっても小沢民主党が一丸となって自公政権との決戦に勝つことだ。隙を見せてはいけない。

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2008年03月28日

  マケイン大統領候補まで核軍縮を提唱し始めた


  マケイン大統領候補まで核軍縮を提唱し始めた。

  17日のブログ「考えられない事が起きる時代に突入する予感」の中で、私は米国の重鎮が、次つぎと核兵器撤廃を言い始めた事を書いた。

  28日の朝日新聞は、マケイン大統領候補までもが、「世界中の核兵器を削減する作業を、我々から始めなければ」と、核軍縮を提唱したという。26日、ロサンゼルスで外交政策について演説した中で発言したという。

  これは注目すべき発言だ。このブログを読んでいる外務官僚よ。この機会を逸することなくブッシュ大統領に呼びかけてみよ。今度のサミットで米国と一緒になってあらたな核軍縮の提案を福田首相にさせたらどうか。

  それが成功すれば、福田首相の業績は歴史に残るに違いない。それこそが外交というものだ。

  米国の真意は、核兵器がテロにわたるぐらいなら全廃したほうがいい、という程度の発想だ。核兵器が全廃されても、もっと破壊力のある兵器を開発しているので、米国の攻撃力は落ちる事はない、という計算がある。

  それでも、核兵器削減について、米国と日本が共同提案し、それが欧州を巻き込んで世界の核軍縮が進むようなことになれば、歴史的な成果となる。

  北朝鮮も六カ国協議で核凍結に応じざるをえなくなる。イスラエルも核兵器を持つことができなくなる。イランも核開発が出来なくなる。

  これほど大きな外交成果はない。国際環境は整いつつある。これほどまでに多くの米国の重鎮が核兵器廃止を言い始めている。ついに米国大統領選挙の共和党タカ派のマケイン氏までもが言い始めたのだ。オバマといい、ヒラリーーといい、民主党大統領候補が核軍縮に反対するのは困難だろう。

 あらゆる条件が整いつつある。外務官僚よ。嘘とアリバイ作りの、どうでもいい仕事に埋没するのではなく、今こそ建設的な外交に取り組んだらどうか。

 たとえうまく行かなくても試みる価値は十分ある。ひょっとしたら福田首相の起死回生になるかも知れない。それぐらいの知恵を働かせてみろ、かつての同僚たちよ。

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2008年03月28日

 ガソリン税騒ぎのニュースの洪水のなかで、隠れた注目すべきニュースもある

  ガソリン税騒ぎのニュースの洪水のなかで、隠れた注目すべきニュースもある

   いつも思うことなのだが、一つのニュースにすべてのメディアが集中する。テロ給油の時はそればかり。守屋疑惑の時はそればかり。大連立騒動の時はそればかり。チベット暴動が起こればそればかり。ここ数日間はガソリン税の帰趨のニュースばかりが続くだろう。

   しかし、そのようなニュースはどの記事も同じだ。どの解説も大差はない。そういう時こそ、他のニュースに注目すべきである。

   たとえば28日の各紙が取り上げている、突然の文部科学省の学習指導要領の告示である。2月に公表したばかりの改定案を一部修正し、郷土愛の文言を追加した。君が代が歌えるようにと変更した。東京新聞だけが大きく問題提起していたが、普通であれば大きな論争を呼ぶニュースだ。

   イラクでは数日前からイラク軍・警察による掃討作戦が始まった。これは、イラク政権が治安能力を証明しようとするものだが、背後には撤退をスムーズに運ぶための米国の作戦があるに違いない。しかし結果は治安悪化の逆戻りだ。内戦再発の危険な賭けだ。

   その一方で中東ではアラブ連盟会議が開けないでいる。アラブ諸国が親米諸国とイラン・シリア派に対立し、その対立のあおりを受けたレバノンが大統領を選べないでいる。アラブ連盟に出席できないでいる。

   ブッシュ政権末期において中東情勢は確実に不透明さをましている。

   ブッシュ大統領が胡錦涛主席に電話連絡をして暴力の自制を求めたという。見せかけのポーズだ。米中の話し合いの始まりだ。

   北朝鮮の核問題を、密約まで交わして進めようとしているブッシュ政権が、中国と敵対するはずはない。イスラエルの暴力を放置している米国が、チベット問題で中国に強く出られるはずがない。

   フランスのサルコジ大統領が五輪をボイコットする可能性を匂わせた。笑止だ。格差に怒る若者を暴力で鎮圧したサルコジが、中国に何を言っても中国は相手にしないだろう。コソボ独立問題で分裂する欧州やロシアは、民族問題は自分たちの問題でもあるのだ。少数民族問題は世界で繰り広げられている最も厄介な国際政治問題なのである。

   産経新聞の「断」というコラムで潮匡人というサンケイ御用達評論家が、ミャンマーの時に大騒ぎをした人権論者がなぜチベット問題で強く反対しないのか、と皮肉っている。これも笑止だ。そんな事を言えば、日頃人権問題に関心のない連中が、なぜ中国叩きの道具に、チベット問題を利用して大きく騒ぐのか、と言い返されるのがオチであろう。

  昨年7月に横須賀で女性二人を刺して重軽傷を負わせた米海軍の水兵の初公判が横須賀地裁で行われ、水兵は殺意を否定したという。ここまで状況証拠が明らかであるのに、である。小さな記事であるが、我々はこの裁判の行方を見極めなければならない。

  手元の記録では、昨年にはこの殺人未遂事件のほかにも、横須賀での無免許、酒気帯び運転事故(1月)、広島での19歳女性の海兵隊4人による集団暴行(10月(、沖縄でも米兵子息による女性暴行(10月)、横須賀での女性2人殴打事件(12月)がある。今年に入ってからは、タクシー運転手刺殺容疑の前に、沖縄での少女暴行事件(2月)やフィリピン女性暴行(2月)や男性警官に対する暴力行為(3月)などがある。
  我々はどこまでこれら事件の結末を知っているか。メディアはどこまで報道してきたか。

 最後に、こういう記事が28日の朝日新聞にのっていたから紹介しておきたい。北富士演習場の返還闘争を住民団体が断念したというニュースだ。

 山梨県の富士山北麓に拡がる演習場では陸上自衛隊と米海兵隊が実弾射撃訓練をしている広大な敷地がある。国と山梨県が5年ごとに使用協定を更新してきた。そのたびに反対し、土地返還運動をしてきた住民団体が、今回ついに返還闘争を断念したというニュースだ。

 現在の会員はわずか10人たらず。平均年齢は80歳。「後に続く人がいない。闘争はもう終わりにする」と元会長は話す。その一方で、山梨県や地元3市村は、交付金をもらえなければ予算が組めない状況である。

  こうしてどんどんと在日米軍の日本占領が強化されていくのだ。こういう現実こそ、メディアは国民に問題提起すべきだと思う。

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2008年03月27日

  超党派「ビビンバの会」とは笑止千万だ


  超党派「ビビンバの会」とは笑止千万だ

  27日の産経新聞で「超党派ビビンバの会」が始動したという記事を読んで驚いた。同時に失笑を禁じえなかった。

  自民党の加藤紘一が民主党の仙石由人らと超党派勉強会「ビビンバの会」を発足させたという。なんでも2月に加藤と訪韓したメンバーが中心だという。自民党山崎拓、民主党枝野幸男、社民党辻本清美など15人が参加したという。

  いずれも賞味期限の切れた過去の政治家だ。こころざしの全くない政治家ばかりだ。自分の生き残りしか考えない政治屋だ。

  「評論家はもうやめた。これからは現役復帰だ」と加藤紘一が宣言したという。冗談じゃないか。「加藤の乱」の失態を忘れたのか。

  松本健一・麗澤大学教授を講師に招いてナショナリズムや国家像について意見交換したという。それで、「健全なナショナリズム育成に向け、リベラル派の結集」だと。「政界再編をにらんだリベラル勢力の結集」だと。なんという厚かましさだろう。

  なかでも社民党の辻本清美である。尊敬する元社会党衆議院議員だったのある人が、辻本だけは気をつけろ、とんだ食わせ者だ、と私に語った事がある。

  私にはわからない。しかし、二、三度言葉を交わした私の直感では、心に響くものが何もない政治家だ。何しろ議員に復活したとたん、「帰って来ました」と笑顔で小泉首相に握手を求めに行った姿をテレビで見て、これはダメだと思った。いくら護憲を唱えても、私の心には響かない。

  今の日本の政治の混迷を象徴している産経新聞の記事であった。

  

  

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2008年03月27日

  目にあまる主権放棄だ。

  目にあまる主権放棄だ

  ここまで主権を奪われて、政治家も、官僚も、メディアも、愛国主義者も、誰一人として本気で立ち上がろうとしない。これでは国民は浮かばれない。

  横須賀で起きたタクシー運転手刺殺事件は、これまでの報道を見る限り誰が見ても米脱走兵の仕業だ。ところが、いまだに日本の警察の捜査が進展していない。情報がすべて米軍に握られたままだからだ。これではタクシー運転手は浮かばれない。家族や同僚の怒りや無念は堪え難い。

  報道によれば米軍は脱走の取調べしかしていないという。それどころか本人は殺人を否定し、それが放置されている。

  これが日本人の犯行ならば、指紋やDNA鑑定などで直ちに白黒が判明するところだ。なんという無法状態だ。

  この事の不当さを、連日本気になって訴えているのは、夕刊タブロイドの日刊ゲンダイだけだ。やっと本日発売の週刊新潮が書いた。それも日米地位協定が捜査の壁になっている、というなまぬるいものだ。

  おりから、27日に、防衛省が機密を漏洩したとされる自衛官を書類送検したという記事を各紙が一斉に取り上げた。機密が漏れるなどという防衛省の体たらくを弁護する気はさらさらない。

  しかし、05年5月に起きた事件が、なぜ今頃になって書類送検なんだ。自衛官の機密漏洩がこれまでいくつも行われてきたのに、この事件だけなぜ書類送検か。

  それは米国からもらった情報だからだ。それが漏れたことにより米国が怒って日本政府に圧力をかけたからだ。情けないと思わないか。

  27日の朝日新聞に出ていた森本敏の次の言葉がすべてを物語っている。

  米国の信頼を著しく損なう深刻な事案で、リークした自衛官は厳しく罰せられるべきだ・・・安全保障にかかわる広範な「秘密保護法」を整備すべきで、自衛隊員に限らず議員やメディアなど「防衛情報に接した者」に保全の義務を課す(べきだ)。

  森本よ、横須賀タクシー刺殺事件についても法の厳格な適用を唱えてみたらどうか。

  日本のメディアよ。政治の混乱を報じるのもよい。「誰でもいいから殺したかった」とうそぶく壊れた若者の事件を報じるのもよい。それらは今の日本の深刻な問題である。

  しかし、もう一つの大問題、主権を放棄して米国に全てを預けた今の日本の窮状について、どうして大きく声を上げないのか。愛国主義者はなぜ黙っているか。国民が押しつぶされている最大の原因が米国の日本支配にあるというのに。
  

  

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2008年03月26日

   姿が見えない外務省


  姿が見えない外務省

  ここ当分の間、防衛省や国交省や厚生労働省などが引き起こした問題がマスコミに騒がれ、その影に隠れて外務省の仕事振りが注目されることはなかったが、実は外交不在の状況は深刻だ。

  26日の毎日新聞と東京新聞の記事がそれを教えてくれた。

  毎日新聞は、国内政治で苦境に立つ福田首相が、実は得意の外交でもまったく成果が乏しいと、次のように書いている。

 ・・・「きちんとやるべきことはなされている。7月のサミットなどでリーダーシップがますます発揮されることを期待する」
    藪中三十二外務次官は24日の会見で(こう)語ったが、外務省内には「『外交マジック』は効かない」という悲観論が広がっている
    ・・・日米同盟に関連する安全保障論議は進んでいない。
    政権浮揚のカギとみられた日中関係も・・・ガス田開発問題は先送り。1月末にはギョーザ問題     が起こり、3月にはチベット暴動が起き、5月の胡主席来日を控え対応に苦慮している。
      対話路線に軸足を転換した対北朝鮮外交でも膠着が続く・・・4月13日に期限切れを迎える    対北朝鮮経済制裁は再延長が避けられず、北朝鮮の反発は必死だ・・・


   東京新聞「国際デスクから」はもっと核心をついている。外報部嶋田明浩記者は、今どき、「知らしむべからず」でもなかろうが、外務省が絡むトラブルでは、ことの経緯や責任の所在がまったく国民に明らかにされない、と次のように書いている。

    ・・・ガス田問題などを抱える日中関係でも「信頼関係を損なうようなことになっては・・・」が外務    官僚の口癖だ・・・昨年12月には「日中ハイレベル経済対話」の共同文書を、中国は勝手に一部    削除して発表した(が、外務省の説明は不明なままだ)。今月中旬、北京の裁判所が日本の外務   省幹部らを「スパイ」と認定する判決を出したと報じられた際も、高村正彦外相は「判決内容を知っ   ているか否かも含めて答えを差し控えたい」として、反論の姿勢を示さなかった。
      そこへ今月20日に持ち上がったのが、東大などで講演が予定されていたイタリアの政治哲     学者アントニオ・ネグリ氏の来日中止・・・査証申請手続き問題の当事者である外務省は、「直前    までネグリ氏の来日予定を知らなかった」という・・・今回もまた責任が明確にされないまま、著名    な学者の入国を拒んだとして日本の威信は傷ついた。

   外務省の置かれている状況は深刻に違いない。

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2008年03月26日

全面対決で今度こそ決着をつけてもらいたい

 
  全面対決で今度こそ決着をつけてもらいたい

   政治が面白くなってきた。これこそ本来の政治の姿だ。国民が観客となり、主役となって政治家たちの真価を監視すればいいのだ。

  思えば参院選挙での自公政権の敗北以来、随分まわり道をさせられた。あの時一気に政権交代の是非を国民に問うべきだったのだ。何しろ安倍首相が政権を投げ出したのだ。それも国会の所信表明演説の直後にだ。

   「ねじれ国会」などという言葉が横行し、「政局より政策を優先させろ」などとメディアは書きたてた。そんなごまかしでは、政治のゆがみは正せなかった。

   小沢一郎の「大連立騒動」などというパプニングもあった。大きな間違いであったが、それが政権交代を望む国民の強い反発を招いたゆえに、民主党も勉強をした。小沢民主党は今度こそ腰砕けの妥協をしないでもらいたい。

   小沢民主党は、メディアがなんと書きたてようと、暫定税率廃止を貫き、ガソリン価格を下げてもらいたい。審議拒否による国民の反発を恐れる必要は無い。参院で民主党を支持した国民は対決を望んでいるのだ。その国民を信じるしかない。
 
   福田首相は、自らの進退をかけて、衆院再議決を強行してくれ。正しいと思う租税法案を成立さろ。民主党案に譲歩することは、政権政党としての責任と矜持をかなぐり捨てる事だ。政権にとどまりたいだけの妥協は、貴方の本意ではないだろう。

   メディアはつまらない解説を繰り返すべきではない。所詮国民は、自公支持派と政権交代派に分かれているのだ。この際下手な情報操作などせず、一気に政局に持ち込んでくれ。

   日本の状況は待ったなしの状況に追い込まれている。嘘と犯罪に溢れかえった現状は、誰が政権をとっても容易に解決は出来ない。自公政権であろうが、民主党による政権交代であろうが、政界再編であろうが、はやくすっきりさせて強力な政権を作らなければならないのだ。

   今の日本はそれほど深刻なのだ。国民生活はそれほど困窮しているのだ。一刻も早く国民に政権を決めさせてくれ。

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2008年03月25日

松下幸之助の新党構想とその挫折


  松下幸之助の新党構想とその挫折

  産経新聞に北康利という作家が松下幸之助の自伝を連載している。25日の第29回目では、松下幸之助の新党構想とその挫折が記されていた。私はそれを読んで深く考えさせられた。

  松下幸之助が生きていたら今の政治を何と思っていただろうと思う。そして松下幸之助のような人物が、今の日本になぜ現れてこないのだろうと思うのだ。

  松下幸之助という人物が立派であったという事はよく聞かされる。本当にそうなのか。どこが彼の立派なところであるのか。私は詳しく知っているわけではない。

  しかし北康利の連載を読むにつれ、松下幸之助の非凡さに気づくようになった。1974年に、「崩れゆく日本をどう救うか」という警世の書を世に出し、それが発売半年で50万部も売れた。それだけでも只者ではない。

  84歳にもなった1979年に、総額100億円もの私財を投入して松下政経塾を設立し、国民に尊敬され、信頼される政治家を育てようとした事に改めて驚く。

  私が25日の産経新聞の記事で特に注目したのは、松下幸之助が松下政経塾の開塾式においてぶち上げたものが「無税国家構想」であったということだ。

  納税は国民の義務だとし、節税などおよそ考えた事がなかった松下幸之助が、税金が高いと国民の勤労意欲を維持できないと痛切に感じ、「税金をとるのが当たり前だと考えるのではなく、国家自体が企業のような事業体となって利益を生むような国家事業を展開し、その収益を国民に配分していこうといった発想の転換も必要ではないか」と提言したというのだ。私が漠然と考えていたものと同じだ。何でも国民から搾り取ろうとする今の政治の対極にある考えだ。

  松下幸之助が不幸だったのは、財界の中で誰一人として本気で彼につくものがいなかったことだ。彼が夢見た政経塾には、それを「ステップ」にして政治家になろうとするしたたかな連中しか集まらなかったことだ。

  松下幸之助は「松下政経塾では間に合わんかもしれん」と言い出して82年に保守新党を作ろうとしたという。既存政党にはもはや期待できない、人を育てるには自分の時間はない、と考えたのだ。

  しかし、自民党を敵に回す事など誰も怖くて出来なかった。松下電器の中枢でさえ、ビジネスへの悪影響を恐れて新党構想の火消しに躍起になった。幸之助は断腸の思いで新党構想を断念した。88歳である。

  それから二十数年たち、今の政治はもっとひどい。政治はまったく機能せず、国民はおいてけぼりだ。それにもかかわらず、この国の有力者の中で、誰一人として動き出そうとする者がいない。

  松下幸之助が生きていたら聞いてみたい。あなたなら今の日本をどうしたいか。あなたの言う保守新党の保守とは何か。対米従属から日本を自立させ、憲法9条を誇る平和国家をあなたは目指そうとしていたのか、と。

  

  

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2008年03月24日

  チベット問題に関する中国と米国の出方に注目したい

  チベット問題に関する中国と米国の出方に注目したい

  私はチベット問題についてこのブログで書く事を控えてきた。その理由は十分な知識を持ち合わせていない為だ。自信を持って発言できないからだ。

  しかし24日の二つの新聞記事を読んで、少なくとも次の事を学んだ。

  この問題の責任は勿論まず中国にある。しかしもう一つの鍵を握るのは米国である。すなわち中国と米国がチベット問題の帰趨を決めると言うことだ。そしてその両国を国際世論が監視すべきである。

  24日の東京新聞「アジア観望」というコラムで清水美和論説委員が次のように教えてくれている。

  「・・・中国の総書記の中でも、チベット民衆に『チベット民衆の生活には大きな進歩がみられなかった』と謝罪し(80年)、無責任な漢民族幹部を更迭してチベット人を登用しようとした総書記がいた。胡耀邦である。

  ところが、これが中国共産党内の強い反撥を買い、失脚(87年)の遠因になる。その胡耀邦が見つけて、育てた胡錦涛現総書記は、チベット自治区の党書記に就任した88年、この事を熟知して、89年にラサで起きた大規模な騒乱では自ら装甲車に乗り、鎮圧の先頭に立った。

  最高実力者の鄧小平は『中国に必要なのは、このような人物だ』と絶賛した。天安門事件に驚愕した鄧小平は、自ら後継者に選んだ胡耀邦、趙紫陽の両総書記を、国内の民主化運動に手ぬるいと、中央で無名だった胡錦涛を49歳の若さで最高指導部に抜擢し、将来のトップに備えた・・・」。

  今回のチベット騒動がどのような背景で急に起きたかは私にはわからない。しかしはっきりしていることは、中国が国際的な大国を目指そうとするならば、かつてのように少数民族問題、人権問題に強硬姿勢を貫き通す事は許されないということだ。

   胡錦涛総書記は、時代が変わった事を知らなければならない。それがいかに国内政治上の大きな問題であるとしても、中国が国際的に認められる大国を目指すならば、従来の強硬政策、情報統制政策を改めなければならない事を知るべきである。

   この問題に対する対応を間違えば中国は大きなしっぺ返しを受けるだろう。中国の正念場である。

   もう一つの記事は24日の読売新聞「中国疾走」という連載記事である。第一回目の今日の記事では、チベット問題についての米国ブッシュ政権の及び腰姿勢を次のように書いている。

   「・・・ホワイトハウスのペリノ報道官は20日、記者団に、『五輪は政治イベントではない。あくまでも頂点に立つ選手たちが競う場だ』と説明、ブッシュ大統領の北京五輪開会式への出席を見直す考えがないことを明言した。(ソ連のアフガン侵攻に抗議して80年のモスクワ五輪がボイコットされた事を知っている記者が『五輪の歴史は違う』と食い下がっても、その質問には正面から答えなかった)
   ・・・その背景には、中国が経済的にも軍事的にも大きくなった故の米中関係の構造的変質がある。経済や軍事をめぐる利害が複雑に交錯するようになった両国が、全面対決に進む筋書きは考えにくい。
   米経済学者のポール・クルーグマン氏は『中国はいじめるには大きすぎる』存在になったと指摘する・・・」

   米国のダブルスタンダード面目躍如である。人権や民主主義を前面に押し出して弱い者いじめをしてきた米国が、「いじめるには大きすぎるようになった」中国に対しては、理念外交をあっさりと後退させる。その一方でブッシュ政権は中東民主化の名の下に一方的に軍事攻撃を行って来たのだ。

   覇権国家の中国と米国を、果たして国際世論はどう追及していくのか。チベット問題は、中国、米国という二大国と国際世論のせめぎあいである。チベット問題の本質はこの点に違いない。

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2008年03月23日

はちどりの一滴(ひとしずく)

はちどりの一滴(ひとしづく)

  週末の読んだ本の中から書評をしてみる。

  米国から自立しない限り日本の将来はない。この事に漠然と気づいている国民は多くいるに違いない。しかしそれを誰も公言しない。あたかもタブーのように。

  左翼イデオロギストは打倒米帝国主義を声高に叫び続ける。しかし、そのようなスローガンは、かえって国民から真の対米自立心を奪っていく。

  イデオロギーにとらわれるのでなく、反米一辺倒に傾斜するのでもなく、対米従属の呪縛から自立して本来の日本を取り戻すべきであると主張する指導者が日本にあらわれるのはいつの日か。国民がその事に気づく日が、日本に来る日はあるのか。

  「脱アメリカで日本は必ず甦る」(日本文芸社)を最近出版した評論家森田実氏は、孤軍奮闘しているきわめて例外的な日本の有識者の一人である。

  しかし、彼自らが吐露しているように、米国批判や対米自立を公言する者は敬遠され、メディアから排除されるという現実がある。

  あたかもこの国には、対米批判の言説が如何に正鵠を得ていようが、幅広く国民の間に浸透していかない仕組みが厳然として存在するかのごとくである。

 それでも敢然と対米自立を訴え続ける二人の外国人がいる。いや彼らは二人とも最近日本人の国籍を取得したというから、立派な日本人だ。

  一人はカナダ出身のベンジャミン・フルフォード氏であり、もう一人は米国出身のビル・トッテン氏である。

  米経済誌フォーブズ誌のアジア太平洋支局長を経てフリーランスジャーナリストとなったフルフォード氏は、最近「解体されるニッポン」(青春出版社)という文庫を出版し、断末魔のアメリカにこれ以上従属していると日本は解体される、と警鐘を鳴らす。

  ソフトウエア販売会社の社長であるビル・トッテン氏もまた、近著「愛国者の流儀」(PHP)を出版して対米従属からの脱却を訴え、米国流経済至上主義との決別を訴える。

  彼は言う。ヒューマニズム(人間愛)こそ、本来の日本が世界に誇るべき伝統的な価値であり、その伝統を取り戻す事こそ、日本再生の鍵である、と。

  私が注目したのは、原罪を人の心に植えつけるキリスト教は、民衆の事を思う教えではなく、支配者が民衆を都合のいいように押さえ込む宗教であると、言い切っているくだりだ。

  それは、他の生き物や自然と共生して生きる事を大切にする日本の伝統思想とは対極にある教えだという。そういう米国の経済至上主義、軍事優先主義のから決別することこそ、日本をとりもどす鍵であると主張する。

  彼が日本に来た60年代の終わりにはそんな日本があった。その日本が急速に変化してしまった。米国が日本を解体させたのだ、日本を見てきた米国人だからこそ、それがわかると書いている。一読の価値がある本だ。

 なかでも、彼がいう「ワンドロップ」のたとえがいい。「ワンドロップ」とは、南アメリカのキチュア民族の「はちどりのひとしずく」という話に由来している。山火事で森が燃えたとき、一匹のハチドリがくちばしで水のしずくを運んで火を消そうとした。「そんな事をして、いったい何になるんだ」と笑われたとき、ハチドリは「私は私のできることをしているだけだ」と答えたという。

 対米自立の重要性を唱えることがたとえ「ワンドロップ」であるとしても、それを続けていく価値はあると書いているのである。

 そういう日本人がイデオロギーの違いを超えて、日本の有力者の中から一人でも増えて行かねばならないと思う。


 

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2008年03月22日

安倍前首相を今でも支持する国民がいるというのか

  安倍前首相を今でも支持する国民がいるというのか

  我々が毎日目の当たりにしている日本の政治の混迷は、すべて昨年9月の安倍前首相の政権放棄から始まった。この事を忘れている国民はいないだろう。

  それにもかかわらず安倍前首相は、「すっかり元気になりました」と言って、臆面もなく政治の世界に戻ってきた。それを許すぐらいだから、自民党が如何にだめになったかという事である。よもや国民は許していないだろうな。

  そう思っていたら、22日の朝日新聞に次のような投書があった。福井県の75歳の農業従事者からの投稿である。

  安倍前首相が地球温暖化対策をテーマにした新たな勉強会「クールアース50懇話会」を立ち上げ、自ら座長に就任したと報道で知って、一瞬耳を疑った・・・国会で所信表明演説後、各党から質問を受ける当日に突然政権を投げ出した日本一の無責任男が、だ。
  ・・・いかに熱しやすく冷めやすい日本人でも、よもや忘れはすまい。
  本来なら議員も辞職し、頭を丸めて禅寺にでもこもり、懺悔の日々を送るのが、あるべき姿ではないか・・・
  安倍氏は「北海道洞爺湖サミットを成功させるのは私の責任でもある」と挨拶したというが、彼から責任論を聞かされるほど国民はお人よしではなかろう・・・彼はもう過去の人である。

  毎日新聞各紙を読み、政治のニュースに注意している私も、安倍前首相がこのような発言をしていたとは知らなかった。

  あきれ果てるとともに、それを教えてくれたこの投稿者に敬意を表するため、今日のブログで紹介させてもらった。

  それにしても、このような投稿は、産経新聞や読売新聞では決してお目にかかれないだろう。色々な報道を読まなければならない理由がそこにある。

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2008年03月22日

日銀総裁人事の大騒ぎは何だったというのか

  日銀総裁人事の大騒ぎは何だったというのか

  あれほど大騒ぎをした日銀総裁人事問題がすっかりニュースから消えた。

  ついこの間までは、総裁人事が空白になる事など決して許されない、日本経済が混乱し、世界の信用を失墜する、などと書き立てていた経済記者たちも、空白が長期化する雲行きになっても、もはや今では無関心のごとくだ。何も書かなくなった。

  一体あの騒ぎは何だったのか。それは財務省次官の天下り人事が復活するかどうかという、こよなく政治的な問題に過ぎなかったのだ。我々の生活にはおよそ無関係な話であったのだ。

  腰が引けている民主党も今回ばかりは頑張って福田首相の思惑を打ち砕いた。そのとたんに一つの政治バトルは終わり、直ちに次の政府バトルに移った。ガソリン税廃止問題が、メディアが騒ぎ立てる次の政治バトルである。

 3月21日の毎日新聞「発信箱」で、中村秀明という経済部記者が、日銀総裁人事の大騒ぎの愚を、別の角度から次のように書いている。そもそも日銀総裁というポストが重要な仕事をしてきたポストであるのか、どんな責任をこれまで果たしてくれたというのか、と素朴な疑問をぶつけているのだ。

・・・マスコミの編集幹部が数人集まった会合で、誰かが言った。「いまさらだけど、日銀総裁って、大事な仕事なのかな?」・・・戦後初の空席になったが、市場の動揺を増幅するような事は起きていない・・・澄田智、三重野康、松下康雄、速水優、福井俊彦氏といった歴代総裁は、どうだったのか。国民には(その役割が)ほとんど届いていない。多くの人達の評価は「大事な仕事なの?」である・・・

  このような素朴な疑問は、何も日銀総裁人事だけに呈せられるものではない。マスコミは、国民にかわって、素朴な疑問を、もっとどんどんと今の政治にぶつけなければいけない。
  考えても見るがいい。年金問題をはじめとして、守屋次官の疑惑問題、特定財源問題、公務員改革問題、ギョーザ問題など、米軍基地問題、など、大騒ぎするだけで、問題の本質は何も解決されないままだ。

  我々はこのような政治家たちの無責任さを厳しく追及しなければならない。騒ぎ立てるばかりで政治の責任を最後まで追及しないメディアに文句を言わなければならない。

  政治家も官僚もメディアも、国民の事など考えていないのだ。いずれ国民は追い詰められ、それが彼らに跳ね返ってくるに違いない。

 

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2008年03月22日

横須賀タクシー刺殺事件と私のブログ

  横須賀タクシー刺殺事件と私のブログ

 今日のブログは一つの時事テーマについて私の見方を書くのではない。ここで少し立ち止まって、私のブログの趣旨を読者の皆さんに今一度説明しておくことが重要であると思ったので、横須賀タクシー刺殺事件などと関連して、以下にそれを書いて見る。

 読者の中には自分の関心の高いテーマについてこのブログで取り上げてもらいたいという声を寄せる者がいる。それに応じたい事はやまやまだ。しかし私の能力は限られている。どうしても自分の関心のあるテーマに限られる。

  さらにまた、どのようなテーマでどのように書こうとも、必ず反論が寄せられる。私は誰とも論争をするつもりはないが、どのような論争を挑まれても動じないためにも、確信を持って断言できるテーマしか書かない事にしている。

  そして私がこの際最も強調しておきたい事は、私は決して自己満足や自己宣伝の遊びでこのブログを書いているのではないということである。

  世の中の一人でも多くの人に、日本のカラクリを知ってもらいたい、真実に少しでも近づいてもらいたい、そうする事によって権力者の嘘や横暴から、身を守る知恵を皆に持ってもらいたい、その一念でブログを書いているのだ。

  私がこのブログで最も重要視しているテーマとは何か。それは日本の政治家、官僚、財界、メディアが絶対視し、タブー視している日米同盟関係の誤りを指摘することである。

  なぜならば、この問題こそ戦後62年の日本の歴史を覆ってきた最大の問題であるからだ。そしてこの対米従属関係の呪縛こそ、政治、安全保障問題はもとより、経済、社会、文化などおよそあらゆる問題の元凶であると思うからだ。

  それはまた、私がこのブログで重視するもう一つの問題、すなわち権力者の嘘や情報操作、法の支配の放棄、戦争をはじめとした暴力、弱者を犠牲にする不正義、などが、つまるところは日米関係の異常さとそれをタブー視する日本の空気から来ていると思うからだ。

  たとえば今日の新聞を見てみよう。横須賀のタクシー刺殺事件は大問題である。ところが米兵の犯した事件であるがゆえにその情報さえ米国に依存せざるを得ない。一ヶ月も前に米兵が脱走していた時点で犯罪が起きる危険性があったにもかかわらず、知らされなかった。タクシー運転手は、暴行された少女や、少し前の老女の殺害と同様、日米同盟のゆがみの犠牲者なのである。

  それにもかかわらず、日本政府にとってこの問題は何よりも深刻な問題であるがゆえに、政府は封じ込めようとしている。メディアもそれに協力的だ。今日の各紙の中でこの問題を大きく取り上げたのは毎日新聞だけであった。読売、サンケイなどは三面記事並みである。

  その産経新聞はチベット問題で全紙を埋め尽くしている。あたかもチベット問題が最大の国際問題であるかのように。なぜか。それは中国叩きの格好の材料となるからだ。中国たたきこそサンケイの売りなのだ。

  私はチベット問題についてこのブログで詳しくは書かない。なぜならば情報不足であるからだ。断言できるほどの意見を持ち合わせていないからだ。しかし次の事だけは言える。

  およそ人権問題であれ民族自決問題であれ、これは世界中で常に問題になる厄介な問題である。そして人権抑圧や少数民族弾圧は許されるものではない。

  しかしある国の人権問題や民族、宗教問題に国際社会が介入する時、そこには公平性がなければならない。政治的道具に使われてはならない。

  突然起きたチベット問題は、産経新聞の如く中国を批判するだけで済ませるには、あまりにも大きく、不透明な国際問題であるのだ。

  最後にアントニオ・ネグりの訪日中止の問題に触れておく。この問題も、読者の一人から書いてくれと投稿のあったテーマである。結論から言えば22日の東京新聞「こちら特報部」に書かれている事が全てであると思う。

 これは外務省の判断ミスが起こした問題であると私は思っている。

 ネグリは過激な思想を持った学者である。しかしその著書が世界的にベストセラーとなった。外務省の担当官は入国問題なしと判断をし、それに基づいて関係者により全国で講演が予定されていた。

 ところが話が上に上がった時点で、何者かの判断で拒否反応が出たのだ。グローバリズムと新自由主義を否定するネグリは好ましくないという判断である。これも対米配慮なのだろう。

 拒否の理由は、懲役や禁固刑を受けた外国人の入国は日本の出入国管理法で禁じられている、という出入国管理法である。しかし政治犯は例外である。だから担当官は入国を認めたのだ。

 ところが横槍が入った。何か理由をつけなければならない。政治犯を証明するためには資料が必要である。それが間に合わなかったという説明だ。これはおかしい。そんな事ははじめから分かっていたはずだ。

  これも外務省の嘘であり情報操作だ。その背景には対米配慮がちらつく。


 

 

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2008年03月21日

  嘘の外交を堂々と告白する岡本行夫氏

  嘘の外交を堂々と告白する岡本行夫氏

  岡本行夫という人物がいる。北米一課長のポストを最後に外務省を辞めた元キャリア外交官である。私の一年先輩にあたる。米国研修でも、本省勤務でも、一時期をともにした間柄だ。

  いまここで彼の人物評価をするつもりはない。彼との個人的関係も決して悪いわけではなかった。しかし、外務省を辞めた後の目指すところがさっぱり分からない。

  ベンチャー・キャピタルを立ち上げたり、企業のコンサルタントを行ったりと、金儲けに走っているように見える。それならそれで分かりやすい。

  しかしその一方で、首相補佐官や内閣参与などの肩書きで日本政府の外交に関与したりする。外交に未練があるのか。いずれ外務大臣に声がかかるのをまっている野心があるのか。

  メディアに頻繁に登場する。しかし政府擁護の発言をする一方で、政府の外交批判を行ったりする。何が言いたいのか分からない。

  その岡本氏が、朝日新聞月刊誌「論座」の4月号に掲載されているインタビューの中で、見事にその本性を告白して見せた。

  岡本氏が、内閣参与の肩書きで小泉政権下に出来た「対外関係タスクフォース」の座長についたのは01年9月である。それから一年ほどたった02年の11月に、最終報告書を発表した。

  その報告書には、「米国は、反対意見や異なる価値体系に関する寛容の精神が弱まりつつある」、とか、「米外交の道義性が弱まる可能性がある」などという、アメリカに対する厳しい表現があるという。

  そこをついて、インタビュアーの薬師寺克行「論座」編集長・発行人が、どういう理由で対米批判のごとき言及をしたのか、とたずねたのに対し、岡本氏は、驚くべき率直さで次のように答えているのだ。

・・・日米安保は絶対的に必要で、安全保障の面では日本はアメリカと一心同体であるべきだと思います・・・(しかし、イラク開戦が囁かれている中で)国民の間に嫌米主義やアメリカは怖い、という感じが出始めていましたから、(アメリカに批判的な事を言う事によって)国民の米国離れ、安保離れを食い止めようという意識がありました。すべての問題についてアメリカべったりということになれば、日米安保への国民的支持が弱まってしまうという危惧感がありました・・・(それを防ぐための政治効果を狙ったレポートだったのです)。

 何の事はない。本音とは反対の言辞を弄して国民の嫌米意識のガス抜きを図ろうとしたのだ。日米安保を守るための作文だったのだ。

 実はこれこそが外務省のやってきた外交なのである。国民のためではなく、日米同盟関係の維持を最優先する外交に終始し、そのために情報操作を行う、その意味で岡本氏は外務省を離れてもなお外務官僚を超えることが出来ないでいるのだ。こころざしが感じられないは当然である。

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