目にとまった二つの言葉
目にとまった二つの言葉
時には自分の意見をながながと書く事なく、気にかかった言葉だけを引用してみるのもいいだろう。このブログの読者はこの言葉をどういう思いで読む事だろうか。
・・・正直者が馬鹿を見たり、まじめに働く者が損をする現実は、経済という有機体の故障を物語っている・・・
この言葉は、1947年に書かれた経済白書の一節であるという。2月16日付の読売新聞「キャッチボール」欄で、深沢淳一デスクが書いていた。
深沢デスクは、「日本の官僚や政治家は国の将来を考えていない。社会正義の心を持たない経営者も増えている」という投書をもらい、私も感じるものがあったと述べたうえで、上記の言葉を引用し、「官僚や政治家に必要なのは(この白書を書いた)先人たちの真摯な姿勢だと思います、」と結んでいる。
因みに白書の最後は、「・・・政府はこのような事実を率直に国民と分かち合い、国をあげての再建復興のための礎にしたい」、という言葉で締めくくられているという。
・・・密約は当時の政府全体の方針だった。西山さんが真実と名誉のため裁判を闘う姿勢は尊敬するが、国が隠そうとする姿勢にも道理がある。日米以外に日ソ、日韓も、外交交渉には表に出せないプロセスがたくさんあるからだ・・・
これは、沖縄返還交渉時の密約の有無をめぐって、機密漏洩の罪に問われた西山太吉元毎日新聞記者が、その後米政府公文書の公開や関係者の証言によって密約の事実が確認されたとして、名誉回復と損害賠償を訴えて提訴した事件に関する言葉である。
20日、東京高裁は、東京地裁と同様に、密約の存否に一切言及することなく、除斥期間(事件から20年以上たてば民事上の不法行為に対する請求権が失われる)を理由に提訴を棄却した。
その事を報じる2月21日の毎日新聞の記事の中で述べられていた吉野文六元外務省アメリカ局長(当時の担当責任者)の言葉である。
吉野氏は06年2月にメディアに対し密約を認める証言を行って世間に衝撃を与えた人物である。それから2年ほどたって、吉野氏はこのような政府擁護とも受けとられる発言をしている事を知って、私は失望させられた。彼の心中に何が起きたのだろうか。
