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2008年02月11日

岩国市長選挙の結果をどうみるか(3)

 岩国市長選挙の結果をどうみるか(3)

  日米軍事同盟の実態を直視せよ、目をそらすな、逃げるな

  平和や憲法の問題よりも生活にかかわる問題のほうが重要だという。その通りだ。しかしその生活が、小泉政権を境にどれほど急速に壊されていったか。例えば・・・

  この4月から後期高齢者医療制度が新しく実施される事を知っている人が何人いるだろう。これは75歳以上の高齢者の自己負担を3割に引き上げる悪法である。

  この問題を取り上げていたTV番組では、司会者も評論家も与野党の政治家も、皆が悪法であることを認めていた。自民党の政治家さえも反論できなかった。

  どのような人生であれ、この世を長く生き抜いてきた人の人生は、それだけで十分価値がある。敬意をもって扱われるべきだ。老人はそれだけで大切にしなければならない。

  若者は自分が老人になることなど想像もつかないだろう。現役の壮年者は、自分だけはいつまでも第一線で活躍し続けると思っているに違いない。しかし誰もが老い、死んでいく。最後の人生を優しく、手厚く、面倒をみる、それこそが国の責任であり、政治の責任である。

  医療制度改革だけの話ではない。小泉改革の名の下に、すべてがおかしくなってしまった。今日本に必要な改革とは、税金の使い方の歪みを正し、国民生活を公正で豊かなものにする改革であるはずだ。ところが現実は、少子高齢化による財政赤字増をどうするのか、という問題にすり替えられ、国民の負担増が当たり前のごとく言われるようになった。

  痛みを我慢しろという小泉改革は何だったのか。官僚の天下りや利権政治が温存され、大企業や高額所得者の税負担は手つかずのままだ。改革と叫びながら、何の改革もしなかった。できなかった。した事といえば、民営化といい、競争社会といい、国民生活の犠牲と引き換えに、米国の市場原理最優先の競争社会、米国金融資本に、日本を「改革」しただけであった。

  おかしいと思わなくてはいけない。ついこの間まで世界第二位の経済大国であった日本が、そして勤勉で優秀な日本人が過労死に追いやられるほど働いてきたのに、なぜ国の経済が困窮していったのか。弱者や老人の面倒を見切れないほど余裕がなくなったのか。我々が汗水たらして国に納めた桁違いの金が米国に流れ込んだためだ。

  日本を財布代わりに見立てた米国が悪いのではない。日本を属国として占領し続けた米国が悪いのではない。米国のそのような要求をはねつける事もせず、ひたすら日本国民に犠牲を強いてきたこの国の自公政権こそ糾弾されるべきなのだ。生活困窮の最大の原因は対米従属外交にある。

  岩国市長選挙の結果を報じる11日の朝日新聞にこんな防衛省幹部の言葉が引用されていた。
・・・在日米軍再編の中で、日本側が主眼を置くのは沖縄の普天間飛行場の移設と、米海兵隊のグアム移転。それと比べれば岩国への空母艦載機移転は優先度が低い・・・

  優先度が低い岩国市への艦載機移転に、なぜそれほどまでに政府・官僚はこだわるのか。日本国民の生活を優先すべき政府・官僚は、自らの保身の為に対米従属を優先させてきた。米国と交渉する気概をはじめから捨てて、こちらから進んで米国に迎合してきたのだ。

 米海兵隊のグアム移転に3兆円の金をつぎ込む。米国のテロとの戦いの戦場であるアフガン、イラクに政府開発援助をつぎ込む。紛争地に援助することなどは私が外務省の経済協力担当官のときは考えられなかった事だ。米国のテロとの戦いに協力するため自衛隊の海外活動を主要業務に格上げし、恒久派遣法をつくろうと急ぐ。米国の高価な武器を、さらに不当な値段で購入し、役に立たないミサイル迎撃システムを都心の真ん中に配置して訓練する。

 どこれもこれも莫大な税金の無駄遣いだ。それだけの税金でどれだけの老人の人生が救えるか。薬害犠牲者、被爆犠牲者が救えるか。年金問題を解決できるか。増税を避ける事が出来るか。

  それにしてもメディアがどうしてこの事を国民に伝えないのか。反骨精神を忘れたメディア。この事について次回のブログで書く。

 

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2008年02月11日

  岩国市長選挙の結果をどうみるか(2)

 岩国市長選挙の結果をどうみるか(2)

  日米軍事同盟と護憲政党

  イラク戦争に反対して外務官僚を棒に振った私は、にわか平和主義者、護憲主義者のごとく、思いを同じくする人たちと一緒に平和の重要性を訴える事になった。

  平和はすべての外交に優先されなければならない。日本の平和を守るには憲法9条を変えてはいけない。憲法9条を世界に高らかに掲げる事こそ最強の安全保障政策である。そう私は確信するに至った。その意味で私は最強の平和主義者、護憲論者である。

  しかし、護憲政党やそれを支える多くの人たちは、憲法9条の条文を守る事には熱心であり、9文改悪のための国民投票法制定には強く反対しても、日米安保体制と言う名の軍事同盟に正面から反対する事をやめてしまったかの如くである。私が護憲政党の活動に最も違和感を持つところである。

  小泉政権5年半の最大の罪悪は、憲法9条に手をつけることなく憲法9条を否定する政策を既成事実化してしまったことだ。そして護憲政党はそれを阻止できなかったばかりか、国民を目覚めさせる事ができなかった。

  もはや米国にとって改憲はどうでもいい事なのだ。改憲問題は日本が決める事だと突き放している理由がそこにある。米軍再編に日本が協力すればいいだけなのだ。

  この矛盾を指摘した一人がダグラス・ラミス氏である。米海兵隊を経て反戦活動家となったラミス氏は、安保条約という日米軍事同盟を正面から否定しない護憲運動はあり得ない。日本の護憲論者はいつからか在日米軍反対を言わなくなったのかと主張する。

  それに気づいている一般の日本人がいない訳ではない。しかし政治の場においてそれを叫ぶのは、もはや極左と言われるイデオロギー政党であり、彼らは社民党はもとより日本共産党さえも日米軍事同盟の加担者であると激しく批判している。これでは一般国民はついて来ない。

  在日米軍問題を極左イデオロギーの占有物にしてはならない。米軍再編に無条件に協力しようとする自公政権の対米従属政策は、日米安保体制の是非をはるかに通り越した、日本の安全保障問題とはまったく関係のない米国の戦争に、日本の金と人を差し出すという、誰が考えても間違った政策なのである。本来ならば日本を愛し、日本の国益追及を最優先する保守、愛国主義者が真っ先に反対すべき問題なのである。いや立場を超えて、右も左も反対しなければならない問題なのである。

  岩国市長選挙は終わってしまったが、むしろ私たちはこれをきっかけにして、米軍再編問題について真剣に考える時期が来たと捉えればいい。これを機会に護憲政党は力を合わせるべきだ。新しい政治の動きを起こさなければならない。国民を覚醒させなければならない。井原前市長はその事を訴えるために戦ったに違いない。その勇気を無駄にしてはいけない。

  ブログの3では米軍再編に突き進む日本の将来の危機について書く。

 

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2008年02月11日

岩国市長選挙の結果をどう見るか(1)

 岩国市長選挙の結果をどう見るか(1)

 政府と岩国市の苦悩が続くのはこれからだ

 今日のブログで書きたい事は他にもある。しかし、井原前市長の応援に岩国市に駆けつけた一人として、やはりまず今回の選挙結果について書いておかなければならないと思う。

 私を含め、井原前市長を応援した人たちにとって、今回の井原市長の敗北は残念なことである。しかし私はこの選挙の結果をもってして、「正義が負けた」とか、これで「米軍再編が一気に進む」などという悲観的な見方はしていない。ましてや「岩国市民には失望させられた」などという批判をする事は間違いだと思う。

 考えても見るがいい。今度の選挙は政府にとって負けることの出来ない選挙だった。ただでさえ沖縄普天間基地移設問題で行き詰っている政府は、もしこの選挙で反対派の井原前市長が勝つような事になれば、米軍再編に反対するほかの地方自治体にも波及していく。その危機意識があったからこそ、権力にものを言わせ、あらゆる卑劣な手を使って勝ちに行った。井原前市長の苦戦は明らかであったのだ。深夜まで大接戦に持ち込んだ井原前市長とその支持者は大健闘したのである。

  このブログで私が強調したい事はただ一つ。それは今度の選挙に勝った政府や福田新市長は、これからが苦悩する時であるということだ。福田氏に投票した岩国市民は、果たしてこれでよかったのか、と、福田市政が続く限り自問自答していかなければならないという事だ。

  そして日本国民は、ひたすら対米従属を唱えて米国の一方的な軍事要求を呑んでいくという古い体質の政治家・官僚のために、さらに分裂させられていくだろう。米国自身が変わろうとしている時にである。ただでさえ国民が強者と弱者の分裂させられている時に、そして、今の日本はこんな問題で対立している時ではないのに、である。

  政府も岩国新市長も、これから米軍再編を進めようとすればするほど、その政府の方針を受け入れようとすればするほど、必ず行き詰る。真実を語らずに金と力で米軍再編を進めようとする政府に正統性はない。「基地受け入れは反対だが政府と協議して解決していくなど」という矛盾を繰り返す新市長は、沖縄知事や名護市長の葛藤を繰り返す事になる。

 かつて小泉政治に騙された多くの国民が気づき始めたように、岩国市民も国民も、そのうちに矛盾に気づいて大きく振り子を振り戻す時が来ることになる。なぜならば、米軍再編を受け入れていく事は、あらゆる意味で間違いであるからだ。一部の政治家や安全保障問題で生計を立てている人たち、さらには利権目当ての人たちを別にして、多くの善良な国民にとっては米軍再編は一利もないからである。

 それにしても護憲政党、護憲政治家の責任は重い。このことについては次のブログで書く。

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