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2008年01月27日

愚かなり、サダム・フセイン

  愚かなり、サダム・フセイン

 27日の各紙が報じていた。サダム・フセイン元イラク大統領を尋問した米国FBI特別捜査官がCBSテレビのニュース番組で、「米軍が本格的に攻め込んできた事は誤算だった」、そうサダム・フセインが供述したというのだ。
 愚かなり、サダム・フセイン。これは90年に始まった湾岸戦争の後でサダム・フセインが語っていた言葉とまったく同じである。あの時は米国のグラスピー駐クウェート大使が、「米国は関与しない」というメッセージをフセインに送ってフセインを誤導した、などという話も語られた。しかし湾岸戦争から何も学ばなかったフセインはあまりにも愚かだ。あの時も、今度も、フセインは米国に攻撃の口実を与え、結果的に米国の戦争に協力したのだ。
 フセインはさらにまた次のように語ったという。
米国が侵攻してこないと判断した上で、「イランを牽制するために、大量破壊兵器を保有しているという誤解を維持したかった」と。
 愚かな指導者を持った国民は不幸だ。みすみすその犠牲に甘んじなければならない。しかしそれはイラクでけではない。米国民にも、日本国民にも、そのまま当てはまる。

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2008年01月27日

  ガザの惨状とダボス会議

 ガザの惨状とダボス会議

 今朝の日本のメディアはダボス会議のニュース一色だ。
 サブプライム問題で暴落した世界同時株安をどうするかが大問題だという。しかしそれは、世界経済を論じる振りをしながら、株取引で一攫千金をもくろむ金持ち連中の、欲の張り合いに過ぎない。
 日本がやおら環境先進国のごとく振舞っているらしい。しかしそれは洞爺湖サミットを乗り切って政権を維持したい福田首相の政治的ジェスチャーだ。心から出た提案ではない。だから演説を棒読みし、言葉につまり、拍手も起こらない。
 日本のメディアが報じるそんなダボス会議の最終日に、もう一つのニュースが世界を駆け巡った。パレスチナ自治区のガザで、イスラエルが閉鎖したの国境壁が爆破され、ガザの住民がエジプト国境へ買出しになだれをうったのだ。
 何故こんな事が起きたのか。それはイスラエルに国境を封鎖され、生きて行くための最低限の食料や、命をつなぐ薬さえも入手できないパレスチナ人が、最後のエネルギーを振り絞って立ち上がったという事だ。親米エジプト政府も、さすがにこれを容認せざるを得なかった。同胞アラブ人を見殺しには出来ないのだ。
 06年1月、米国の民主化の要求に従ってパレスチナで選挙が行われた。その結果パレスチナ人は圧倒的多数で、反米、反イスラエルの抵抗組織ハマスを選んだ。そのとたんに米国はハマスのパレスチナを兵糧攻めにして圧殺しようとした。ハマスの指導者ハニヤ首相がその時言った言葉を思い出す。
 我々はこの暴挙に屈しない。どんな苦しみにも耐えていける。我々には塩とオリーブがある!
 なんという爽快な言葉であろう。見事な反骨魂である。
 私は単純な人間だ。勧善懲悪ものが大好きだ。学生だった頃、高倉健のやくざ映画をよく見に行った。我慢に我慢を続けた末に、敢然と巨悪に向かって一人で殴りこみに行く。なんだか自分が強くなったような気がして、暗闇の映画館から出て真昼の街を歩く時の後ろめたさを隠すかのように、しばらくは肩で風を切るように歩いた事を思い出す。
 「塩とオリーブがあれば生きていける!」
 パレスチナ抵抗の歴史に残るこの名言は、しかし嘘だ。まもなくガザの住民は生きていけなくなり、ハニヤ首相は譲歩を迫られる。しかしどんなにハマスが譲歩を繰り返しても、イスラエルに屈従しない限りイスラエルはガザの包囲を緩めようとしない。一方において軍事攻撃を続け、他方において人と物の出入りをとめてガザを巨大な牢獄とする、そのようなイスラエルの政策が続いてきた。ダボス会議の出席者にとっては、そんなガザの窮状は見えないのだ。存在しないのだ。
  インタビューに答えて少年はこう叫んでいた、「オリーブ油がなくなった」と。インタビューに答えてオルメルト・イスラエルはこう言いはなったった。「ガザの連中に普通の生活をさせろという声は受け入れられない」と。
  どちらの声に耳を傾けるべきか。答えは自明である。


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