Font-size: small medium big

Blog Calendar

サイト内 検索

 


 人気blogランキング(政治)に参加しました、応援お願いします。 人気blogランキング

2008年01月11日

 新テロ法成立騒動の茶番(後編)-護憲政党の終焉

  新テロ法成立騒動の茶番(後編)―護憲政党の終焉

  小沢民主党代表が、参院選勝利の高ぶりの中で、いきなりテロ特措法延長反対を唱え、国民の前でシーファー大使に反対の意思表明をした時、私はなんとも言えない違和感と危惧感を抱いたものだ。その時の心境を当時のブログで次のように書いた。
  
  ・・・日米同盟関係を重視する元自民党政治家の小沢氏が、米国の「テロとの戦い」に本気で反対しているとはとても思えない。そうであるとすれば、この問題は小沢氏も小沢民主党も、早急に落としどころを見つるべきだ。
 つまり自民党に早く延長再議決をさせることにより、米国を安堵させる一方で、国民の前では反対姿勢を貫いた民主党の姿勢を示す事が出来る。アフガン情勢の更なる悪化は間違いなく、給油活動継続の無意味さが一層明らかになるだろう。だから再延長した自民党の強硬姿勢はいずれ批判される事になる。一石三鳥だ。
 小沢氏の発言の真意がどこにあろうとも、それが「米国のテロとの戦いは間違いだ。いかなる形でも自衛隊を加担させてはいけない」、という、真に護憲的、平和的な信条から来ているのでなければ、これ以上自公政権との論争を続けてはいけない。それは政治家小沢にとっても為にならないし、民主党の政権取りにもマイナスになる。
 そしてなによりも、政局を巻き込んでの議論の末に、それでもテロ特措法の延長を阻止できない形で終わってしまうと、国民の間で無力感、無関心が高まり、今後は一気に対米軍事同盟強化が進むだろう。もはや誰もがそれを止められなくなる。
 だから落としどころを早く見つけて終焉させるべきだ。テロ特措法延長に反対だ、と宣言した時点で、小沢発言の役割は終わったと考えるべきだ・・・

 それから数ヶ月、事態は最悪の展開を見せ、最悪の形で決着した。しまりのない国会論争と不毛な政局に膨大な時間と経費が費やされ、国民の関心がすっかり離れていった。挙句の果てにいままでのテロ特措法よりも悪い新テロ法が成立した。事実上の自衛隊海外派遣恒久化法だ。憲法9条違反がさらに大きく前進した。
 自公政権や外交・防衛官僚は笑が止まらないであろう。焼け太りという奴だ。給油活動の流用疑惑や守屋防衛次官疑獄という大問題も、議論が深まらないまま、何もはっきりさせられないまま、新テロ法の成立ですべて吹っ飛んでしまった。
 今後は日米軍事同盟がらみの話が一気に進んでいくであろう。普天間基地移設問題も、岩国市への空母艦載機移転の問題も、ミサイル迎撃システムの導入問題も、何もかもが一気に進んでいく事になる。
 それにしても10日はこの国のねじれ政治状況を象徴した歴史的な日になった。それは参院外交防衛委員会で新テロ法案が野党の反対で否決されたからではない。同じ委員会で、民主党が提出した対案が、今度は自公と社民、共産の4党の反対で否決されたという出来事が起きたからである。
 この事は何を意味するか。そもそも民主党主導の野党連立はありえないという事なのだ。政界再編や大連立の動きが必ず起きるという事だ。そして、それは、保守勢力の間の再編や連立であり、決して護憲政党を巻き込んだ政界再編や大連立ではないということだ。日本全体が総保守化へと大きく傾く中で、護憲勢力が結束出来ずに消えていく事だ。消えないまでも飾りのように無意味に残存し続けると言う事だ。それでも「無いよりはましだ」と護憲勢力が自己中心の保身に堕している。
  如何なる国も、情勢の悪化が一線を超える時、必ずそれを修正しようとする新しいエネルギーが生まれる事を歴史は証明している。そのエネルギーを体現する動きが現れる事を歴史は示している。しかしそれは多大の犠牲者が出て初めて起きる。そうなる前に日本に正しい政治力が現れる事を期待するばかりである。
  

Copyright ©2005-2010 www.amakiblog.com
人気blogランキング

2008年01月11日

 新テロ法成立騒動の茶番(前編)-米国外交のダイナミズムが目に入らぬか!

 新テロ法成立騒動の茶番(前編)―米国外交のダイナミズムが目に入らぬか!

 本日11日新テロ特措法が衆院本会議での三分の二以上の多数決で再議決され成立するという。思えば昨年7月末、小沢民主党代表の突然の「延長反対発言」から始まった国会史上まれに見る茶番劇は、半年以上の無益な政争を経て、あっけなく終わろうとしている。メディアはいっせいに様々な論評を行うであろう。それを見越して今日のブログで真っ先にこの茶番劇の核心について書いておく。
 この茶番劇を通して見えてきたものは何か。それはズバリ二つある。
一つは、もはや日本の指導者たちは、米国のダイナミズムを理解しようとする努力を怠り、米国のダイナミズムを先取りして日本外交を柔軟に適応させようとする知見を持たず、ただひたすらに「日米同盟は不滅だ、対米協力は国際貢献だ」と繰り返すばかりの無能集団になってしまったということである。
 二つ目は、安全保障政策に関する限り、この国の政治はもはや完全に日米軍事同盟強化で大連立が出来つつあるという事であり、その流れに正面から抗い、日米軍事同盟をこれ以上強化させていくことの危険性について一般国民を覚醒させることの出来る魅力あるカリスマ政治家が、誰一人存在しないという現実である。
 悲しく、残念な現実である。
 前編では、まず第一点について、11日の日経新聞にのっていた、「米国の新政権は単独主義の転換点になるだろう」という米国識者の意見を引用しながら、説明したい。
 米カーネギー国際平和財団理事長ジェシカ・マシューズ氏はインタビューでこう答えている。
 ・・・今振り返ると、同時テロが世界秩序に与えた意味はイラク戦争に比べはるかに小さかった。同時テロは米国民の心理(に与える)影響が大きかった(が)、イラク戦争は中東全域を不安定にし、イランの発言力を強め、核拡散体防止体制に深刻な打撃を与えた。米国の外交目標に対する敵意ばかりを生んだ・・・
  ブッシュ政権は(核拡散防止体制についての)根本的な思想を変えた。イラク戦争前は核兵器や関連物質など「モノ」に焦点を当て、取引や移送を防ぐ手段を考えていた。ところがイラク戦争の発想は「拡散しそうな政権はつぶせ」となった・・・
  (その一方でブッシュ政権は対中政策、北朝鮮政策ではうまくいっている)中国脅威論を退け、北朝鮮の核問題で協力体制を築いた。中国もこれに満足している・・・米中は大国同士の関係としては健全と言える・・・
  米国が主導し、他国が追随する(というブッシュ政権の)単独主義の見直しや、ブッシュ・ドクトリンである「予防的攻撃」の再評価など、(来年の政権交代は)米外交の抜本的な転換点となる。これは民主党候補の公約に聞こえるかもしれないが、共和党政権でも米外交は大きく変わる。共和党内にも、次の政権で外交理念を変えたいという意見は出ている・・・

  これが米国のダイナミズムである。そこには、壊しては作り直す米国の、そして、国益のためには状況次第で機敏に敵と結び、味方を切り捨てる米国外交の、現実がある。インド洋給油問題などはじめから米国指導者の視野にはない。
  ところがどうだろう。翻って福田首相は新テロ法成立に向けて、(給油をやめると)国際社会が日本の事をどう思うか。無責任と批判されないためにも(成立は)当然だ、などと感情的に語気を荒げる始末だ。本気でそう思っているのならお笑いだ。不勉強もはなはだしい。いかに米国との本物のコンタクトをしていないかだ。そして、それが国民を欺く発言であれば、首相失格だ。
  ジェシカ女史の指摘を待つまでもなく、米国はいまや一方において中東政策を見直し、他方において中国、北朝鮮外交を積極化しようとしている。日本外交は、その双方において逆を行っている。無理もない。日本の指導者の頭には対米追従しかなく、そしてその米国の意思さえ読めないのだから。気がついたら取り残される、その誤りを繰り返す宿命にあるのだ。

 さてもう一つの問題。つまりこのテロ特措法延長問題が図らずも浮き彫りにしてくれたこの国の政治の混迷についても事態は深刻である。これについては後編で書く。

Copyright ©2005-2010 www.amakiblog.com
人気blogランキング