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2007年11月28日

政治家川田龍平の姿が見えない(最終回)

  政治家川田龍平の姿が見えない(最終回)

  今の日本の政治において無所属議員の活躍する余地はほとんどない。というよりも真の無所属議員が果たして何人いるのだろうかと思う。
  無所属議員には政党に帰属する議員にくらべて圧倒的なハンデイがある。その一つは無所属では選挙に勝てないという事であり、もう一つは国会の場で組織的な活躍ができないと言う事である。
  今の日本の政治は二大政党に急速に収束しつつある。自民党、民主党以外の政党の支持率は低下の一途を辿っている。自民党、民主党のいずれかに属さなければ政治家としてほとんど活躍できない時代に入りつつある。
  それでも既存の政党に属していれば生き残れる。ハードコアの支援者の組織票がある。生き残るだけが目的であれば政治家としての特権を十分楽しめる。政党に属すると政党助成金がもらえる。政党に属するとメディアに取り上げられる。政党の党首は党首会談に呼ばれる。国対協議に参加できる。国会質問の時間が与えられる。選挙の際に公認の選挙広報ができる。腐っても政党なのである。
 このように圧倒的に政党に有利な政治状況の中で、あえて好んで無所属議員になろうとするものがいるであろうか。いない。彼らはやむにやまれず無所属議員になっているのだ。下心があって無所属で通しているのだ。どこからも公認されなかったり、政党間に等距離を置く事によって利を得ようとしたり、あるいは裏ではどこかの政党につながって隠れ無所属を装っているか、そのいずれかである。要するに訳ありなのである。そのような無所属議員は、自己矛盾をきたすか、支持者に利用されるかして、やがて行き詰まる。
  不利な選挙を克服し、真の無所属議員になったとしよう。真の無所属議員は何が出来るのか。何をすべきであるのか。ここからが私の独断による答えである。
  無所属議員は、国会においては徹底した情報公開を求める政治家になることだ。質問主意書を連発して政府や官僚の情報提供を求め、それをメディアを通じて国民に公開する。国民が知りたい事を探してそれを政府、官僚にぶつける。これこそが国会議員のみに出来る特権である。判明した事実に基づいて起きてくる国民からの要望については、それが多くの国民の支持を得られるものであれば、おのずと与野党の攻防に発展させて新たな政策として実現する事が出来る。
  無所属議員は、国会外では、国家権力と闘う弱者の先頭に立って活動、行動をともにすることだ。自らの国会議員の特権を彼らに分かち合って最大限にそれを彼らの為に活用することだ。国会議員の移動には国から無償のグリーン券が供与される。それを使って東に困っている人がいれば助けに行き、西に怒っている人がいれば相談に乗ることができる。宮沢賢治の世界だ。体力が続く限り移動すればいいのだ。そうする事によって世間の苦しみ、悩みがわかる。わかればその解決に向かって政党政治家を動かせばいいのだ。そして政府の政策を変えていく。
  最後に残る問題は、組織もしがらみもない無所属候補がどうしたら選挙に勝てるかということである。それこそが大問題だ。シェークスピアの世界だ。答えは今の私にはない。しかし遠からず日本の政治は大混乱する。既存の政党の離合集散では国民がついて来ない時が来る。既存の政党を全否定する「無所属国民」が必ず出てくる。その時こそ真の無所属議員の好機が来る時であると私は思っている。
 能力と信念とカリスマのある人間が、こころざし一つを引っさげて国民的政治家として登場する、そんな時代が来る事を私は夢見るのである。

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2007年11月28日

これがブッシュ大統領8年間の中東政策のすべてだ

これがブッシュ大統領8年間の中東政策のすべてだ

 米国アナポリスの海軍士官学校で開かれている中東和平国際会議の表向きの評価がどうであれ、その実態はブッシュ大統領8年間の中東政策の欺瞞と迷走を象徴する壮大なアリバイ作りでしかない。
 中東問題の本質を理解していないのか、それとも知っていながら無知な日本国民をごまかせると思っているのか、日本のメディアが論じる記事はあまりにも皮相的だ。「成功の見通しは楽観を許さないが、それでも和平の進展を期待する他はない」などという評論家まがいのものばかりだ。
 現地アラブ人の評価はそんな甘いものではない。和平の実現どころか、この会議の目的はただ一つ、パレスチナの反米強硬派であるハマスを更に孤立させ、壊滅させて、親米ファタハのパレスチナとの平和共存を見せかけるというものでしかない。そしてその先の大目的は、多くのアラブ諸国を会議に参加させる事によって対イラン大包囲網を進めることであるという認識で一致している。
  なぜブッシュ政権8年間の中東情勢がそれまでの中東和平のかすかな希望さえも打ち砕き、最悪の情勢を招いたのか。それは一言で言えばブッシュ大統領個人の迷走がある。その迷走振りを、今振り返って一言で再現して見せよう。
  そもそもブッシュ大統領には中東問題への関心はなかった。就任したばかりの演説では中東に触れる事はなかった。そればかりか、「欠点だらけの中東和平交渉には自分は巻き込まれない」とさえ宣言していた(26日ニューヨーク・タイムズ紙)。女性スキャンダルの汚名挽回のために必死になって中東和平の仲介を試み、失敗したクリントン大統領に対する、あてつけでもあった。
  そのブッシュ大統領は、いまから振り替えれば驚きであるが、第二次インテファーダを前にして当初はナイーブにイスラエルの蛮行に不快感を示した。強硬派のシャロン首相がイスラエルに登場し、入植地の拡大や強硬な占領政策を進めた。ブッシュ大統領はそれに不快感を示した。抑止さえしようとした。そしてパレスチナの主権国家実現を口にした。今でも鮮明に覚えているのであるが、この発言は私を含め当時の関係者を驚かせた。今米国で行われているアナポリスの会議前夜の夕食会で、ライス長官が「彼(ブッシュ大統領)こそパレスチナの独立を最初に語った人です」と持ち上げた(28日朝日新聞)のは、その意味で正しいのである。
  ところがそのブッシュ大統領はユダヤロビーからの激しい批判を浴びる。おりしもタイミングよく9・11事件が起きた。それを境にブッシュ大統領は中東政策を大転換させる(「ユダヤロビーと米国の外交」講談社)。
 そこから後のブッシュ大統領の中東政策はアラブ強硬一辺倒、イスラエル・米国同一化の政策に傾く。彼が始めて打ち立てた中東政策が、あのブッシュドクトリンであった。それは「敵か味方か」「テロにつくか米国につくか」である。そして、ブッシュ大統領のいう「テロ」とは反イスラエルのアラブ人であり、それをかくまうアラブ国家であった。アフガン、イラクを攻撃し、国際司法裁判所さえも違法と認定したイスラエルの分離壁の建設を容認し、あらゆるパレスチナ人への弾圧を放置した。その結果反米感情が高まり中東情勢は混乱の一途を辿った。
  ブッシュ大統領の混乱振りはそれだけではない。イラク戦争の失敗は民主国家米国を卑劣な嘘つきの国にしてしまった。「戦争で真っ先に犠牲になるのは真実である」とはよく言ったものだ。終わりのない「テロとの戦い」に突入したブッシュの米国は嘘にまみれた国家となった。その嘘は、次つぎと起きた米国要人の告発で明らかになっていったが、その極めツケとも言うべき告発が行われようとしている。03年7月から06年4月まで大統領報道官をつとめたスコット・マクレランが来年4月に回顧録を発行すると言う。その一部がメディアに流れ大問題になろうとしている。ブッシュ大統領とその側近(チェイニー、リビー、ローブ、大統領首席補佐官)に嘘をつかされ続けてきたとマクレラン元大統領報道官がその回顧録で暴露しているというのだ。やがて日本のメディアでも取り上げられ、大騒ぎになるであろう。
  その最後に打った芝居が今度の中東和平国際会議である。しかしその結果がどうであれ、その先が必ずある。ブッシュ政権はまだ一年近く残っている。その背後にはイスラエルがいる。妥協を許さないユダヤロビーがいる。信念を持たないブッシュ大統領は格好の操り人形である。何が起こっても不思議はない。


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