政治家川田龍平の姿が見えない(最終回)
政治家川田龍平の姿が見えない(最終回)
今の日本の政治において無所属議員の活躍する余地はほとんどない。というよりも真の無所属議員が果たして何人いるのだろうかと思う。
無所属議員には政党に帰属する議員にくらべて圧倒的なハンデイがある。その一つは無所属では選挙に勝てないという事であり、もう一つは国会の場で組織的な活躍ができないと言う事である。
今の日本の政治は二大政党に急速に収束しつつある。自民党、民主党以外の政党の支持率は低下の一途を辿っている。自民党、民主党のいずれかに属さなければ政治家としてほとんど活躍できない時代に入りつつある。
それでも既存の政党に属していれば生き残れる。ハードコアの支援者の組織票がある。生き残るだけが目的であれば政治家としての特権を十分楽しめる。政党に属すると政党助成金がもらえる。政党に属するとメディアに取り上げられる。政党の党首は党首会談に呼ばれる。国対協議に参加できる。国会質問の時間が与えられる。選挙の際に公認の選挙広報ができる。腐っても政党なのである。
このように圧倒的に政党に有利な政治状況の中で、あえて好んで無所属議員になろうとするものがいるであろうか。いない。彼らはやむにやまれず無所属議員になっているのだ。下心があって無所属で通しているのだ。どこからも公認されなかったり、政党間に等距離を置く事によって利を得ようとしたり、あるいは裏ではどこかの政党につながって隠れ無所属を装っているか、そのいずれかである。要するに訳ありなのである。そのような無所属議員は、自己矛盾をきたすか、支持者に利用されるかして、やがて行き詰まる。
不利な選挙を克服し、真の無所属議員になったとしよう。真の無所属議員は何が出来るのか。何をすべきであるのか。ここからが私の独断による答えである。
無所属議員は、国会においては徹底した情報公開を求める政治家になることだ。質問主意書を連発して政府や官僚の情報提供を求め、それをメディアを通じて国民に公開する。国民が知りたい事を探してそれを政府、官僚にぶつける。これこそが国会議員のみに出来る特権である。判明した事実に基づいて起きてくる国民からの要望については、それが多くの国民の支持を得られるものであれば、おのずと与野党の攻防に発展させて新たな政策として実現する事が出来る。
無所属議員は、国会外では、国家権力と闘う弱者の先頭に立って活動、行動をともにすることだ。自らの国会議員の特権を彼らに分かち合って最大限にそれを彼らの為に活用することだ。国会議員の移動には国から無償のグリーン券が供与される。それを使って東に困っている人がいれば助けに行き、西に怒っている人がいれば相談に乗ることができる。宮沢賢治の世界だ。体力が続く限り移動すればいいのだ。そうする事によって世間の苦しみ、悩みがわかる。わかればその解決に向かって政党政治家を動かせばいいのだ。そして政府の政策を変えていく。
最後に残る問題は、組織もしがらみもない無所属候補がどうしたら選挙に勝てるかということである。それこそが大問題だ。シェークスピアの世界だ。答えは今の私にはない。しかし遠からず日本の政治は大混乱する。既存の政党の離合集散では国民がついて来ない時が来る。既存の政党を全否定する「無所属国民」が必ず出てくる。その時こそ真の無所属議員の好機が来る時であると私は思っている。
能力と信念とカリスマのある人間が、こころざし一つを引っさげて国民的政治家として登場する、そんな時代が来る事を私は夢見るのである。
