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2007年08月10日

嘉手納基地の実態がここまで明らかにされた。さあ、どうする。

  嘉手納米軍基地の実態がここまで明らかにされた。さあ、どうする。

  まず、次の文章を黙って読んでいただきたい。

  「・・・(今となっては)沖縄の嘉手納基地は、一言で言えば日本に対する侵略に対応するものでも日本を守るためのものでもない。嘉手納基地の機能の変化は、日本が無償でアメリカに基地を提供し、アメリカがその代わりに強力な軍事力と核の傘で守ると、いう安保条約の基本的な性格が、(もはや完全に)なくなっていることを意味している・・・」

  これは月刊誌ボイス(PHP)の最新号(9月号)に掲載されている日高義樹氏とハロルド・モールトン前嘉手納米空軍基地司令官のインタビュー記事の最後に、日高氏が述べた感想文の一部である。

 ボイスの誌上で、日高氏が単刀直入に切り込む質問に対し、米国責任者が語る内容は、次の如く驚くほどあっけらかんとしている。

 日高    アメリカ空軍は沖縄に大規模な兵力を有していますね。何故
        嘉手納基地が重要なのか説明していただけますか。
 モールトン そのとおりです。アメリカ空軍は嘉手納基地に世界最大の空軍
        戦闘部隊を展開しています・・・嘉手納基地が戦略的に重要な
        理由は二つあります。一つは数時間でアジアの三大都市、つまり北京、ソウル、東京に飛        ぶ事が出来る。インドやロシア中央部にまでも行く事が出来る。もう一つは嘉手納基地の        大きさです。二本の大きな滑走路があり、駐機場もたくさんあるので、有事の際には大規        模な兵力を受け入れることができる。必要とあれば世界のどの地域へでも戦闘機や兵員        を送り込むことができるのです・・・
 日高    アメリカ空軍の強力な戦闘部隊が日本と共同体制をとっていますが、どのような緊急事態        を想定しているのですか。
 モールトン アジア、極東の危機に対してだけでなく、世界中の軍事的な緊急事態に対応する体制を        とっている・・・すでに多数の隊員がアフガニスタンとイラクに出動しています。南アメリカに        も行っている。嘉手納基地に展開している隊員、従業員は世界のどの地域へも出動する         体制をとっているのです・・・

   このようなインタビューを終えた日高氏は、インタビュー後の感想を更に次のように続けている。

   「・・・ 沖縄に駐留しているアメリカ海兵隊(地上戦闘部隊の主力)はグアムに移転しようとしている。この動きは、アメリカがアジア・極東においてもはや地上戦闘を考えていない事を示している。
   (台湾有事や北朝鮮有事が起きても)アメリカは空軍と海軍で対応するつもりだ。すなわち嘉手納基地や(日本近海に航行する)原子力潜水艦から全世界の紛争地点を睨む、というのがアメリカの新しい戦略なのである・・・
   (海兵隊がいなくなっても、イラクでの戦争が終っても)沖縄のアメリカ軍基地が日本に返還されることはない。アメリカは世界戦略の拠点として沖縄の基地を恒久的に使おうとしている・・・
   安倍政権が今行っているような『日米共同の自衛力強化』といった政策ではまったく追いつかない、大きな軍事情勢の変化が日本に迫っている・・・
   アメリカ軍による日本占領という状況は未来永劫に変わらないだろう。アメリカ軍は日本側の意向にかかわりなく日本の領土の一部を勝手に使い続ける・・・」

  米国の元嘉手納基地司令官が嘘をいうはずはない。ハドソン研究所首席研究員の日高義樹氏が米国の意向に反する事を言うはずがない。これは日本政府や日本国民に対する明白なメッセージに違いない。日本もそろそろ本気で自国の安全保障政策を考える時だと。
  与野党の政治家よ。外務省や防衛省の官僚たちよ。日本の安保問題専門家や安保問題担当のメディア諸兄よ。現実を直視せよ。よく考えて答えを出して欲しい。
   冷静に考えれば分かるはずだ。米国の期待とは裏腹に、憲法9条を世界に高らかに掲げた平和外交こそ、日本の最強の安全保障政策である。日本が有利に立てる道はそれしかないはずだ。

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2007年08月10日

やっと紹介された米国内部の核廃絶提案

やっと紹介された米国内部の核廃絶提案

  3月1日のブログで私は米国の重鎮が核廃絶を唱えだしたという事を、雑誌「サピオ」の記事を引用して紹介した。事の発端は今年1月4日付のウオール・ストリート・ジャーナルに寄稿されたキッシンジャー元国務長官、ペリー元国防長官らの共同執筆論文であった。
  ところが不思議な事にこの論文について日本の大手メディアはまったく取り上げなかった。それどころか、国内ではいたずらに核武装論が繰り返された。
  広島、長崎の被爆記念日に因んだわけでもないだろうが、やっと8月10日の朝日新聞が取り上げた。ワシントン発、梅原季哉記者の記事だ。遅すぎることはない。今からでも多くの日本人がこの論文の意味するところを考えるべきだ。そう思って朝日の記事を一部引用する。

 「・・・米国の核戦略を巡る論議の中で、今年は特筆すべき変化が起きた。冷戦下で抑止論の立場から核保有を正当化していた専門家の中からも、「9・11」後の核の抑止力について疑問符を投げかけ、核廃絶を求める声が出始めたからだ。きっかけは1月、キッシンジャー元国務長官ら外交・軍事問題を専門とする共和・民主両党の長老4人がウオール・ストリート・ジャーナルに寄稿した「核兵器のない世界」と題する論文だった。米国は指導力を発揮し核廃絶構想を描くべきだとの主張だ。元長官らは、旧ソ連との間の抑止戦略理論は時代遅れになり、国家間の紛争でも、抑止力を築くために核兵器に依存する事はいまや危険で非能率になっている、と指摘。さらに、国家でないテロ組織には抑止戦略の枠組み自体がはまらない、とした・・・
 ・・・6月、ワシントンで開かれたカーネギー国際平和財団の国際不拡散会議でも、マクナマラ元国防長官は(キッシンジャー提案に)賛意を表し、『現状維持は常軌を逸している。現在の数の核兵器を持つことに何の意味もない』と訴えた。冷戦時、米軍の核ミサイル発射担当将校だったブルース・ブレア世界安全保障研究所所長は、軍事技術の変革でハイテク通常兵器の抑止力が増大、『核兵器の役割は劇的に下がった』と指摘する・・・
  ・・・だがブッシュ政権は7月24日、議会に提出した文書で『核兵器はなお必要』とし、その象徴として位置づけられるの新型核計画について、『信頼性が落ちる冷戦期の核弾頭のかわりに、新型核弾頭に切り替えたほうが、全体の核兵器数は削減しやすく、核実験もせずに済む』、と正当化している・・・
  だが米のNGO「憂慮する科学者同盟」は、『・・・現状の核弾頭は信頼性が確保されており、更新の必要性は認められない。核兵器産業の再生だけを狙っている。核不拡散条約による軍縮義務の放棄である』」と批判する・・・」

 唯一の被爆国である日本こそ、世界に向けてもっと積極的に核廃絶の議論を展開していかなければならない。米国核の傘を当然視する日本では、核兵器廃絶論はあまりにも低調である。
 

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2007年08月10日

日米関係は透明化されるか

日米関係は透明化されるか

 小沢民主党によるテロ特措法延長反対の動きについては、内政と外交の両面において、今後も様々な様相を呈して進展していくに違いない。繰り返して強調するが、この動きについては目が離せない。
 その中でも注目される一つが、これまで外務省や日本政府によって隠されてきた日米関係が、これから徐々に透明化されていくのではないかという期待である。果たして日米関係は情報公開化、透明化されていくのであろうか。
  この点について10日の朝日新聞社説は次のように書いている。
  「米国の駐日大使が野党の民主党本部を訪ね、対テロ活動で協力を要請する。(小沢)代表は大使に向かって米国の政策を公然と批判する。その模様はすべてメディアに公開されるーこれまでなら想像もできなかった事である・・・」
  なぜこのような公開外交ができたか。それは日本政府や外務省が関与しなかったからである。米国政府が直接に野党と接触し、野党の党首が国民の前で外交をしてみせたからである。
  もちろん小沢代表の行動の裏には政治的パフォーマンスの要素はある。またそれに応じた米国には、この程度の情報公開は問題ないという読みはある。米国と言えども秘密にしたい事は隠すに違いない。
  しかし、この小沢・シーファー外交の重要な事は、「外交は相手国のあることであり公表出来ない」と言って、すべてを秘密にしてきた日本政府、外務省のこれまでの秘密主義の化けの皮がはがれたということである。
  米国にとって今最も重要な事は、アフガン、イラク戦争に対する日本の補給援助を繋ぎとめることである。だからその目的を達成するためには、「機密情報でもどのような情報であれ、提供する準備がある」とまでシーファー大使は公言した。この発言は重要な意味を持つ。なぜなら、これまで政府・外務省は国会で野党から散々質問されても、一切を黒塗りでつぶして情報提供を頑なに拒んできた。それがあっさりと米国側から提供されることになるのだ。米国が公開してもよいと判断すれば、日本政府や外務省を相手にしなくても米国側から情報提供を受けることができるようになるかもしれないのだ。それはあたかも日米関係の様々な密約の存在が、米国の公文書館の資料公開によって明るみになったという過去の例を想起させる。
  偶然にも10日の毎日新聞「発信箱」において、欧州総局の町田幸彦記者が、先月発表された英国下院国防委員会の「アフガニスタンでの英国の活動」報告書の内容を明らかにしている。そして、その報告書の内容について、「派兵の使命を欧州諸国は復興、米国はテロ戦争の一環とみて、見解の相違がある」、「タリバンは平穏だった北部、西部、首都にまで攻撃を拡大している」、「世界の9割を占めるアフガンのアヘン耕地面積は05年から06年に1・5倍に増え、国土の荒廃ぶり(が見られる)」などと、紹介し、町田記者は、「これがテロ特措法が支えようとした舞台の姿」であると糾弾している。
  重要な事は情報公開である。そしてその情報公開は、なにも日本政府や外務省に頼らなくても、少しばかり努力をすれば野党でも、いや我々一般市民でも、相手国政府や海外の公開情報を入手することにより、可能になるのだ。そのことによって、日本政府や外務省の嘘や無能ぶりを明らかにできるのだ。
  小沢代表は、「国連決議のない米国の戦争を支援するわけにはいかない」、と繰り返す。しかし小沢代表は次にはこのように言うべきである。「事実を知れば知るほど、「米国の戦争にこれ以上協力することは、効果がないばかりかアフガンやイランの安定と復興に役立たないと判断せざるを得ない」と。

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