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2007年04月05日

89歳の国民に「私はみなしごや」と言わせるこの国の政治

89歳の国民に「私はみなしごや」と言わせるこの国の政治

 4月4日の毎日新聞「記者の目」に泉谷由梨子という若い記者の素晴らしい記事があった。過疎高齢化地域である能登半島の地震被災の惨状を活写した記事だ。過疎が極端に進み、8人中6人が高齢者という「限界集落」を昨年から取材し続けていたという彼女は、「昔は大雨の時も助け合って増水を防いだが、年取ったものばかりでは・・・」という住民の声を聞き、大災害でもあったらひとたまりもない、と思っていたという。その危惧が現実になったのだ。

 この記事で衝撃的なのは、高齢者被災者の現状である。彼女は書いている。

避難所にいるのは、ほとんどがお年寄り・・・以前取材で知り合った一人暮らしの河合としさん(89歳)。声をかけても反応が無い。補聴器をなくし『何もわからない』としょうすいしきった様子だった・・・全壊した自宅を初めて見た河合さんは、さらに落ち込んだ。『私はみなしごや・・・』

 この国の天災はまちがいなく人災であると思う。官僚の手にゆだねられている行政は目の前の問題に手をうとうとしないのだ。何をしたら良いのか分からないのだ。その官僚を使う立場にある政治が政治指導力をまったく発揮できていないのだ。

 高齢化地域の問題がわかっていながら放置してきた政治、天災が起きるたびに被災者が放置され続ける政治、それよりもなによりも、人生を生き抜き、せめて人生の末期を安穏に過ごしたいと願う老人にかくも残酷な政治。いったい日本という国の政治はどうなっているのか。

 与党も野党も政争に明け暮れている場合ではない。国民のための政治を命がけで行うべきではないか。安倍首相や塩崎官房長のすまし顔をみるにつけ、これら二世議員の国民との意識のずれに腹が立つ。こういう甘やかされた人間が政治指導者に居座っている限り、この国の政治は弱者の痛みが分かる政治には絶対にならないと思う。

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2007年04月05日

みせかけの電話首脳会談

みせかけの電話首脳会談

 4月4日、5日の各紙は、ブッシュ大統領と安倍首相の首脳電話会談の事を一斉に報じている。しかしこの報道ほど無意味なものはない。

 その理由の一つは、どの新聞を読んでも電話会談の内容を正確に伝えるものがないからである。それはそうだろう。新聞記者が首脳電話会談を傍聴できるわけがない。盗聴もできない。だから新聞が報じる内容はすべて外務省広報の説明をそのまま記事にするしかない。だからいずれも同じ内容の政府広報記事になる。外務省幹部に親密な個人的関係を築いている記者がせいぜい断片的な情報をもらって少しばかり気の利いたこぼれ話を書く程度だ。それとても外務省幹部は本当の事を話すとは限らない。新聞記者に「ここだけの話だ」と勿体をつけて、都合の良い話を新聞に書かせようと意図することも多い。

 二つ目の理由はわずか15分の電話会談で従軍慰安婦問題のような機微な問題についてどれほど説明できるかということだ。しかも安倍首相は英語でブッシュ大統領と話せない。すべて通訳を通して話すしかない。笑ってしまうのは、従軍慰安婦問題のほかにも、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議への対応や、7月末に期限が切れるイラク復興支援特別措置法を2年間延長する改正案を提出したことなどについても意見交換をしたという。それらをわずか15分の電話会談で行ったというのだ。しかも通訳を通じて。それに対するブッシュ大統領の答えはどうだったのか。そもそも答える時間があったのか。ブッシュ大統領は牛肉輸入問題を持ち出さなかったのか。誰もが抱くこんな常識的な疑問を新聞記者は誰も書かない。

 今回の電話首脳会談は、いつも外務省が使う国内対策パフォーマンスだ。「安倍首相もブッシュ大統領と直接電話で話せる間柄だ、慰安婦問題については安倍首相みずからブッシュ大統領に直接説明し、ブッシュ大統領もこれに理解を示した」という首脳外交振りを日本の国民に宣伝することが目的であったのだ。「私の発言が正しく伝えられていないので、念のため大統領に私の真意を伝えた」(安倍首相)、「大統領は首相の真意を十分理解されたのではないか」(塩崎官房長官)(4月5日毎日新聞)と首脳は宣伝する。それは本当か?我々はもうすぐ安倍総理訪米で、それを知る事になる。

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