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2007年02月08日

秘密交渉を暴くことこそ報道の醍醐味である

 秘密交渉を暴くことこそ報道の醍醐味である

 下世話なゴシップから高度な政治交渉まで、およそ人間の営みの中で秘密を暴くことほど面白いものはない。その中でも秘密外交の実態を知ることほど興奮することはない。秘密交渉を暴いた最近の二つの新聞記事を私は高く評価する。

 2月8日の朝日新聞は一面トップで、米朝が原子炉停止と引き換えにエネルギー・人道支援を行うことで覚書まで交わしていたという事実をスクープした。米朝二国間の妥協についてはこれまでも色々推測記事が流されてきたが覚書まで交わしていたとは知らなかった。もしこれが事実ならば今日から始まる6カ国協議は茶番である。大騒ぎしてこれから流される報道は無意味だ。我々が注目すべきはただひとつ、この朝日の報道通りに6カ国協議の合意が実現するかということだ。そして、日本はそれを事前に知らされていたのか、その場合はどう対応したかということである。もし知らされていなかったとしたら日本は相手にされていなかったということになる。もし事前に知らされていてそれを受け入れたのならば、またしても対米従属外交を繰り返したことになる。安倍首相の北朝鮮外交は嘘であったことになる。拉致家族は裏切られた事になる。国会で徹底的に検証されなければならない。

 もう一つの記事はイスラエルとシリアの秘密和平交渉に関するスクープである。中東情勢になじみのない読者にとっては興味がないかもしれないが、このイスラエルとシリアの秘密和平交渉は大きな意味を持つ。中東政治においては権力者は自らの権力維持のために国民までも平気で裏切るという国際政治の非道さ、残酷さを象徴する大きな秘密交渉であるからだ。

 2月7日の読売新聞はエルサレム発三井美奈特派員の記事として、イスラエルの元駐トルコ大使であったアロン・リエル氏との独占インタビュー記事をのせている。その中でリエル氏は、敵対関係にあるはずのシリアとイスラエルが2年間にわたって極秘の和平交渉を重ねていたことを認めたというのだ。読売新聞が伝えるスクープの概要は次の通りである。

 ・・・米国からの民主化圧力で孤立を深めていたシリアのアサド政権は2004年1月にトルコの首相にイスラエルとの交渉仲介を求めた。それをトルコの政府高官から聞いたリエル大使(当時)は本国政府に打診し、スイス政府の仲介で非公式交渉を開始した・・・シリア側の代表は米国在住の元大学教授でアサド大統領に近い人物であるという。会談は04年9月から始まり昨年7月のイスラエルのレバノン攻撃で中断されるまで断続的に7-8回行われた。場所は主にスイスのホテルであるというが、なんとシリア代表団がイスラエルに入って外務省高官と会談したこともあったという・・・

 ・・・その内容はシリア側がゴラン高原の返還(67年の第三次中東戦争でイスラエルが占領して以来今日に至っている)を強く求め、イスラエルがそれに応じて「高原を公園化して非武装化しイスラエルの出入りを認める」ということでほぼ纏まりかけていた。それが昨年7月のイスラエルとヒズボラの交戦で中断された・・・

 ・・・リエル氏によると、シリア側は「アサド政権が倒れれば米、イスラエル両国にとって一層悪い政権ができる」と言ってイスラム原理主義組織の台頭を仄めかし、イスラエル、米国を脅していたという。シリア代表の知人である米国人研究者が毎回出席し覚書を作成していたので、ブッシュ政権がこの米国人を通じて秘密交渉を認めていたのではないかと三井特派員は書いている。

 かつて私がレバノン駐在の大使であった時、すべてのレバノン人が私に言っていたことは、「中東で起きるあらゆる事件の背後にはイスラエルと米国がいる」ということであった。あらゆる暗殺も、あの9・11事件までも、すべてはイスラエルと米国の陰謀であると信じて疑わないレバノン人は多い。それが真実かどうかは永久に証明されることはないであろう。しかし少なくともこの秘密交渉は、シリアのアサド政権はパレスチナ人の解放のとパレスチナやシリアの非占領地奪還に闘っていること、そのために国民も犠牲を受け入れる、というシリア国民の思いを裏切ることになる。そうなのである。中東ではすべての支配者が腐敗している。国民の犠牲の下に自らの生き残りのために米国やイスラエルとひそかに手を結ぶ、そういう裏切りが繰り返されてきたのだ。我々は権力者が繰り返す邪悪に騙され、踊らされているのだ。その一端が間欠泉のようにメディアのスクープによって噴出するのである。


Media’s Most Important Mission Is Exposing the Secret Diplomacy

In recent Japanese papers scooped two secret diplomacies. Asahi Shinbun of today(Feb 8) reported on its front page that memorandum was signed on US-North Korean agreement of simultaneous implementation of suspending operation of nuclear furnace on the side of North Korea and extending energy and humanitarian aides to North Korea on the side of 5 members of 6 party consultations. If this report is true the consultation which starts today is nothing but the ceremonial ones. Japan, which asks North Korea to return the abductees first, alone will be put in an embarrassing situation when all the remaining members agree to give aides to North Korea.

Yomiuri Shinbun of Feb 7 reported another important secret diplomacy. Mis. Mina Mitsui, Yomiuri correspondent in Middle East interviewed the former Israeli ambassador in Turk and reported his confession that he has been engaged in the secrete peace negotiation with Syria .

Syrian people have been taught that Syrian Government fights against Israeli for the cause of the liberation of Palestinian people and the occupied territory of Palestine and Syria. Syrian Government forces their people to die for that cause. But in reality Syrian Government secretly compromised with Israel for the sake of protecting its regime. People are always victimized by dictatorship.

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2007年02月08日

閑話休題 外務省OBの言論がつまらない理由

閑話休題 外務省OBの言論がつまらない理由

 外務次官や駐米大使を経験したいわゆる外交のプロたちが、外務省を離れた後にろくな言論活動ができないのはなぜだろう。自由になった今こそ外交官として培った知見を国民に還元して世のために貢献できる鋭い発言をすればよいのに。そう考える人は多いと思う。しかし現実には世間に評価される発言が出来るOBは皆無といってよい。政府が主催するセミナーやシンポジウムに出席してみたり、政府関係の審議会や委員会に名を連ねたりはするが、一般国民に訴え、共感を得るような解説者や評論家に転身した外務省OBを私は知らない。

 なぜか。それは一つには彼ら自身に内容がないからであり、もう一つは彼らがいつまでたっても政府や外務省と決別できないからである。

 彼らが外務省で要職につけたのは立派な外交を行ったからではない。時の政権に擦り寄って出世競争を勝ち抜いたためである。そんな彼らに語るべき外交論はない。しかも権力組織の中枢にいる官僚にとって仕事は向こうからやってくる。その仕事は権力を擁護するという単純かつ受動的なものだ。そしてその仕事に必要な情報や予算は自らの努力なしに国家予算の分捕り合戦で転がり込んでくる。こんな状況下に甘やかされて何十年も過ごしていれば人間がだめになるのは当たり前だ。

 外務省を辞めた後も外務省の庇護をうけて外務省の代弁者に甘んじたり、政府から与えられる審議会や御用ポストに名誉職を得て発言するOBが何人かいる。彼らは時々NHKなどのメディアに呼ばれ、おためごかしの話しをしてお茶を濁す。しかしやがて彼らは忘れ去られていく。まったく話しに内容がないからだ。面白くないからだ。

 かつての同期であった田中均が時々マスコミにでるようになった。私は彼の言動に注目している。彼は私と違って外務省の中で要職を歩きマスコミの注目を集めてきた男だ。最後は小泉訪朝のお膳立てをし、その後は拉致問題で連日メディアに追われた。その田中は、しかし同期の谷内正太郎との次官競争に破れ自らの意思で外務省を飛び出して評論活動を始めた。果たして彼は第二の人生を外務省と決別し、本音で勝負しようとしているのだろうか。

 残念ながらまだ田中はその覚悟が出来ていないようだ。日本国際交流センターのシニアフェローとか東大客員教授の肩書きは聞こえはよい。しかし彼がこれまでに行ってきた論評はあまりにも空疎である。すべてに中途半端なのである。私のように政府や外務省と対決している訳ではないから、その言動は政府や外務省に批判的になりきれない。ましてや仕事や情報は今でも政府や外務省に頼らざるを得ないとみえて彼らに厳しい言論はできないようだ。しかしこれからも政府や外務省の代弁をするような言動を続けるとやがて行き詰まるであろう

 外交評論家田中均に期待をかけたのか、あるいは気の毒に思ったのか、朝日新聞がコラム「時流自論」で彼をレギュラーの執筆者の一人として今年に入って使っている。しかしその言説は相変わらず中途半端だ。2月5日のコラムで田中均は「東アジア・日本・説明責任」というタイトルで書いていた。いくら読んでも言いたいことが伝わってこないのだ。東アジアの協力は重要だが体制がさまざまで容易ではないとか、最近の日本は説明責任がなくなりつつあると嘆く一方で、地方を訪れると日本の自然の美しさに感動するとほめる。安倍政権の「戦後体制の終焉」に賛同してみせるがそれを構築していく為には説明責任が求められると批判的な事を言ってみたりする。要するに何が言いたいのかさっぱりわからないのだ。田中君、政府や外務省から決別し、思う存分自分の考えをぶつけて生きてみよ。第二の人生を自分ひとりの力で切り開いてみろ。そんな君に私は心からエールを送りたい。

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2007年02月08日

平和運動は左翼や護憲政党の独占物ではない

 平和運動は左翼や護憲政党の独占物ではない

 イラク戦争に反対して外務省をクビになった私は、その後3年余りの日々を、俄か平和主義者、俄か護憲論者よろしく、求められるままに全国を講演でかけめぐってきた。そのおかげで今の私はもはや俄か平和主義者や俄か護憲論者を卒業して最強の反戦の闘士、改憲反対論者となった。「武力では平和は実現できない」と確信し、また「戦争国家米国に対抗する最強の砦である憲法9条を一字たりとも変えてはならない」と断言できるようになった。平和と戦争に関する考えの定まらなかった私が、最後にたどりついた結論である。誰がどのような議論を挑んで来てももう変わることはない。

 そんな私がどうしても違和感をぬぐえないのは、いわゆる護憲政党や政治家が、反戦や護憲を自らの専売特許として独占し、自己や組織の生き残りの為に利用しようとしているのではないかという思いにかられることである。何故彼らは、9条を守るという喫緊かつ最大の政治目標を前にして、いまだに団結できないのか。すべての違いやいさかいをおいて、憲法9条の下に結束できないのか。

 そんな私の思いを、ジャーナリスト萩原遼が2月6日の東京新聞「試される憲法」で見事に代弁してくれている。彼は赤旗の平壌特派員として勤務していた時スパイ容疑で強制送還され、その後フリージャーナリストとなって日朝関係について発言してきた人である。2年前には「党を批判した」として日本共産党から除籍されたという。その彼を誉める私のこのブログは共産党員からは評判が悪いだろう。しかし私はそう思うのである。私が正しいと思った事、ただそれを書き続けるだけだ。

 萩原はこう書いている。

 

・・・問題は改憲反対の共産党と社民党が改憲促進の口実に使われている北朝鮮寄りであるということです。二つの党とも、北朝鮮の挑発行為が改憲勢力や米国に利用されている現状を直視しなければならない・・・改憲阻止は左翼の専売特許ではない。戦争に反対する人、9条を守ろうとする人は、右の人でも少なくない。改憲を阻止するためにも、北朝鮮に対して「核やミサイルによる挑発冒険主義をやめろ」ときっぱりと言うこと。右の人とも手を取り、改憲阻止の一点で大同団結し、運動を展開することです・・・・

 この正論を否定できるものがいるだろうか。しかしこのような自明な事でさえいつまでたっても実現されないのが今の政治の現状である。護憲・平和を看板にしている共産党と社民党の近親憎悪を見よ。民主党と共産党の批判合戦を見よ。最近の日本共産党に至っては、自らを「唯一の野党」と自画自賛して他の野党との選挙協力や国会での審議協力を拒んでいる。あたかも自民党の助っ人ではないかと思わせる振る舞いをしている。とうとう2月6日の産経新聞「政論」で「民主党がグズグズしている今こそ共産党の独自色を発揮するチャンスである」などとほめ殺しをされ、野党分断をそそのかされる始末だ。与党も野党も国民を「票を産む機械」としか見ていないに違いない。政党離れは当然の動きである。


Why Politically Independent People Increased So Rapidly In Japan?

Quite an unusual phenomenon is observed in recent Japanese political climate these days. Abe Regime has been consistently dropping its popularity since it started only 4 months ago and now the number of disapproval exceeds that of approval. Strangely enough, however, none of the opposition parties seems to take advantage of the loss of Abe’s popularity. They also dropped popularity. In contrast to this the number of people who are disappointed with any of the existing political parties increased so quickly and at last the figure of the Independent outnumbered that of the people who support LDP, most popular party.It has been said that if peace loving parties, i.e. the Communist Party and the Social Democratic Party unite together and set up a new third Party many of independent people who are not satisfied either with LDP or with Democratic Party will support such a new party. But in reality the Communist Party and the Social Democratic Party will never unite. They rather compete each other for winning the championship of peace loving party.

This coming July the general election of the Upper House will be scheduled and both government parties and the opposition parties are so desperate to attract those independent people’s votes by inviting well known talents or celebrities to run for their parties.

Despite of all those efforts of existing political parties the figure of Independent people does not seem to decrease. They are waiting for a new political party which can well absorb the frustration now boiling among people of Japan.

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